・ UK Report ・

By Ms.Secretary

この2つのレポートは"セクレタリー"様から頂きました。ありがとうございます。
頂いたレポは、新しい方(その2)が上に来ています。


ハイランド・フリング、サドラーズ・ウェル劇場にて

◇その2◇

 始まる前のお決まりのアナウンス(携帯電話の電源を切ってくださいとか)がどうやらスコットランド訛り。最後に'Thank you' の語尾が/と尻上がりになってる。妙に可愛い。

 シルフのメイクが、左目目尻上がりで右目やや下がりというアンバランスさ。東京もこうでした?ジェームズ君のジェームズは東京より手慣れてきて、余裕すら感じた。

ハ 2幕目
シルフ達が森の動物たちと戯れるところで、モグラみたいなタヌキみたいな小動物(ポッジャーと教えられた)が、随分長く一人のダンサーと絡んでました。かなり笑いを誘っている。そういえば、サドラーズの客は、大変よく笑う。拍手が厚い。が、ダンサーの一人がこけたところなんぞでは笑わない良くできた客だ。

ハ 羽根を切られたシルフの出血度合いがひどい。舞台に血のりが垂れているのが見える。First Circle=2階席なので、東京(1階)より舞台上がよくわかる。違う目線なので、また新鮮。劇場自体がダンスのために建てられているので、気持ちよく鑑賞できる。ダンサー全体踊りこんでよく息も合っている。

ハ オーケストラも決して悪くない。ピッコロ・フルート・オーボエのレベル高し(娘が高校の吹奏楽部にいるので、木管、金管楽器はかなり聞き込んでいると自認)。トランペットがつらい。

ハ 2階席から見ていると、アパート内の窓ガラスに、踊る姿が映って臨場感が増す。 どうも私は、舞台上の何かに反射したシーンにいたく反応するらしく、「危険な関係」(大阪版)でも、天井にうつるダンサーの姿に心奪われていた。
芝居(あるいはダンス)、現実に似かよって作られた半現実の世界が、舞台上の何かに映し出されるということで、もうひとつ奥のその中に入り込んでしまう=迷宮に迷い込むというシチューエーションが好みのようです。

マシューインタビュー
Q.これからの上演予定
A.シザーハンズについて長い説明

ハ Q.ホモセクシャルなシーンへの質問 'Swan Lake'を念頭に置いていると思われる。
A.男女の役が入れ替わることによって新しい解釈が生まれる。
ここはじっくり考えながら返事しているようでした。

ハ Q.映画の何に影響を受けたか?
A.ヒッチコックの「鳥」インスパイアされて'Swan Lake'を思いついた。 (これは ”その1”に書きました)

ハ Q.なぜ、New AMPを作ったのか?
A.少人数で始めたのに、多くなりすぎた。

ハ Q.シンデレラは再演するのか?
A.※これは理解できなかった。肯定していたように思う。

ハ Q.AMP離脱したダンサーの作品について。及び、クーパーとの関係
A.※これも理解不能。関係は良好と答えたと思う。クーパーを褒めていた。

ハ Q.Carmanはいつ再演?
A.近未来の可能性は否定。

ハ Q.2幕目、車の上から何を降らせていたのか?
A.Fairy Snow(友人曰く洗剤名とかけているのかも)
  このあと、
  Scottish Flavourを加えたかったとも。

ハ Q.振付家を楽しんでいるか?
A.演出家、振付家として、自分の仕事を愛している。


◇その1◇

東京で2ステージ見たハイランドと、ロンドンでたまたま再会。というのは、今夏熱望してきたUK旅行を実現させたからです。8月下旬2週間。後半にロンドンを当てていたら、地下鉄の広告で「ハイランドフリング」公演(これ以前のは、売り切れ)を見つけ、さっそくチケット手配。ロンドンの頼もしい友人のおかげで、2階席中央をインターネットで入手。3枚申し込んで」1.5の手数料です。

2005年8月28日(日)午後4時公演。
うきうきして入場。サドラーズ・ウェル劇場というのが、ダンスのための劇場らしく、モダンかつ大変見やすい。まして今回はオーケストラの生演奏あり。
 一緒に行った友人は全くマシュー・ボーンのことを知らず、最初は尻込みしていたのですが、「とってもわかりやすいから」と無理に引っ張ってきました。

 あっという間の2時間弱。振り付けも東京と少し違うような気がする。クラブのトイレ落書きをもっと見ていたかった。(アラン・カミングのファンなので) ジェームズはジェームズ君でした。これは東京と同じ。シルフが、ビギン。私が好きな方。出来ればウィル・ケンプ君に当たりたかったけれど、わがままは言えません。

 終了後、マシューのトークショー?がありました。
開口一番、「東京ではポップスターのような扱いを受けてきたので、ここイギリスに帰ってなんだかヘンな感じがする」
お客からのインタビューに丁寧に答えていました。30分ぐらいかな。残った客はすべて一階に下りて、私も真正面、間近にマシューを見ながら、彼の声を楽しみました。この時ほど自分の英語力のなさが悔やまれたことはありません。彼の言うことの5分の一ぐらいしかわからない。
友人のおかげで以下のことが理解できました。

質問「車の上に降りかかってきたものは何か?」
マシュー「フェアリー・スノウ」
友人「その名の洗剤があるから、それにかけているのかもしれない」
あと、何かの答えに続いて、「『Swan Lake』はヒッチコックの映画『鳥』から思いついた」

 それと、ジェームスが革ジャンの背中に「L」の文字を貼り付けています。これは「learning」=仮免許中、ひいては、まもなく結婚予定という意味だそうです。 その前日に行ったメイル・ストリップの店でも、女の子が修道女の仮装でやっぱり「L」をつけていましたから、一般的なんですね。

 安アパートの室内に、スコットランド関係の写真や絵はがきが飾られていますが、絵はがきぐらいの大きさで、右に人物の写真左に何かのマークの絵が何枚かあったのに気づかれました?あれは、スコットランドのクラン(氏族)関係の絵はがきだと思います。現物を一枚買ってきました。
 下絵にはそのクランのタータンが描かれ、人物はそのクラン、たとえばマグレガーとかキャンベルとかの氏族の中でもっとも有名な人の肖像。そしてマークは代表的な紋章=アームズです。

 ちょうどスコットランドを旅してきた帰りだったので、東京より印象が深かったです。


  

・セクレタリーさんから頂いた、チケットとスコットランドの絵はがきの画像です・


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