I13
フランスの「立候補者男女同数法」への疑問

 3月11日の読売新聞によると、フランスで選挙の立候補者を男女同数に割り当てる法律が間もなく成立する見込みだそうです。それに伴い、地方では指導力のある女性の人材確保が大変。各党とも準備に走り出している」とのことです。

 しかし、記事の中でこの法律の原案を作った、カトリーヌ・ジェニソン議員の、「候補者が男女同数になっても、当選議員の半数が女性になるのではない。・・・それは『勝ち取らない限り、だめだ』という原則からだろう」と言う意見が紹介されているように、同数になるのは候補者の数であって、議員の数ではありません。

 議席は勝ち取らなくてはだめだという点については、私もその通りだと思います。努力をしないものに議席を与えるのは好ましくありません。しかし、それならば努力をしないものを候補者にすることも好ましくないと言うべきではないでしょうか。候補者の地位も勝ち取るべきものではないでしょうか。アメリカの大統領選挙などでは、予備選挙で候補者の地位を獲得するまでが大変ですが、選挙とはそういうものだと思います。公認候補の地位を獲得する戦いから選挙は始まると言ってもいいと思います。

 フランスは一体何の為に、候補者の数を男女同数に割り当てる法律を制定するのでしょうか。議員の数に男女で不均衡があるのがいけないというのなら、候補者の数ではなく、議員の定数を男女別に同数に定めなければ意味がありません。そして、一律に議席の数を男女同数に定めるのは好ましくないというのなら、一律に候補者の数を男女同数にするのも好ましくないと言うべきです。
平等とは機会の平等なのか、結果の平等なのか考え方が明確ではありません。結果の平等とは悪平等に他ならないと思います。

平成12年4月15日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ