I115
東大の「女性教授300人」と言う“政治的配慮”は「学問の自由」の自殺−

 11月27日のNHKテレビニュースと、11月18日の読売新聞は、それぞれ「東京大学 女性の教授と准教授 約300人採用へ」、「東大、女性教授・准教授300人の採用を正式発表…好待遇で外部から招へいも」と言うタイトルで次の様に報じていました。
------------------------------------------------------------------------------------
東京大学 女性の教授と准教授 約300人採用へ
2022年11月27日 11時33分 NHK

 東京大学は、令和9年度までに
女性教授と准教授、合わせておよそ300人を新たに採用する計画を発表しました。東京大学の女性教員の採用としては、これまでにない規模だということです。

 東京大学は、教員などの
多様性を高めようと令和9年度までに教員全体に占める女性の比率を25%以上とする目標を掲げていますが、ことし5月時点で、およそ16%にとどまっています。

 このため東京大学は、今年度から令和9年度までの6年間で▽女性の
教授141人と▽准教授165人の合わせて306人を新たに採用する計画を発表しました。

 東京大学の女性教員の採用としては、これまでにない規模だということで、大学は「多様な視点を取り入れる意識改革に取り組むとともに、女性研究者のキャリアアップも支援したい」としています。

 女性教員の割合をめぐっては、
OECD=経済協力開発機構がおととし(2020年)加盟国を対象に行った調査で、大学などの高等教育機関で働く教員に占める女性の比率が、平均でおよそ45%だったのに対し、日本はおよそ30%と、世界的にも低い水準にとどまっていて、東京大学のような取り組みがほかの大学にも影響するのか、注目されそうです。
-------------------------------------------------------------------------------------
東大、女性教授・准教授300人の採用を正式発表…好待遇で外部から招へいも
2022/11/18 18:49 読売

 東京大学は
18日、今年度からの6年間で、女性の教授や准教授約300人を新たに採用すると正式発表した。東大の教員(教授・准教授・講師・助教。特任含む)は今年5月現在で4885人で、うち女性は804人16%)。東大は2027年度までに教員の女性比率を25%に引き上げる方針で、新たに教授141人、准教授165人を採用する。女性教員を採用する学部の人件費を支援したり、従来の給与水準を上回る待遇で外部の女性教授を招いたりするという。
------------------------------------------------------------------------------------

 最初にNHKの報道についてですが、
多様性とは、賢い人間ばかりで無く、少し見劣りする人も混ぜて行こうという事でしょうか。1+1=2と答える人だけで無く、1+1=2.5と答える人も必要という事でしょうか。

 選考方法に触れていませんが
多様性を尊ぶなら、既存の選考方法で一定以上の水準に達した人達に対して、最終面接に代えてくじ引きにしてはどうでしょうか。その方がより“多様”な人を採用することが可能ではないかと思います。

 「女性の比率を
25%以上とする目標」としていますが、300人25%6年間の根拠は明確なのでしょうか、それとも“適当”なのでしょうか。

 大学で無く
幼稚園小学校の話だったら、女の先生の確保に努めるのは分かりますが、大学教授で女性にこだわる理由が分かりません。言うまでもないことですが、大学は教授のためにあるのではなく、学生のためにあるのですから、教員の性別にこだわることは理解できません。女子大生には、女性教授がふさわしいとでも言うのでしょうか。

 これは国民の権利・義務に関して
「男女(性別)を問わず」の社会から、「男女別」の社会への大逆走と言う事態です。
 学問の世界は出自
(人種・民族・貧富)政治的配慮に左右されてはならず、それは忌避すべき事であったはずです。全ての国民に完全な機会の均等が保障されている中での、女性への政治的配慮学問の自由に反する愚挙です。

 仮に“多様性”が
必要・有益だとしても、性の違いが“多様性”に結びつく部門は、結局“男女の問題”“女性の関心事”に限られ、それ以外の自然科学の分野など大半の研究分野では、女性を増やしたところで“多様性”には結びつきません。女性を特別扱いして増加させることは、単にピント外れレベルの低下を招来するだけに終わります。

 この問題に限らず、
日本欧米とは大きく異なる部分が少なくありません。欧米が優れているところもあれば、日本が優れているところもあります。しかるにそれらの全てで理由も明らかにする事無く、問答無用欧米に追随することを選択するのであれば、日本に研究者は要りません。ただ通訳・翻訳者がいればそれで十分です。

 読売の記事では、
18日正式発表とされていますが、NHKの報道はそれから9日後の27日の報道になっています。ニュースとして遅すぎるのは何か理由があるのでしょうか。
-------------------------------------------------------------------------------------
 次に読売の記事についてですが、記事にある数字を単純に整理すると下記となりますが、
全教員数では減員を見込んでいるのでしょうか。それとも何か
報じられていないことがあるのでしょうか。

        全教員数     内女性数    女性比率
 今年5月  4,885人      804人   16%

 6年後
   4,440人    1,110人   25% 
    (女性数と比率より逆算) (804+306)

令和4年11月30日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ