袋の中味を取り出してみると、チャーハン、焼きソバ、スープで既に4人前かという量なのに、それに袋に入った太めの揚げメン2パック、白ご飯1個がついていたのです!
そして正体不明の調味料、オレンジ色のパック6個と黒いパック5個。黒はお醤油で
オレンジはラー油なのでしょうか?6個と5個という数のばらつきは何を示すのか?
!
「なんと・・・」
思わず息をのむ二人。
ここまでくるともう、驚きではなく写真撮影モードに切り替わってしまいます。
テーブルの上に全ての料理を並べ、リビングのライトスタンドを持ってきて
椅子の上からシャッターを切ります。
「おー、凄い眺め。笑っちゃうよね」
上機嫌で撮影を終えた後、漸くテーブルに並べて食事タイム。ここでまたテレビをつけます。すると・・・
「えっ。これってロッキーホラーショーだっ!」
何と、あのカルトムービーが放送されていたのです!
「このティム・カリーのカリスマ!若き日のスーザン・サランドンがまた、
恥ずかしい感じで、必見なの。あの彼女が歌って、踊ってるんだから!」
と一人エキサイトしてしまいます。
「でも、食事中には向かないかも」
何せ、途中にはカニバリズムもありですから。
結構放送コードが厳しいはずのアメリカで、まさかこんな時間にロッキーを見ようと
はっと衝撃を受け、ケーブルなのかと考え直し、でも凄いと見ながらあれこれ考えていると、ぱっと画面が変わりました。
「ああっ!!」
またまた驚きの声をあげる私。
「チャッキーとブライドだっ!!」
なんとこの番組、MCをホラー映画『チャイルド・プレイ』のチャッキー(人形)と、
彼の花嫁(こっちは女優)がやっているのです。
丁度映画が公開されている時期だったので、プロモーションも兼ねていたのでしょう
。
それにしても、恐るべしアメリカのテレビ!
とりあえず、どれも食事向きではない絵なので、ひとまずテレビを消します。
さて、いよいよ写真撮影までした今晩の夕食にとりかかります。
キッチンの食器、スプーンそして入れてくれたお箸を用意し、いざ開封!
やっぱりそうです。開けた途端にぎっしり詰まったお米が現れます。
スプーンで数杯取ったぐらいでは、全く減りません。
なみなみと入っているとろみのついた卵スープも、飲んでも飲んでも底は見えません
。そして、焼きソバ。こちらも引っ張り出しても、引っ張りだしても無駄な努力でした。とてもじゃないけど、揚げメンと白ご飯にはたどり着きません。
味は食べられないことはないけど、もう一度食べたいと思うものではないと
いう感じ。味はしっかりついているので、沢山つけてくれた調味料を開ける事はなく食べ進みます。
それにしても、この量にしてこの安さ・・・NYは東京とさほど変わらず物価が高いという話しは嘘だったのかもしれない。そう思わせる量でした。
食事が終わり、再びテレビをつけるとティム・カリーは既にプールの中。召使達が
宇宙人だったという、ロッキーホラーショーの大詰めです。
食事の次はお風呂という事で、友人がお湯をはりに行きました。ところが・・・
「バスタブの栓がない!」
「ええっ!!!」
大騒ぎで二人揃ってバスタブをのぞきこみます。見ると、蛇口の真下あたり、バスタブの底に直径5cmぐらいのドーム型をした網目になった硬い金属がつけられています。これを覆わないかぎり、水は流れ続けます。しかし、覆うようなものはどこにもありません。穴が開いているよりも、ドーム型なだけに余計に厄介な代物です。
事務所ももう閉まっているだろうし、どうしたものかと途方にくれます。 そこで仕方なく、先ほど食べた卵スープのカップを取り出しその上に かぶせます。更にその上にガラス製の灰皿をのせ、浮かないように結構いいかげんな重しをしました。これでどうにかなるだろうという事で、順にお風呂に入ります。
自分の番になった時、油断するとプカ〜と浮いてくる卵スープのカップと灰皿を注意深く足で押さえながら、それにしても・・・と再び観察。
お湯が溜められないお風呂なんか、この世の中にあるわけがないという信念のもと
もう一度じっくり観察します。
すると、バスタブから飛び出た小さな金属のスイッチのようなつまみを発見。
それが余りにも目立たないように蛇口のすぐ下についているのです。
これは何?と、とりあえず、動く方に押してみます。
すると、ドーム型の網の中に鉄の花びらのような物がうごいて、アニメだったら
シャキーンっという擬音が入るような少々強暴な感じで締まったのです!
まさしく、バリアーです!
そしてもう一度つまみを動かすと、パカッとバリアーが開いて元通りになりました。
「これだっ!!やったっ!!」
お風呂からあがると、早速バスルームへ友人と直行。思わずへへんっと自慢してしま
います。二人揃って思わずバスルームで拍手!
とにかくお風呂の謎も解けたし、おなかはいっぱいになったし、良かった良かったと
アメリカ第一日目を無事終えて、二人ともベッドに入ったのでした。
ところが、またしても次の試練が待ちうけていたのです!
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