ニューヨーク旅行記
〜セントラルパーク散策編〜 



<11/2・朝>

 睡眠を妨害されることなく迎えた朝。元気に目を覚まし、今日は朝食を買いに サラベスキッチンへ。
入り口のドアを開けると、まだ早いせいかウィンドーには 余り商品がならんでいません。スープもまだなようです。
 仕方なく私はコーンマフィンを、友人はバナナマフィンを購入。徒歩1分という 近さなので、アッという間に部屋へ戻ります。

 買っておいたお気に入りのオレンジジュースと、今買ってきた焼きたてマフィンの 朝食です。まずはツブツブオレンジジュースでのどを潤します。
 次にとうもろこし特有の黄色い色をしたコーンマフィンを取りだし、一口サイズ にちぎって口に運びます。と、これが、
「おいしいっ!この何とも言えないつぶつぶというか、ざらざら感が最高!」
「こっちのマフィンもおいしい!」
と、にわかに騒がしくなる私達。今までのマフィンの印象ががらりと変わりました。 とにかく、おいしい!この歯ざわり。何とも言えません。これは病みつきになりそう です。
本当にこのマンションにして良かったと、再び幸運を喜び、また買いに行こうと約束 します。

 軽い朝食を終え、いよいよ出発。今日はセントラルパークを散歩しながら、昨日脇さんに教えてもらったチャイナタウンの小龍包のおいしい店に向かいます。

 ドアマンにおはようと挨拶して外へ。今日も天気予報によると、windy でbreezyな日。青い空のもと、時々吹く冷たい風に思わずコートのポケットに手を入れ ながら、セントラルパークを目指します。

 コロンバスアベニューを通り抜け、セントラルパークに足を踏み入れた 途端、犬の散歩代行人に遭遇。
一人で片手に5、6匹づつ犬の散歩用紐を握り締めて歩いています。 一度に全部の犬が何かに夢中になって駆け出したら、間違い無く 怪我をすると思われるこの状態。でも犬も人も実に慣れた感じで、 ゆったりと歩いていきます。
 散歩中出くわすもの、全てのにおいをかがなければ満足できない我が家の犬には真似出来ないなぁと思わず感心して見てしまいました。

 そうこうしているうちに、シェークスピアの物語を題材にした彫刻の あるエリアに到着。シェークスピアガーデンです。 テンペスト、ロミオ&ジュリエットといった像が並んでいます。
 秋のNYは冷たい風と青い空、そして紅葉した木々が美しく、散歩する にはもってこいです。小さなキャッスル(ベルヴェデア・キャッスル)や彫刻、そのほかにもセントラルパークには色々な物が作られ、置かれています。

 何てのんびりしているのかしらと、ぼーっとジューススタンドの横を通り 抜けた時、いきなり後ろから大きな掛け声が聞こえてきました。
「Turn to Right!!!」 (右へ曲がれ!!!!)
えっ?と驚き後ろを振り向くと、叫び声を出した男性インストラクターと 乳母車を押しながらランニングしている母親の集団がこっちに 向かっているのが見えました!

 このままでいくと、どう考えても私達に追いつきます。
掛け声をかけながらこっちにくるサングラスをした男性インストラクターと 乳母車を必死で押している母親軍団!必死で押されている乳母車の 中の赤ちゃん達は、その揺れでさぞかしふらふらになっている事でしょう。 と、みるみるうちに、思わず足を止めて見とれてしまっている我々のもとに 彼らが到着。ちょっと広くなった場所で足を止めます。
苦しい息をついている母親達の前で、手ぶらで元気なインストラクターが、
「ここで、ストレッチ!」
と言いながら、いきなり体操を始めました。 余りの面白さに思わずシャッターを切ります。 やった!写真が撮れた!証拠写真だっ!!と思わず心の中で歓声を上げる私。

 はあはあいいながらも、必死で乳母車に寄りかかりたいのをこらえて インストラクターと同じ動きを始める母親軍団。
 ところが、どこの世界にも怠け者というのはいるもので・・・ 早速ジューススタンドを見つけた母親二人が急いで飲み物を買いに 走りました。
しばらくは大丈夫よねという雰囲気で余裕で頼んでいる二人。 意に介さずストレッチを続けるインストラクター。ちゃんと間に合うのかしら? と思った瞬間、
「Turn to Left!!!」(左へ曲がれ!)
再び元気な掛け声がかかりました。何の前触れもなくいきなりです。へとへとの母親達と、ふらふらな 赤ん坊(推測)はまた彼の後ろに続いて出発。それでもまだおつりを 受け取っている母親2人。集団はどんどん離れて行きます。
 と、急に焦り始めた母親たち!どうなるのか?!と固唾を飲んで見守ります。 慌てはするものの、せっかく買った飲み物にも未練があるらしく、 素早く一口飲んでから、漸く二人は乳母車に手をかけて出発しました。 が、時既に遅し。必死で追いかけるものの、なかなか最後尾にすら辿りつきません。
その乳母車の揺れたるや、ひどいもの。がッタン、がッタン揺れる乳母車 の中、赤ん坊もカックン、カックンしている事でしょう。でも、遅れた二人が また、すっごく面白い!と思わずシャッターを切ります。

 朝からいいものが撮れた〜と大満足で、我々も再び歩き始めました。
後でこの「産後のダイエットランニング・クラス」(勝手に命名)はテレビでも紹介 されていましたが、とにかく産後のお母さん向けに考えられた ランニング・クラスでした。

 ニューヨーカーの発想って面白い!色々な職業があるものだと話し ながら進んでいくと、今度は子供達の集団に出会いました。
スケッチブック片手に赤く色付いた木々の中、葉っぱを踏んで音を 立てて遊びながら歩いています。 そこで思わず私も落ちた葉っぱを踏んで道をそれます。アスファルトで ない道なき道はまた気持ち良く、散歩を満喫します。すると、 クレオパトラ針(オベリスク)に出ました。

 はっきり言って私には今自分達がどの辺りにいるのか全く分からない・・・というのは、いつものパターンなので、今更驚きも騒ぎもしません。 それに、今日は心強い友人つき。
大丈夫、大丈夫。きっと彼女の頭の中には地図があるはず。

 こっち、こっちと言われるままについて行き、セントラルパークの散歩が終了。 いよいよチャイナタウン行きのバスが出ている停留所に向かいました。


・上の写真は、セントラルパークで遭遇した「産後のダイエットランニング・クラス」(命名Byなつむ)です。(著者撮影)


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