I134
少子化の原因と少子化対策の破綻をそっちのけで、財源の議論に終始する“異次元”の愚

4月14日のNHKテレビニュースは、「少子化対策の財源は 財政制度等審議会で議論」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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少子化対策の財源は 財政制度等審議会で議論
2023年4月14日 18時33分 NHK

 政府がことし6月にまとめる「骨太の方針」に向けて、財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会が議論を始めました。

(中略)

 政府の少子化対策数兆円規模の
財源が必要”
政府が目指す少子化対策の実現には、数兆円規模の財源が必要になるとの見方があり、それをどう確保するのか検討が進められています。

 経済界や専門家の中には、社会全体で幅広く負担すべきだとして
増税の必要性を指摘する声もあります。

 ただ政府内では、防衛力を強化するため増税の方針を示していることもあり、さらなる税負担を国民に求めるのは難しいなどとして、
否定的な意見が大勢です。

 また、与野党双方からは
国債の発行を求める声も出ていますが、政府は、財政状況に加え、子どもの世代への負担先送りだとして慎重な姿勢です。

 政府・与党内では、医療介護などの社会保険
活用する案も浮上していて、負担能力のある高齢者を含め、保険料の引き上げ給付の抑制などで財源を捻出することが想定されています。

 政府関係者の1人は「
少子化が進めば、社会保険制度や企業活動も維持が難しくなるわけで、理解が得られるのではないか」と話しています。

 ただ、保険料を労使折半している場合、仮にそれぞれ月数百円程度引き上げても、捻出できるのは1兆円程度で、なお足りないという指摘があるほか、経済界や労働界からは、賃上げの機運に水を差すとして異論も出ています。

 政府は、6月の「骨太の方針」の策定までに、将来的な
子ども子育て予算倍増に向けた大枠を明らかにする方針で、財源をどこまで具体的に示せるのかが焦点です。

(中略)

公明 石井幹事長 ”社会保険の
活用は少子化対策の財源の1つ”
 
少子化対策を強化するための財源について、公明党の石井幹事長は記者会見で、社会保険からの拠出が確保策の1つだという認識を示しました。

 このなかで、公明党の石井幹事長は「社会保険の
活用は、少子化対策の財源の1つだと思う。少子化対策は、将来の現役世代をしっかりと確保していくという意味で、社会保険制度の安定性に寄与するものであり、そこから拠出していくことは、政策としての一貫性がある」と述べました。

 そのうえで、野党側が「現役世代の負担が高まる」と批判していることについて「ぜひ代替の財源をどう考えているのかも示してもらって、しっかりと議論したらいい。税制措置をやるにしても、現役世代に関わってくる」と指摘しました。
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“目的税”である各種の社会保険料本来の目的以外“少子化対策”の為に、料率引き上げの上で財源とするのは、“活用”ではなく、“流用”(悪用)と言うべきです。

 少子化対策について、少子化
原因についても、対策としての“子育て支援”妥当性・有効性についても何の議論もせずに、“財源”の議論に話が飛んでいるのは、まともな議論、正気の沙汰とは思えません。

 
異次元の少子化対策は、異次元の“空前のバラ撒き”行政であり、“少子化対策”として何の効果も期待できないだけでなく、“財政の負担”という点でも大きな打撃となるでしょう。

 また、3月31日のNHKのテレビニュースは「政府の少子化対策たたき台 具体的な中身は?今後は【詳しく】」と言うタイトルで次の様に報じていました。
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政府の少子化対策たたき台 具体的な中身は?今後は【詳しく】
2023年3月31日 18時50分  NHK

想定を上回るペースで少子化が進んでいます。

去年生まれた子どもの数は、統計開始以来初めて80万人を下回り(速報値)、過去最少を更新。

こうした中、少子化対策の強化に向けた政府のたたき台がまとまりました。

(中略)

Q.どんな中身?
A.たたき台では、令和6年度からの3年間を集中期間として取り組む具体策として、以下の支援策などが列挙されています。

児童手当は、今は一定以上の
所得がある世帯で支給しないなどとしている「所得制限」を撤廃し、対象年齢を高校卒業までに延長するとしています。

(中略)

 また、保育所利用要件を緩和し、親が
就労していなくても子どもを時間単位などで預けられる「こども誰でも通園制度」の創設を検討するとしています。

(中略)

現在は、保育所や認定こども園などは親の就労などにより保育が必要という認定を得ないと原則、利用できません。

「たたき台」では、「こども
誰でも通園制度」を新たにつくり、現行制度は残したまま、さらに、就労要件を問わず柔軟に利用できるようにするとしています。

(以下略)
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 児童手当の
所得制限の撤廃、保育所の利用要件である“共働き”の緩和は、“少子化対策”として効果の無かった、今後も効果は見込めない“子育て支援”について、共働き女性に非難が集中するのを避けるために、専業主婦や、高額所得の夫婦も“共犯”に引きずり込もうという悪質な陰謀だと言えます。

掲示板 No.1078 - 2023/04/15(Sat) 00:08:04より転載

令和6年2月17日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   
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