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「天下り」は退職後に受け取る賄賂(わいろ)

 

 警察官僚が交通信号機メンテナンス会社に天下り、警察が随意契約で多額の業務を請け負わせていたことが発覚しました。大蔵省、日銀の接待汚職はまさしく氷山の一角です。公立小中学校の教師の猥褻破廉恥無責任ぶりも珍しいニュースではなくなってしまいました。先日も教員住宅でテレクラをした25歳の小学校教師が逮捕されました。地方公務員のヤミ給与、地方財政の破綻など、公務員の不正腐敗は止まるところを知りません。思うに採用の方法が根本的に間違っているのだと思います。

 今まで新聞で伝えられる中国の公務員のすさまじい腐敗ぶり、悪徳ぶりを聞き、中国は近代国家ではないとか、法治国家ではないなどと思っていましたが、本質的には日本の公務員も全く変わらないと思いました。

 もう一つ大きな問題は「天下り」です。天下りは賄賂です。在職中に受け取らず、退職後に受け取る賄賂です。天下りを受け入れる方は、天下りを受け入れた方が仕事がやりやすいからと言うよりも、天下りを受け入れないと円滑に仕事ができなくなるのでやむを得ずというのが実態です。接待をしないと仕事にならないのと一緒です。なぜなら天下りを受け入れないと必要な情報が入ってこないのです。日本の役所では情報の開示がルール化されていません。役所の裁量でどうにでもなります。彼らはその情報を天下りを確保するための材料にしているのです。天下りを受け入れないと、天下りを受け入れているライバルに遅れを取ってしまうのです。こうして官僚は寄生虫のように企業に巣くい、企業を食い物にしてますます繁殖していくのです。このような状態を放置すれば、民間の活力が失われていきます。

平成10年4月16日     ご意見・ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      H目次へ