ーTRANSAMERICAー

トランスアメリカ

スカートの下に何があるかより もっとだいじなこと。
世にもフクザツな親子が 愛を見つけた旅物語

人は旅。なりたい自分になるためには、痛みと苦しみが伴います。

でも、その旅を終えたとき、人は何十倍もやさしく、そして強くなれるのです。

これは、特別な人たちの特別な物語ではありません。

あなた自身の物語でもあるのです・・・。

本年度アカデミー賞2部門ノミネート
<主演女優賞 フェリシティ・ハフマン/歌曲賞 ドリー・パートン>

本年度ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門 主演女優賞受賞


あなたらしく わたしらしく 旅が教えてくれたこと

LAで慎ましく暮らすブリー。男性であることに違和感を持ち、肉体的にも女性になるための最後の手術を控えた彼女の前に、ある日突然トビーという少年が現れる。トビーは17年前ぶりーが”スタンリー”という男性だった頃に出来た実の息子だった。二人は、ひょんな事からNYからLAへの大陸横断=トランスアメリカの旅に出ることになる。ブリーは女性として、父親であることを隠したまま、トビーは父親を探すために・・・。

全米が恋した名演!フェリシティ・ハフマン&新星ケヴィン・ゼガーズ

”女性になるための手術を受けようとしている男性”という難しい役どころに挑み、本年度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたのは、人気テレビドラマ「デスパレートな妻たち」のフェリシティ・ハフマン。主人公ブリー像を時にユーモラスに、時に切なく演じ切り、ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門主演女優賞を受賞しました。
クールで繊細な息子トビー役は、「ドーン・オブ・ザ・デッド」のケヴィン・ゼターズ。愁いを湛えたルックスと確かな演技力で”リバー・フェニックスの再来!”と評判の若手注目株です。

幸せをさがす全ての人に贈る かけがいのない宝物

監督・脚本は本作が長編デビューとなるダンカン・タッカー。エグゼクティブ・プロデユーサーは、フェリシティ・ハフマンの夫で名優のウィリアム・H・メイシー。ドリー・パートンが書き下ろし、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた主題歌”Travelin' Thru"も聴き逃せません。忘れていたやさしさを思い出させてくれる、とびきりチャーミングなハートフル・ドラマがさわやかな風に乗っていよいよ上陸します!


◆ダンカン・タッカー監督は語る◆

きっかけはある女性との出会い

数年前の事です。ある素敵な女性に「自分は手術前のトランスセクシャルである」と打ち明けられました。友人になって数カ月だった頃でしょうか。彼女はすでに整形手術を受け、何年かホルモン治療を受けていました。あとは最終的な生殖器の手術をするだけです。そう言われるまで私は、彼女が生物学的な女性でないということは思いもよりませんでした。彼女の人生は信じられないほど難しかったといいます。彼女は友人からも、家族からも侮辱され拒絶されました。彼女は絶えず孤独や、過去の苦しみ、不確かな未来と格闘していました。胸の張り裂けるような話しでしたが、私は彼女の勇気とユーモアに心を動かされました。彼女は何よりも「普通の暮らし」を求めていました。私は、彼女の夢は永久に手に届かないものなんだろうか、と考え、これが本作のアイディアの萌芽となりました。
シナリオが展開していくにつれて、私は性別適合手術を受けた、あるいはこれから受けようとしているたくさんの女性に会って話しをしました。時にはどうにも満たすことのできない怒りをあらわにする人もいました。しかしそれよりも、精神の素晴らしい強さと美しさに出会うことが多かった。こうしたトランスセクシュアルの女性の驚くほど多くが、先に語った私の友人のように、女性であるとしか考えられないような人たちでした。

社会の中の”トビー”たち

本作のリサーチ中、私はトビーに似た環境にあるたくさんの少年にも会いました。私の短編「THE MOUNTAIN KING」は彼らとの会話にインスパイアされてできたものです。虐待され、危険にさらされているゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの若者に、NYのハーヴェイ・ミルク高校で一学期間教えるという機会がありました。多くの生徒が、学校が終わるやウェストサイドの埠頭に客を拾いに行ったものです。あの生徒たちのように、トビーもきわめてひどい自己像の問題に悩んでいました。危険なドラッグに手を出す。セックスを介在せずに大人と関わることが難しいと思い込んでいる。おびえやすいくせい、平気で人の心を傷つけてしまうこともできる。

トランスセクシュアルとして生きるということ

本作の冒頭、劇中でスピコウスキー博士はブリーに「性同一性障害はアメリカ精神医学団体が発行した”精神障害の症例・統計マニュアル”のリストに載っている」と話します。このリストに載るということは、医学的な診断としての性別適合手術に正当性を与える一方、性同一性障害が精神障害であるという烙印を押すという二重の影響を与えています。私自身は、性同一性障害は、精神的な状態というよりむしろ、生物学的な問題なのだと信じています。遺伝子や、染色体、あるいは発生・成育途上の何らかの特別な環境の結果か、わかりませんが。私は性同一性障害が精神障害では絶対にない、と信じています。トランスセクシャリティを避ける社会において、トランスセクシュアルとして成長することは非常に大きな感情的な苦痛を起こすのが明らかだとしても。


★このページはヘラルド・エンタープライズさんに全て情報提供をして頂き、掲載の承諾を得ています★


脚本・監督:ダンカン・タッカー

出演:フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ
フィヌラ・フラナガン、バート・ヤング、キャリー・プレストン

エリザベス・ペーニャ、グレアム・グリーン

2005年アメリカ/103分 R-15
配給:松竹株式会社


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