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戦時下のウクライナが教える、男女(夫婦・父母)の「役割分担」否定の大いなる欺瞞

 3月14日のNHKテレビニュースは、「『避難女性の精神的負担 非常に大きい』ウクライナ支援NGO」というタイトルで、次の様に報じていました。
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「避難女性の精神的負担 非常に大きい」ウクライナ支援NGO
2022年3月14日 20時25分 NHK

 ウクライナから165万人余りの避難者を受け入れているポーランドで、支援に取り組んでいる東京のNGOのスタッフが、オンラインでNHKのインタビューに応じ「
成人男性の出国が制限される中、家族を連れて避難している女性たちの負担が非常に大きい」として、長期的な支援の必要性を訴えました。

 UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシアによる軍事侵攻を受けて、ウクライナから国外に避難した人は、12日の時点で269万人に上り、このうちおよそ6割に当たる165万人余りは隣国のポーランドに避難しています。

 東京 品川区のNGO「難民を助ける会」のスタッフで、ポーランドで支援活動に当たっている中坪央暁さんが14日、NHKのオンラインインタビューに応じ、「
避難した人の大半が女性や子ども、お年寄りで、出国が制限されている成人男性の姿が全く見えないというのが今回の特徴だ。避難は家族が引き裂かれる非常に過酷な選択で、女性たちの精神的な負担は非常に大きい」と指摘しました。

(以下余白)
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 避難しているのは、ほとんどが女性と子どもと高齢者です。60歳未満の成人男性の出国は禁じられているとのことです。理由は兵士として国防の任務に当たるためです。

 ウクライナ政府の対応は国難に当たって、当然の対応ですが、これは明白な
「男女(夫婦・父母)の役割分担」です。戦場で敵と戦うのは男の役割銃後子どもの世話をするのは母親の役割ということです。

 日頃、社会や家庭内などあらゆる場面に於いて、
男女(夫婦・父母)の役割分担敵視・罪悪視して、分担の生き方をする者を攻撃して止まない人達が、この明白な役割分担の現実を前にして、何も言わずに沈黙しているのはなぜでしょう。

 確かに今のウクライナの中で、女性の中にも銃を取って戦うという人達もいます。それはそれで尊い生き方であるとは思いますが、だから全員がそうすべきだと言うことにはなりませんし、好ましくない一面がある事は否定出来ません。現に彼女達もそういう主張はしていないようです。

 この記事では「女性たちの精神的な負担は非常に大きい」と、
女性に焦点を当てた指摘をしていますが、ではどうすれば良いのでしょうか。「父母が揃って子どもを連れて避難する」、「揃って子どもと共に住居に止まり避難はしない」、「父親が子どもを連れて避難し、母親は家に止まる」は、どれもあり得ない選択肢です。

 文字通りの国家の非常事態で、「女性達の精神的負担云々・・・」と言う
女性に視点を絞った指摘はかなりピントの外れた指摘だと思います。この明白な役割分担の現実を前にして、NPOとしてはそれを否定する事は出来ないが、黙っているわけにはいかず、ピント外れであっても一言何かを言わずにはいられなかった、と言う所なのでしょうか。

令和4年3月19日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ