ニューヨーク旅行記〜モンスーン編〜 



<11/2・夜>

 ガラス張りのお店の窓にはネオンが光っています。そして壁にはメニューが貼りつけられていました。まだ6時すぎのせいか店内にほとんど人はいません。 まあ、そんなに辛くない料理もあるだろうと決心し、えいやっと入り口に向かいます 。

 入り口で待ち構えていたスタッフに、道路側の窓辺の席に案内されます。席からは車の往来が良く見え、歩道を歩く人がすぐそばを通り過ぎて行きます。窓際の足元付近には暖房の噴出し口があり、とても暖かく、外を歩く寒そうな人達とは違う空間に居るという感覚が妙にリアルに感じられました。

 水事情がいいNYの常で、頼まなくても水が運ばれ、お箸がセッティング されました。お箸の袋にはやはり使い方のガイドが印刷されています。

 メニューが手渡され、どんな料理があるのか早速解読開始。まず、せっかくだから生春巻きが食べたいと意見が一致し、どれが該当するのか考えます。
「春巻き・・・やっぱりこの」
「Spring Roolでしょう」
直訳的呼び方から、多分あってるだろうという結論に達します。次にサラダを取ることにして、これは海老に決定。メインに鶏肉をセレクト。とりあえずそれでボリュームを見てみることに。
 オーダーを取って店の奥にある厨房にスタッフが移動します。 すると頼むが早いか、来るのが早いかという勢いで、早速春巻きがテーブルに 運ばれてきました。味からして出来たてなのですが、とにかく手早いのです!

「あっ・・・」
二人が見た物は。確かに春巻きですが、揚げ春巻きです。
「・・・という事は、生春巻きはその下にあったSummer Rool?」
なぜ揚げているのがSpuringなのかは謎だと言いながら早速食べて みました。
「おいしい」
そう、おいしいのです!
「何だか、アジアの味がこう、いい感じ。」
春巻きが終わる頃、丁度いいタイミングで海老サラダが運ばれてきます。 ハーブが沢山のっているので、香草が苦手な人には少し辛いかもしれませんが、 これもいい味です。この頃から、ベトナム料理をスパイシーだと勝手に誤解していた と 悟り、すっかりファンになって来た私。 こうなってくると、次の料理も期待してしまいます。

 白ごはんと一緒に運ばれた鶏料理。これはナッツとミソで味付けられていました。
「おいしいっ」
白ご飯と味噌味の鶏に、すっかり心がほっこりし、じわじわっと喜びが 染み渡ります。やっぱり私ってアジア人だなぁと再確認させられた瞬間でした。 ベトナム料理。これは、はまってしまう味です。

 料理が終わる頃、スタッフが再び登場。デザートをすすめられます。 料理ですっかりノってしまった私達は、迷うことなく食後のデザートに突入。 二人ともカスタードプリンを頼み、私はそれにレモンソーダを、友達は ベトナム式コーヒーを頼みました。

 プリンは極めて普通ですが、ここで注目すべきは、今やご存知の方も 多いとは思いますが、やはりベトナム式コーヒー。 カップの上に金属製ドリップがのった状態で運ばれて来ます。
 それはまあ、それほど驚く事でもないでしょう。問題はカップの中。 カップの底には何と練乳が1cmあるか?というぐらいたっぷり入っているのです。

 この上にコーヒーをドリップしていくわけです。もちろん、しっかりかき混ぜると とっても甘いのです。
ミルクと砂糖が一度に入っている便利なもの、イコール練乳・・・という発想なのか 何なのかはわかりませんが、とにかく甘々なコーヒーです。

 楽しい夕食が終わり、スタッフに清算を頼みます。 渡された請求書にあったのは、$26.95という文字。その安さ(一人1500円程度)に 心底驚いて、値段もお気に入り!!とばかり足取りも軽く、また来ようと行ってお店 を後にしました。

 モンスーンがご近所だけに、あっという間に帰宅し、何気なくテレビをつけると 画面には昨日ヴァージンメガストアでさんざんかかっていたキャッツが登場。 ビデオの宣伝を大々的に2時間近い特別番組にしてやっているのです。
でも、これは宣伝というより・・・
「ゲストとして出演しているキャッツのキャストのしゃべりとCMを抜けば、そのまま ビデオになるんじゃないの?これ」
「まるっきり放送してる・・・」
「にもかかわらず、これ通信販売番組なのね」
しっかり全編放送しているにもかかわらず、しょっちゅう
「ご購入は今すぐお電話で!」
を繰り返しているTV。うーん。不思議。

 お風呂から出てまたTVを見ると、画面の中ではラムタムタガーが色気たっぷりに お歌いになっていました。
このビデオの内容を網羅していると言っても過言ではない放送を観た後、 それでも購入したいと思うぐらいキャッツが好きな人は、既に店頭で買ってるのでは ? という疑問が再び私の頭に浮かびます。
うーん。露出度が高すぎる・・・アメリカ的商売は分からない・・・

何はともあれNY3日目を無事終えて、私は深い眠りに就きました。


・上の写真はチェスターフィールド周辺です。(著者撮影)


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