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女性大臣は飾りもの?

 北朝鮮の金正男が不法入国しようとして国外退去処分になりました。法務省が身元の確認もせず、犯歴の確認もせず、安易に国外退去処分にしたことに、強い批判があります。
 5月5日の各紙の朝刊には、この問題を巡っては、外務省、法務省、警察庁の間で、激論がかわされ、最終的には小泉首相が、不逮捕、国外退去処分を決断した経緯が報じられています。

 産経新聞を見ると、この問題に関して、法務省入国管理局の寺脇一峰総務課長の記者会見の模様や、小泉首相の記者団への発言、福田康夫官房長官の発言が報じられていますが、肝心の森山真弓法務大臣、田中真紀子外務大臣の動静は全く伝えられていません。わずかに、森山法務大臣については、寺田逸郎秘書課長が「不法入国者が北朝鮮関係者の疑いがあることがわかった段階で、速やかに森山法相に連絡した」とあるだけで、その具体的な日時は明らかにされず、法相の指示を仰いだとか、指示があったということはないようです。田中外務大臣については、どのページを見ても名前さえ出てきません。
 読売新聞を見てもわずかに社説に森山法相の名前が出てくるだけです。決定に当たって2人は全く蚊帳の外だったようです。

 これで閣僚が務まっているのでしょうか。こういう問題は政治家が責任を持って結論を出すべき問題で、外務省、法務省、警察庁の官僚レベルで結論を出すべき問題ではありません。今回、最終的には小泉首相が判断したようですが、首相を支えるべき外務大臣、法務大臣がその役目を果たしていません。
 小泉内閣では、女性閣僚が5人になったと注目されましたが、閣僚は男性か女性かではなく、有能な人材を性別にこだわらず任用するべきです。それが真の男女平等です。小泉首相は閣僚指名に当たって、派閥の推薦を排除し、適材適所を貫いたと言っていましたが、性別にこだわるあまり適材適所は貫けなかったようです。

平成13年5月5日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ