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深みがあり、忘れることができない、これは本物。(ル・パリジャン紙) |
『ピアニスト』について
原作が出たのは15年前のことです。当時の私はまだ一般公開される映画を撮ってはいませんでした。テレビ映画を撮っていたのです。しかし当時すでにこの物語は映画に向いていると思いました。今回の私自身のテーマは、いかにしてヨーロッパでヨーロッパ俳優を使って、しかもヨーロッパ以外の観客にも受け入れられる映画を撮ることができるか、表面を撫でるだけのものではなく、同時にポルノフラフィーに堕さない、セックスをテーマにした映画を撮ることはできるか、ということでした。私にとっては賭けでした。危険な賭けでありゲームでしたが、それに魅せられてもいたのです。
それまでの作品とは確かに異なっています。『ファニーゲーム』がスリラーのパロディとすれば、『ピアニスト』はメロドラマのパロディと言ってもかまいません。パロディにするために、メロドラマの常套形式を利用しているのです。そして原作もまた、19世紀的な古典的心理小説のように見えて、実は別物です。ところが書き方自体は古典的小説作法に則ったかのように書かれているのです。それを映画の手法として生かそうと私は努力しました。ですから、もちろん、私の以前の作品とは趣が異なっているのです。
ハネケ監督について 彼はとても緻密な監督だ。基本的にはワンシーン、ワンカットの長回しの人で、映画的トリックやイメージの操作を嫌う。映像の信憑性を重視していて、どちらかというと映画というより、舞台の匂いのする人だ。遊びはない。ハネケは人間をいかに深く掘り下げていくかを考えている。
そして誰よりも 強い愛憎で結ばれる。
☆上映時間☆
3/2(土)〜3/29(金)
(連日)10:25/13:05/15:45/18:25(〜20:50) |
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