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「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」

 9月8日の産経新聞に、「夫は外で働き、妻は家庭を守る」、「賛否47% 同率になりました」と言う見出しで、内閣府の世論調査の結果、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」と言う考え方に対する賛否が、同率になったことが報じられていました。
 新聞には、調査結果の全容が報じられてはいませんでしたが、内閣府のホームページを見ると今回の調査の中に次のような質問がありました。

(全員に)
Q8 〔回答票7〕一般的に女性が職業をもつことについて,あなたはどうお考えですか。この中から1つお答えください。

( 4.4) (ア) 女性は職業をもたない方がよい
( 6.2) (イ) 結婚するまでは職業をもつ方がよい
( 9.9) (ウ) 子どもができるまでは,職業をもつ方がよい
(37.6) (エ) 子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい
(36.6) (オ) 子どもができたら職業をやめ,大きくなったら再び職業をもつ方がよい
( 1.1) その他(                   )
( 4.2) わからない

 この中で(エ)の「子どもができても,ずっと職業を続ける方がよい」以外は、「女性は子供が出来たら職業をやめる方がよい」という回答になると思いますが、これは、実質的に「女性は家庭を守るべきだ」と言う考え方に近いのではないのでしょうか。(ア)、(イ)、(ウ)、(オ)の合計は、57.1%で、(エ)の37.6%を大きく上回っています。

 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」と言う設問はあまりに古風で、そういう問いに対して“YES”と答えるのは、女性にとって心理的にかなり抵抗があると思いますが、それでも、全体で見て47%対47%の同率になったのは、予想以上の高率だと思います。質問の表現を適切に変えれば、それ以上の人がこのような「夫婦分業」の考え方に同調するのではないでしょうか。

 民主主義の原則から言えば、議員や審議会の委員は国民の意見を反映すべく選任されなければいけないと思いますが、政府の男女共同参画会議の委員の選任は公平なのでしょうか。「女性は家庭を守るべき」とか、「子供が出来たら女性は職業を離れるべき」と言う考え方を主張している委員は、一体何人いるのでしょうか。

平成14年9月15日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ