I133
到底許されない「夫婦(父母)の役割分担(専業・準専業主婦)」の否定 憂慮すべき日本社会の時代錯誤の“社会主義化” −偽りの少子化対策で大金をバラ撒く異次元の愚か者、岸田総理−

 11月3日の読賣新聞は、「経済対策決定 所得減税で経済は好転するか」、と言う見出しで、次の様に報じていました。
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経済対策決定 所得減税で経済は好転するか
2023/11/03 05:00 読売

 岸田首相は、賃上げと
経済成長の好循環を実現すると強調したが、巨費を投じる経済対策が経済や国民生活をどう好転させるのか、その道筋が明確には見えたとは言い難い。

 政府は、物価高などに対応する経済対策を閣議決定した。所得税と住民税から一定額を差し引く
定額減税と、低所得世帯への給付金が柱だ。ガソリン価格を抑える補助金制度を、来年4月末まで延長することなども盛り込んだ。

 経済対策の規模は17兆円台前半となり、その裏付けとなる2023年度補正予算案の総額は、計13・1兆円に上るという。

 コロナ禍以降、巨額の補正予算の編成が常態化し、22年度は計31・6兆円が計上された。今回は規模が縮小したが、コロナ禍前の、19年度の3・2兆円を上回る。

 しかも、コロナ対策と同様、今回も赤字国債を補正予算の財源に充てるという。給付金のような
バラマキ的な施策の財源を借金で賄い、将来にツケを回すことは果たして適切だと言えるのか。

 
定額減税は、1人あたり4万円で、扶養家族も対象として算入する。例えば、子ども2人の4人家族では計16万円が減税される。

 減税では、納税していない低所得者には恩恵がないため、
住民税非課税世帯には給付金を1世帯あたり7万円配るという。

 1人単位で扶養家族分も加算する減税と、1世帯ごとの給付金では、家族の人数によって不公平感が生じる可能性がある。

 また、納税額が少なく十分な減税を受けられない人や、住民税だけ納めていて給付金をもらえない世帯には救済措置を講じるとしており、制度が複雑化しかねない。支給に混乱が生じれば、経済対策の効果を損なう恐れがある。

 首相は減税について、過去2年間の所得税と個人住民税の
増収分を国民に還元するとし、「デフレ脱却を完成させるためにどうしても必要だ」と訴えている。

 来年の賃上げが実際に給与に反映される6月に減税を同時に行うことで、国民に所得の増加を実感してもらうことができ、デフレ脱却を確実にできるとの想定だ。

 だが、減税は来年6月頃の
1回限定とみられている。長年続いたデフレが、それだけで反転できるのかどうかは、心もとない。国民や自民党の一部からも異論が出ている減税の効果については、十分に検証することが不可欠だ。

 デフレ脱却で重要なのは、根拠の不明確な減税よりも、物価上昇を上回る賃上げの継続である。
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全ての課税世帯には1人4万円(4人家族では16万円)の一律定額減税と非課税世帯には1世帯7万円の給付金とは、少額であり、経済成長の好循環と言う趣旨に合うのか疑問である。課税世帯に1人4万円というのは、経済効果としては余り期待は出来ない。

 4万円の対象者は9000万人と言われており、単純に計算すれば総額3兆6000億円となるが、政策としては全く無駄な(経済効果が期待できない)、単なる人気取り(この効果も期待できない)に過ぎない
“小銭のバラ撒き”である。

 読売の
批判は的を射ており、岸田総理が支持率を上げるとは思えない。逆に下がるのではないか。
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 続く11月10日には、同じく読賣新聞は「少子化財源 広く国民負担…原案提示 医療保険料に上乗せ」と言う見出しで、次の様に報じていました。
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少子化財源 広く国民負担…原案提示 医療保険料に上乗せ
2023/11/10 05:00 読売

I133-2


 こども家庭庁は9日、政府が
「次元の異なる少子化対策」の財源として活用する「支援金制度(仮称)」創設に向けた有識者会議の初会合を開き、制度の骨格の原案を提示した。公的医療保険の保険料に上乗せして支援金を徴収し、妊娠・出産期から2歳までの子育て支援に重点的に充てることが柱だ。年内に詳細な制度設計をまとめる方針だ。

 同庁は原案で、支援金制度を「新しい分かち合いの仕組み」だと指摘。企業や幅広い世代の個人が支払う公的医療保険を通じ、支援金を徴収する方針を示した。個人の負担額は収入などに応じて決めるとした。

 使い道の具体策としては、〈1〉出産・
子育て応援交付金の制度化〈2〉共働き共育て推進するための経済支援〈3〉こども誰でも通園制度(仮称)〈4〉児童手当の拡充――を挙げた。透明性確保のため、使い道は法律で明確にする。

 少子化対策の財源を巡り、岸田首相は徹底した歳出改革で「国民に
実質的な追加負担を生じさせない」と繰り返してきた。ただ、支援金制度が導入されれば、子育て世代とそれ以外の人で実質的な負担割合が異なるため、首相発言との整合性が問われそうだ。
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「少子化財源」として、少子化対策を前面に出しているが、今頭にあるのは「財源確保」だけで、対策の具体的な中身も必要な金額も明らかにされていない。まず「財源確保ありき」では議論の順序が完全に本末転倒している。

 
子育て支援少子化対策効果が無いことは、1989年の「1.57ショック」以来34年に及ぶ少子化対策の経緯から既に明らかである。また、“支援”は支援を必要とする世帯に限定して為されるべきであり、一律のバラ撒きは「支援」に名を借りた政治活動である。
 これは「具体策」の目的は単に政治目的(夫婦の
役割分担禁止、夫婦共働き・共育ての強制)であり、その為の子育て支援に“大金”バラ撒くと言う事である。「少子化対策」に効果が見込める施策は一つも無く、口実に使われているに過ぎない事を明確に物語っている。

 また、「増税」を回避するために、「
公的医療保険の保険料」を引き上げるというのは、保険の趣旨に合致しないだけでなく、「公的医療保険料」は保険とは言うものの、保険料はリスクに応じて決定されるものでは無く、所得に応じて決まる実質的には税金の一種であり、“増税”である事に変わりは無い。くだらない言葉の誤魔化しに終始している。

 「骨格案」では、
「共働き・共育て推進するための経済支援」となっているが、国が「夫婦の生き方・家庭のあり方」に関して、このように特定の生き方を推進しその為の経済的な支援をするのは、「専業(準専業)主婦、夫婦の役割分担」という生き方の否定(冷遇)に繋がるもので、個人の生き方に対する不当な介入であり、何の説明議論もなく突然このような文言を挿入することは許される事ではない。

 共働きには
労働効率、子供の“教育・居場所”など、様々な面で不都合があるが、家庭における“夫婦の役割分担”にはそれを補って余り有る大きなメリットがある。そして現実に少なからぬ夫婦が、専業主婦・準専業主婦として“役割分担”を選択していることは明らかであり、それを否定(冷遇)する権利は誰にもない。

 このような中で、こども家庭庁が“少子化”を口実にして
口出しの領域を拡大し、各家庭の育児・教育費用が公的支出への依存を深めることは、日本社会が時代錯誤の“社会主義化”への道を歩んでいると言え、憂慮すべき事態である。

 このような
誤魔化しばかりを続けている岸田総理のする事は最低であり、彼は総理大臣として「異次元の愚か者」と言わざるを得ない。

令和5年11月13日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ