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日本を滅ぼす「共働き女性」達の執念 “専業主婦潰し”が少子化を加速させた
6月10日の読売新聞は「[少子化 私のリアル]子育てはお金かかりますか?…妻が「正規」「非正規」で格差」と言う見出しで、次の様に報じていました。
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[少子化 私のリアル]子育てはお金かかりますか?…妻が「正規」「非正規」で格差
2023/06/10 05:00 読売
子育てのリアル
人口急減
専業主婦世帯 支援少なく…大和総研主任研究員 是枝俊悟さん
これえだ・しゅんご 1985年生まれ。社会保険労務士、
ファイナンシャルプランナー。専門は税制や社会保障制度。
働き方と子育てへの関わり方をテーマに、講演や執筆を行う。
2児の父
少子化の背景として、「子育てにお金がかかるから」という声が聞かれる。子育て世帯の家計状況に詳しい大和総研の主任研究員、是枝俊悟さん(37)に聞いた。
元看護師3児ママの「頑張り過ぎない」育児、子どもが生まれた時は「人生が変わるチャンス」
子育て世帯の変化で注目されるのは、共働きが増え、特に若い世代で正規雇用の妻が増えていることだ。以前は夫の収入差が世帯収入差だった。賃金が上がらない中、妻が働いているかどうか、正規雇用か非正規かによって、世帯間の収入格差が開いている。
総務省の家計調査(2022年)を見ると、2人以上の勤労者世帯では、上位20%の世帯の平均月収は102万円で、10年間で約2割増えた。このうち配偶者収入は20万円だ。この層は、学校の授業料や塾代などに子ども1人あたり月約7万円かけており、収入中位群(平均月収55万円)の3倍を超える。
ここ数年、「子育てにお金がかかる」という声をよく聞くが、文部科学省のデータを見ると、学費などはそれほど大きく増えていない。ただ、所得の高い世帯が全体を押し上げており、それに引きずられ、お金をかけたくてもかけられない平均以下の所得の世帯が「子どもを持ちにくい」と感じているのだと思う。
子育て家庭への経済支援は、この10年、育児休業給付金と保育園への運営補助金という形で増えてきた。これらの両立支援を強化した結果、0・7程度だった民間正規雇用の女性の合計特殊出生率が1・1程度まで上がった。今後も両立支援を続ければ、さらに上がる可能性がある。
ただ現状では、働き方や家事・育児の分担に対する女性の不満が大きい。男性の育休取得を進めたり、長時間労働をなくしたりという努力が必要だ。女性の負担を減らし、仕事を続けやすくすれば、子どもをもう1人持つことへの不安も薄らぐのではないか。
夫婦ともに正規雇用で働き続ければ、生涯賃金は計4億〜5億円になり、子育て費用は十分まかなえる。
一方、専業主婦世帯にはもう少し手厚い支援が必要だ。試算によると、子どもが0歳の時から保育園を利用している世帯は、保育園への補助金と育休給付金、児童手当などで、3歳の4月までに計約900万円分の補助を受ける。ところが、専業主婦世帯への補助は、児童手当の60万円だけ。800万円以上の差がある。
専業主婦や夫の扶養の範囲で働くパート女性の出生率は、10年前は2以上だったが、1・7に低下した。自宅で小さい子どもを育てる世帯は、もう1人持つことが難しくなりつつある。
保育園を利用しない分、現金で給付する仕組みがあってもいいのではないか。公費の職業訓練を充実させ、子育てが一段落した後に、女性が正規雇用で再就職できるよう支援することも重要だ。そうすることで世帯収入が増えれば、子育ての経済的負担感を減らすことにつながるだろう。(聞き手・木引美穂)
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少子化対策の実態は子育て支援。子育て支援の実態は共働き支援。共働き支援の実態は専業主婦潰し。
記事には「子どもが0歳の時から保育園を利用している世帯は、保育園への補助金と育休給付金、児童手当などで、3歳の4月までに計約900万円分の補助を受ける。ところが、専業主婦世帯への補助は、児童手当の60万円だけ。800万円以上の差がある」との指摘があります。
今までも児童手当やコロナ対応の10万円給付金の支給に当たって、「夫婦のうち多い方の年収が960万円以上などの場合は支給が制限されたり不支給となるなどの制限が設けられ、根拠のない共働き優遇(専業主婦冷遇)であるとして、批判の声がありましたが、これほど明快に金額を示して「共働き優遇」の不当・不公平を指摘した論説は初めてだと思います。
税制でも夫婦合算では同じ1,000万円の所得でも、専業主婦世帯(夫一人)で1,000万円の場合と、共働き世帯(夫婦合算)で1,000万円の場合では共働き世帯の課税額が大幅に少額であるにもかかわらず、専業主婦世帯の“配偶者控除”には否定的な主張をするなど、“男女共同参画”と“少子化”の大声の陰で、多様な生き方(夫婦役割分担)を白眼視(否定する)する風潮はますます勢いを増しています。
本来夫婦の働き方・役割分担は個人に選択の自由がある筈で、共働きするかしないかは当事者の勝手で、国が特定の方向(夫婦共に正規雇用の共働き)に導こうとするのは誤りです。
また共働きであろうとなかろうと、子どもの養育費(保育園の費用等も)は生活費に含まれます。生活費であれば当然夫婦(子どもの父母)が負担すべきで、生活保護世帯でなければ、共働きに伴う家事(育児)労働の代替費用である保育園の費用等を公的支援の対象とするのは甚だ理不尽です。“働いている”事に対する対価は給料で支払われているのであり、それを得るための家事労働の代替費用(保育園の費用)の公的給付は、共働き世帯に限って子どもの養育費用を公費で負担することになり、正当化出来ません。
共働きの母親を保育園の費用の公的負担で支援するなら、自宅で自分で子育てをする母親にも、当然保育園費用等に相当する子育て支援があるべきです。しかるにそれがないために専業主婦世帯は相対的に経済的に苦境になり、出産が減少したのです。経済的支援に恵まれた共働き世帯がその減少を埋めることにはならず、少子化が加速する結果となったのです。
“少子化対策”の名の下に強力に推進された、一連の公的な“保育園支援”、“子育て有給休暇”は共働きの推奨(間接的な半強制)であり、それが出生率が高かった専業主婦の減少と専業主婦の相対的な経済的劣化と、それによる出生率の減少を招来して、少子化対策としては何の効果も無いだけでなくなく、逆に少子化を加速させる結果となったのです。
このように見てくると、今回自民党が画策している児童手当等の所得制限撤廃の動きは、そうした過去の失政(不正)を糊塗せんとする一面があります。
全ては少子化対策に便乗した、少子化対策とは関係のない専業主婦の否定、夫婦の役割分担の全否定という、“共働き半強制政策”が少子化加速の原因であると言えます。
こうして考えたときに、なぜ専業主婦に対して過酷とも言える偽りの“少子化対策”が長年続いたのでしょうか。まず一番問題なのは、本当は少子化問題は女性(だけ)の問題では無いにもかかわらず、あたかも“女性の問題”であるかのように取り扱われたと言う事です。
少子化対策の議論でものを言うのは“女性官僚”、“女性大学教授”、“女性記者・編集委員”などの、“偏差値”の高い女性“関係者”だけで、彼女らが“絶好のチャンス到来”とばかりにする発言だけが響き渡っていました。そして、当然ですが、そのほとんどは“共働き”の人達で、専業主婦の声が報じられる事はほとんどありませんでした。
この記事では少子化克服の為に専業主婦の家庭に対する経済的支援の強化を訴えていますが、世界には日本より貧しい国が多数存在しますが、必ずしも未婚の増加、少子化に苦しんでいるわけではありません。またかつて敗戦後の日本は昭和22年から24年にかけて、経済の大混乱の中で空前のベビーブームを迎えました。経済事情が影響することは否定出来ないとしても、少子化の根本的な原因は経済とは別の所にあると思います。一番大きな原因は“社会の劣化”であり、それは男女(夫婦・父母)の役割分担の否定、男らしさ女らしさの全面否定(人間らしさの喪失)がその象徴的な現象です。
今の日本社会では「文学」は全く存在感を失っています。映画・音楽もその後に続いています。男らしさと女らしさ、男女の役割分担を完全に否定したら、文学も、映画も、テレビドラマも存在し得ないのです。そういう社会を歓迎するのは偏差値が高い(しかし女性らしさを欠く)女性達だけです。
20世紀は社会主義・共産主義思想が急速に蔓延し、猛威を振るい、やがて急速に消滅した世紀でした。21世紀は男女の役割分担の否定、男らしさ女らしさの全面否定思想が急速に蔓延してやがて消滅する世紀になるでしょう。それにどれぐらいの年数が費やされるかは分かりませんが、長ければ長いほどその傷は深く、深刻な後遺症が残ることが憂慮されます。
令和5年6月11日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ