ニューヨーク旅行記
〜夕食調達編〜 



<10/31・夕方>

 数分後、ニールサイモン劇場の近くにあるバス停で私達は104のバスを待っていました。
バス停には屋根があり、囲いがL字型についています。壁は広告スペースになってい てカラフルな写真が目をひきます。待ち始めて数分後、地下鉄よりも安全といわれるバスに初めて乗り込みました。

 内部は日本のバスと同じく座席とつり革、つかまり棒があります。まさに市民の足という感じで、買い物帰りの人が目立ちます。
ここでNYのバスならではの面白い物を発見。下車するときに鳴らすベルですが、これがなんと黒いチューブというかゴムなのです。窓際や壁に細長く埋め込まれているチューブ。これを押すと音が鳴って、次のバス停で止まってくれるのです。
面白い!本当に黒い部分であればどこでも音が鳴るのか、用が無くても試しに押してみたくなってしまいます。

コロンバスアベニューを抜け、79Stで下車。なんだかんだでもう夕方なので、夕食の相談をしながらとりあえずマンションへ帰ります。

その途中、デリに立ちより水とオレンジジュースを調達。一日中開いているコンビニのようなお店です。テレビでは良くこういう所に強盗が入るのよねと、勝手に想像を膨らましておびえる私。
出来るだけ早くここから出たい!とまだ夕方だというのに一人で勝手にドキドキしてしまいます。アジア系のスタッフにお金を払う時に見た、レジの横にある回転する豚肉、おそらくチャーシューがとても印象的でした。

 ペットボトルの水とジュースを抱えて帰宅。早速冷蔵庫に入れます。 さて、晩御飯。何を食べるのかという話し合いが本格化します。
お昼のターキーサンドとの戦いの後では、それほど空腹感はありません。 でも、二人とも3度の食事はしっかり食べる派なので、何かしらか絶対に食べなけれ ばという信念のもと、食べに行くのではなく買出しに行くことになりました。

まずはマンションの近くにある、高級スーパーマーケットのチェーン店、ゼイバース に向かいます。おそらくデパートの食料品売り場のような買い物が出来るはずです。

車の行き交う大きな通りに出て横断歩道を渡っていると・・・
「おっ」
犬が、いわゆるメイドさんの帽子というか、髪飾りをつけて向こうから歩いて きました。 更に双子のバギーに乗った赤ちゃんは白雪姫とシンデレラ?
「ハロウィーンだ!」
すれ違う人、特に子供達はほとんどが仮装しています。 そして犬の仮装率もかなり高く、思わず笑ってしまいました。
こうもりの格好をさせられた犬も居ましたが、とにかく一番驚いたのは おとなしく仮装につきあっている犬の我慢強さです。 うちの犬なら、あっという間に体をぷるぷるっとやって、脱いでしまうでしょう。

 すれ違う人たちウォッチングにいそしんでいるうちに、ゼイバースに到着。 思ったより狭い店内です。
入ったところにレジがあり、夕食の時間帯のせいかレジ待ちの行列が出来ていました。
店内は所狭しと食材が並んでいます。そして、やはりありました。 ガラスのショーケースが並ぶ、お惣菜エリアです。日本と同じく量り売りで、 お店の人がケースの後ろに立ってお客さんの注文を待っていました。 早速料理をチェックします。
中にはサラダ各種、魚介や肉料理が並んでいるのですが、どうもこう、グロテスクというか、料理に大柄というのは当てはまらないとは思いますが、大雑把というか大味な見た目で『これを100g』と言い出せないのです。

 仕方ないのでそっちは諦め、他の食材を見てみます。しかし、野菜も果物も あえて今食べたいとは思わず、なんだか手が出ません。
それは私だけではないらしく、友人も手ぶらです。どうやらここでは何も 買えないなぁということで、食材は諦めてここからはお店チェックに入りました。

 早速見つけた階段をのぼって、2階へ移動。たどり着いた先は、キッチン用品売り場でした。お菓子の型、おたま、泡だて器、シェーカー、ハカリ、ランチョンマット、コーヒーメーカーなど、とにかくあらゆるものが 所せましと陳列されています。
思わず買いたくなるものもありますが、お土産にはかさ高すぎると諦めます。 買うに買えず、仕方なく元のフロアーに戻り外へ。

 では、夕飯はどうするのか?という振りだしの状態に戻りあたりを見回すと・・・
テイクアウトの中華料理店を発見。上陸一日目にして既にアジアンフードを 食べてしまうと、辛くなった時の切り札がなくなる〜とはちょっと思いましたが 結局ここで落ち着きました。

一応店の外に貼られているメニューをチェック。馴染み深い料理が並んでいます。 2、3段の短い階段をのぼり、ドアを開けて中に入りました。

店内は注文と支払いの為だけのカウンターと待ち時間用のテーブル、そして厨房があ るだけで、言うまでも無くテイクアウト専門店です。

カウンターから丸見えの厨房では、夫婦らしき中国人が忙しく働いています。
電話での注文と買いに来た人の注文を、中国語で会話しながら休むことなくこなして いきます。 自分たちの順番がまわってくるまで、再びメニューとにらめっこ。
話し合いの結果、卵スープ、海老チャーハン、チャーシュー入り五目焼きソバに決定 。スープは1ドルと安いので2つ、二人で食べるし5.95ドルという値段から考えてそれほど多くはないだろうということで、チャーハンはラージサイズに。
そして、3ドルだからたいした量ではないだろうと、チャーシュー焼きソバもミドル サイズを注文しました。税込みで11ドル45セント。一人600円〜700円ぐらいの夕飯です。

 オーダーが通ると同時に男性が料理を開始。目の前で手早く出来あがってきます。
映画でよく紙パックに入った中華のテイクアウトを俳優達が食べるシーンがあります が、チャーハンが炒めあがる頃、記憶にある通りの白い大きな紙パックが用意されました。その大きさが・・・
「あれって、私たち用?」
高さが20cmぐらいあるような大きな箱。底部分は正方形で、上にくるにつれて 広がっている箱です。そこにまずおたまでチャーハンを一杯になるまで入れ、今度は 箱ごとトントンと台に叩きつけます。そして出来た空間にチャーハンを入れてまた叩く。
それを繰り返し『もうこれ以上は入りません、空気も入っていません。真空です』というところまで、チャーハンが詰められました。
中華鍋にいっぱいだったチャーハンが、この箱に全部入ってしまうなんて、チャイニ ーズマジックです。
ラージサイズを頼んだのは失敗だったと既に悟らされてしまいました。

 次に焼きソバの用意が始まります。今度はミドルサイズですが、こっちもまた15cmぐらいはあるかという箱。見た目はそれほどでもありませんが、例の詰め方をしてくれるので、これまたたっぷり、ずっしりです。
お昼に続き、またまた注文の量を間違えたようで・・・出来あがった料理をおばさんが袋に詰め始めました。
そこで初めて卵スープが登場。直径9cm、深さ6cmぐらいのふた付円形タッパ に、これまたなみなみと入れられています。どう考えても、二人で1個がベストな量。

 明らかに頼みすぎと二人、既に無言でおばさんの箱を袋に詰める様子を見学。 そこに、子供達がドアを開けて入ってきました。ハロウィーンのお菓子集めです。
有名なお菓子集めを生で見ちゃったと、ちょっとうれしくなります。 ちゃんとおばさんはお菓子を用意していて、訪れた子を待たせることなく、これまた 事務的とも言えるぐらいぱっぱっと紙で包んだお菓子を渡していました。

 全ての料理が揃い、ビニールが手渡されます。言うまでも無く、持ち上げるとずっしり。
いそいそと部屋に戻り、早速開封。すると、またまた驚く事実が発覚したのです!


・上の写真は、我々が借りた部屋です。(著者撮影)


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