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少数意見に支配される「男女平等」

 4月14日の産経新聞は「ひな祭り 鯉のぼりまでダメ」、「文科省委嘱の団体作成」、「性差解消記述『行き過ぎ』」と言う見出しで、日本女性学習財団が作った子育て支援のパンフレットについて次のように報じていました。

 「文部科学省の委嘱で作成された子育て支援のパンフレットに、ひな祭りやこいのぼりを否定的にとらえるなど、ジェンダーフリー(社会的・文化的な性差の解消)について誤解を与える記述が多数盛り込まれ、波紋を広げている」
 「・・・『“女らしさ”や“男らしさ”を押し付けるような子育てをしていませんか』と問いかけた上で、その例として @女の子に愛らしい名前を、男の子に強そうな名前を付けること A女の子のひな祭りや男の子の鯉のぼり B女の子には人形を男の子にはグローブをプレゼントすること−などを挙げている」


 教育とか“しつけ”とか言うものは、「押し付け」といえばすべて「押し付け」です。しかし、「嘘を言ってはいけない」とか「乱暴をしてはいけない」とか「礼儀正しくしなさい」と子供に「教える」事を、「押し付ける」という言い方をする人はいません。この点だけ考えても、この「日本女性学習財団」が主張していることはまっとうではありません。

 いくら、この財団が「男らしさ」、「女らしさ」を目の敵にしても、子供の名前に「男らしい名前」、「女らしい名前」をつける親は減らないと思います。男女の服装が区別がなくなることもないと思います。女性週刊誌と男性週刊誌が統合されることもないと思います。この人たちの主張が国民の常識、多数意見からかけ離れていることは明らかであると思います。

 問題は、このような特異な主張をする財団が公益法人として認可され、文部省の委嘱により公費でこのようなパンフレットを作っている現状にあると思います。文部科学省の内部にこのような考え方を容認する下地があると考えざるを得ません。役所の常識は国民から遊離していると思います。

 そして、その遊離はこの問題に限らないと思います。4月11日の読売新聞は「夫婦別姓 審議程遠く」と言う見出しで、「法務省が10年来の課題として取り組む夫婦別姓導入のための民法改正試案が10日、自民党法務部会に示された。しかし、部会は別姓反対派議員から異論が相次ぎ、審議入りさえ程遠い現状を浮き彫りにした」と報じていました。

 各種の世論調査でも、夫婦で別姓にしたいという人は極めて少数です。この少数の人たちのための民法改正に、法務省はなぜこれほど熱心なのでしょうか。法務省の常識もまた、国民の常識とかけ離れていると思います。

平成14年4月14日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ