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10万円給付制度、児童手当制度の所得制限に見る、不当な差別 −専業主婦(準専業主婦)への敵意(悪意)(その7)

 11月10日の読売新聞は、「18歳以下への『
10万円給付』、自公が所得制限960万円で合意」という見出しで、次の様に報じていました。
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18歳以下への「10万円給付」、自公が所得制限960万円で合意
2021/11/10 12:41 読売

 岸田首相(自民党総裁)は10日午前、公明党の山口代表と首相官邸で会談し、18歳以下への
10万円相当の給付について、所得制限を設ける方針で一致した。夫婦と子ども2人のモデル世帯では、年収960万円以上の高所得層を対象から外すことで、バラマキ批判に配慮した。

 18歳以下への10万円相当の給付は、年内をめどに現金5万円を先行給付し、来春までに残る5万円を子育て関連に使途を限定したクーポンで配布することで自公が合意している。自民が所得制限の導入を求め、一律給付を主張する公明との間で調整が続いていた。

 
所得制限は、児童手当と同じ仕組みで、夫婦共働きの場合は年収の多い方で判定する。扶養家族の人数によって金額は増減する。政府によると、給付対象から外れる世帯は全体の1割程度となる。既存の所得制限の仕組みを活用することで迅速な給付が可能になると見込む。ただ、児童手当は中学生までが対象のため、中学卒業から18歳までの子ども・若者がいる世帯への給付作業が課題になるとの指摘もある。

 会談では、マイナンバーカードの新規取得者などにポイントを付与する事業について、最大2万円分を段階的に付与することも確認した。公明は3万円相当のポイント付与を求めていた。自公は、住民税非課税世帯に、これとは別に現金10万円を給付することでも合意している。

 政府は、両党が合意した内容を19日にまとめる経済対策に盛り込む方針だ。
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 「
夫婦共働きの場合は年収の多い方で判定」とありますが、なぜ夫婦合算ではないのでしょうか。子供にとっては父母はどちらも親権者であり扶養義務者です。共働き夫婦の片方のみで判定する理由が分かりません。普段耳する「夫婦(男女)平等」のかけ声とは相容れない制度のように見受けられます。

 この考え方で行くと、夫の年収
900万円、妻も900万円、合計1800万円の場合は10万円給付の対象となり、夫1000万円、妻300万円、合計1300万円の場合は対象外となりますが、こんな馬鹿な話があるのでしょうか。

 
児童手当と同じとありますが、非常にバカげた問題のある制度だと思います。考えられる理由・目的としては、夫が高収入の専業主婦(準専業主婦)の世帯を狙い撃ちで除外することしかないと思います。反対に恩恵の対象になるのは、「夫婦揃って公務員」のような世帯でしょうか。
 共働き夫婦は、保育園、学童保育などで、既に
多額の公費による支援を受けているわけですから、発想が逆ではないでしょうか。

 今回の自民党と公明党の合意について、
日本維新の会の馬場幹事長は、「所得制限を設けることで、どういう政策効果が得られるのかわからない。見方によっては選挙のお礼をしているようにも見えるし、子どものための給付なのか、非常に疑問符がつく状態だ」と批判していますが、問題なのは「所得制限そのもの」ではなく、その内容・方法であると思います。

令和3年11月10日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ