・ Report By Ms.TOMOKO・

11January 2006


 1月11日のマチネとソワレを、ロンドン、サドラーズ・ウェルズで見てきました。 エンジェルの駅から5分ぐらい歩いていくと、劇場が見えてきます。 すると、劇場2階の大きいガラス窓に、青いはさみのモチーフが!おお、外観からシザーハンズしていると、わくわくしてきます。

ひさびさに行ってみて、この劇場こんなに席数少なかったっけ?と思って しまいました。東京で言えばコクーン劇場ぐらいでしょうか(でも、3階席まで あるけど)。東京公演はゆうぽうと五反田。ちょっと感じが変わってくるかも。

 マチネ公演は、主人公シザーハンズがリチャード・ウィンザー、主人公を 迎え入れるベックス一家のお父さんがスコット・アンブラー、お母さんが エタ・マーフィット。もう、この配役を見ただけで嬉しくなってしまいます。 ヒロイン役の娘は、ケリー・ビギンでした。

 幕が上がると、おばあさんが舞台上に現れ、その後ろで、なぜシザーハンズ が誕生したのという説明がされていきます。
 そして、シザー・ハンズが博士の死によって、町に出て行きベックス家族に 迎えられ、その町の住民に驚かれながらも、段々馴染んでいき、ボックス家の 娘、キムに惹かれていきます。

 東京公演はこれからなので詳しい話はしない方がいいと思うのですが、幕が開いた瞬間から、いつものマシューワールド全開で、一気に引き込まれました。
 1幕目が終わった所で思わず隣りの、やはり1人で来ていた女性に、「すばらしいわね!」と声をかけて、しばらく話し込んでしまいました。

 第2幕は一見受け入れられているように見えたシザーハンズが、段々町の 人達から浮き上がっていき、ある事件をきっかけに追い詰められていく話に なっていきます。東京公演はこれからなので、詳しい話は控えますが、映画とは少し話が変わっていて、結末も違います。
 ただ、子供のように純真で無垢なシザーハンズが、ただただかわいそうで悲しく、手を鋏に作られてしまった事が、どんなに残酷な事か切々と伝わってきました。

 今回は今までの作品と違って、映画の舞台かなので一体どうなるんだろう? と、興味深々でしたが、なるほどマシューが作るシザーハンズはこうなるんだ と深く納得できる、素晴らしい出来でした。

 舞台セットも相変わらず、レズ・ブラザーストンの腕が冴えていてきれいです。 町の住宅地の舞台セットが、うそっぽいまでの新興住宅地なのもなかなかです。

 終わると一斉に大拍手。そして後方の席からは女の子のキャーキャーという 悲鳴!何事かと思いましたが、そういえば中学生低学年ぐらいの制服を来た 女の子達の集団がいた事を思い出しました。彼女達が叫んでいたのです(笑)
再度ダンサー達が現れるとますます拍手は大きくなり、リチャード・ウィンザー が現れた所で拍手は最高潮に。立ち上がっている人もちらほら見られました。

 あまりにすばらしかったので、この思いを誰かに伝えたい!と思いながら、椅子 を立って、出口に向かっていると、舞台端の席からマシューが、コーヒーの紙 コップを握り締め、歩いているではないですか!思わず追いかけ、
「素晴らしかった!」
と、声をかけてしまいました。その後もロビーにぼーっと佇んで、誰かを探している風なマシュー。でも、だれも声をかけるわけでなく、日本の時とは大違いです。

・マチネのキャスト表・

ソワレは、シザーハンズがサム・アーチャー、ボックス一家のお父さんはアンドリ ュー・コルベットでした。キムは昼と同じくケリー・ビギン。

ボックス家のお父さんは一見いいお父さん、でもちょっとくせがある感じで、昼の スコット・アンブラーはすごくおかしかったのですが、アンドリュー・コルベットは相変わらずさらっとくせがなく、ちょっと物足りないかも(笑)
シザー・ハンズは、昼のリチャード・ウィンザーも、夜のサム・アーチャーもとてもよかったです。

・ソワレのキャスト表・

 最後のカーテンコールで、上から雪が降ってきて、客席も前から7列目ぐらい 間出に座っているお客さんの頭の上にも白い物が降り積もっていて、昼見た時は、紙でもないようだし、一体なんだろう?と思っていたのですが、ソワレの席がまさにその辺りだったので、たちまち服にも頭にも白い物が一杯降りかかって、ひんやりしていて、これは本当の雪?かと思いましたが、どうやらなにかムース状のものでした。
お客さん達も、お互いの頭の上を掃いたりして大はしゃぎでした。昼も夜も、席を後にするお客さん達が、
「素晴らしかった!」
「よかったわね。」
「舞台が美しかった」
と、語り合っていたのも印象的でした。


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