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「キャリア志向」は少数派(少子化対策が効果を上げない原因)

 3月19日の産経新聞は、「夫婦の25%セックスレス」、「20代も『週1以上』半数以下」という見出しで、次のように報じていました。
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 「・・・、一方、仕事に対する女性の意識では、将来フルタイムで働きたいという女性は既婚者で23・7%、未婚者でも32%で、「キャリア志向」は依然低いことが分かった。
 政府は働く女性のために保育園を増やしたり、雇用促進などを推進することで、少子化対策につなげる戦略を掲げている。しかし、同研究所はキャリア志向がそれほど高くない現状では、必ずしも少子化対策につながらないとみている」
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 日頃、新聞の記事や新聞社の世論調査結果を見ていると、日本の女性は全員が「キャリア志向」であるかの如くに書かれていますが、これは事実に反することです。「依然低い」という表現から考えると、従来から「キャリア志向」は低かったと考える他はありません。
 そういう社会で、主としてフルタイムで働く「キャリア志向」の既婚女性を対象にした支援策が、少子化対策として効果がないことは自明のことと言わざるを得ません。

 わが国では、少子化対策について、あるいは結婚しない女性が増えたことについて、今まで「キャリア志向的」な女性の意見ばかりが紹介されてきましたが、それは所詮少数意見に過ぎません。
 少数意見により多数意見が封じられている現状を改めることが、効果的な少子化対策を実施する上で、さらには日本に民主政治を実現する上で必要・不可欠だと思います。

平成20年3月19日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ



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夫婦の25%セックスレス 20代も「週1以上」半数以下
  2008.3.19

日本の夫婦の約4分の1は、1年間にわたり性交渉がないセックスレスの状態にあることが、日本大学人口研究所と世界保健機関(WHO)が共同で実施した「仕事と家族」に関する全国調査で18日、分かった。夫婦間に限定した性交渉の調査は国内初めてという。

 調査は昨年4〜7月、全国の20〜59歳の男女9000人を対象に実施した。

 1年間にわたり性交渉がないと回答した夫婦は、全体で24・9%。50代で37・3%、40代で20・6%と高年齢ほど多く、30代で14・4%、20代では7・2%だった。

 ただ、若い世代でも性交渉の頻度はあまり多くなく、同居年数5年以下の20代で「週1回以上」と答えた割合は42・2%と半数以下だった。

 同研究所の小川直宏所長は「政府は少子化対策の中で、性交渉の頻度を見落としてきた。もっと基本的な面に焦点を当てる必要がある」と指摘した。

 一方、仕事に対する女性の意識では、将来フルタイムで働きたいという女性は既婚者で23・7%、未婚者でも32%で、「キャリア志向」は依然低いことが分かった。

 政府は働く女性のために保育園を増やしたり、雇用促進などを推進することで、少子化対策につなげる戦略を掲げている。しかし、同研究所はキャリア志向がそれほど高くない現状では、必ずしも少子化対策につながらないとみている。