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共働きの増加と、未婚の増加・学校でのいじめの増加などの社会の劣化は並行して推移した -自分たちの主張に都合の良い事例だけを選んで長々しく報道するNHK-

 7月31日のNHKテレビニュースは、「企業の女性管理職の割合12.7% 厚労省『国際的には低い水準』」と言うタイトルで、次の様に報じていました。

茶色字は記事、黒字は安藤の意見)
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企業の女性管理職の割合12.7% 厚労省「国際的には低い水準」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230731/k10014148061000.html
2023年7月31日 20時09分  NHK

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 男女の働き方について
厚生労働省が行った調査で、企業の課長級以上の管理職に占める女性の割合は昨年度12.7%で、現在の方法で調査を始めて以来、最も高くなりましたが、前の年に比べて0.4ポイントの上昇にとどまりました。厚生労働省は「国際的にみれば低い水準で今後も長期的な取り組みが必要だ」としています。

 
全てに単純に「国際的」に従うのは、民意に反することを辞さないという事に繋がりますが、それが主権国家民主主義国家として正しい判断でしょうか。そんな事はありません。“国際的”に従うだけなら、通訳翻訳者」が居ればそれだけで用が足ります。そういう判断をする単細胞官僚は即刻クビにするべきです。

 調査は去年10月時点で、従業員が10人以上いる全国の企業6000社を対象に行い、3000社余りから回答がありました。

 それによりますと、
課長級以上管理職に占める女性の割合12.7%と、前の年を0.4ポイント上回りました。

 現在の方法で調査を始めた平成21年度以来、わずかな増減はあるものの全体として増加傾向にあり、今回、最も高くなりましたが、
13年前から2.5ポイントの上昇にとどまっています。
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 企業の規模別に見ると、10人以上30人未満の企業は21.3%と最も高かった一方で、300人以上1000人未満の企業は6.2%、1000人以上5000人未満の企業は7.2%、5000人以上の企業では8.2%となっていて、規模が大きい企業の方が女性管理職の割合が少ない傾向となっています。
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女性管理職の割合を産業別に見ると、高い順に医療・福祉が53%、生活関連サービス・娯楽業が24.6%、宿泊業、飲食サービス業が17.5%となっています。

一方で、割合が低いのは順に電気・ガス・水道業が4.1%、製造業と鉱業・採石業・砂利採取業がともに8%、建設業が8.7%などとなっています。

 
細かい調査結果をくどくどと報じていますが、そもそも企業の業種、実態・実情にかかわらず、一律に女性管理職目標割合を設定して、問答無用の目標達成を迫るのは、一体どんな理由・利益があるのでしょうか。百害あって一利無しとまで言わなくても、害が利益を大きく上回るというのは間違いが無いところでしょう。時間お金圧力を掛けてこの結果という現実を頭を冷やして考えるべきです。

 厚生労働省は「女性管理職の割合は国際的に見れば
G7では最下位で低い水準だ。企業には男女の賃金格差公表を求めるなど政策を進めているが今後も長期的な取り組みが必要だ」としています。

女性管理職の割合 国際的に見て低い水準
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日本の女性管理職の割合は
国際的に見て低い水準にあります。

労働政策研究・研修機構がことし3月に公表した「
国際労働比較」によりますと、管理職に占める女性の割合は日本は13.2%となっています。

これに対し各国は高い順に、
フィリピンは53%
スウェーデンは43%
アメリカは41.4%
オーストラリアは40%
シンガポールは38.1%
フランスは37.8%
イギリスは36.5%
ドイツは29.2%
イタリア28.6%
マレーシアは24.9%
韓国は16.3%
となっています。

政府の「女性版骨太の方針」
政府がことし6月にまとめた女性活躍と男女共同参画の重点方針「女性版
骨太の方針」では、企業の女性登用の現状について「国際的に大きく立ち遅れている」として「日本経済の今後の成長のためにも企業における女性登用を加速化させることは喫緊の課題だ」と明記しています。

 
オリンピックではないのですから、国際的な順位こだわるのは愚劣極まります。日本の実情と民意に忠実であるべきです。

 そのうえで、今後の女性登用の拡大に向けた政策については、東京証券取引所の
最上位「プライム市場」に上場する企業の役員について2025年をめどに女性1人以上を選ぶよう努め、2030年までには女性の比率を30%以上にすること目指すとしています。

 
どうして「『プライム市場』に上場する企業の役員」だけなのでしょうか。女性に人気の無い職種は無視する理由が分かりません。「女性には権利だけあって義務はない」の典型のように見受けられます。30%の根拠を誰か説明して下さい。
 
“男女の能力差がない”と言う現実にありもしないことを無言で(当然であるかのように)前提とし、希望者の多寡を無視した性別役員人事は機会均等の原則に反し、企業にとっても社会にとっても有害以外の何ものでもありません。

 また、現在、301人以上の従業員がいる企業に男女間の賃金格差の
情報開示を義務づけていますが、対象を101人以上の企業に拡大することについて検討を進めるとしています。

 
賃金は労働の対価ですから、その(労働の)違いを無視したデータの開示は、誤解を招くフェイク・データです。役所は国民を誤解に誘導する事を意図しているとしか考えられません。
 それからなぜ
中小・零細企業を除外するのでしようか。この運動に関与している女性達には、中小・零細企業は関心が無いからと言う所でしょうか。

 厚生労働省によりますと、賃金格差の最も大きな要因は
男女間役職の違いだとされていて、企業に賃金格差の公表を求めることで女性管理職登用を進めるねらいがあります。

 
最近“男女別”の問題に関して、役所が企業に対して男女別のデータの公表を求める(命じる)ことがたびたび報じられていますが、企業はこれに応じる義務があるのでしょうか。もし、企業が「労務管理一切に於いて、男女平等の観点から性別の統計は取っていない」と答えたら、役所は何と言うのでしょうか。

 
管理職登用は、「能力・実績」によって、性別にかかわらず公平に実施されるべきであり、性別目標の設定は、“平等・機会均等”の原則に反します。そもそも日頃男女無差別を主張している人達が、“男女別”人事を主張しているところが既に“支離滅裂”です。今の役所(特に法務・文科・厚労のワースト3)に民間企業を指導する能力はありません。

男女問わず
意識改革 女性管理職の割合25%に高めた企業
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働きやすい職場作りに向けた意識改革を男女問わず進めることで女性管理職の割合を25%に高めた企業があります。

国内でがん保険などを手がける
「アフラック生命保険」は、およそ5000人の社員の男女比はほぼ半数ですが、2014年の時点では女性管理職の割合が10%と低く、改善に向けて取り組みを進めてきました。

 
生命保険会社の女性管理職に限らず、社会では様々な業種・職種で男女の不均衡が存在します。女性が少ない業種・職種も、反対に女性が多い業種・職種も存在します。それら全てについて不均衡を是正する努力が必要で、対策を実行するのでしょうか。そうでなく、女性の管理職が少ない部門だけで実行するのであれば、それはなぜなのでしょうか。

管理職候補の女性社員にマンツーマンでアドバイス
ひとつは、
管理職候補女性社員に対して役員が指導役としてつき、管理職になるために必要な心構えや業務スキルをアドバイスしていくことで自信を持ってもらう取り組みをマンツーマンで進めました。

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“管理職候補”の選任と、“指導役の指導”は男女の区別なく平等でなければなりません。対象を女性だけとするのは機会均等に反します。

 入社16年目でことし1月に管理職になった岩本真美さん(44)は、育児で働く時間にも制約があるため管理職になる自信が持てずにいましたが、指導を受けるうちに自分にも担える役割があることに気付いたと言います。

岩本さんは「モデルケースになるような形でやってみたらみんなが働きやすい会社になるから、まずは頑張ってみないかと話をされ、徐々にもしかしたらできるのかもしれないと気持ちが少しずつ変わった」と話していました。

男性社員にも働き方の研修に参加促す
 こうした女性社員へのマンツーマンでのサポートと並行して、
男性社員にも積極的に働き方の研修に参加を促し、意識の変革を図っています。

 子育て中の女性社員に対し、本人に確認することなく仕事の負担を減らすなどの配慮が、実は無意識のうちに社内での女性の仕事を奪うことにつながりかねないことなどを学んできました。

 研修に参加した男性管理職の1人は「子育て中だからと思って深夜に及ぶ重要な仕事を任せなかったことなどもあるが、もっと一人一人とコミュニケーションをとるべきだったと思う」と話していました。
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こうした取り組みの結果、この企業では
女性管理職の割合が25%まで高まり、再来年までに30%以上を目指しているということです。

社員の働き方改革を担当する横尾真紀子さんは「女性活躍を進めることで社内全体の働き方改革にもつながった」と話していました。

従業員数 約1300人の団体 女性が働き続けられる職場づくり
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従業員数がおよそ1300人の団体では、妊娠や出産などを経ても女性が働き続けられる職場づくりを進めることで、
女性管理職の割合を高める取り組みを進めています。

 さいたま市にある
「コープデリ生活協同組合連合会」では、ことし3月時点の課長職以上の女性管理職の割合は17.7%で、今回、国が公表した割合を5ポイント上回りました。

 この団体では採用時、女性は全体の半数近くを占めているものの就職してから3年以内の離職率が男性よりも高く、いかに定着させ育成していくかが課題にあがっていたことから、おととしの秋に改善に向けたプロジェクトに取り組み始めました。

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(何?これ!


 働くうえでの悩みを女性職員に聞き取ったところ「子育てをしながら働き続けられるのか不安」とか「管理職になる自分が想像できない」といった声が寄せられたことから、
女性職員どうしの交流会や育児とキャリアアップの両立に向けた研修を実施し、女性管理職や子育て経験のある先輩職員など身近なロールモデルと接する機会を新たに設けたということです。

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(何?これ!


 育休から復職後にキャリアアップを見据えた研修などに参加している女性職員は「研修の同じグループの中に女性管理職がいましたが、とても親しみやすく、その人の取り組みやことばなどがとても勉強になりました。子育てや介護をしながらステップアップしている女性が多くいるので、私も目指していきたい」と話していました。

 また、女性管理職の割合を2025年までの3年間で18%以上とするという具体的な目標を掲げたことで、積極的に女性を登用していく意識がより高まったということです。
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 コープデリ生活協同組合連合会人事課の上村仁美さんは「目標の数字を明確にしたことで、みんなが課題として捉えて取り組めていることは大きいと思います。子育てなどいろいろな経験をした人が管理職になることによって相乗効果もあると思うので、引き続き組織全体で交流の場を作っていくなどバックアップをしていきたい」と話していました。

識者「仕事と家庭が両立できる環境整備や意識改革 不可欠」
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 管理職に女性が占める割合が昨年度12.7%だったことについて、女性に特化した人材サービスを展開する
企業「Waris」の田中美和共同代表は「課長級以上の管理職に占める割合が過去最多となったとはいえ、この10年でみてもほとんど伸びておらず、国際的にみて低い水準だ。最近では女性の割合があまりにも低いと投資家から敬遠されることもあり、企業の中での危機感は高まっているが、個別の課題解決にまで至っていない状況だ」と指摘しました。

 そして、女性の管理職が伸び悩む
背景としては「依然として育児や家事の負担が女性に偏っているほか、職場の中で『女性は育児があり管理職になるのは負担だろう』と周囲が考え、育成する機会を得られにくいという事情がある」としたうえで、改善のためには「仕事と家庭生活が両立できる環境整備とともに周囲の意識改革が不可欠だ」と指摘しています。

 
育児家事“負担”と考えるところが既に異常ですね。今、その“負担”に対して公的な支援が様々な形で為されていますが、そのほとんどが対象が共働き家庭に限定されている点が問題視されています。

 そのうえで「
男性育休の取得を進めると、育休を取得した男性の中でも多様な働き方をする人材への理解が深まり、ひいては女性管理職の登用にもつながる。労働力人口が減少し、どの業界でも人材の獲得が困難になる中、男女ともに働きやすい職場にすることは人材の定着のために不可欠だ」と話していました。

 
自分たちの主張に都合の良い取材対象・事例だけを選んで長々しく報道するのは、まさしく「偏向報道」「情報操作」であり、“公共”放送を自称する人間がしてはならない事です。
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男性の育休女性管理職推奨制度が、制度が出来てから年月が経過しても、推進者が意図したほど増えないのはなぜか、それは多くの男女が望まない制度だからと考えるのが最も素直で妥当な考え方です。

 この記事で意見を述べているのは、いかなる意味に於いても国民の
多数意見を代表する人達ではありません。多数意見の裏付けのない意見(≓少数意見?)が我が物顔で跋扈し、その他の意見が無視されているのが日本の現状です。

 彼ら・彼女らが唯一
正当化の根拠にしているのは、“国際的”の一言だけです。本来日本の国内問題に於いては、日本が民主主義の国である以上、国際比較は参考程度のもので、それ以上の意味はない筈です。
 これとは反対に日本が国際的に
高評価を維持している統計データは少なくないと思われますが、それらは決して引用されることがありません。
 各種のデータの中で、自分たちの主張に
都合の良いデータだけが、つまみ食いのように引用されるのは正しい報道のあり方とは言えません。

 
“意識改革”という言葉が使われていますが、人の意識とは思想・信条同義であり、思想・信条の自由と同様、意識の自由は基本的人権として尊重されなければなりません。それにもかかわらず、意識“改革”の名の元に、意識“統一”を図らんとするのは、中国でウィグル人に対して行われている迫害と同じで、人権侵害に当たることは明白です。
 彼ら・彼女らに出来る事は、
“理解と支持”を求める事に止まります。その結果“理解と支持”を得られなかったとしても、それ以上の手段は許されません。正当な手続きにより、拘束力を伴う決定をすることは出来ても、人の意識を“改革”することは許されません。

 単純な言い方をすれば、日本の
高度成長期は、女性の専業主婦化(男女分業)が最も進んだ時代であり、その後の1990年頃から日本の経済の“失われた10年”が始まり、未婚の増加や学校での“いじめの増加”を始めとする社会の劣化が始まり、今日に至ったと言う事です。
 これらの
社会の劣化共働き(女も外に出て働け)の増加、男女分業否定の増加と、それらに伴う男らしさ・女らしさの完全否定と重なると言えます。
 更に
共働きの増加は、いわゆる“居場所のない”多数の児童、少年・少女の出現を招いたことも指摘されています。 

 両者(共働きの増加と社会の劣化)に
因果関係があるかないかを断定するだけの根拠は、未だに明示されていませんが、ほぼ並行して推移したと言う事は事実です。

令和5年8月3日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ