ニューヨーク旅行記〜Good enough to eat編〜 



<11/3・朝>

 未だ果たせていない「Good enough to eatでの朝食!」を遂行すべく、 身支度を済ませてマンションを出発します。
今日でNYは4日目。何だか、すっかり馴染んできたと感じる朝です。 コートをひっかけ、ドアマンと挨拶して目的地まで徒歩で移動。牛の絵が かかれた看板の下にあるドアを開けて店内に入ります。 髪を一つに束ね、三つ編みをしたジーンズ姿の女性が早速出迎えてくれました。

 どこでも好きな所に座ってと言われ素直に近くにあったテーブルに着席。 早速メニューをじっくりと観察します。
パンケーキ各種にフレンチトースト、マフィン、手作りソーセージ、それに卵料理が 並んでいて、種類はそう多くはないのですが、うーん、迷ってしまう。 座ったテーブルの横にあるケーキのショーケースもタルトが主流で茶色いトーンで、 お母さんの手作り風ケーキが陳列されています。ホームメイドとはこの事なり というようなラインナップにどれにしようか、心が揺れます。
うーん。何にしよう。何にしようと悩むことしばし。 迷った末に私が選んだのは、アップルパンケーキでした。

 料理が来るまでの間、改めて店内を見まわします。入り口を入ってすぐ左手にある レジとカウンター。その隣にはケーキの入ったショーケース。壁にそって設置された テーブルと椅子。まだオープンしたばかりなので余り人は入っていません。
壁にかかったカントリーグッズと、てきぱきと動くジーンズ姿のスタッフ。 決して安くはない店ですが、徐々に地元のお客さんが増えてきました。 定番の店という事は、やはり味に期待してしまいます。

 ほどなくして友人のフレンチトーストが、そして私のアップルパンケーキが運ばれて きました。イメージ的には、薄いパンケーキの上にりんごのフィリングがのっている というものでしたが、実際にはホットケーキのような厚さの中に、りんごが花型に 入っていました。このお店は意外にも日本サイズ、適量です。

 早速ナイフとフォークを持っていざ、挑戦。さくさくと生地の上にナイフを滑らせ、一口サイズをフォークに移動させて口に運ぶと、
「おいしい!やさしい味がしてる」
「こっちもおいしい!」
朝から二人ともすっかりご満悦で食べ進みます。
うーん。これから毎日通ってしまいそう。さっき見たメニューにはまだ色々出ていた から、 一つづつ試してみて、でも全部試すには日が足りない・・・と、とっても食いしん坊 な事を 考えながらご機嫌で朝食が終了。

「明日も絶対来ましょう!」
とすっかり明日の朝食まで決めて店を後にします。出来ればあのショーケースに入っ たケーキも試してみたい。私が好きなタルト系も色々並んでたし。
でも日中は観光してるからここまで帰ってきてケーキというのも出来ないし・・・ とぶつぶつ話しながら部屋に到着。今日は終日メトロポリタン美術館に滞在し、 その後いよいよAMPのSwan Lakeという予定です。 地図を広げてどのルートで美術館まで行くのか作戦を練ります。
「バス?それとも地下鉄?」
「でも、アクセスがあんまり良くないなぁ・・・地図で見るとやっぱり、これ?」
と友人が指差したのはセントラルパークを横切る一本の道。
「徒歩で行くって事?」
「地図で見ると、それほど距離もなさそうだし」
「じゃあ、それで行く?」
でも、あんまり気が進まないなぁと一抹の不安を抱えながら私達は出発しました。

 地図で見るとセントラルパークは長方形で、私達がしようとしているのは セントラルパークの横断・・・地図で見るとそう長くはないのですが、 歩いてみると、結構距離はありそうで・・・

 今朝の天気予報も昨日と同じくWindyな一日。 その予報通りに冷たい風が我がもの顔に吹いています。 吹き抜ける風に首をすくめながら、見なれた道を進みます。

大通りを渡り、いよいよセントラルパークが現れました。
「こっちこっち。この道」
友人が指し示したのは車道の両側に歩道がついた道でした。この道を進むと、 ウェストサイドからイーストサイドに抜けるのです。
「この道?」
でも、何だかとっても嫌な予感が・・・
「ここを抜けるとメトロポリタンまですぐだから」
先ほどまでは歩道だと思っていたのですが、実際には車道と歩道。 しかも、なんだか道は下っているのです。下っている・・・
朝のせいか周囲は人もまばらです。これは何だか嫌な感じ。でも、 一人残るのはもっと嫌な感じ。という訳で、 進む友達を追いかけて、私は思いきって最初の一歩を踏み出しました。

ところが、やはり私の嫌な予感は当たってしまったのです・・・


・上の写真はGood enough to eatです。(著者撮影)


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