・ Play Without Words Report ・

Vol.2

 By ローブリッターさん

-At Lyttelton Theatre In LONDON 2002,Summer -


 舞台左手に置いてあるのはサイドテーブルでしょうか。横に貼ってあるのはSpitfireの?かと思うような男性の写真です。どうしてコレをここに貼ったか?スコットさんの、いやいやこのサーバントの趣味でしょうか。

 2幕の最初のお楽しみは!スコットさんがつけたテレビの映像だと思うのですが、舞 台右手から突如現れる6人のダンサーのご機嫌なダンス!これってハマリマス。
「きゃ〜〜ッッッ、なに?これは!君たちは!!?」
・・・でも、なんたって!左か ら3番目の彼に釘づけです。誰って・・・それが・・・!大変なの。

そして今回のステージではいろいろな物が上からススッと降りてきます。計算し尽く されたタイミングで・・・。(そうです。ハードな四角形の換気扇が揺れながら降り てきたときは笑ってしまいました。)

 このダンスシーンでは沢山の赤い小さなシェードのライト、たしか6個づつ3段ほ どあったと思います。そのライトの下でのこのダンスが最高!! 6人が鮮やかな紫のジャケットにタイトなパンツ。ひとりはアンソニーの茶色の靴を 履いています。「彼!」です。帽子が可愛いくってカクカクッとした紫と白の染め分 け帽。そしてポルナレフ?(お若い方はご存知無いかも・・・。60年代後半から70年 代のフレンチポップスのスーパースターでございます。)も喜んでしまいそうな 白ぶちのサングラス。このかなり楽しくて可笑しくてお馬鹿なダンスなのですが・・ ・こっちも踊りたくなるけどとってもついてイケナイ早いテンポなのですわ!

 手のひらをパッ!お口をパッ!プッ!?そして下半身の動きが最高!!腰の入れ方が 良いッッ!のです。特に左から3番めのウィルくんが最高!!!ほかのダンサーも、 もっとよく見るべき!だったのですが!なんといっても3番目の彼! もう、やっぱり違う!どうしてこんなにちがうの?!!ほかの人も絶対、彼に目が 行ってるはずです。もっと踊って、もっともっと!と思っているうちに終わってしま うのは本当に残念。

 しかし次のシーン、いかにもリッチな青年というアンソニー。 クリケットセーター 姿のウィルとリチャ-ドが左から・・・。
「エエッ!早すぎる・・・。いくらウィル でも(?)こんな早業は無理・・・。エ〜〜ッッ?!と、いうことは?!今・の・は ・・・!ユアンッッッ!!!」
・・・私・・初日はユアンに(勝手に)騙されてしま いました。あの完全にイッチャッテルダンサーがウィルくんじゃなかった・・・こと もショックでしたが、ユアンとは!!二日目でようやくこのスゴイダンサーをユアン と確認しました・・・。いやあ、このユアンには驚きました!もう、どう誉めていい か分からないくらい楽しくってノリノリで踊る彼。表情も◎!・・・可笑しすぎる! ・・・これがあのユアンなのッッッ!!?。驚きでした。

 続くシーンは怪しい雰囲気のバー。アランがスコットさんを責めたてています。相手 にウエイトをかけてスッと力を抜くといった動き・・・アランはいつも決めてくれま すね。スコットさんはもう、すべてがお見事です。
たしかここでは大きな横長の『The SALISBURY』の看板が降りてきます。 そして例の七変化?の階段の下は男たちの妖しいゾーンに。『STRIPTEAST』 『PEEPSHOW』 『Bar』 『GIRLS』 『Massarge』といったネオンの看板が乱舞しま す。 そしてメイドがアンソニーを・・・。アランがグレンダを・・・というシーンに進み ます。

 スコットさんとスティーヴがステージの中央から少し左寄りにキッチンテーブルを運 んで登場。(やっぱり・・・これね、マシュ-)そしてまたスルスルと滑るように降 りてくるのが真上でテーブルを照らすライト。テーブルのうしろにはシンクが置かれ ます。この小道具の出てくる間・・・というのが憎いのです。「さあ、みなさん、舞 台が整いました。ご覧ください!」ってかんじで。

 このシーン。私が観た三日間、客席はシ〜〜〜〜〜〜ンと静まりかえっていました。 咳ひとつできません。みんな、これから何が始まるかご存知でしょうからね! メイドがいます。パジャマ姿のアンソニーが水を飲みにやってきます。

「あ〜〜、良かったあ〜、リチャード君で・・・。(?!?)」
・・・蛇口から水の 落ちる音だけが響きます。ピチャッ・・・・・ピチャッ・・・・ピチャッ・・・・ピ チャッ・・・・・ピチャッ・・・・・・と、かなりの間です。チャップマンの妖しさ に私までドキドキしてしまいます。彼女が身に付けているのは前のシーンでアンソ ニーが着ていたクリケットセーターだけ。リチャード君の手が彼女に触れるまでの長 いこと。動きが少ない分、演技で気が抜けません。観客の全視線が彼の指先に集中し ています。(おそらく・・・) 「ここはリチャードくんで良かった」・・・と思っ ていたはずなのに、いざはじまると、「どうしてウィルがここを演らないの!」と・ ・・。女心って複雑というか、単純・・・というか・・・(笑)。
とにかく大抜擢で がんばっているリチャードくんを見守ります。そしてキッチンテーブルの角から角ま で、テーブルの上も下もフル活用のセクシーな演技がスピーディーに流れて・・・、 リチャ-ドとチャップマンの演技がMaxを超えたころ、階段の中ほどに待機していたも うひとりのメイド、フォルメンティがゆっくりとテーブルに近づきます。

そして階段下のバネ式ドアから・・・もうひとりのアンソニーが登場します。

「あぁ〜〜、ウィル・・・。やっぱり君ね。ここは君が演らなくちゃね・・・。」 
黒ぶちめがねなしのハンサムなお顔。←ドッ、ドキッ!!→パジャマの胸元が大きく はだけています。(二日目は大サービスでした。)・・・胸の(決してマッチョでは ない)筋肉の美しいこと!!!この!出てきたときのウィルの表情をなんと形容して お伝えしましょう? 妖しさプラス危なさアンド憑かれたような表情のウィル・・・。ハンサムな彼がこの 表情を創ったらどうなります?!、ファンなら絶対!見なくちゃダメ!!見のがせま せん!←これって意地悪?(誰かさんのがウツッタ?)
でも・・・見すぎると身体を 壊してしまいそう・・・気を付けましょう。 

 フォルメンティにはチャップマンほどの色気は感じませんが(個人的にはホッ・・・ としたところ。why? )ウィルとの、このシーンの彼女。よかったです。←あっさり しててすみません。
罠にはまっていくウィルの演技にゾクゾク。なんど観てもこのゾクゾク感は心地よ かったです。彼の動きは本当に綺麗・・・美しい。  Fluid なウィルです。

 ゾクゾク・・・といえば、1幕の最初の部分、新居にフィアンセがはじめて来た時。 横たわっているウィル君の身体をグレンダがそのハイヒールのつま先部分で ス〜〜〜ッとタッチしていくところ、刺激的でしたね。
逆にウィル君が彼女の美しい足を両手でピアノを弾くかのような手つき(ハノンでも 弾いてるみたいなの。それにしてもウィル君の手!指!美しすぎますよね!)でタッ チしていくシーンはユーモラス。もう!マシュ-ったら!!でございます。

メイドとの関係のあとでのリチャードとウィルの表情・・・思わずフッ・・・フッ・ ・・と笑っちゃいます。リチャードは完全にもう昇天?しています。ウィル君は、 う〜〜む、ここまで演るの〜!!!爆笑です。

 サーヴァントに弱みを握られてしまい、アンソニーとサーバントの立場に変化が。こ の!ふてぶてしさ丸出しのサーバント、スティーブの演技・・・。もうっ!!ウィル が可愛そうじゃないのッッ・・・です。そう思わせてくれるスティーブって役者です ね〜〜!

 アンソニーも開き直って反撃にでます。オズの「魔法使い」・・・いえいえ、レズの 「魔法の階段」ですが・・・動いている時でも彼らはその上で追いかけ回ったりして ・・・、前にも書きましたけど・・・ウィル君が最上段に立ったときは、サークル席 のまん前!で、それはそれでとっても嬉しいのですが!・・・恐くない?高さも結構 あるし、3組のアンソニーとサーバントがここでは同時にやるわけですからね!今、 思うとちょっと危ないわあ〜、マシュ-!!

 反撃はするものの結局、幼い彼らは階段下に追い込まれてしまいます。このときの3 人のアンソニー、階段がグルッと回って彼らの怯えたような情けない姿が現れたとき は涙がでそうです。かわいそうで、いえ可笑しくって・・・。こうゆう演技のセン スって、(ウィル君はワークショップもやってるって言ってましたね、)もう、マ シュ-のカンパニーには不可欠な要素ですね。これが出来てしまう彼らはス・バ・ラ ・シ・イ!!!

そして一幕の最初と同じメロディーが流れます。
「あっ!終わってしまう?」・・・ 「ウィル?!ウィル君なの?!」
・・・と思ったあの椅子に、こんどこそウィル君が 腰掛けて、何かに怯えたようにハッと振り返ったところで照明が落ちます。

終わってしまいました・・・。感激の舞台を3晩も観れて、しかもこの上ないキャス ティングで観れて幸せなはずなのに!この切なさ、淋しさはなんでしょう。 マシュー・・・お願いだからフィルムに作って残して!!!

カーテンコール・・・。12名のアクター・ダンサーはみんな最高の笑顔です。
「白鳥の湖」のカーテンコール、ピョコピョコとステージの一番後方まで下がってお 辞儀をしていたウィル君が、今はステージ中央で喝采に包まれています。
 3日めは彼の合図でミュージシャンたちもステージ前方まで出てきました。ウィル君 が両手を高く揚げてミュージシャンにも、そして客席にも拍手を送っています。 彼の自信に満ちた姿と爽やかな笑顔をハートにギュ〜〜〜ッッと詰め込んでNational Theatreをあとにしました。


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