・ Play Without Words Report ・

・National Theatre・

Vol.1

 By ローブリッターさん

-At Lyttelton Theatre In LONDON 2002,Summer -


 あ〜〜っっっ!ついにやって来ました!ロンドン!!家族旅行の日程をこのPlay Without Wordsにあわせられて本当にラッキーでした。4月にオーチャードで会ったダンサーに再び会える!そして何と言っても今回は生の!?ウィル君を観る!というのが最大の目標なのです。

 プレビュー初日の8月20日、21、22と3日間、South Bank にあるNational Theatre に通いました。
Swan Lakeの群舞で踊っていた彼、イコール WILL KEMPと分かってからいろんな事がありました。「カーマン」でウィル君を観れず涙した日々・・・(か〜なり感傷モード) でも、そうですよね、ファンの方はみんな、倒れそうじゃありませんでしたか?ウィ ル君が来ない!とわかった時は・・・。 なつむさんに慰めていただいて気持ちを入れ替えて?オーチャードへ足を運びました よね。
 今回もウィル抜きの「Play・・・・」。でも我慢よ、我慢・・・と思っていたところ に「ウィルの名前がキャストに加わった」という嬉しいお知らせを頂き、 あの・・・「カーマン」の悲劇 (笑)←(今だから笑えるんですが)にやっとピリ オドを打ちました。

 チケット購入の際、「カーテンコール」ではプレビューの初日(20日)のチケットは取れなかったので「マイ・フェア・レディー」を観るつもりでいましたが、 やっぱりここまできてウィル君が観れなかったら・・・! という思いでギリギリに 電話でサークルの2列めを予約しました。
 Transformation シーズンのためチケットは格安で日本円でたったの3300円で す。 信じられない・・・これをこんなにお安い値段で観ていいの?ウィル君に申し訳な い。(・・・ことは無いか・・・?)でも3回も観てしまいました。

 初日、7時45分の開演がはやり初日・・・というせいで始まったのは8時半(お詫びのドリンク券を頂きました)。 ひとりで待っていた私には帰りのタクシーもちょっと心配・・・でもなにより気に なっていたのはキャスティング。1ポンドで買ったパンフ・・・に目を通してドキドキでした。

<The Company>

Anthony
WILL KEMP, EWAN WARDROP, RICHARD WINSOR

Glennda,his fiancee
SARANNE CURTIN, MICHELA MEAZZA,EMILY PIERCY

Prentice, his manservant
SCOTT AMBLER, STEVE KIRKHAM,EDDIE NIXON

Sheila, his housemaid
BELINDA LEE CHAPMAN, VALENTINA FORMENTI

Speight, an old friend
EDDIE NIXON,ALAN VINCENT,EWAN WARDROP

 NixonとWardropは二役(三役?)兼ねているので全員出ても12名。本当にみんな同時に出てね、と祈りながら待ちました。

 8時半、いよいよです。会場に入ってビックリ!
「狭い!・・・そしてステージが近い!」
のです。ステージ中央に白い階段があります。5段上がったところに踊り場、もう7段上がると階段の一番高い踊り場で(ここにウィル君が立つと私の目の前なんです。手が届きそう。) 反対側は緩やかなカーブを描いて降りてくるクラシック調のデザインになっていま す。階段の下は小部屋になっていて(シャワー室になったりストリップ小屋?になっ たり いろいろに使われます)バネ式のドアが二つ付いています。

 さらに驚いたことに、オケピがなく、ミュージシャン(5名)は舞台の右サイドに陣取っています。ダブルベースあり、マリンバあり、トランペットやサックスの音も聴こえます。おっしゃれ〜〜な雰囲気にワクワク。

 舞台後方左にビッグベン(時計の針は8時15分をさしています)、その横にCENTREPOINTの高いビルがあり(チェルシーからだとこの方角に見えるのでしょう)正面は窓の沢山ある建物(シーンごとにこの窓の明かりのつく場所が変わります)です。その前が広場になっていて、赤い公衆電話ボックスが左奥、中央右より、右手前と3つあり、ひとつはダンサーたちが入って使える本物サイズです。 そこから1メートルぐらい段差があって階段のあるステージです。
ロンドンバスも描いてありました。舞台右手前にはBEAUFORT ST.の看板、地下鉄の階段があります。 左手にはポスターが2枚、右が女性の顔で記憶が定かでないのですが、二幕でGIRLS とかPEEPSHOW,STRIPTEAST という妖しい看板がススっと降りてくる時にライトが あてられていたような・・・?間違ってたらお許しを。そして客席に近いところの左 手に革張りのいす。右手にも椅子やらテーブルがセットされています。

 舞台設定で一番に目を引くのは例の白い階段です。ステージが狭いの?・・・こんなに階段でスペースを取ったらダンサーたちはどこで踊るの?。でもステージが予想以上に近いのは嬉し〜〜い!とにかくオペラグラスの出番はなさそうです。
 オケピがなくミュージシャン達がステージ右サイドに陣取っているせいもあり、とにかくステージが ち!近い!のです。サックス、ダブルベース、トランペット、マリンバ、ドラム、キーボードなどが配置してあります。今夜はジャズの雰囲気です。

 20日の私の席は二階のサークルの2列めの真中でした。21日と22日は最前列。サークルといっても本当に近くって、もちろん1階のストールズ席だとダンサーたちの汗も飛んできそうな距離ですが、観るにはここが最高だよ、と電話予約で応対してくれた方の言葉に納得。今回の「Transformation」のシーズンでは格安のチケット代で、しかもLyttelton劇場においてはアクターと観客のあいだに新しい親密さをクリエイトできるようにサークルからステージまでの座席を湾曲した状態に配置してあるようです。
本当に手が届きそうです。これで3300円だなんて信じられません。

あっ!マシュ-だ、テリー・デイビスだ!・・・ピタ君だ!(ヘアスタイル…変わっ た?)お友達と抱き合ってご挨拶。客席を眺めると結構、中、高年のカップルがい らっしゃるようです。 そのうちに照明が落ちました。

トランペットのメロディー!階段の最上段に見覚えのあるシルエット、アラン・ビン セントです。腰掛けてトランペットを吹いています。指もあっています。 左手前の皮張りの椅子になんだかすっごくスマートな!男性の姿がすこしづつライト のなかに浮かび上がります。少しづつ、少しづつ・・・。 椅子の肘がけに両足を組んで横すわり・・・。
「ウィル??!え?ウィル?耳の形が ウィルじゃない?早くこっちを向いてっ!もっと光を!!?」
なんて 心の中は大騒ぎ状態のわたしです。

 目の前がパッと明るくなり、美しいピアノのメロディーとともに、本物の!ウィル・ ケンプが緩やかなカーブの階段をすべるように降りてきたのです!
「ウィル〜〜〜ッッッ!!!すッ!すッ!すてきッ!でも・・・なんか動きが決まっ ているのにコミカル!」
 明るいブラウンのスーツ(もちろん60年代風なのでしょ う。)にボルドー色のネクタイ、白シャツ、スーツより濃いめの ブラウンの靴です。それに・・・!黒ぶちメガネ。ひげなし。髪はおそらく七三。 一瞬ウィルかと思った椅子のダンサーはユワンでした。同じ衣装で「カーマン」で新 鮮だったリチャード君も出ています。
 リチャード君はすぐに彼、と判断できるのですが、ウィルとユアンはなんかよく似ている・・・。そんなはずはない!・・・そうです。だんだんと目が慣れてウィルのクセとかウィル君でなくちゃできない(・・・と私は思っているんだけど!)動きを見るうちに私の心も落ち着いてきたようです。

「そうか〜〜!同時に演るってこ〜ゆ〜ことだったのね〜。良かったあ〜!」
・・・ ということは、フィアンセの女性たちも3人が同じ衣装(こちらは水色のスーツに ヒール靴)で登場するわけです。 3組ともまったく違う動きなので全部を観るのは無理です!絶対無理!!でもいい の。ストーリー的にもウィルとカーティンの動きが3組の中でもポイントになってい るようでしたが、 この3組はしょっちゅう入り乱れる(?)わけでウィルとMeazzaだったりPiercyだったりもするんです。
 女性ダンサーは、あとから出てくるチャップマンもフォーメンティもみんなとっても美しくスレンダーで、「カーマン」の時よりもかなり細く見えます。衣装のせいだけではないような気もします。

 ウィル君の動きがとってもシャープです。椅子に座るとき必ずパンツの膝少し上を ピッとつまんですわるしぐさが
「かっ!かわいいっっっ!!!」
かなり笑いを誘うシーンもあるのですが、タバコを吸いながら座った位置(立ってた かな?)から流れるように床に寝そべって足をクロスしてタバコをふかすところなど 実にカッコ良く決めてます。腹筋、背筋が強くなくてはここまでしなやかにはできな いのでしょう。さっすが!

ウィル・ユアン・リチャード演じるアンソニーは、新しい家に新しいマンサーバント を雇います。この役があのお三方です。
美しい英国紳士のスコットさん、復活ですよ!なつむさん!!「白鳥・・・」からお 久しぶりだったSteveとEddie。やはり個性の強いダンサーたちですし、 独特のしぐさもあるわけで、そ〜ゆ〜瞬間とぶつかると
「あ〜、やっぱりSteveだ わ。白鳥のバーのシーンのEddieだわ〜。」
と嬉しくなってしまいます。

 椅子に腰掛けて新聞に目をとおすウィルと後ろで主人の様子を伺いながらのSteveの動きにはいつも笑いが・・・。実に気のつくサーバントを独特の雰囲気で見せてくれるのですが、絶妙のタイミングで主人の新聞に見入ったり、めくったりの動き、ウィルとの息がピッタリ!

 彼らの日常で、サーバントがアンソニーの身支度を手伝うシーンがありました。 ここでは舞台右手からいきなりブリーフ一枚のリチャードくん登場。直立不動・・・ !出てきただけで爆笑です。
 彼に服を着せていくのがスコットさんで、となりではユアンがスティーヴに着ている服をぬがされています。同時進行です。 マシュ-はこのシャツの着せ方が気に入っているのかな、「白鳥・・・」の王子の時 と似ています。
 でもリチャード君が可愛いし、スポッと上手に着るので男性のかたも大声で笑いま す。靴の履かせ方なんかも実にピタッと決まって・・・というのは音楽にとてもよく 合っているので 笑わずにはいられないのです。ブリーフ一枚で出てきたリチャードはきちんとスーツ を着せてもらい、洋服からサテンのガウンに着替えさせられたユアンは最後にはいて いたブリーフをサッと脱がされて(ガウンはヒップすれすれの丈)このシーンは終わります。

 アンソニーの家に新しいメイドがやってきます。ウィルはひと目彼女を見たときからゴックン!!、黒ぶちめがねをずらして見つめます。
書き忘れましたがこのウィル君(特別でない限りアンソニーはウィル・・・と思って ください。)はGAPのワイルドひげなウィルではありません。この!黒ぶちめがねが ハンサムなウィルの顔を3枚目にしてくれています。メイドが落としたクロスに二人 の視線が集まります。次の瞬間、照明がピンクに変わり、主人とメイドは「いけない 事」を考えてしまうのですが、 音楽でムードももりあがり、ウィルがクロスを口にくわえてひっぱるとこなんかかな りセクシーで、
「ダメよ、ウィル君、メイドとこんなことしちゃダ〜メ!(私が!) フィアンセがいるんでしょ!」
と思いながらも、食い入るように(?)ウィルを追っ てみつめる私・・・。突然、照明も元にもどって何もなかった前のシーンに戻るので すが、心の中を覗かれてしまったような二人のシャイなリアクションもか〜わい〜い し、この「いけない事」のなかにはダンサーでなければできない動きが凝縮されてい るんですよね!

 ウィルのフィアンセは新しいサーバントの仕事に注文をつけます。「あ〜ら、ここ、きちんとお掃除できてないみたい。」 当然メイドも気にいりません。スコットさんはウィルとフィアンセの仲にはオジャマ虫。(スコットさん、本当にいいところで邪魔してくれてありがとう。感謝しております。(笑) フィアンセにはサーバントへのフラストレーションがたまります。

 中央の階段はおそらくコンピューター制御だと思いますが、見せる角度が自由自在にコントロールできるのでしょう。くるくると回ったり、ステージをスムーズに移動して舞台の設定が変わります。 ダンサーたちはこの階段が動きまわっているときでもその上で走り回ったりして本当 に落っこちないで!と言いたくなるほどでした。

 そして、そろそろ「新築祝いパーティー」が始まります。 メイドのチャップマンが大きなバルーンを(5〜6個)両手に持って登場。バービー 人形のような彼女。腰の位置、足の開き具合でモデルポーズっぽく決めます。 紙テープとともに階段に飾り付けます。 友人たちも集まります。ここでとにかく目立っちゃうのがスティーヴ!!!とパー シーの変な友人ペア。(映画などのこ〜ゆ〜パーティーに必ず現れるド派手なカップ ルです。)
彼はグレーのジャケットに黒シャツ、派手な緑色のネクタイ、黄色?か白ぶちめがね ・・・そして・・・髪の量と長さが急激に増えている!!!(似合ってる!!)白鳥 ・・・のときもすでに・・・だった彼の御髪。 サーバントを演ってるときはナチュラル?で、う〜〜む、ますます・・・きている・ ・・と。でもいいのよ、スティーヴ、髪の毛の量なんて問題ないわっっ!

この「ワタシ、カブッテマスヨ〜」的ヘア・スタイル・・・決まりすぎている!!!
その長い髪を時折オーバーにかきあげるしぐさがグッ!で初日は結構笑い声が。踊り も最高!みんながノリノリで踊って くれます。かなり可笑しいです!二人がダンスで盛り上げたあと、ここは友人役のユ アンとエディーが同じ振りで踊ります。
「ダメよ、ちがうじゃない、なってないわ。ヘタクソねえ。」
と陰で茶化してる変な ペア。 じゃ、こんどは僕が・・・とウィルちゃんのソロ(?)。
「アンジェロのウィルは何 処に・・・!」
白鳥・・・のポップアイドル役のウィル君がチラッと見え隠れしま す。 ウィル君、かっこいいっっっ!(何度も言いそう)こんなコミカルなウィルは初めて ?
「はあ〜〜っっ、この子は何を踊ってもカッコいいわあ〜〜。」
ここでのウィルはブラックのフォーマルに蝶ネクタイ。

そして、ここでアンソニーの昔の友人が登場です。今回のアラン(達)は本物の悪・ ・・という匂いです。(ルカは違ったもんね。) 彼のねらいはフィアンセの誘惑。サーバントがらみでしょう。やっぱりアランが一番 この役にはまっていました。

パーティーもそろそろお開き・・・というところでアランがウィルに白い布で目隠し をします。グルグルとまわされるウィル君。
「こっちよ、こっち。私はこっち!」
と 言いたいのをグッと我慢。舞台中央に置いてある木箱につまずいてドッと木箱を飛び 越えて倒れるウィル。(危ないじゃない!マシュ-・・・)3日間、彼は上手に つまずいて転びました。そしてさまようウィルの手がついに触れてしまったのは・・ ・。メイドの美しいあんよ・・・。あぁ〜〜、やっぱりこうなるのねえ・・・。

パーティーがお開きとなり、フィアンセも新居をあとにします。彼女が出て行った後 で、スコットさんが彼女が持ってきたグリーンの鉢を外に投げ捨てます。 野良猫の「ニャ〜〜ッ」の声で一幕が終わりました。

ウィル君、かなり汗をかいていましたね。でもちゃんとハンカチで汗を拭く場面もあ りました。 初日はめがねが吹っ飛んでいって慌ててキャッチしたり、転び方も一番派手なウィル でした。そしてやっぱり演技力にますます磨きをかけたウィル君でした! すばらしいアクター・ダンサーです。ダンサーたちはみんな、そう、確かにブリリア ント!!!

でも!でも!一番輝いて見えたのは!WILL ・KEMP !!!

1幕の前半でアンソニーがシャワーを浴びる前かしら?腰にタオルを巻いただけの姿 で出てきます。初日はウィルで腰のあたりがチャイナドレス状態でしたが、二日め、 三日目は ユアンでタオルの巻き方が普通に、つまり横から見えない(?)状態にしっかり巻い てありました。初日もユアンだったかしら?ふ〜〜む。 とにかく3人が同時に異なったパフォーマンスなので、見る側も忙しいったら!!! ・・・の前半でした。


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