・ Report By Ms.Naoko・

16&18 June 2004


 上演されたのはロイヤル.オペラ.ハウスのLinbury Studio Theatreはメインの劇場の入り口に向かって左側の新しく増築された建物に入り口があります。階段を下ると、そこがホール入り口なのですが、そこはバーラウンジになってます。
 ホールは本当に小さなミニシアターです。 舞台が近くてちょっとびっくりしちゃいます。

 舞台美術はレズ.ブラザーストン。全体的にアールデコっぽい雰囲気。舞台の両端の客席にせり出しているスペースには丸いテーブルと椅子がいくつか置いてあって、招待客っぽい観客が座ります。
 舞台向かって左側の奥高い位置に楽屋?とおぼしきスペースが。かなり不思議な空間です。

 出演者は4人だけ。ソルジャーのアダム、ストーリー・テラー(Narrator)と王様二役のウィル.ケンプ、悪魔役のマシュー・ハート、ソルジャーの婚約者とプリンセスの二役のゼナイダ・ヤノウスキー。
 ストーリー・テラーがほとんど語りっぱなしで、物語が展開します。ソルジャーと悪魔の台詞も少々あります。英語がわからないと結構辛い舞台です。。しかもストーリーはかなり不可思議な話。
 たぶん元々日本語で脚本を読んでも何が言いたいのかさっぱりわからないお話なんだと思います。

 始まりはアダムがさりげなく登場して、舞台右手で座ってタバコをふかし始め、同時に左奥の楽屋スペースにゼナイダ・ヤノウスキーが入り、身支度を始めます。。「これって始まってるの?」と疑問に思い始めたころにいきなり音楽が始まり、ウィルが登場します。

 踊り。。という意味では、アダムは時々踊りますが、キャラクターも地味な設定ですし、特にすごい見せ場があるわけではありません。どちらかというと役者です。ゼナイダ・ヤノウスキーがまたおかしな役柄なのですが、トゥシューズで踊ると ころはバレエ・ダンサーとしてしっかりとした基礎の入った踊りを見せてくれるし、笑いをとるシーンも上手にこなしていました。
 しかし、なぜ彼女の身支度を見せる必要があったのだろう???これは、ものすごく謎でした。
 マシュー.ハートの悪魔はとにかくすごいです!変幻自在。体が柔軟。ほんとにすごい人です。

 最後にウィル・ケンプ。もみ上げを頬骨まで妙に形を整えて伸ばしてあって、口ひげにさらにオールバックに濃いメイク。。チャップリンかサーカスのマジシャンみたいでかなり濃ゆ〜いキャラになってます。(ちなみに舞台後の素顔の状態をたまたま見かけたのですが、あのもみ上げはメイクではなく地毛でした!)一人で動き回り、語りまくり。他の出演者の動きを見ながら、台詞をはさむ。とても難し い役割をよくこなしていたと思います。残念ながら、踊りを見せる場面はあまりありませんでした。

2回見ましたが、やっぱりどうにも理解できなくて、む〜んという感じでした。これは「Sea of Troubles」に匹敵する難解さでした。。。

 キャストそれぞれの力量は十分に感じられましたので、観る価値はもちろんあったのですが。。好みが分かれる舞台だと思います。

今年(2005年)5月に再演されるようですが、これだけのためにロンドンに行かれる方がいるとすると、かなりちょっと。。旅費がもったいないかも。。です。。
  観に行くことをご検討されている方は、是非とも他にも何か目的(ロイヤル・バレエの舞台を観るとか)を持って行かれることを強くお勧めいたします!


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