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明白な少子化対策破綻の現実を前に、責任を負うべき人達が口を噤んでいる日本社会の闇
11月16日の読売新聞は、「保育所、進む「定員割れ」…待機児童解消へ施設増、少子化加速・コロナ禍の預け控えで利用減」と言う見出しで、次の様に報じていました。
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保育所、進む「定員割れ」…待機児童解消へ施設増、少子化加速・コロナ禍の預け控えで利用減
2022/11/16 06:00 読売
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保育所などの保育施設の増設により、待機児童が全国で約3000人まで減少する中、各地で「定員割れ」が目立ち始めた。少子化の加速やコロナ禍での預け控えで利用児童が減っているためだ。国も対策に乗り出し、拡充が主眼だった保育施策は転換期を迎えつつある。特定地域で受け皿が不足する「ニーズの偏在」も課題となっており、国や自治体は難しいかじ取りを迫られている。(川崎陽子)
国は2013年度以降、施設整備費の補助や認可対象の拡大などで受け皿を拡充してきた。厚生労働省によると、同年に約2万4000か所だった保育施設は、今春には約3万9000か所に増加。その効果でピークの17年に2万6081人だった待機児童は、今年4月1日時点で2944人と9割近く減少した。
そんな中、全国の利用児童は今春、初めて減少に転じた。子どもの出生数が6年連続で過去最少を更新するなど、国の想定を上回るペースで進む少子化やコロナ禍での預け控えが要因だ。
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この影響で増えているのが施設の「定員割れ」だ。保育施設には、保育所や認定こども園、園児が原則6〜19人の小規模保育事業、原則5人以下の家庭的保育事業などがあり、自治体の認可を受けるには保育士の人数など基準を満たす必要がある。
今春、全国の施設の定員は約304万人。これに対し、利用児童は約273万人。その差は31万人余りに上る。
(以下略)
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保育所の大増設に代表される「子育て支援」は、1989年の出生率1.57ショック以来、少子化対策の柱として多額の予算を投じて実施されてきたものです。
「子どもの出生数が6年連続で過去最少を更新するなど、国の想定を上回るペースで進む少子化」という現実は、明白な少子化対策の破綻です。
ところがこの記事を書いた新聞社を始め、厚労省以下の官民の推進責任者(論説委員、高級(給)官僚、大学教授等)は誰一人として、破綻(大失敗)の責任を認めようとはしていません。それどころか破綻に言及することさえ避けて口を噤み、知らん顔をして、子育て支援を中止・縮小するどころか、更に拡大しようとしています。
これは国家・社会の健全な姿でしょうか。
旧統一教会問題は、日本社会の闇をさらけ出しましたが、少子化対策の破綻と加速する少子化の現実は、日本の闇はそれだけに止まらないという悲惨な現実です。
令和4年11月17日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ