・この写真は2002年LONDON公演のものです。撮影:なつむ・

・Matthew Bourne's Nutcracker!・
2004, Japan Tour Report


このレポートは皆さまから寄せられたものです。公演日順ではなく、頂いた最新の
レポートが一番上になっています。公演日については、各レポートのトップに記載しています。

by なつむ


◆◇◆ Reports ◆◇◆


◇弥生さん◇(鑑賞日・4月20日&4月22日 ソワレ)

 追加公演はキャスト表配られてました。

・・・4月20日(火)ソワレ・・・
クララ:シェルビー・ウィリアムズ
くるみ割り人形:ニール・ウェストモーランド
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ/ボンボン:ニール・ペンリントン
マトロン/キャンディ王妃:アナベル・ダリング
ドロス博士/シャーベット王:ジェームズ・リース
ニコラス/ニッカボッカー:パウロ・カダウ
ティリー/マシュマロ2:レイチェル・モロウ
役人2:友谷真実

・・・4月22日(木)ソワレ・・・
クララ:シェルビー・ウィリアムズ
くるみ割り人形:ニール・ウェストモーランド
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ/ボンボン:フィリップ・ウィリンガム
マトロン/キャンディ王妃:レイチェル・ランカスター
ドロス博士/シャーベット王:ダレン・フォースロップ
ニコラス/ニッカボッカー:パウロ・カダウ
ティリー/マシュマロ2:レイチェル・モロウ
役人2:友谷真実

 「1回見ればいいや」なんて思って3月13日のマチネを見て、ハマってしまった私。「やっぱりもっと見たい!今度は前の方で」と思い始めてチケットを買おうとしましたが、当時既に3月の公演の前の席はほぼ埋まっていて、かろうじて追加公演は残っていたので追加公演の週の20日と22日のソワレを購入し一ヶ月待ち続けたのでした。

というわけで、今回は前から3〜4列目で見た感想です。

 20日ソワレは私にとって初めての、ペンリントンのフリッツ。うーむ、まだまだ修行が足りませんな。(えらそうですみません、ニール。)彼は完全にお馬鹿になりきれてません。どこかまだ真面目で優等生な感がぬぐいきれません。やっぱりユアンに軍配が上がります。

 22日、前回よかったフィリップ・ウィリンガムのフリッツ。フィリップ、髪をかなり短く切ってました。前の、サラサラヘアを7:3にした時の方が、ほんとにいそうな「馬鹿おぼっちゃま」風でよかったかも。でも「お馬鹿っぷり」は健在です。(彼はユアンとはいい勝負です。)

 両日とも出番なしで役人役の友谷さん。「酷い風邪をひいてゴホゴホの役人の妻」を演じていました。ずっとハンカチを口にあてて辛そうでしたが、どうも本当に風邪をひいてらしたようです。

 今回私が惹かれてしまったのはレイチェル・モロウ!1幕では短いくりくりパーマの髪で前髪にリボン、そのまんまの姿で「アニー」(ミュージカル)に出れそうです。「いい大人がこんな子供な髪型して・・・かわいいなあ」とびっくり。でもあんな頭してたら楽しいかも。私もあんなくりくり頭の髪型しようかしら、そしたらなんだか天真爛漫になれて人生楽しそう、なんて思ってしまいました。
 そう、彼女はまさしく「孤児」「みなしご」でした。ハマってます。そして2幕、マシュマロガールで登場の彼女にさらに目を奪われることに。超美脚!背が高いうえに腰も高く、一人だけ異常にながーい脚、そしてほどよくひきしまって、形もよく、今までみたことのない美脚で、マシュマロガールがいると彼女の脚にばかり目がいって大変でした。(ダンサー達がモデルを務めた今発売中のSPURでも、彼女の"美脚"を強調してました。)「脚が素敵」なレイチェルです。

 パウロ・カダウのニッカボッカーがまた最高でした。日本人のウケがいいらしく、彼が壁から姿を出して煙とともに登場、あの眉をぴくぴく動かすと、会場じゅうから笑いが起こり、そして自然に拍手が沸き起こって・・・。(ロンドン公演のDVDでは特に拍手はありませんよね。)両日ともこんな感じで受けてました。
 パウロって、「眉」がいいですよね。DVDでも、1幕、眉がすごいへの字で、「不安げな孤児」の表情がよくでてます。あ、あと彼、「つま先」もいいですね。ダンベル踊りの時の伸ばしたつま先がいつも"ピッ"としてて。「眉とつま先が素敵」なパウロ・カダウです。

 くるみ割り人形のニール、近くで見て感動的でした。なんて目が透き通って綺麗で笑顔が素敵なんでしょう。心が綺麗なんでしょうね。彼はイングランド人ですが、昨年の白鳥の"明るい軟派なラテンの兄ちゃん"スペイン人のジーザス・パスターを彷彿とさせました。華やかさや甘さがあります。まさに王子様。でもニールの方が庶民的ですね。「瞳が素敵」なニール・ウェストモーランドです。

 「クララちゃんの性の目覚め」のシーンはやっぱり可笑しい!噴出してしまいます。マシューさいこーです。私はこのシーンが一番噴出してしまうんですが、人の笑いのツボってそれぞれだなあ、と思いました。
 22日、私の隣に関西人の40代くらいの紳士が座ってました。彼女なのか愛人なのか妹なのか単なる友達なのかよくわからないけど・・・な女性連れで、2人とも初めてのようでした。女性の方はほとんどずっと身を乗り出して一人で没頭してたのですが、その関西人のご紳士、ところどころでよく、「ふっふっふっ」とか「くっくっくっ」と笑っているのがわかって、それが、私が全然笑わないところで笑ってたりして、「さすが関西人、笑いのツボは我々と違うのかもしれないなあ・・・」と感慨深く思いました。

 カーテンコールの後照明がついた時、そのおじさま、「いやー面白いねー」ってその女性に話していて、私も何だかうれしくなりました。この作品って、結構おじさん受けよくないですか?会場でも、カーマンや白鳥の時以上におじさま達の姿を見ましたし、朝日新聞でも英文学者のやなせなおきさん(AMPはおろかバレエもそんな見たことない)がすごく気に入ったとかなり興味深い論評を書かれてましたし。

 今回もやっぱり関西の方が反応がいいのでしょうね。両方観に行ったカーマンでは、東京より琵琶湖ホールのお客さんの方が反応がよかったと思ったので。

 あーそれにしても楽しかった。3月13日以来、ずっとDVDだけで楽しんできた私ですが、また生で見られてよかったです。くるみ割り、ほんといい作品ですね。マシューって最高!!
 また、カーマンや白鳥との大きな違い、それは、この作品を観るとしばらく楽しくハッピーな気持ちでいられること。素晴らしいことです。次の日職場でもにやけてしまってあやしい人状態の私でした。

 この作品にハマって以来私は「お馬鹿ブーム」(?)なんです。お馬鹿な人間に惹かれます。フリッツみたいな。そして、こういう作品を作れるマシューも、演じられるダンサー達もみんな「お馬鹿」な精神をもっている素晴らしい人たちだと思います。私もそうありたいものです。


◇ねこざめさん◇(鑑賞日・?)

 私はDVDは見ていませんので、今回の鑑賞が本当に初見だったのですが、「くるみ割り人形」を見て、あんなに胸が高鳴ったのは初めてでした。

 私はバレエファンなのですが、古典のくるみは、そんなに好きな演目ではないのです。でもNutcracker!を見て、「ここは、こんなに素敵な曲だったかしら?」と胸がいっぱいになり、涙が出てしまいました。

 あと印象的だったのは、会場のお客さん達です。子ども連れのお母さん達や、お年寄りが多くて、劇場!というよりは、公民館ちっくな雰囲気でした。なんだか嬉しかったです。


◇豆七さん◇(鑑賞日・2004年4月9日、11日)

 仙台公演の1日目と3日目(ラスト)に行って参りました。こちらでは会場でキャスト表の配布がありました。

・・・4月9日(金)・・・
クララ:ケリー・ビギン
くるみ割り人形:ニール・ウェストモーランド
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ:フィリップ・ウィリンガム
マトロン:アナベル・ダリング
ドロス博士:ダレン・フォースロップ
キューピッド1:シェルビー・ウィリアムズ
キュービッド2:リー・スマイクル
リコリスレディ:友谷真実さん
マシュマロ1:谷古宇千尋さん

 この日は仙台公演初日。移動日など中4日のお休みが入ったせいでしょうか、ダンサーの皆さんは元気いっぱいはじけていらっしゃいました。
 終始満面の笑み!この日は個々に注目せず全体を楽しむつもりでしたが、やはり目に留まっちゃいましたP・ウィリンガム君!観ているこちらの顔が筋肉痛になりそうなほど表情豊かで、動きもハイテンションです。既にご覧になられた皆様がレポートして下さったとおりの見事な馬鹿息子ぶりで(笑)楽しませてもらいました。

 スコットファンとしてはやはりドロス博士にも目がいってしまいますが、D・フォースロップ君は若い!細い!なんだか中学の生徒会長みたい。貫禄とか迫力はあまりなくて神経質な感じのドロス博士でした。でも、溜め息が出るほどの美形です ね〜、クラクラきちゃいました(笑)。前方の席ではなかった為メイクが気になりませんでした。

 K・ビギンのクララは儚げで「負けないで!」と応援してあげたくなっちゃう女の子。N・トルマーのシュガーは勝気で意地悪だけれど憎めない可愛らしさがありました。N・ウェストモーランドのくるみ割り人形は全編通して爽やかな笑顔!踊りも美しく滑らかで、外見もまさしく王子様ですね。

 この日は日本人ダンサーのお二人も揃ってご出演!とくに友谷さんのリコリスレ ディ(スペインの踊り)は上体がしなやかでキビキビした踊りが観ていてとても気持ちよかったです!

 それからDVDでは分かりませんでしたが、子供たちはいろんな動きをしていたのですね。気が付いたところでは、女の子が頭に被っていたダンボール箱をマトロンに片付けるように命じられるのがタバコを吸っていた男の子で、箱を突き付けられた拍子におもわず煙を吐き出してしまうところや、欲しかったお人形をボールに換えられてしまった男の子が、フリッツに銃で撃たれたお陰で手に入れた(?)お人形のスカートをソロ〜リめくって覗いてみたり(笑)。この他にも、足を運ばなければ分からないことがいっぱいつまったマシューワールドを堪能いたしました。

・・・4月11日(日)・・・
クララ:ケリー・ビギン
くるみ割り人形:ニール・ウェストモーランド
シュガー:アンジャリ・メーラ
フリッツ:ニール・ペンリントン
マトロン:アナベル・ダリング
ドロス博士:ジェームズ・リース
キューピッド1:友谷真実さん
キュービッド2:フィリップ・ウィリンガム
役人3:ダレン・フォースロップ

   今回は最初からD・フォースロップを中心に・・・と臨みました(笑)。しかしこの日の彼は役人3(出番が少ない…)。で、1幕は彼に集中しようと決めたのが功を奏し、いわゆる「おあそび」を発見しました。
 子供が四つん這いの椅子にさせられドロス夫妻がダンスを披露するシーンで、役人のダレン君が腰掛けるのですが、この時椅子の男の子がワザと揺らしてちゃんと座らせてくれないのです。これにダレン君も反撃!左手には飲み物を持っているのですが、右手で何気なく男の子の脇の下をくすぐります。当然男の子は大笑いしていました。くすぐっているダレン君自身も笑っていましたけどね。
 ただ、これは1幕の隠れテーマ(?)だったかもしれません。その後のシーンでも子供たちがこちょこちょしていたし、ドロス一家が逆襲される時にもマトロンが擽られていました(DVDでもフリッツが擽られていますよね)。

 シュガーとフリッツですが、A・メーラとN・ペンリントンは(今回だけは?)毒気がなくて、そんなに嫌な子にも見えませんでした。なので子供たち全員で踊っている時にシュガーが男の子たちに小突かれたり、からかわれていたり、女の子たちからも相手にされないのは気の毒なくらいです。フリッツ/ボンボン王子は先に観たP・ウィリンガム君の爆裂キャラの印象があまりに強すぎて、物足りない感じがしました。

 それから1幕では見逃してしまったJ・リースもとってもハンサムなのですね(ダ ンサーの皆さん全員素敵ですけど)。ここで気付きましたが、全編妙チクリンなメイクをして登場のドロス博士/シャーベット王役って特に美形の方が担当なのです ね〜。スコットに始まり、今回のダレン君、J・リース他・・・実にもったいない! (笑)

 『くるみ』は正直あまり期待していなかったのですが、やはり映像とは大違いです(当然ですよね)!見所がたくさん詰まっていて、ダンサーの皆さんもそれぞれ魅力的で、『SWAN』同様に何度も通いたくなるくらい素晴らしい舞台でした。(自分でもこんなにハマるとは思いませんでした)

それから…ローブリッターさん、弥生さん、WillieさんはじめJCBカード会員割引チ ケットに泣かされた皆様、申し訳ありませんでした。。。(情報をお知らせしてし まった豆七です)


◇香月さん◇(鑑賞日・2004年3月19日、20日マチネ・ソワレ、21日)

 広島からはるばる上京し、3月19日〜21日の3日間計4公演を鑑賞してきました。海外まで足を運べぬ境遇ゆえ、来日公演には熱が入ります(笑)

・・・3月19日(金)・・・
nutcracker:neil westmoreland
clara:etta murfitt
dr.dross:darren fawrhrop
matron:annabelle dalling
sugar:noi tolmer
fritz:neil penlington

 DVDで鑑賞した感じでは、ファンタジックで楽しそうではあるけれど、心を鷲掴みにされるような情緒は感じられないなぁ。という感想を持っていたため、「SWAN」や「カーマン」の時のような高ぶった気持ちもなく劇場入り。
 しかし、期待度がさほど高くなかったからか、好位置からの鑑賞のためか、いきなり、バキュ〜ンという感じで打ちのめされました。はるばる東京まで観に行ってよかったです!

 とにかく、ettaの表情がすばらしくて、一気にclaraに感情移入。舞台に登場した彼女が、客席に向かってほほえみかけてくれるのに合わせて、ついついこちらもニッコリ(^^)
 パーティの飾り付け、役人たちの視察と、とぎれることなく進展する舞台。1回目の鑑賞なので、どこを観ていいやら分からず、目が回りそう!とりあえず、claraよッと、彼女の動きを追うものの、奥の窓でこっそりタバコを吸ってるのやら、からかいからかわれのごちゃごちゃした動きやら、気になって気になって・・・

 1幕は、claraがくるみ割り人形を籠から見つけるシーンがいいですね。ettaの感激を表す、あのタメのある演技がいい〜〜
 あんまりにも嬉しそうなので、軽やかなダンスの後で人形が壊されちゃうとこでは、いや〜んって思ってしまいました。
 それから、くるみが実物大に巨大化するトコ。4列目ということで、表情がよく見えるのだけれど、巨大化したくるみ君が、目を動かして横目(?)にclaraをちろ〜んと見るのまでよくわかり、ちょっとコワイ。でもオカシイ
 孤児たちの反乱のトコも、ライティングが効果的で、ドラマチック!! くるみ君が孤児院の壁をたたき壊し、みんなが壁の裂け目から逃げ出すトコは、行け行け〜〜って気分。
 その後、くるみ君が上着を脱ぎ、マスクを外すんだけど。この回のneilは、王子様って感じが強くていい感じだったです。DVDのアランは今イチ王子様というには苦しい感じがあったので、neilのほうが私の好みでした。踊りもきれいだったです。まさに少女の夢の中に出てきそうな王子様です。

 冬の王国での、スケートの踊りは「あ〜スケートしてるなぁ」ってわかりやすい感じでした。女の子がスーッと先に滑って行って男の子が後に取り残されるような振りのトコがよかったです。その後、一生懸命男の子たちが氷を蹴って追いつくという細かい芸まであって、スゴイ。
DVDでは小さい雪玉だったのに、クッションくらいの大きさの雪玉をバフッとぶつけられるくるみ王子。笑えました。
 思いの君をライバルに奪われて焦るclaraちゃん。しつこくつきまとう(姉の恋を成就するために協力しているのか?はたまた、ただの意地悪か?)fritzを、後ろの巨大枕に突き倒すclaraに、またまた笑いが。

 第2幕、キューピッドたち、ちゃんと可動式の羽に乗って登場。ここがDVDとは違うように(映像のように)見えたと、初回を見た友人から聞いていたので、ちょっとホッとしました。(ちなみに、彼女から音がよくないと聞いていたので、去年の「SWAN」のあの雑音だらけのテープを想像して、かなり気持ちが落ち込んでいたのですが、そんなにひどくありませんでした) お菓子の国の踊りでは、ニッカボッカのが好き(かも)。DVDで観て以来、どうもあの曲が頭を離れないんですよね。
 2幕では、なによりもmatron役の変わりっぷりが目を引きますね〜。あの凶暴で陰惨で残忍で意地悪そ〜な顔が、明るくてお茶目で軽そうなイメージのキャラクターになるのがすごいですね!! とても同一人物に見えないっっ
 ウェディングケーキをバックに、花のワルツの曲で踊りまくるトコも好き! 観てるだけで甘ったるい気分になりますね〜

 ハッピーエンドなので、幸せな気持ちで劇場を後にできるのも嬉しいです。とにかく1回目なので、ジェットコースターに乗っているかのような感じで、あっという間に終わってしまいました。

・・・3月20日(土)マチネ・・・

nutcracker:adam galbraith
clara:etta murfitt
dr.dross:darren fawrhrop
matron:annabelle dalling
sugar:anjali mehra
fritz:neil penlington

・・・3月20日(土)ソアレ・・・

nutcracker:neil westmoreland
clara:kerry biggin
dr.dross:james leece
matron:rachel lancaster
sugar:noi tolmer
fritz:philip willingham

・・・3月21日(日)フォーラム楽日・・・

nutcracker:adam galbraith
clara:etta murfitt
dr.dross:darren fawrhrop
matron:annabelle dalling
sugar:anjali mehra
fritz:lee smikle

 4公演の中で、違う配役で観ることができました。そして、自分のイメージに合うダンサーはこの人かなぁ、というのがでてきたのでそれを。

 claraは、やはりettaですね〜。もう天真爛漫て感じで、可愛いです。表情の変化がとっても素敵で、すぐに感情移入させられてしまいます。特に、口の表情がうまいな〜って思いました。
 kerryのは、聡明そうな感じがあって、はじける少女という雰囲気ではあまりなかったです。ちょっと、内気そうなclaraでした。

 くるみは、neil君がお気に入りです〜 目がくりくりっと大きいので、舞台映えしました。もしかしたら、あのくるみのマスクに一番似てるかも・・・、脱いでも違和感がない
 king sherbetに舐められる場面では、adamが上手に(笑)舐められていたようでした。おしりから背中をする〜〜っと、なで上げられている感じが絶妙でしたわん。

 sugarは、anjali かな。意地悪〜な感じがよくでていたし、お嬢様っぽいし、プリンセスっぽい。noiは、やはり東洋系ということからか、舞台に登場した瞬間の違和感が大きくて。観ているうちになじんではくるけれど、う〜ん。踊りはよかったけれど・・・

 fritzはなんと言ってもphilip willingham!! あの壊れっぷりは見事と言うほかないですね〜neilのfritzはどことなくまじめな雰囲気で、おバカな感じがさほど強烈じゃないんですよね〜そこはかとなくにじみ出る知性が邪魔してるのかも。でも、べろーんと突き出す舌の長さと赤さは、neilの勝ち(笑)

 21日には、それまでにすっかりキューピッドのイメージが定着してしまった、lee smikleのfritzで観ました。登場した瞬間「うわ〜ナイナイの岡村君だ〜」と思ってしまった。存在感といい、仕草といい、扱われ方といい・・・どう見ても岡村君。従って、どーしても憎めない可愛さにあふれていました。

 drossは、darren。素顔のクールな美しさがどこに隠れているのかと思える、あの激しいメイク・・・ 素顔でくるみ役やって欲しい〜

 matron役では、annabelle dallingがはまっていました。1幕と2幕のイメージのギャップは、彼女の方が強かったです。

 孤児たちにもそれぞれ性格があって、それが2幕メclaraの夢の中モでのイメージにつながっているようでした。
 リコリスはリコリスレディに、孤児院の場面でもことあるごとにお尻をばしばし叩かれていたし。ニッカボッカは掃除の最中に隠れタバコしてたり、ナニゲに髪型もクリームっぽかったり。ゴブストッパー達はオープニングで登場したときからケンカ腰。キューピッドは・・・言わずもがなかな〜。
 友谷さんのキューピッド観ましたが、眼鏡がずりずり下がってくるのを、ちょこちょこ指で押し上げる仕草が可愛かったです〜

あと、公演鑑賞後半のあたりで気になって、分かったのが最後の日だったのですが、お菓子の国の守衛は、1幕で役人の「ハロルド・ハンバグ」と名前が付いている方が演じているようです。えーと、孤児仕様の椅子(これもブラックな笑いが出そうですが)で、手前に座る方の人ですかね?たぶん。

 広島公演まで、1ヶ月ちょっとありますが、今からとっても楽しみです!!残念ながら、ettaは4月初旬で帰国するみたいなので、彼女のclaraは観られませんが。3回観ることができたから、満足することにします(笑)

 長々と書きましたが、本当にとっても楽しい舞台でした。マシューの舞台にはずれなしって、しみじみと実感しながら帰りました。


◇ゆうさん◇(鑑賞日・2004年3月10日マチネ・ソワレ)

 3月10日にマチネとソワレの両方を見てきました。  残念ながら会場で「Play Without Words」のチケット販売はもうありませんでした。関連グッズがたくさんあり、商売気が出てきたようです。(笑)「くるみ」のDVDを買うとオリジナルクリアファイルがもらえるようですよ!

マチネ公演……………………………………

クララ:エタ・マーフィット
くるみ割り人形:アダム・ガルブレイス
シュガー:アンジャリ・メーラ
フリッツ、ボンボン王子:ニール・ペンリントン
ドロス博士:ダレン・フォースロップ
ドロス夫人:アナベル・ダリング
キューピット:友谷真美
キューピット:リー・スマイクル

 10列目のど真ん中という大変良い座席でしたので、ダンサーの表情や息使いもは っきりわかり、大満足でした。
 音楽が始まると、まずエタのクララが登場です。続いて孤児院の子ども達が一人一人個性的に登場してきました。この導入は本当に素敵です。これで観客と子ども達がお友達になれたような気がして、こちらが構えることなく「くるみ」の世界にす〜〜と入っていけました。

 孤児院でのクリスマスパーティーのシーンが、楽しいけれど、やや淡々と続きま したが、くるみ割り人形がショッキングに(?)登場した時にはこれぞボーンだわ 、と訳のわからない興奮がわき上がってきました(笑)。もうここからはボーンワ ールド全開です。堰を切った川のようにスピーディーに場面は展開していきまして 、気がつくと休憩!「あれ?もう幕間?」と。

 2幕からもこのスピード感は減速することなく、更にパワフルに更に派手に!! もう楽しいったらありゃしない。この派手さはディズニーのミュージカル「美女と 野獣」に匹敵するわ。振り付けが細かくてテンポも速いので、ダンサーは凄い体力 を要すると思います。表情も思いっきりハイテンションの笑顔なので、終わったら ドっと疲れるだろなと、おばさんは思っちゃいました。

 作品全体の感想はこれぐらいにして、ダンサーについてですが、エタのクララは 本当に良かったです。活発で天真爛漫・無邪気なクララでした。的確な表情やパン トマイムが、クララのキャラクターを正確に伝えてくれました。特におもちゃのく るみ割り人形を手に入れて一緒に遊ぶシーンはとても可愛らしい仕草でした。

ニール・ペンリントンのフリッツは、おばかな息子だけど、意地悪さよりもお茶目 な感じがして可愛らしかったです。ボンボンの王子のあの派手な衣装もすごくよく 似合っていて(笑)。「カーマン」でペンリントンのアンジェロを観て、「ひゃ〜 、この人上手いんだ〜!!」と大感動した私は(彼のプロフィールを読むと上手く て当然だったんですけどね)、再び彼が観られて満足・満足。

 正直、この公演はエタとペンリントンを集中的に追って観ていたので、他のダン サーはあまり印象に残っていません…。あ、でも友谷さん、凄く良かったです。ソ ワラではまた違う役で出演されていました。カーマンの時より表情からも動きから も日本人特有の生真面目さが抜けて、今回ははじけてました。キューピット役がと っても可愛らしかったですよ。

ソワレ公演……………………………………

クララ:ケリー・ビギン
くるみ割り人形:ジェームズ・リース
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ、ボンボン王子:フィリップ・ウィリンガム
ドロス博士:ダレン・フォースロップ
ドロス夫人:アナベル・ダリング
キューピット:ジェルビー・ウイリアムズ
キューピット:リー・スマイクル

 ビギンとエタの顔立ちが少し似ているので、クララの印象が大きく変わるという ことはありませんでした。ビギン方が乙女チックで女の子っぽいかな?  ウィリンガムのフリッツは、もうペンリントンに輪をかけたおばかっぷりです! 仕草や表情が誇張されていて、これはこれで興味をそそった(笑)。プログラムの 顔写真はすごくシリアスなのに、このギャップにのけぞってしまいました。  トルマーのシュガー、私は好きでした。わがままだけどちょっと憎みきれないと ころがあって…本当の子どもに見えました。夜中にくるみ割り人形が見つからなく て、ベットに腰掛けて足をブラブラさせる仕草は可愛かった。

 ひとつ気になったのは、舞台セットです。  マチネでは座席がセンターだったので気づかなかったのですが、ソワレでは4列 センターブロックの右端だったため、右の柱のセットは何も見えません。もちろん 柱にドアがあることも、奥にある右端のベットも半分しか見えない。当然、右奥に いるダンサーは全く見えません。巨大なウエディングケーキもぎりぎりでした。  私の右隣にはまだ通路をはさんで3〜4人×数列の観客がいましたが、かなり悲 惨だったと思います。あそこもS席だったらクレームつけたくなる。座席によって 見えずらくなることはあっても、完全に死角になるのは問題だと思います。

 これは「白鳥」のセットにも言えます。柱が大きく舞台にせり出しているせいで 、ストレンジャーがお酒を競い合って飲んでいる場面は全く見えませんでした。「 白鳥」は大阪で観たのですが、一番センター寄りのサイドブロックだったのにコレ だったわけです。フェスティバルホールはかなり扇型に広がっているので、「くるみ」も心配です。

 大阪公演が決定した時、東京は取らなくても良かったかなと少し後悔しましたが 、観劇後「まだ大阪で観られるんだわ!」と嬉しく思いましたので、遠征した甲斐 はありました!


◇Willieさん◇(鑑賞日・2004年3月13日マチネ)

nutcracker/neil westmoreland
clara/shelby williams
dr.dross/darren fawrhrop
matron/rachel lancaster
sugar/anjali mehra
fritz/philip willingham

 3/13(土)のマチネに行ってきました。私もちいままさんと同じくon your toesやPWWに備えくるみは自制してこの一度だけです。

 2002年11月にオリジナルキャストのロンドンで一度観たのですが、その時の印象も楽しかった〜という程度だったので今回の期待度は低めで、せっかく向こうから来てくれるのなら行くのが礼儀だろうくらいな感じだったのです。
 ローブリッターさんと同じく割引席とはこんなもの・・・の23列目でも納得してしまうくらいテンションも低くなにがなんでも前でというPWWや白鳥のような気持ちではなかったのです。

 でも、舞台は生ものとは良くいったものです。観る場所や出る人、こちらの精神状態や一緒に観る人なんかで全くちがう印象になるものだな〜実感。
自分の趣味じゃないな〜と思っていたくるみは実はとても魅力的な愛すべき作品 でした。
 nutcracker!は(白鳥が/カルメンが、男)だったりなど衝撃的な設定をなしにしてもマシューの作品は良いんだと思わせてくれました。

 shelbyのclaraは残念ながらettaのような存在感がなくて、23列目からでは他の孤児達にまぎれてしまいました。
 そんな中でぐぐっと私の目を惹き捲ったのはphilip willinghamのfritzでした。 (ロンドンでもユアンしか記憶に残らないくらいだったのでこの役自体美味しすぎるのでしょう)このphilipという人、もう顔が60年代ロンドン子のように反骨精神にあふれてます!他の役の彼も観てみたいです。(swanで幼年の王子を踊った私のお気に入りのgavくんにこの役をやって欲しい!)
ずっとバカに拍車をかけつづけなければいけない役なのでphilipの味がでる暇がない程のflitzでした。このflitzという役の動きはすべてが不思議でおもしろくて、マシューのへんな動き好きの私をわくわくさせてくれました。

 白鳥の舞踏会のはじまりのシーンのように、皆で紙の冠をつけてペアで踊る縄跳びをするような動きや本当に縄跳びしたりダンベルを持って踊るところなどなど 。そのときのdr.dross(darren fawthrop)が真剣でなんともおかしいです。

 クルミ割り人形が実体化して大きくなってクローゼットからでてくるところは子供の頃の夢に本当にありそうで、天狗の夢でうなされた自分の子供時代と重なりました!(もちろん天狗の出てくる絵本を読んだ後で子供って単純ですね)

 そして、その人形が奥ですごーく色っぽく服を脱いだりするのがおかしくておかしくて。
それで、一人で男性の性を強調してポーズするところでかなりくすくすしてしまの ですが、それが一人増えまた一人、大集合で迫ってくるっていうのも夢の中そのものですよね〜。
 観ているうちに子供の気持ちにこちらまでなってしまったのか、クルミ割り人形が壊れてしまうところでは涙が出そうになってしまいました。白鳥でも泣かないのにこんなところで涙ぐむとは!?

 孤児院で抑圧されている子供達がクララの夢の中ではきれいな服を着て楽しそうにスケートしてるところなどもちょっとホロっとさせられます。
でもその途端スカートを自分達でヒラヒラさせたりして笑わせてくれるのです。  一幕はそんな悲しさとおかしさが交互にやってきてどっぷり夢の世界に入ってしまう2幕よりも好きです。夢と現実のはざまのようなところが特に良いです。

 neil westmorelandのnutcrackerはスマートで華奢な雰囲気。女の子が夢に見る王子様って感じで常に濃いキャラクターがでづっぱりなのでちょうど良いバランスでアランより私は好きです。(ごめんなさい。アラン...でもどうしても王子とは思えなくて)
 雪の玉にあたってprincess sugarに惹かれてしまうnutcrackerといい、ハンカチ拾って誘惑されたswan lakeの王子といい純粋というか素直というか古典的でおかしいですよね。

 クラシックのくるみは一幕が退屈でニ幕のほうがいろんなキャラが出てきて楽しめるのですがマシューのくるみはだんぜん一幕でした。
 ニ幕の50年代/80年代のようなはじけた色使いより一幕の薄暗い中での物語に惹かれましたが、ひとつの作品でニ作品みたような贅沢さがあります。ニ幕のゴブストッパーが赤.青.黄レンジャーに見えるのは私だけでしょうか?
 サスペンダーの男達大集合や、ゴブストッパーや、ダンベル踊りを指揮するdr.dorossなどマッチョな踊りがかなりおかしいです!

 マシューの作品は大爆笑っていうのではなく、ひとりでくすっと笑ってしまう 感じが良いですね。イギリス人的シニカルな笑いというか・・・。やっぱりマシュー好きです!すごい。
 PWWもきっと期待を裏切らないだろうと4回分買ってしまったのです。白鳥みたいに作品を知ってからの来日ではないですし、willも来ないというのに私、張り切ってます!それにしてもプレミア席なので不要にパンフレットがたまってしまいます。

 マチネが終わった後食事をしていたら、ettaやneil penlington達公演に出ていなかったダンサーが食事してました。きっとソワレに向けての早めの夕食だったのでしょうね。うれしいおまけでした。

私のくるみはこの一度だけなのであとは皆様のレポート楽しみにしてます!


◇弥生さん◇(鑑賞日・2004年3月13日マチネ)

クララ:シェルビー・ウィリアムズ
くるみ割り人形:ニール・ウェストモーランド
シュガー:アンジャリ・メーラ
フリッツ、ボンボン王子:フィリップ・ウィリンガム

 13日(土)のマチネを観ました。今ツアーで初観劇です。これは、公演のレポートというより、公演を観た後どんなに私自身が変わったのかのレポートになりそうです。私にとってすごい経験になったので・・・

 席は1階の後ろから2列目でしたが、小さい会場なので舞台はそれほど遠く感じません。まったりのんびり観たかった私(理由は後ほど)にはちょうどよい席でした。

 1幕がすごくよかった!私は1幕が特に好きです。
私が今回一番ツボにはまったシーン、それは・・・「クララちゃんの性の目覚め」(by佐藤友紀氏)(笑)のシーン。巨大なくるみ割り人形が仮面を脱ぎ、生身の人間(しかもマッチョな男らしいー男)になり、しかも何と!それが孤児院で密かに思いを寄せていた、内気で恥ずかしがりやの男の子そっくりで、孤児院での彼とは大違いの男らしさでクララを導き、さらに、壁の割れ目から、同じく白いパンツ&サスペンダーで上半身裸の男達が次々出てきて、筋肉美と男らしさをこれでもか!と見せつけます。このシーンはまさに、「スピットファイヤー」そのもの!思い出しちゃいました。

 このシーンでの、クララ演じるシェルビー・ウィリアムズの演技が最高でした。DVD版のエタの演技よりいっそう「性の目覚め」って感じがでてました。後ろ向きに正座して手を頭の後ろに組んで、目前のマッチョマンたちの筋肉美と男らしさに見惚れるのですが、恍惚に浸らんばかりにうっとりと頭を横に振るシェルビーの後姿は、「世の中にこんな素敵なものがあったなんてどうして今まで私は気づかなかったのかしら!素敵だわぁ・・・(うっとり・・・)」と語ってます、上手〜い!

 このマッチョマンたちがまたいいですねー、一人ずつでてきて勢揃いして所定の位置についたところで、一斉に握りこぶしを頭上に振り上げるところがまた最高に可笑しくて噴出しちゃいました。拳の振り上げと同時に鳴る、シンバルのパーンという音がまた可笑しさを倍増させてます。
 いやあ、ほんとにマシューのこういうところ最高ですね。私はマッチョとか苦手なので、基本的にこういうマッチョな演出は苦手なのはずなのに、このシーンはハマって大好きになってしまいました。クララちゃんだけじゃない、私も目覚めちゃった感じですわ。
 音楽の使い方もいい!この音楽を使ったのが最高ですね。またしても私、「聴くと噴出しちゃう、真顔で聴けないクラシックの名曲」が増えちゃいました。今後、普通のクラシックのくるみを観にいったら、この曲のところで噴出しちゃいそうです。実際さっき、吉田都ちゃんが金平糖の精を踊る、ピーターライト版のくるみのビデオを見たのですが、この曲のところでやはり思い出してしまって、ぶふっときてしまいました・・・いかんいかん。

 次に好きだったのは、役人たちが訪れてすぐ、孤児達が膝をついて手を合わせて、お祈りをしていることを表してるんでしょうか、口を大きくパクパクさせたりするところ。これまた、大の男達が一生懸命お口を大きく開け閉めしていて、何とも言えずかわいいですねー。

 あと、ドロス博士の指揮の下、孤児達が嫌々無理やり踊らされる、鉄アレイなどを持っての器械体操系の踊り。何か怪しげで可笑しい。そしてこれもすごく音楽にマッチしてます。

 しかし、いい大人の美男美女(といっても個性的系の)達が子供を演じるのっていいもんですね。とてもエロティックだと思います。と同時にすごく可愛い!1幕では、しょっちゅうクスクス笑ってました、もうかわいくてかわいくて。特に男の子たち。小学生とかって、同じ年齢だと女の子の方がマセていて、男の子ってずっと子供っぽいですよね、この孤児院もそうでした。男の子たちのお子ちゃまぶりが女の子以上に際立っていてました。視察に来た役人達の前を歩く時、みんな緊張して肩もがちがちなのですが、それだけにとどまらず手と足が一緒になっちゃってる子までいて、思わずぷぷっと笑っちゃいました。かわいい!

 今日の公演で最も光ってた、私が注目してしまったダンサーは、フリッツ役のフィリップ・ウィリンガム!
この公演を観るまで、「ユアンほど、フリッツの馬鹿っぷりを演じられる人はいないはず。フリッツはユアンじゃなくっちゃ!」と思ってました。しかし、このフィリップがまた最高でした。背の小ささもあって、本当にいそうな、お馬鹿で頭悪くてマヌケでアホでお調子者のガキ(でも憎めない)で。2幕でのボンボン王子の演技も光ってました。もう、超マヌケで。フィリップは、NA版くるみのロンドン初演時(2002年)からのメンバーですが当時はまだ主役級は踊ってませんでしたから、期待の新人でしょうね。普段の彼の写真はあんな美青年なのに、こんなお馬鹿な演技できるなんて、もしかして第2のユアン登場?とうれしい発見でした。
 将来PWWでユアンと同じ役(スマート青年アンソニー、危険なスペイト、お馬鹿なダンサー、そしてなよなよしたオカマ)を演じる日がくればいいなあ、と期待してしまいました。

 1幕を見てすっかりこの作品の虜になり、家に帰ってまたすぐ何度でも観たい!となったので、幕間に早速DVDを買ってしまいました。

 ・・・実は私、ロンドンで、2002年12月26日のソワレと1月5日のソワレを見てました。当時は現在のようにPWWと同時進行で公演をしている時期ではなかったので、PWWのメンバー(アラン、ユアン、サラン等々・・・)も全員揃っていてオリジナルキャスト(DVD版のキャスト)で観ることができました。しかし、その2公演を見ても私は何も感じることができなかったのです。席が2階の2列目だったので、細かい表情が見えなかったこともあるのかもしれません。本来ここはとてもいい席なはずなのですが。そんな中でも、なぜか、馬鹿息子フリッツを演じるユアンのお見事なアホっぷりだけはよく見えて、ずっと心に残ってました。

 で、そんなわけでそれ以来、私にとって「くるみ割り人形」はマシュー作品の中で唯一、「あまり好きな作品ではない」のレッテルが貼られてしまってました。来日公演もチケットを取ることもせず、このままでいくと一度も観ないことになりそうでした。しかし、Willieさんに「1回くらい観ましょうよ」と誘っていただき、観ることになったのです。

・・・本当に見られてよかった・・・。帰宅してから、ずっとDVD観っ放しなんです。
 こんなに素敵な作品だったなんて・・・一年前ロンドンではどうして気付かなかったんだろう。今思えば理由があるのですが。実は当時の私、ちょっとした心の病状態で固く心を閉ざしてたんです。だから、素直な気持ちでこの作品を見てなかったんです。今、それも治って普通の状態で初めてこの作品を見たおかげで、この作品のいいところが感じられたのだと思います。

 DVDを何度も観て、ますます1幕にハマってます。子供演じるダンサー達、本当にかわいいし可笑しい!こういう役を演じられる彼らって、ほんと純粋な心をもった人間なんだろうなあ、と思います。マシューみたいに。マシューってインタビューとか見ても、「いい年して(失礼)なんてかわいい人なんだ!」って思いますよね、純粋な心のまま成長した大人で。ダンサー達もみんなそうなんですね。
 見てると、私もこの孤児院の一員を演じたい!という衝動に駆られてしまいます、私もこんな風に子供になりきりたい!と。
私は本来「子供嫌い」な人間。でも、彼ら演じる子供はもうかわいくって大好きです。

 私がいちばん笑ってしまうのはやっぱり「クララちゃん性の目覚め」のシーンです。ほんと私のツボにハマりました。見る度に、お腹の底から思いっきりオバサン顔負けの大笑いをしてしまいます。ダンサー達のクララに投げかける視線と表情がまたいい。アーサー・ピタの、ニヤッという怪しげな濃い笑顔がまたいいいですねー。
 なつむさんがレポートで、「何故に素肌にサスペンダー。更に、白いパンツはクラッシックバレエの王子様をイメージしたものなのか?!なかなか不思議なスタイルのヒーロー登場」と書かれてましたが、ほんと、この白いパンツ、クラシックの男性ダンサーのタイツみたい。あのタイツって、胃の辺りまであってサスペンダーで吊ってるんですよね。確かに似てるかも。

 この作品を見て(と言ってもまだ2日間ですが)思うこと、それは、「ほんとイギリス臭い作品だなー」ってこと。これはこれまでのマシューの作品すべてに言えることなのでいまさら、って感じですが、なぜか、くるみを見て改めて実感したのです。そして、こういう作品や人を生み出したイギリス万歳!です。他の国じゃ絶対生まれてない、ほんとイギリスならではですよね。マシューの作品は。

 DVD見て、私の「ザ・カーマン、この人にこの役を演じて欲しい!リスト」が一つ増えました。ちなみに今までは、「アダムにルカをやって欲しいできればウィルのアンジェロで。」がありましたが。(アダムならできる!と日本公演での黒鳥役での汚れっぷりを見て確信しました。)
今回加わったのは「アランにアンジェロをやって欲しい!」です。
え〜〜〜〜〜???って方が多いと思います。アランといえばルカの代名詞。ルカのみならず、SWANLAKEの黒鳥、PWWのスペイト、と「マシュー作品三大"ワル"」を見事制覇した、マシューカンパニーを代表する、ワルな汚れ役(でもほんとはいい奴かも系)の似合うダンサー。セックスシンボル的存在。しかもカーマンとなればもう、ルカ!が板についちゃってますが、くるみのDVDを見て、あの、内気で恥ずかしがりやな男の子ぶりがあまりにもかわいくって、この表情でアンジェロやって欲しい!と思ってしまったのです。で、相手はアダム演じるルカ。いかがでしょうか?(もの凄い男臭い、フェロモンムンムンのルカ&アンジェロになるかも・・・)

くるみで、一つ私がよくわからないことがあります。
くるみ割り人形は、クララが孤児院で密かに思いを寄せていた男の子(同じダンサーが演じる)が変身したもの(つまり同一の人)なんでしょうか?それとも顔が似てるという設定なだけでまったく別の存在?それはラストのシーンにも及びます、最後にベッドから出てきたのは、「(単なる)くるみ割り人形」なのか、「(さっきまでお菓子の国ではくるみ割り人形として存在していた)孤児院で思いを寄せていた男の子」なのか・・・。おわかりの方教えていただけたらうれしいです。もし前者(孤児院の男の子ではない、単なるくるみ割り人形)なら、さっきまでシュガーに心奪われていたのに、いつ目覚めたのか?と疑問が残ります。

 私はもう公演を見る予定はありません。今はとにかくひたすらDVDです。これから見に行かれる方のレポートが楽しみです。


◇ちいままさん◇(鑑賞日・2004年3月7日ソワレ)

 3月7日(日)18時開演、観てきました。キャスト表はやはり配っていませんでした。
一応スタッフに聞いてみましたが「配る予定はない」とのこと。じゃあ、張り出してあるキャスト表の写真を撮っても良いかと言うと、これまたいい顔をしません。だけど、まったく拒否も出来ない様子。
『僕は見てないから、知らん顔して撮っちゃってちょうだい』って感じでした。携帯電話のカメラで撮りましたが、ピントは合わせづらいし、うまく撮れなかったです。

クララ:ケリー・ビギン
くるみ割り人形:アダム・ガルブレイス
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ:リー・スマイクル
*ボンボン王子:リー・スマイクル⇒ニール・ペンリントン
ドロス博士:ダレン・フォースロップ
ドロス夫人:レイチェル・ランカスター
*キューピット:友谷真美、サミュエル・プラント⇒リー・スマイクル
ニッカボッカー:ロス・カーペンダー
リコリス:ヴィッキー・エヴァンス、ジョー・コラサンティ、アシュレイ・デイ
ゴブストッパー:グレン・グラハム、ジェームズ・リース、スチュアート・ロジャース
マシュマロガールズ:谷古宇千尋、レイチェル・モロー、ハンナ・ヴァッサロ、ミカ・スマイリー、アニエス・ヴァンドルポウト

2幕目からキャストに変更がありました。*印のところです。キューピッドをやるはずだったサミュエルは…?ゴブ…?だったかもしれません。

 国際フォーラムCホール、2列目最左席。1列目の席数が少ないので、私の席の前には席がなく ほぼ1列目っぽい感じ。近い!舞台にも、スピーカーにも近すぎる!音が割れる、雑音が聞こえる。
 テープはダメねノでも生オケにするともっとチケット代上がるんでしょうね。舞台の皆さんの表情はとてもよく見えて、声も聞こえてうれしい反面、席の高さ(低さ?)と、舞台上のスピーカーのせいで足元と全体の動きが見えないノ私はDVDの『Nut』しか観ていませんが、どうしても比べてしまいますね。

 クララはエタ・マーフィットのが観たかったし(会場でマシューと一緒に観てましたよ)ドロスはスコットのが観たかった。毛むくじゃらのアランが観たかった〜!居丈だかなサラーンが観たかった〜!!

 さ、気を取り直して・・・座席が近すぎるせいもありますが、相変わらずマシューの舞台は どこを観たらいいのか迷います。
 孤児院の場面ではそれぞれがちゃんと性格付けされていて、それっぽい動きをしているので、そこだけ観てるとほかを見逃しちゃいますね。特に、プレゼントをもらった後の個々の動きノ 私は、けん玉(のようなもの)をもらったアダム・ガルブレイスの一人遊びがおもしろくて 他をまったく見逃してしまいました・・・

 フリッツのリー・スマイクル!良かったですよ〜。ダンサーらしからぬ頭部の大きさで、頭の小さな欧米人の中でとても目立ちます。それがうまくマッチして(?)頭のねじがゆるんでいそうな子供が出来上がっていました。

 2幕目のボンボン王子にも期待していたのですが、(私にとっては)残念なことに、ニール・ペンリントンに替わってしまいました。ニールのボンボン王子は上品です。
 シュガーは、なんとなく庶民的なお嬢様。顔立ちのせいか、それほど意地悪にも居丈高にも見えなかったです。いろいろと思ったことはありますが、この辺にしておきます。感じることは人それぞれでしょうから。

 私にとって『Nut』はそれほど好きな演目ではないということもあり、今回は1回だけしか観に行きません。今年はOYT、PWWと続くので節約しないと生きていけないという理由もありますが。
 なので、皆様の観たこと感じたことを『Swan』の時のように沢山聞かせていただければと思います。


◇ローブリッターさん◇(鑑賞日・2004年3月6日マチネ)

クララ:エタ・マーフィット
くるみ割り人形:ジェームズ・リース
シュガー:ノイ・トルマー
フリッツ:リー・スマイクル
マトロン:アナベル・ダリング
ドロス:ダレン・フォースロップ
キューピッド:ソフィア・ハードレイ、フィリップ・ウィリンガム
ニッカボッカーグローリー:ロス・カーペンター

 土曜日のマチネを観て来ました。エタ・マーフィットとフィリップ・ウイリンガム(新!注目ダンサー)・・・(笑)。

 「スワンレイク」や「カーマン」のときには 心拍数あげながら穴があくほど観たいダンサー(来なかった人もいましたが)がいたせいでしょうね。
何が何でも最前列で、という気持ちの入れ具合が、まず今回は以前と違ったというか、無かったというか。、チケットもJCB会員割引の自動音声オーダーで求めたS席でした。

 2階の前から4列めの中央ブロックで、「割引ってこーゆー席なのか、」とちょっぴり とほほ・・・な気分でしたが、3歩譲って?マシューの不思議なお味のウエディングケーキを見るにはベストな席でありますようにと祈りながら、ブンカムラとはまったく趣きの異なる国際フォーラムへ。会場に到着し、あわてて席についたのが開演3分前!

 「ない!」と聞いていたキャスティングプリントを探す時間も、ボードをチェックする時間すらないっ!

 こんな状況は初めてで、プチ反省しながらも、オープニングで"Nutcracker!!"の文字が映し出された幕の前に・・・「あらら!」、 最初に登場してきた女の子がエタと確認して、まず胸を撫で下ろします。しかし、ここはステージから遠い。

ハ 「そーでした。たとえウィルは来ずとも(もう・・・慣れて免疫すらある。でも今年の映画にはドラキュラの城で踊る姿が・・・って期待していいのかしら?)近場の席を取らねば表情チェックができないじゃないですか」いまさら遅いわ。

 クララにつづいて孤児たちがひとりふたりと幕の前に並ぶように登場します。PWWのように、3人のグレンダと3人のアンソニーがあちらこちらから同時に出てこられると皆さんは!!大変ですが、今回は「前の席なら」じっくり見られて性格チェックもバッチリのは〜ず!
ここの子供たちの表情が見て取れるくらいの近い席のかたが羨ましかったですよ。。。。前方の左ブロックの席のかたには特に嬉しいオープニングとなりそうですね。孤児院のこどもたちが出揃ったところで、幕が・・・・・ます(二度目の「あらら!」)。「マシュー!!(笑)」

 とにかくエタのクララで安堵です。あ〜、嬉しい、もうなにが起こっても 起こらなくても大丈夫!
 たしかこの男の子が「くるみ割り人形」になるのよね、と思ったダンサーが「カーマン」のDVDに出ていたダンサーはたしかなのだけど、もう頭のなかはアランとアーサーとアダム(G)とジェームズのミックス。「誰だっけ、この子」・・・遠目でみても、アランとアーサーはいないのだから(笑)二人のどちらかなんだけど「ほう、そうか、彼らが主役クラスを踊ることになるんだ。今のNAの状況では。。。」 

そしてニール・ペンリントンのフリッツも見たかった私は、やはり「カーマン」でお馴染みのリー・スマイクルが新顔のノイ・トルマー(シュガー)と登場したときには、はっきり言って・・・ショックでした。シュガーのイメージもすこし違いました。カーティンのシュガーよりも演技のほうがおこちゃま的で、もっといじわるなシュガーが私としては好みなので。
 そしてPWWで新境地を開拓し(?)DVDでインパクトの強い超おばかなフリッツを踊ってくれていたユアンはやっぱりすごい!と改めて思ったしだいです。
・・・パンフにはフリッツ役はペンリントンとウイリンガムの名前しかないので、ペンリントンが怪我でもしたのかしら?と今頃不安になりましたがどうなんでしょう。。。

 はじめて見たフィリップ・ウィりンガムのキュピドンは遠目でみるとニールの雰囲気(というか、これがキュピドンの雰囲気か)に似ていたけれど・・・
このダンサーにはなにかあるぞ!(?)を期待して、フィリップには次回フリッツでお目にかかりたいところです。

 一幕がおわったところでようやくキャステイングボードに向かいましたが、やはりプリント物はないとのこと。知りたいひと、忘れたくない人は自分で書きなさい、ということですか、あの量を!?
「ねえ、ママ〜、あのアイスクリームの頭で踊ってたお菓子、誰なの〜?」と息子(?!)に聞かれても母は困るじゃないですか。

ハ 「すべての公演がおわった時点でHPにキャスティングを載せます」というスタッフのお答えに、目がテンになった私の顔をあのスタッフは、なんと思ってみたのかしら?ロンドンと東京でこーも状況が違うのはなぜでしょうか。
どーせ載せるんだったらそのつど更新してくれるとか・・・。携帯電話のカメラでボードを写してる人もいらっしゃいました。

 作品としての好みはワタシ的には「スワン」や「カーマン」とは、はっきり別れますが、観終わったときの気分はハッピーです。

 細部までこだわりの演出、も、この席からでは苦しいのですが、舞台美術はじゅうぶん楽しめました。あとのPWWのためにも同時に多方面を見る練習はしておくべきですよね(笑)。

 グッズの種類も多さにビックリ。Tシャツも半袖、長袖があり、お菓子のマグネットなども各種あったようです。変わってきました。
パンフにはダンサーのインタビューもあり、「スワンレイクでウィルが王子を踊りたがっていた」という話など「ウィル」の話もちょこちょこ出てきていました。


◇sukotさん◇(鑑賞日・2004年3月3日)

3月3日(水)初日を観てきました。キャストは次の通りです。

Dr.Dross……Darren Fawthrop (King Sherbet)
Matron, His wife……Annabelle Dalling (Queen Candy)
Sugar, Their Dougahter……Noi Tomlmer (Princess Suger)
Fritz, Their Son……ハNeil Penlington (Prince Bon-Bon)
Clara…… Etta Murfitt
Nutcracker……Neil Westmorelnd

The Orpfans…… Ashley Bain, Kerry Biggin,Ross Carpenter, Ashley Day,Vicky Evans,Adam Galbraith,Sophia Hurdley, Paulo Kadow, Rachel Lancaster,James Leece, Etta Murfitt, Mami Tomotani,Neil Westmorelnd,Shelby Williams, Philip Wikkongham,Chihiro Yokou

The Orpfanage Governors……Glenn Graham, Lee smikle, Mklah Smillie,Hannah Vassallo

The Cupids……Shelby Williams,Philip Wikkongham
Hambung Bouncer…… Glenn Graham
The Liquorice Allsorts…… Ashley Bain, Ashley Day,Vicky Evans
Knickerbocker Glory…… Paulo Kadow

The Marshmallow Girls…… Kerry Biggin,Sophia Hurdley, Rachel Lancaster, Mami Tomotani

実は今年の1月半ばに待ち切れずにロンドンに行ってNutcrackerとPlay Without Wordsを見てきました。ロンドンの感激と興奮がまだ、冷めずにいる時にこの初日を迎えました。

 まず最初に劇場に入って感じたことを1つ。狭いかなぁ。Sadler's Wellsに比べて両脇1m弱(もっとかな?)足りない感じがしました。そして特に奥行きが・・・あのフォーラムのCホールって、狭いですね。
 2幕の最初、エンジェルが出てきたのが映像でバックに映っていました。クララの水玉の可愛い洋服が後ろでは無くて右前側に降りてきたのでも明らか。それに、スウィーティーランドの入り口もズッと前に感じました。
 両サイドで踊ってるダンサーの方々が余りにも前に出て来て、落ちるのじゃないか?と思う位いでした。
 ただ、席が前から4列目、真中右より。椅子の高さが舞台に比べて微妙に低くて、立体的に見えなかったのかもしれません。ただ、ダンサーの皆さんのお顔と表情はシッカリと拝見出来ました。これは幸せでした。

 エタのクララは表情豊かで最高。彼女のクララ見られたら、もう何も言う事ありません。元気で、明るい、活発な少女で、まだまだ子供の部分を充分に残してて、でも、大人に足を踏み出してる、そのアンバランスな感じが彼女は上手です。
 特に1幕のクルミ割人形を相手に、楽しげに踊るのは「上手いな〜」と見る度に感心してしまう。後半は何時も1人。1人で寂しげにしている姿も上手いですょね。

 Neil WestmorelndのNutcrackerはロンドンでも見ましたが、踊りがシッカリとしてて、上品で大人しい、踊っている時の体のラインがとても綺麗で、美しいNutcrackerです。あの、ドロス氏を投げ飛ばしたり、部屋を一撃で壊したりの迫力には欠けるかもしれません。(あの、アランの迫力に比べるのはねぇ〜)でも、優しい、ハンサムな魅力的なNutcrackerです。

 Darren Fawthrop のドロス氏&キング・シャーベットは、一言で言うなら「若いっ!」です。若い分軽〜〜いドロス氏になってます。それをカバーするのに極端な表現になりがちです。でも、それをヤラナイとドクター・ドロスにならないしノノ
 素顔のダレンは、もう端整な顔立ちで、ハンサム、素敵な人です。自身でも「メークすると変わるから素顔で逢うと解らないでしょう?」と言ってましたが、あの凄いメークをしてもその端整な顔立ちが邪魔をして、「悪い奴」に見えない。私としては、彼は好きなので、痛し痒しです。むしろ、Fritz(Prince Bon-Bon)をやって欲しいなぁと思いました。結構似合うと思うのですけど。

 で、そのNeil Penlington のフリッツ&ボンボンです。ニールのフリッツは「ワルガキ」だけれども可愛げが無い、どうしようもないワルガキでは無いです。
 そして、彼のボンボンでとても気になる事があるのです。妹のシュガーが結婚式をあげた後、ユアンのボンボンは妹を取られてしまって、とても寂しげでつまらなそうな気配ですよね。後のウェディングケーキのところでスネて、いじけてる。ニールのはそんな感傷は一切無くて、可愛いマシュマロを追いかけてました。私はこのチョッとスネ加減のボンボンが好きなのですけど。全体的にアクの無い、少しあっさりとした大人しいフリッツ&ボンボンでした。

 そして、最後にNoi Tomlmer のシュガーです。彼女はロンドンの時は友谷さんが演じてたメ一番小さい女の子モを演じてました。必然的にマシュマロを2幕では踊ってました。(ロンドンでは私は友谷さん見られませんでした)
 初日のせいか彼女は固かったですね。緊張してたのか?踊りも硬い、表情に乏しい感じがしました。シュガーって、我がままで(他人の持ってるものはみんな欲しいノノ)シタタカで自信に溢れて、色々な意味で(良くも、悪くも)女性としての魅力を感じさせる。そんなイメージが私には有るのですけど、私的にはクララからNutcrackerを取り上げてしまう魅力に薄い気がしました。

 全体的な印象を色々と書きましたが2幕はやはり楽しいですね。ピンクで綺麗で、楽しくて、チョッとセクシー、不思議で華やかな世界を作ってます。大好きです。非常に楽しい気分にさせてくれます。
 それと対照的に1幕の孤児院は、グレーで色の無い世界。枝だけのクリスマスツリーにぼろぼろのオモチャのプレゼント。子供を椅子代わりに使ったりとノノでも、子供達が最初は弱々しく、可愛い弱者の立場なのにある一線を超えるとひどく残酷で暴力的に変わるのは、見ていて「う〜んっ」と唸ってしまいます。
 そして、一番は、子供達の個性が1人、1人しっかりと確立してるということ。 孤児院の子供達のどの子を見てもそれぞれ違った個性を表してます。また、それを確実に演じるダンサーの皆さんは素晴らしいです。舞台上の何処に目をやっても色々な個性の子供が見られます。

 そしてロンドンと振付が少し変わってました。
2幕のキング・シャーベットのダンスが長くなってました。ボンボンのパートをシャーベットが一部を踊ってました。ロンドンのダレンは2幕、あの長いピンクの上着を脱いで、黄色のベストで出てましたけど、昨日は初日だからかな?キチンと着てました。
 そして、A Frozen Lake でのキング&クィーン?のカップルのダンスパートが全くありません(これはロンドンの時もありませんでした。例のスコットが丸いサングラスを掛けて出てくる、あのパートです)

 A Frozen Lake の場面で、音楽(テープ)が2ヶ所ほど切れてしまいました。ジージーと嫌な音も混じってしまいました。でも、さすがダンサーの皆さんは全く動じません。そのまま音楽が途切れても同じ様に踊ってました。初日なのに残念でした。。(初日でなくても残念ですけど)

 そして、会場にマシューが来ていました。ステージが終わった後に、直ぐ引き上げずに残っていてくれて、ファンサービスしてくれました。とてもにこやかにサインに応じてくれてました。

 マシューに逢えたのが最高の幸せ。感激でした。誰に逢ったより嬉しかったです。


◇TOMOKOさん◇(鑑賞日・2004年3月3日)

 初日と言う事もあってか、会場は招待客を写すためのカメラがすごかったです。芸能人が来るといっせいにライトがつくさまは、まるで白鳥の舞踏会の最初のシーンのようでした。
 私が見た時は、榊原郁恵がカメラに囲まれていました。会場内では、近藤サト夫婦、神田うの、檀ふみ、妹尾河童等などの芸能人を見かけました。ダンサーでは、首藤さんがいました。

 今回は、DVDも見ておらず、まったく初心で見たのですが、キャラクターが個性的だったり、ストーリーや展開がどんどん進んでいくさまが、まるでびっくり箱を見ているようで本当に楽しかったです。
 開演直前で、マシューが会場内に入ってきて席につくのも、ロンドンで見た時や、カーマンの時のようで、マシューの作品を見ているんだなぁという気がとてもしました。(この間のBunkamuraの白鳥の時は、すでに彼の手を離れた作品と言う感じがすごくあったので)

 今まで見てきた作品は、Swan Lakeにしても、Car manにしても、シンデレラにしても、いつもどこか、何か恐ろしい事が起きると言う不安感があったのですが、今回のくるみ割り人形はそういった展開がまるでなく、心配になるほどでした。
 くるみ割り人形が、クララからシュガーに心変わりしたり、その後もクララちゃんはかわいそうなのですが、全体的にハッピーに話がどんどん進んでいくので、これは最後にクララがピストルを持って、パーティに乱入してくるのでは!と心配になってしまうぐらい(笑)
でも、ラストはやっぱりマシューらしい終わり方ですごくよかったです。

 1つ納得いかなかったのは、今回は会場でキャスト表を配布していなかった事です。一応会場にキャストの表示はあったのですが、それだけ。思わず係の方に、「なんでないんですか?」と聞いた所、検討した結果とカンパニー側の意向もあってとの事でした。
 どうしても納得できず、「今まで、このカンパニーの公演は日本でもロンドンでもアメリカでも見てきたけど、そういう事は一度もなかったけど。」 と、偉そうに詰め寄ってしまった私。検討しますとは言ってましたが、どうでしょうかね・・・。

 キャストはいまいち不確かなのですが、クララ=エタ・マーフィット、くるみ割り人形=ニール・ウェストモーランド、フリッツ=ニール・ペリントン、シュガー=ノイ・ノルマー(多分)、でした。
 メモを取るほどの根性はなく、これ以上は確認できませんでした。エタのクララは、さすがという感じのチャーミングさでした。

 会場内でPlay wishout wordsのチケットを販売していました。初日のS席と平日のプレミア席(前から5列目まででロンドン版のパンフレットが付いている)を買いました。


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