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ひとり親家庭の貧困問題、親権の無い父親に養育費負担の義務だけを負わせるのは不当ではないのか  −母子家庭をなぜ“ひとり親家庭”と言い換えるのか
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離婚後の養育費不払い問題 ひとり親家庭の支援策 議論始まる
2020年6月29日 16時27分 NHK                

 離婚後の養育費の不払いをめぐる問題で、
法務省有識者らで作る検討会議を設置し、ひとり親家庭の支援策の議論を始めました。

 離婚後の
養育費の不払いをめぐる問題で、法務省は困窮しているひとり親家庭の支援策を検討しようと弁護士大学教授などで作る検討会議を設置し、29日初回の会合を開きました。

 森法務大臣は「養育費は子どもたちの生活の糧であり、不払いは貧困の大きな原因とも言われている。子どもの未来の問題でもあるこの問題の解決に
お力添えをいただきたい」と述べました。

 検討会議では現行の
法律の運用を改善したり、自治体や専門家による相談体制を充実したりすることで、速やかな支援につなげられないか検討するとともに、法改正の必要性も議論し、年内にも結果を取りまとめることにしています。

 
法務省が今月、厚生労働省共同で発足させた会議でも、が養育費を立て替えたり、強制的に徴収したりする制度を制定する場合に必要な論点の整理を行っていて、養育費の不払いの解消に向けた検討を進めています。
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 離婚後の
養育費不払い問題が発生している、困窮している“ひとり親”家庭のほとんどは、「母子家庭」であると思います。母親に経済(生活)能力が無いことが根本的な原因と思われますが、経済力のない者をなぜ親権者にしているのか疑問が生じます。

 “ひとり親家庭(母子家庭)”の問題がクローズアップされてきたのは、一つには
離婚が増加 したからであり、もう一つは親権者を片親(ほとんどが母親)だけとしているにも関わらず、養育費の負担だけは父母両方といういびつ(不公平)な制度が原因であると思います。
 権利と義務は表裏一体で不可分と考えれば、権利のない父親に義務だけを負わせる制度は問題があります。もしこれが逆だったら、女性達は声を大にして“不平等・不公平”を訴えているでしょう。

 又、
法務省・厚労省・学者・マスコミ等の関係者は母子家庭の問題をなぜ“ひとり親家庭”の問題言い変えるのでしょうか。それは協議離婚でも、裁判所の審判による離婚でも、子供のある夫婦の離婚後は“母子家庭”となるのが一般的で、育児は母親の仕事、生活費を稼ぐのは父親の仕事と言う夫婦分業が暗黙の前提とされているにも関わらず、それを隠蔽したいからだと思います。

 男女平等を
金科玉条とする日本の裁判所、法務省、厚労省、学者、マスコミなどにとっては、「子育ては母親(妻)の仕事、生活費を稼ぐのは父親(夫)の仕事」と認定しているようでは、都合が悪いのだと思います。それゆえ離婚後の母子家庭は、ごく普通の現実であるにも関わらず、その現実を認めたくないのです。

 彼らは
困窮母子家庭の増加問題が、父母(男女・夫婦)の役割分担を肯定したり、父親に母親と同様の育児負担・関与を求めることの矛盾・不合理を露呈したりして、ひいては男女平等社会の“虚構性”批判に議論が発展するのを恐れているのではないでしょうか。

 今後この
“有識者らで作る検討会議”がどのような議論を展開し、“結果”を出すのか解りませんが、この問題に対する検討・議論は、単なる養育費の未払い問題に止めるべきではありません。それは単なる対症療法だけの議論です。議論はなぜ離婚が増加し、困窮する母子家庭が増えているのかと言う問題の本質に及ぶべきです。

 更に言えば、父母・夫婦(男女)の
役割分担の否定こそが、離婚増加の元凶、ひいては困窮母子家庭の増加(家庭・家族の崩壊)の遠因と言えるのでは無いのかと言う点こそが、問題の本質ではないでしょうか。本質を避けてはいけません。

 この会議に限りませんが、
“有識者”というのは“くせ者”です。例え行政官庁の会議であっても、立法に直結するものだけに、委員の選任は公平で「民意を反映」した人選である事が不可欠です。
 近年、
“避日”・“非日”傾向が顕著な3大問題官庁の内の二つである法務省厚労省共同作業だけに、今後の展開には目が離せません。途中経過を明らかにせずに、結論を出してから結果だけを公表して後は聞く耳を持たず、“パブリック・コメント”でお茶を濁して幕引きにするという暴挙を許してはなりません。
 そのためには
委員の人選に当たっては、省庁の審議会などに対応する衆参両院の各委員会の各党の委員(衆・参院議員)推薦を依頼し、その者を“有識者”選任すべきであると思います。

令和2年6月30日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ