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「女性の活躍推進」は胡散臭いスローガン  「女性の管理職30%」は法の下の「男女平等」からは完全に逸脱した主張


 安倍総理は「女性の活躍推進」に力を入れている。彼が言う 「活躍する」とは、どういう意味なのだろうか。よく考えると漠然・曖昧な言葉であるが、スポーツとか、地域での活動とか、どちらかと言えば職場以外での“活躍”を指して使われる言葉との印象を持つ。

 職業・職場は本来賃金・利益を得るための営利活動であり、そこで一生懸命働くのは普通は高賃金・高利益のためで有り、あまり「活躍」という言葉はなじまないと思う。
 それとも男性が働くのは活躍に当たらないが、
女性が働くのは活躍に当たるというのだろうか。

 もとよりその辺は曖昧な言葉なので人によってイメージするところはまちまちだと思う。であれば、これを政治的なスローガンとして使うのであれば、もう少し「活躍」という言葉の意味を明確にして提案すべきだと思う。明確にしないままで議論を進めようとするのは、
他意あるとの疑念を招く。

 現在具体化されようとしているのは、企業の
女性管理職の割合を30%以上にすると言うことが狙いのようだが、これが女性の活躍推進なのだろうか。もしそうだとするとその分だけ男性の活躍は抑制されると言うことになるが、女性さえ良ければ男性はその犠牲になっても良いのだろうか。
 それとも現在管理職の多数を男性が占めるのは、
不当な差別的人事の結果であると言うのだろうか。それなら根拠を明らかにした上でそういう趣旨の主張をすべきだと思うが、そういう主張はされていない。

 「女性の活躍推進」とは胡散臭いスローガンである。女性の管理職30%はその胡散臭いスローガンからも飛躍した主張であり、何の根拠もない。これが正当化されるのであれば、すべての試験や選考の結果は女性の比率が30%以上で無ければならないと言うことになりかねない。
 「女性の管理職30%」は近来まれに見る暴論であり、
法の下の「男女平等」からは完全に逸脱した主張である。

平成26年10月7日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ