I40
「少子化対策」の失敗

 6月2日の読売新聞社説は、「[出生率1・25]『衝撃を真剣に受け止めなければ』」という見出しの社説で、次のように論じていました。
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 日本の出生率は、どこまで下がり続けるのだろう。・・・

 その上で、出生率低下に歯止めをかけるべく、インパクトのある施策を打ち出すことも急務である。・・・

 猪口少子化相の委員会にしても、児童手当の拡充など、経済支援を重視する少子化相に対し、有識者は、仕事と育児の両立支援こそ重要だ、と主張して意見が食い違っている。

 政府・与党は一体となって、6月中に新たな少子化対策を打ち出す。だが、総花的な施策の羅列にとどまるようでは、これまでと変わらない。

 1995年のエンゼルプラン以来、少子化対策は何度も打ち出されたが、出生率を上向かせることはできなかった。過去の失敗から浮かび上がるのは、対策に快刀乱麻の妙手はないということだ。

 少子化対策とは、生き生きと幸せに暮らす親子を増やすことだ。その姿を見ることで、次の世代は、子どもを持つことの素晴らしさを知る。そのために必要な施策を、選択と集中で効果的に組み合わせることが重要だ。
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 読売新聞がこの期に及んで、「真剣に受け止めなければ」と言うのははなはだ無責任だと思います。これは、彼らは今まで真剣に受け止めていなかったことを意味しています。彼らが少子化問題を真剣に受け止めずこの問題を悪用してきたことが今日の事態を招いた原因だと思います。

 これまで、少子化対策をリードしてきたのは、既婚の、共稼ぎの、子持ちの女性達でした。彼女らが主張してきた少子化対策とは、保育施設の増設、育児休暇制度の創設など、既婚で共稼ぎの自分たち子持ち女性が利益を得るものばかりでした。
 彼女たちは日頃の主張である「共稼ぎ女性の補助金獲得」、「専業主婦の撲滅」を実現するチャンスとばかりに、この問題を悪用してきたのです。

 そして、読売新聞が言っているように、これらの少子化対策は見るも無惨な失敗(と言うより、少子化を加速し、むしろ逆効果)に終わりました。読売新聞は「過去の失敗」と言っているだけで、何が失敗であったか具体的に論じていません。それは失敗に終わった少子化対策の多くを、読売新聞自身が主張してきたために、何が失敗であったかを明確にして断罪したくないのでしょうが、それでは過ちを正すことはできません。今までの、「保育施設の増設」、「育児休暇の創設」に代表される少子化対策が「失敗」であったことを認識するところから、今後の少子化対策は議論されなければなりません。

 何が失敗であったのかを明らかにせず、過去と同様『大変だ、大変だ』と騒ぐだけで、意味のないことを「羅列」しているのは読売新聞自身です。猛省が必要なのは読売新聞です。「快刀乱麻の妙手はない」などという居直りは許されません。

    今後の少子化対策としては
  1.今までの誤った少子化対策を廃止する。保育所に税金をつぎ込むことは止める。育児休暇は無給とする。
    (今後の財源を確保)

  2.独身者に対する増税を実施する。子供を産み、育てるという国家、社会(年金制度)の構成員としての義務を
    果たしていない彼らに対して、公平な負担を求める。(今後の財源を確保)

  3.第一子、第二子に対する児童手当を廃止し、第三子以降についてのみ、手厚い児童手当を支給する。第一子、
    第二子に手当を支給しても、単に所帯に生活補助を与えるだけで、出産の増加には結びつかない。結婚
    すれば、手当がなくても第一子、第二子ぐらいは産む。

  4.結婚したい人が誰でも結婚できるように、結婚相談所を支援する。

  5.独身で一生を終わる人が不幸を実感する健全な社会を作る。(ジェンダー・フリーに代表される男女平等教育を
    止める)

平成18年6月3日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ