黒のジーンズにスニーカー、そしてビニール素材のバッグに、黒いカジュアルなコート。どこから見てもせいぜい近所に買い物に行く程度にしか見えない格好で、5thアベニュー周辺のブランド街にあるシャネルに向かいます。
ちょっと小心者の私はこんな格好で入って大丈夫なんだろうかという心配を抱えながら、シャネルの入り口をくぐりました。
思った通り、ブランド店特有の雰囲気が漂っています。そう。建物も店員も何だか高級ブランドカラーなのです。多少の居心地の悪さを感じつつ、目的の品を目指して進む友達の後をついていきます。
彼女の目的は、友人に頼まれた日本未発売(当時。今もそうなのかどうかは
シャネル好きでない私は全く知りません)の香水「ガーディアン」。
という訳で、香水の並んだ場所に行き、早速その旨を伝えます。すると、しっかりメークした女性スタッフが、
「OH!ガーディアン!この香り、ゴージャスよね」
と言って早速テスターを取りだし友人にほら、ねっ?とやっています。
「大好きなの!」
と、はしゃぐ店員・・・いきなり結構テンションが高い人だと、ちょっと引き
ながらやりとりを眺める私。
最初から買うものが決まっているので当たり前といえば当たり前なのですが、 あっという間にシャネルでの買い物が終了。シャネルよりワーナーのショップに並ぶOZのドロシーちゃん人形に気を取られながらバレエ関連の品物が充実しているという、「バレエ・カンパニー」に向かいました。
思ったよりも小さなお店に、せっかくここまで来たのに欲しいものは恐らくないだろうと少しがっかりしながら入り口のドアを開けて入ります。
中は思った通り、バレエのビデオや雑誌よりは衣装やトゥシューズの方が充実して
います。といっても、それほど品数は多くないのですが。チャコットの方がよほど
充実しています。ビデオのタイトルをざっとし、めぼしい物はないし、AMPを取り上げた雑誌も見つからないとがっかりして早々に退散。
ここからは散歩タイムで、リンカーンセンター周辺にてくてくと歩いて行きます。
車の行き交う歩道を歩いていくと、ほどなくしてメトロポリタン歌劇場を発見!
テレビで良く見る白い四角い建物です。そしてその前には、これも良く見る噴水が。
でも公演のないこの時間帯はとても静かでさびしいぐらいです。リンカーンセンター
の前の広場は広く、今いる場所からホールまでは結構距離があるので近くまでは行かず、遠目で眺めるだけで満足する事に。
再び歩きだすと、道の横に掲示板が連なっているところに出ました。ポスターとかではなく、学校の掲示板という雰囲気です。その周辺から聞こえるのは楽器の音。
楽器の音、学校のような建物・・・地図からすると、どうやらシュリアード
音楽院のようです。
そうか、ここがあの有名なジュリアードなのね(恐らく)と、興味を抱きつつ
練習する音をBGMに通りすぎます。
てくてくと歩くことしばし。するとタワーレコードが見えてきました。
これが欲しいというのはないのですが、何か欲しいものがあるかもしれないと一応期待して中に入ります。まず一階は最新のヒットチャートの並ぶフロア―。そして上には雑誌、そしてクラッシックとジャズのコーナーがあります。
まあまあの品揃えですが、それほど充実しているわけでもないという感じです。
うーん。購入意欲を掻き立てられるものはない・・・と一周しても手ぶらで
出ようとした時、目に入ったのは、例のスコット・アンブラーが白鳥を抱いて座って
いるCDジャケット。
「あっ。Swan LakeのCDだ」
そう。さすがブロードウェイでかかっているだけあって、AMP版SwanLake
のCDがちゃんとタワーに並んでいたのです。
「結構置いてるけど、売れてるのかしら」
と勝手に売れ行きの心配をしてからタワーを後にしました。
外に出ると街は薄暗くなってきています。NYは徐々に夜の姿に変わってきていました。ネオンが美しく見えるNYの夜。一日歩きまわって結構疲れた私達は、マンションに戻ってその周辺で夕飯を食べようという事になり、バスに乗り込みました。
市民の足と言っても過言ではないNYのバス。夕方は家に帰る人で混雑しています。座れないのでつり革につかまって外を見ていると、こっちに向かって手を振っている黒髪の女性を発見。NYに知り合いはいないはずなんだけど・・・と驚きじっと見ると、
「あっ!」
「脇さんのお友達!!」
そう。昨日お昼をご馳走していただいた脇さんのお友達が手を振ってくれていたので
す。
それにしても、バスの中に居る私達に気づくとは凄い!渋滞でのんびり走っていると
はいえ、恐るべき動体視力!と感動してしまいました。
最寄のバス停で降りて自分達の部屋に戻り、早速夕飯の相談に入ります。
今日はあっさりしたものがいいという事になり、生まれて初めてベトナム料理を食べ
に行くことに。
本当にこのマンション周辺には地元の人の間で有名なお店が多く、行くことにした
ベトナム料理店「モンスーン」まで徒歩2、3分で到着。
スパイシーな料理が苦手な私は、もし辛かったらどうしようとちょっとドキドキしな
がら店内を覗き込みました。
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