・AMP SWAN LAKE・
2003, Japan Tour Report


このレポートは皆さまから寄せられたものです。公演日順ではなく、頂いた最新の
レポートが一番上になっています。公演日については、各レポートのトップに記載しています。
キャスト表が長くなっているため(笑)レポートは随分下から始まります。
今すぐレポートを読みたい人は、ここをクリック!してください。

by なつむ


・・・CAST・・・

★全てのキャスト表はbunkamuraさんのHPに掲載されています★

- Tokyo -

February 25,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイコス

February 28,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサント

March1,2003 : Matinee
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March1,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 2,2003 : Matinee
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 2,2003 : Soiree
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 4,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイコス

March 7,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 8,2003 : Matinee
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 8,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince ベン・ライト
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 9,2003 : Matinee
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 9,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 11,2003 : Matinee
 The Swan 首藤康之
 The Prince ベン・ライト
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 12,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリート・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 14,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

- Osaka -

March 20,2003
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 21,2003 : Matinee
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen ヘザー・レジス・ダンカン
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 21,2003 : Soiree
 The Swan 首藤康之
 The Prince ベン・ライト
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 22,2003 : Matinee
 The Swan 首藤康之
 The Prince ベン・ライト
 The Queen ヘザー・レジス・ダンカン
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

March 22,2003 : Soiree
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 23,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen ヘザー・レジス・ダンカン
 The Prince's Girlfriend トレイシー・ブラッドリー
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

- Tokyo -

March 25,2003: Soiree
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince ベン・ライト
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 27,2003: Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

March 28,2003 : Matinee
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary スティーブ・カーカム
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

April 2,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

April 3,2003 : Matinee
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

April 4,2003
 The Swan アダム・クーパー
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリット・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

April 5,2003 : Matinee
 The Swan 首藤康之
 The Prince トム・ワード
 The Queen エマ・スピアーズ
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

April 5,2003 : Soiree
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen マーガリート・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince ギャヴ・パーサンド

April 6,2003 : Matinee
 The Swan ジーザス・パスター
 The Prince アンドリュー・コルベット
 The Queen マーガリート・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince サイモン・カレイスコス

April 6,2003 : Soiree
 The Swan 首藤康之
 The Prince トム・ワード
 The Queen マーガリート・ポーター
 The Prince's Girlfriend フィオナ・マリー・チヴァーズ
 The Private Secretary リチャード・クルト
 The Young Prince サイモン・カレイスコス


◆◇◆ Reports ◆◇◆


◇ジャッキーさん◇(鑑賞日・2003年3月23日)

 皆様に遅ればせながら、3月23日に念願のアダム・クーパーのライブを初めて観る事ができました。計算を誤って(?)先に、ジーザスと首藤さんの白鳥をみた後になったため本当に観る事ができるのかどきどきしました。
 周りの方たちも言っていましたが、オーラが違うのでアダムは現れた瞬間にステージが大きく変わります。これがあの『dominate』してしまうという事ですね。DVDで散々観ていたし、前日にたっぷり群舞を堪能していたので、アダムのみに集中して観ました。DVDで観るより、なお体の線が綺麗で、動きもダイナミックに見え ました。

 私も他の2人のがに股のダンスが(好きな踊りだったので)こじんまりしていてあらっと思っていたのでアダムの本来の思いっきり上半身もかがめて脚を上げているのを観て「よっしゃ!」となりました。
 DVDが頭に入りすぎているからに違いないのですが、他の2人の柔らかさが目立ったダンスに比べアダムの丁寧なのだけれど荒々しさとキレのあるダンスがやはり一番です。どういう形が自分を一番美しく見せるか知っているのでしょうね。  そもそもアダムのために存在するような役柄であり、みんなの記憶の中にアダムが現在進行形で存在する以上、他の誰がやっても現段階では、小型の2番煎じに見えてしまうのは仕方ないことでしょう。

 チャイコフスキーの曲も以前は繋ぎの曲程度にしか響かなかった部分までがAMPの情景と結びついて1曲1曲がとても意味深いものになりました。AMP版の『白鳥の湖』は古典となるでしょうね。まだ、何度でも観たいのですがアダムは今回の日本ツアー自体が特別の事だったようですので、もう次は無いのでしょうね。これしかないというアダムも良くないと思いますので、どのどんいろんな役にチャレンジしてまた、日本で観られたらなと望みます。ハー・・・(ため息)


◇ローブリッターさん◇(鑑賞日・2003年4月6日昼・夜)

 今回は去年の「カーマン」と違い、とてもリラックスしてはいたものの、実は「オリジナルキャストではもちろん無いし、ウィルもいない。」・・・アダムが見れれば!!という期待と不安で臨んだ"Swan Lake"でした。
 ビデオを見ながら自然に踊ってしまうくらい(・・・想像しないでね。)大好きなこの作品ですが、やはり生の舞台を観るとその魅力というか魔力?に「白鳥漬け?」の日々。白鳥たちが飛び立ってから、いまいち調子が出ません(笑)。

 それを察したんでしょうか!ウィル君ったら、タイムリーに久々のメッセージをロイさんサイトに載せてくれて、「ちょっと僕のこと、忘れかけてなーい?」なんて(忘れてないわよーー。)あわてていたりして・・・まさか、そんな、でも、ウィルに言いたい。「あなたが日本に来ていたら、本当にエライコトになっていたわよ。」と。

 では、最初に最後のカーテンコールについて、まず。
ほとんどの人が立ち上がっていました。この場にいないマシュ-やレズ、この作品に関わってきたすべてのひとびと、もちろんこのすばらしい音楽を世に送り出してくれたチャイコフスキーにも届けたい気持ちで拍手を贈りました。ここで、ちょっと私的に大変なことが、いえ、ギャブ君が見えないッッッ!のです。(いつものローブリッター登場)前のダンサーの影にすっぽり隠れて、み・え・な・い!!最後なのに!!
「もう!勘弁してよ!なんでっ!?」・・・な私。隣の人を意識しながら身体を右に左に・・・。何回かカーテンコールを繰り返し、いよいよ最後かと!その瞬間、 天井からゴールドの紙吹雪が舞い降りてきました!ステージも、歓声と拍手にこたえるダンサーたちの背中もキラキラと輝いて眩しいほど!
 一瞬あのシーン、Wind in the Willows のThe Wild Woodでウィルのラティーとモグ君の頭上から雪が降ってくるシーン(客席まで雪を降らせた・・・という)が過ぎります。こんなにハデではなかったはずなのに結びつけてしまう。。。

ハ そして、紙ふぶきのおかげで見えました!ギャブ君も天井を見上げたりして嬉しそうなこと、そして、そのゴールドの紙ふぶきとともに、次に何が舞い降りてきたと思います??
 ふわりふわりと私の席からは球状に見える白いものが!!!なんでしょう? 羽根です!かなり大きな白鳥の羽根がステージ中央上方から宙を舞っています。なんて素敵な光景なの!今回の日本公演の大成功を祝してこんな素晴らしいラストの演出になったのでしょうか。嬉しすぎます。

 そして、いよいよ幕が下りて、会場の照明も明るくなりました。今までですと、ここで皆、諦めて?会場をあとにするところですが、今夜はまだ拍手も鳴り止みません。かなりの時間がたっても、拍手の波はさらに強く押し寄せるという感じ。そして、ついについに再び幕が上がり感動のフィナーレを迎えたわけです。

 結局、終わってみれば6回のスワンレイクを観ることができました。最初の予定では2回だったのに。
 スワンと王子のキャスティングは6回とも異なる組み合わせ!このキャスティングの確率にはニンマリしてしまいました。・・・とは言っても、欲を言えば、女王とガールフレンドは6回とも同じで、ブラッドリーのガールフレンドが見れなかったのは残念。

 アダム3回、パスタ-、2回、そして6日のマチネを見終えた時点で未だ遭遇していない首藤スワンを最後のソワレで見ることが出来ました。
 今回の公演には友人、知人をのべ15名動員?したんです。とにかく、この作品を楽しんで見てほしいと思いまして、みんな「AMP若葉マーク」を胸につけての?オーチャード入りです。2回目も見ると言っていただくほど皆さんお喜びで、私もとっても嬉しかったですよ!

 さて、今回の公演は群舞の特に小さい白鳥さんたちに人気が集中しましたね。 初日に目!をつけた(笑)ギャブ君は、どうかするとウィル君に見えるくらいインパクトありました。(どうかすると・・・!です)少林寺ダンサー(?)のチュ-君、ギャブ君と仲良さそう・・・(!?)。そして実はサイモン君の白鳥も「見ていたい」存在でした。こっそりね。

 偶然、2幕の最後のシーンでギャブ君がウィルと同じ白鳥を踊っているところがあるのですが、舞台右からユラユラと羽根を広げて出てくるところなんか、ちょっと雰囲気ありました。ビデオでウィル君が振りを間違えて、タイミングとって合わせるところ、(Willieさん、ご一緒に!せーの!「かっ、かわいいッッッ!!」)ギャブ君はちゃんと間違わなかったわね、えらいわ!って、ギャブ君もえっ!24歳なんですか、見えない。。。

 主役クラス以外ではほとんど彼に引き付けられてしまいましたが、再追加公演の最後の日、「へザー・へ-ベンス」がアンサンブルに出ていると聞いて、実は6日の2公演は完璧に「へザー・ウオッチャ-」だった私です。
 へザーといえば、もちろん「カーマン」でも何度も見ていたはずのダンサー、Swan Lakeのビデオにも出ているのに私、どこを見ていたんでしょう!(いまさらそんな、ウィルやアダムやスコットさんを見ていたんですよね。)とにかくです。マチネ一回で彼女から目が離せなくなってしまいました。
 今日のオペラハウスのシーンでは蛾の精?蝶の精?黄色の衣装のほうですが ほんとうにすばらしい!マシュ-がダンサーに求めるものすべてが彼女にはあるのではないかしら。「ずば抜けている!」とおっしゃった弥生さんの言葉に うんうん!と、頷く私。
 ウィル以外で(それも女性で!)指先の細かい動きまでしっかり見たい!!と言いましょうか、見ずにはいられないと(笑)思ったダンサー、二人目はへザー・・・でした。(パンフにあのシーンの写真、一枚ぐらいいれて欲しかったわ。衣装もシューズも素敵なのに!!)

 ソワレは3階席でしたのでオペラグラスでの表情チェックにリキが入り、さらにへザーに参りました。優雅で品があって、可愛らしくて、と思うとバーのシーンでは常連客?のような最初っから出来上がっているタバコぷかぷかのスーツのおばさんなんです。丸イスに腰掛けた足の開き具合といい、座り方といい、もう、すごすぎて!そして舞踏会での彼女も際立っていました。ノーブルな動き(ダンス)の美しいこと!他の女性ダンサーの方には申し訳ないのですがへザーが出ていると彼女を見なくちゃ、もったいないって感じ。
 すっかりへザーのファンになったところで、ロス公演の「カーマン」のリハで床にゴロンの溶けてしまいそうな表情のウィルとへザーを思い出し、二人のアンジェロとリタが日本で見れなかった無念さがまたしても・・・。あーー、ウィルのせいだわぁ・・・・。

 では、千秋楽でようやくあたった首藤君について、一言・・・です。電話でのチケット争奪戦を諦め、ピアに走ったときには大変な事態になっていた再追加公演ですが、出遅れたおかげで千秋楽の「ソワレ」は普通だったらおそらく買っていない3階席の最後列という場所から見ることに。覗き込む、かんじです。天井が近い。 今までとまったく違う角度から見るので、一羽一羽は、重ならない、という意味でかえってよく見え、別の面白さはあるかしら。

 見えすぎて「それはないでしょー」だったのは首藤スワンが湖面を泳いで左から右へのシーン、台?から立ち上がるところまで見えてしまいました。この高さだからみえたのかしら。
 ですが、首藤君の表情を見るにはオペラグラスが必要となり、特にストレンジャーの首藤君を見て思ったこと・・・。もっともっと女心を弄ぶ演技を見せて欲しかったなあ、と。各国の王女たちが送る熱い視線を、もっとひっぱって、ひっぱって!!受け止めてからポィしてもいいの!クールでもいいけど、なんというか、そっけない、というか・・・「あれれ・・・?」という感じです。私が欲張りなんでしょうか?とはいっても今回、首藤君は大変なプレッシャーを背負っての日本公演だったと思います。
 ホームのはずが、ホームじゃないところ、それもアウェイよりもさらに別の意味で厳しい環境でのパフォーマンス。得たものも大きかったでしょうね。次回はもう少し、視界の良い席で彼の白鳥を観てみたい、と思います。

 実はソワレのチケットは香港から来れなくなった妹の分で、どなたかにお譲りしようか、とも考えていました。オーチャードのエントランスで「チケット譲ってください」とボードに書いて待っている方がいつも目にとまりましたし。(胸きゅんですよね。)でも、へザーを最後にもう一回見たい気持ちと、首藤君、群舞の白鳥見たさで、結局自分で観ることに・・・。

 執事がガールフレンドに報酬を支払うのを見てしまった王子、そのバックにに白鳥の姿がスクリーン越しに現れるシーンをもういちど、見たくって!ここは本当に舞台ならではのシーン。ビデオを見て、ここは実際はどんな演出でどんな風に見えるのか楽しみなシーンでした。あの、スクリーンの中の白鳥たちが一羽、二羽と消えていき、「白鳥」登場となるシーンは「情景」のメロディーとともに心を熱く満たします。

 それから、場面があっちこっち飛びますが、2幕小さいキグナスたちの前、王子と白鳥が触れ合うシーンで王子が白鳥の頭を片手で支えて、白鳥の重心が王子側に倒れかかる振り付け、あの箇所が3日のアダムのときにすでに変わっていました。
もっと前からだったのでしょうね。支える手の位置が頭ではなく、胸元に変わったのはなぜでしょう。あとの公演でもそうでしたので、これは明らかに「変えた」んですね。あの距離感と雰囲気、好きだっただけに残念。

 来年はSwan Lake十周年!何か特別なプロジェクトを、と期待してしまいます! ・・・が、その前に、PWWとWind in the willowsまで充電パワーをもたせなくては・・・。まだSwan Lakeの余韻に音楽流して浸っています。ビデオでのへザー、これからチェックと参ります。


◇Willieさん◇(鑑賞日・2003年4月5日夜)

 実は再追加のチケットは買っていなかったので、3月で私の白鳥祭りは終わっていたのですが、その後の喪失感は思ったよりすごかったです。そんなとき、同じAMP好きの方から、お二人も!よかったらチケット譲りましょうかとのお言葉。もう、涙が出るくらいうれしかったです。AMPファンってすばらしい!もう、ヤクが切れて苦しんでるところに...

 ということで、もう観れないと思っていた白鳥をもう一度観ることができました。
 すでに6公演観たあとでしたが、この公演はありがたみは他と全然ちがいました!「jesusか...モチベーションが下がった。」などと思っていた日もありましたが、そんなこと自分ながらとんでもない!この日もjesusでしたが、は〜ありがたい。って感じで謙虚な自分にびっくりしました。
 小白鳥もベストフォーの中ではsimonくんとkimくんだけ。そして、あぁジヨン.チュウが良く見えます。この日は2階の右の一番ステージよりの席でした。A席ですが、最初の悪夢のシーン以外はオペラグラスがいらない程よく見えました。お別れはgavくんのyoung prince!kimくんもいて良かった。gavくんの場面すべてオペラグラスでしっかり目と心に焼きつけました。やっぱりおもしろいです。でもswank barの不良少年のとき踊ってほしくて女の人にお金を渡すところで今日は頭を下げていなくて残念。好きだったのに。
 そして!やっと観れました。弥生さんがおっしゃっていたsimonくんのエスコート。固い、なんかすご〜く固いんですけど。白鳥のときと別の人のように感じて しまいました。踊り慣れてないからかしら。でも、ういういしい感じでかわいい!大人の熟れた世界にまぎれこんじゃった若造といったかんじでおもしろかったです。

 ステージの話はもう何度もレポートしたので、今日は番外編?にして「デマチ」 の報告です。人がたくさんいたので「デマチ」でなく「デマタナイ」でやってみました!(結局のところダンサーからしてみればおんなじなんです!)最後なのでgavくんとお話したかったのですが、この日は白鳥を踊らなかったのできっとすぐ出てくるかな〜と思いつつも、たくさんの人達がデマチをしているのでみんなにサインとかしていると、コーヒー飲んで戻ってちょうどかな〜と推測。いるといいな〜 と東急に戻ってみると...この女の勘、適中でした。(怖い...)すべてのサインを終えて一人で帰るgavくん捕獲成功。(疲れているのにごめんなさい)
 話す前に、一応gavくんに歩きながらお話してもいいかどうかきいたら、前に会ったことも覚えていてくれてsure!と笑って言ってくれました。が...そう言わざるを得ないですよね。なので感謝を込めて、そしてrespectを込めてお話しました。(gavくん本当にありがとう!)

 ただ、悲しいことに私の英語では簡単な質問くらいのことしか出来ずいろいろ ききたいことがあったのに半分もきけませんでいた。うれしくて皆さんにお伝えしたい!と思ったのは来年か再来年にはまた来ると思うと言っていたこと(gavくんも来ると言ってました)。うれしい。
 私がplay without wordsが観たいといったら、彼も観に行ったらしく好きだと言っていました。また再演するのでは?I'm not sureだけどね...といっていたこと。
 なんでAMPに参加したのか聞いたら、自分の意志というよりAMPからのリクエストだったみたいなニュアンスでした。これは意外な答えでした。
 そして弥生さんがレポートしていた、キャストにあるのに最初のシーンにいなかった「ギャブくん迷子?!」事件。きいてみたのですが...すみません私の英語力でうまく伝わらなかったかも。「覚えてないけど、誰か怪我でもしたのかな〜」というのがgavくんの答えでしたが、gavくんが出てなかったんだけど?!上手く伝わらなくて残念。謎が解けなくて皆さんごめんなさい。今回は白鳥でケガをした人などもいてとてもハードなスケジュールだったようなことも言っていました。長い公演だったので大変だったでしょうね。

 gavくんは小さくて子供みたいですが24歳は本当だといってましたよ。どうしても子供のような気がしてしまって家が恋しいでしょと聞いたら「ちょっとね!」とクールです。そうよね、大人だもんね、プロだもんね。さすが!
 いぶさん、kimくんから浮気してしまってごめんなさい!kimくんの毒毒しい魅力もさることながら、弥生さんのおっしゃっていた子供みたいななかにきりっとした感じもあって...よろめいてしまいました。

 そして、私が会ったときたまたまかもしれませんが、群れてなくて一人で行動する感じがいいな〜と思ったりして。(踊りとは関係ないのですが、そういう人に弱い!)写真をとったわけではないので、見返したりは出来ませんが、それよりも思い出してうれしくなってしまうすばらしい時間でした。

 と、もうステージレポートではなく完全にミーハー番外編になってしまってごめんなさい!ヨッシーさんの「ギャブ王子は王室をとびだしてしまいましたとさ」はかなり笑ってしまいました。そうなのです!あんな王子だったらきっと逞しく生きられるのでストーリーからするとちょっとづれてしまうのですが、もちろん私もかわいいので許してしまいます!
むりゃさんのボールペンネタや帽子交換率、弥生さんのギャブくんが幕間にハードスプレーで...とか、いぶさんのキムくんにグレーの衣装を着せて...とか香月さんのジョン.チュウとギャブくんが...などなど、細かいネタから真剣なものまで今回は皆さんのレポートで10倍くらい楽しむことができました。毎回ちがった発見があって、ジャンキーになってしまいました。
 今は禁断症状を押さえるためにチャイコフスキーを目をつぶって聴いたりして電車の中の私は怖いことになっていますが、そのうち良い思い出として落ち着くことでしょう。

 ビデオ版も私にとっては「it's a gift!」(ショーン.ビーン風に)です。生とは別の魅力でまだまだ堪能できます。作品をお家で観られるだけで感動なのにwillまでいるのですから!いろんなキャストでまた観ることができたらうれしいです。気長に次にまた白鳥が渡ってくる季節を待ちます。

 最後になつむさん、皆さんにレポートのお礼を!自分の目で観たステージと同じくらい他の方の目でみたレポートも楽しませてもらいました。本当にありがとうございました。


◇ナイナイさん◇(鑑賞日・2003年4月6日夜)

 当然のように最初「SWANLAKE」が来ると聞いて、観たいのはアダムだけ!と思っていました。ところがTBSの番組やらAERAや朝日新聞の誘導に従って、だんだんと、気になるあの人…になったのが首藤さんです。
 この人、こんなシャイで、あの大胆な役ができるの?という素人考えは、でもプロだし、目をつけられて抜擢されてリヨン公演もこなしたくらいだからきっと…という期待に変わりました。

 日本公演だから、きっと彼が一番多く踊るだろう。アダムは一度でも観られれば幸せ、と思ってフタを開ければ私の成果はアダム4回、ジーザス1回でとうとう千秋楽になりました。
 アダムが予想以上に、しかも容赦なく、完膚なきまで美しかったので、私もそうとう幸せモノだと思いましたが、こうなると一層、首藤さんは?となるわけで。

 ようやく千秋楽で満願が叶いました。後は集中するのみです。まばたきを忘れるとコンタクトを落とすので、それだけは意識的に。。。

 プロローグの登場シーン。かなり低い位置から伸び上がってバッサバッサしています。腰が強そうです。東洋風です。今後が楽しみだ!
 一幕ではまず彫像。布ですっぽり覆われています。キュートです。アダムは長い脚がはみ出てましたが。それはそれでもちろんステキ。さて、首藤さんどんなポーズ?ピシーンと、かなり開脚して潔い感じです。風通しが良さそう。逃げも隠れもしていません。後姿に九州男児の雰囲気が漂っています。

 そして二幕。確かに近寄りがたいスワンです。サイズ的には王子(トム・ワード)とトントンなのでもっと仲良くなってもよさそうですが。しかもどういうわけか最初のうち、首藤スワンは素で王子のそばによって、ちょっかいを出すとスワンに戻って威嚇をしているように私には見えました。
 スワンとかの枠組を超えて、孤独な魂がそっと寄り添って、王子とシンクロしそうになって、「あ、ダメだ。私は白鳥。」という役割を思い出して避けてしまう。 でも結局仲良くシンクロ。ジーザスのように微笑ましくニコニコッというわけには いかないけど、王子は元気に去って行きました。

 休憩が終わる頃。隣の姉と(はい、姉妹そろい踏みでハマリました)「今ごろ首藤さん、ストレンジャー姿で悲愴な顔してるんだろうか〜」といってはゾクゾクして集中力を高めました。

 そして三幕。張り詰めたストレンジャー登場です。でもがんばって女王様なめあげてます。例のムチを取り出す時、なんというか、ドスのほうが似合いそう、と不謹慎に思ってしまいました。組の若頭が直々にドスもって参上という感じです。許されるのならば…小声で(着流しが似合いそう!)。やはり三者三様の演出と設定があれば最高ですね。大変な無理を言っているのは承知で。

 そんな首藤さんがはじけたのは三幕の、まさに幕がおりる直前。片手で女王を抱きかかえ、片手で拳銃を執事に渡し、うつむき…えっ、幕おりちゃうよ?と最後の瞬間にくぁーっと、まさにカカ大笑。一瞬だけ目に焼き付けて、後は幕。やられました。タメにタメて効かせるのがなんとも和風です。しびれました。ちなみに拳銃の渡し方もスーッと美しかった。期待はいよいよ最終幕へ!

 四幕。ベッドからよろよろとわいた首藤スワンは、なんとそのヘッドボードに、飾りのようにペタンと張りついて、背筋と痛々しい傷をみせつけてくれるではないですか!くたびれて、痛いけど、来たよ。という振りかえりざまの視線にキューンです。

 そこから、彼の本領が発揮されます。エキサイトしてます。闘います。もとから白鳥の中では異分子だったのを、無理して合わせていた反動のようにも見えます。孤独に闘います。白く燃える火の鳥にも見えます。
 にも関わらず王子がやられ、嘆く首藤スワンの叫びは、ストレンジャーと同じ口とは思えないやるせなさに満ちています。私の妄想もネバーストップです。  しかし、いよいよ首藤スワンも終わりに近づき、その身を白鳥たちの中に投げ出す時、アダムの時はよしこーいって具合に下の皆さん、スクラム組んで構えてましたが、首藤さんはポスッという感じでキャッチされまして。微笑ましかったです。

 カーテンコール。首藤さんをよくよく見ると、どうやら右足が痛そうなことが判明。素人にはわかりませんでした。プロです。どうしても首藤さんが観たかったのですが、こうやって無理をさせてダンサー生命が短くなったらどうしよう、なんて気をもんでしまいました。でもキラキラが降り、羽根が降って大団円なのでひとまず良しとしました。

 首藤さんには機会があったらまた是非スワンを踊っていただきたいです。今回からどう変わるか楽しみです。ジーザスも大変な日程をこなしてくれて大感謝です。あのニコニコっぷりはかなりインパクトでした。そしてアダム!何かを超越した生命体のようなスワンは奇跡のようでした。

 ここに到るまでの関係者の努力、ファンの皆さんの熱意、すべてに感謝します。 来年もマシュー作品の来日公演があることを切望!


◇むりゃさん◇(鑑賞日・2003年4月6日昼・夜)

 大阪から上京し、最終日マチネとソワレを日帰りで観て来ました。時間的に不安な点もありましたが、何とか最終の新幹線に間に合いました。

 それなりな回数を観に行ったのですが、多くの白鳥達やアンサンブルに関しては「今日のこの人は誰だろう」と考えているうちに、見分けがつかないまま公演が終わってしまいました。「The Car Man」の時みたいにもっと詳しくキャスト表を書いていてくれていたら、私ももう少し見分けがついていたかもしれません、…と言い訳してみたりして。しかしその「The Car Man」の時には役自体が区別つかずで、「メルセデスって、マルコってこの人?」と言う状態でした。もんのすごく情けない私でございます(涙)
 という訳で、今回のレポートにもキャストについて曖昧な点があることを最初にお詫び申し上げます。

<4月6日マチネ>
 私にとっては半月振りのパスター白鳥です。王子はアンドリュー・コルベット。  ソワレは新幹線の時間の都合により最後まで見られないかもしれなかったので、個人的にパスターのマチネ出演を希望していました。なのでキャスト表で確認した時は本当に嬉しかったです。

 第1幕。ベッドから降りる若王子のために4人の従僕が作る階段。ベッドから数えて3段目がギャブ君でした。片膝を立てた状態でしゃがんだ従僕は、背中にかかる重みに耐えるためか右肘を隣の従僕の左膝に乗せていますが、ギャブ君はそれをしていなかったので王子の重さを支えきれずに体勢を崩してしまいました。バランスを崩す王子を見てヒヤヒヤしてしまいます。最初から3段目だけへこんでいて明らかにバランス悪そうでした。

 アンドリュー王子を前回見た時は「あんまり優しそうじゃないなぁ」とか思ったのですが、今日はとても優しそうに見えました。見る側の気分によって印象が変わってしまうのか、前回は私が見落としていた表情があったのか。それとも実際に表情が違っていたのでしょうか…。劇中劇のロイヤル・ボックスでのガールフレンドの振る舞いを見て、困り果てて額に手を当てる王子がとっても良かったのですわ。  ところで劇中劇の背景に使われているお城。ルートヴィヒ2世が建築したかった第4の城、ファルケンシュタイン城なのだそうです。ルートヴィヒ2世にとても詳しい方達と大阪公演を観に行った時に教えてもらいました。

 第2幕。半月振りのジーザス白鳥!やはりとてもしなやかです。これが日本で最後のパスター白鳥です。見逃してはいけないとオペラグラスが大活躍。おかげでとっても目が疲れました。そしてアンドリュー王子は再び眼中にあらず…。ゴメンね、王子…。私の視野はとっても狭いの。(この調子で色んなものを見逃しています)  第2幕の終わり近く、白鳥達の踊りでのスワンのエビ反りジャンプ。今日もキレイに決まっていて、比喩ではなく本当に頭に足がついてたんじゃないかと言う状態です。どっかの雑誌がこの瞬間を押さえた写真を載せてくれないでしょうか。そういえば私の眼中にいなかったアンドリュー王子はこの時どんなジャンプをしていたんでしょう。ダンサーとしてここは決め所なのだから視界に入れておけば良かったと、終わってから気になりだしています。

 第3幕。キャスト不足の影響かルーマニアの王女は欠席です。彼女の分もスペインの王女が踊っておられました(私は気付きませんでしたが、他の王女もルーマニアのパートをカバーしていたのですね)。
 そしてプレス席のAutograph Hunter達の後ろに何やらもう一人います。最初はジョディ・ブレミングスかと思いましたが、髪型と当日のキャスト表から考えるとゲイリー・クラークでしょうか?(区別できていなくってごめんなさい)
 彼は登場する王女&エスコート達に森○ミルクキャラメル(袋入り)のようなものを笑顔で差し出しています。王女様方も笑みを浮かべつつ受け取っておられましたよ。CAST PROFILEを見ると恐い顔つきに見えるのですが、結構なお茶目さんなのでしょうか?

 妄想にかられた王子が退場した後、黒鳥が女王から離れて舞台下手側に横たわるところでは、この日のパスターは片肘をついて横たわるのではなく、両手をバンザイするかのように投げ出して横たわってました。う〜ん、これは何を意味するのやら?頭をステージにぶつけたりしない?

 カーテンコール。最初にスワンと王子が挨拶をし、そして王女や白鳥達が順番に登場し、最後に再びパスターの登場。思いっきりジャンプで登場してくれました。いつもは軽く跳ぶ感じだったのですが、今日は大き目のジャンプ。そしてとっても満足そうな表情です。見ているこちらの方も嬉しくなります。帰りの時間を気にせずにゆっくり観られるマチネがパスターで本当に良かったです。

<4月6日ソワレ>
 日本最終公演は首藤さん&トム・ワードです。開演時間が大幅に遅れた場合、第4幕の前にこっそり抜け出さなくてはいけない私の希望通りのキャストです。首藤さん、ごめんなさい。開演が10分以上遅れた場合はあなたの第4幕を諦めるつもりでいました。だってあなたの舞台は大阪で「これが最後かもしれないから」と覚悟済みだったから(言い訳)。結局5分押しで始まり、カーテンコールも見る事が出来ました。最後まで観れて本当に良かったです〜。(その後、文化村通りを爆走する私がおりましたが)
 席は後ろの方でしたが、最終公演を観ることが出来ただけで幸せです。日本公演の中で、一番前で観ることができたのは地元・大阪の5列目でした。(と言う訳で、残念ながら集団いじめを最前列では見ていないのです;弥生さん)

 Barの水兵さんの1人はジョン・チュウ。彼は水兵姿がよく似合います。サマになると言うのでなく、こんな人が実際にいるよね、と言った感じで(笑)。同じアジア系でも映像版に出ているWilliam Yongとも体型が違いますね。

 首藤スワンも大阪で観てから半月振りです。足の方はもう大丈夫なのでしょうか。前回、大阪公演で観た時よりもずっと良かったです。前と同じ様に私には警戒心の強いスワンと見えましたが、以前の様にハラハラしないで済みました。でも前の席に背の高い方が座られたので、死角が出来てしまいそれが残念でした。こればっかりは座席運なので仕方ないですね。

 第3幕。プレス席のインタビュアーがおじさん。スタッフですか?
 首藤ストレンジャーにハラハラするのは前回通りでした(汗)。王女のテーブル越えでも、真ん中2つのテーブルは足を乗せないで済ませていました。まだ本調子ではないのか、もしかしたら日本人にあのテーブルはほんの少し高すぎるのかもしれません。
 そう言えば、3月28日(昼)のレポートで私はイタリアの踊りの時にモナコの王女が投げキス、と書きましたが、あそこは複数の王女が投げキスをしていたのですね。ずっとストレンジャーにばかり気を取られていて、気付くのが遅れました。訂正。

 第4幕。流石に帰りの時間が気になり始めて舞台に集中しにくくなっていました。せっかくの首藤スワンの見せ場なのに。もったいない〜。
 首藤&ワード版の第4幕はワタシ的には残念ながら大阪で観たライトとの組合せ程は気分が盛り上がりませんでした。トム王子はちょっと「かわいそう度」が低く、首藤スワンと合わせるには少々物足りなく思います。(トム王子には彼なりに可愛いところがあって良いのですが)
 でも本当の理由はクーパーの第4幕を観てしまったせいなのかもしれません。今回のクーパーのザ・スワンを見てしまうと、映像版ではもう物足りなくなってしまいますね。映像版のザ・スワンのマイナスポイントは第4幕で現れた時に、弱りきっていないように見えるの事だと私は考えています。「大丈夫!まだまだいけるぞっ」と思ってしまう。その感じが今のクーパー白鳥からは完璧に払拭されていて、仲間から制裁を受けてボロボロに見えます。となると第4幕でのクーパー白鳥のポイント急上昇。以前の大阪レポで私は首藤&ライトの第4幕が一番好きと書きましたが、今はビミョーですね〜(苦笑)。どれが一番とは言いにくくなってきてます。


◇Fwooさん◇(鑑賞日・2003年4月6日昼)

 この公演初めての2階席。舞台は少々遠くなりましたが、上から俯瞰するのも舞台の奥行きや踊り手たちのポジションがわかって面白いものでした。

 この日の幼年の王子はサイモン。蛾の踊りシーンでは、森の精の従者の女性が一人足りず、そのせいかこのシーンがなんとなく物足りない感じがしました。何かアクシデントがあったのでしょうか。そんなこんなで舞台は進行し、夜の公園に首藤スワンが登場しました。

 白鳥ではない。そう思えました。線のとても細い、神経質な生き物のようで、白鳥の群れに混じって生きる異種の生物のようで。違和感すら感じてしまいました。
 黒鳥のシーンは、さらに違和感がありました。ご本人もインタビューで黒鳥は無理だと思っていたとおっしゃっていましたが、女性たちとの関係がシックリきません(女性たちとの踊りよりも王子との踊りの方がしっくりきました)。ウームウームと思いながら、いよいよクライマックスへ。

 ベッドから現れた首藤スワンはいたいけな少年のようでした。大事な友だちを集団苛めの攻撃から守ろう・助けようと必死の少年のようでした。それは子どもの王子の分身が必死に狂気の淵からトム王子を守ろうとしているかのような。胸に迫るものがあります。
 白鳥たちが王子の心の世界であるということは、スワンの死は(無意識であっても)王子自身が至らしめていると解釈できます。つまりそれが王子の絶望であり、狂気であると。そういう意味で、王子のメ内部分裂モという意味合いを首藤スワンから1番顕著に感じることになりました。

 首藤スワンはやはりスワンではなく王子の分身で、白鳥の群れに混じって生きるもう一人の王子自身。強さや愛や憧れや癒しとしての存在はなく、繊細で孤独で哀しみや怒りを秘めた闇の部分の分身なのではないかと思えました。
 現実にいることができず、白鳥たちと暮らしているのかもしれない。白鳥たちはその少年が群れにいることを許していたのではないでしょうか。闇の分身だからその闇を1番わかりあえる存在であり、唯一の理解者でありえる。首藤スワンにはそう解釈が出来るように思えました。そう解釈すると1幕で幼年の王子の枕もとに立った時の印象もその他の表現も納得できました。作品のコンセプトは少し違ってきてしまいますが。

 最後、カーテンコールでは銀色の花吹雪が降り、金色の花吹雪が降り、最後には白い羽が降り幕が降り、「SWAN LAKE」は終わってしまいました。

 トム王子はSWANK BARの前のソロ、ロボトミー手術の後のソロが秀逸で、こぶ平入っているトム王子はメ哀れな男モの表現が出色でした。

 3月8日(土)マチネで初めてシーザス・スワンと出会い、目前で繰り広げられるの舞台をひたすら受止めた初回。シーザス・パスターはしなやかで悪くないけれど、もう少し主役としてのオーラが欲しいと思ったり、シーザス黒鳥はさすがラテン系!で可愛いくてちょっとチンピラなジゴロみたいだなと感じたり。でもでも非常にオモシロイ!!と興奮した初回。

 4月4日(金)アダムのスワン/ストレンジャー! 配役と前に座られた二人のご婦人が小さい方たちだったので、見晴らしのよさに神様の感謝した2回目。

 アダムの踊りのダイナミックさ、スピード感とキレ、スケールの大きさに息を呑んだ2回目(アダムはちょっと疲れているのかと思うトコロもありましたが)。特筆すべきはその腕の長さでしょうか(手の大きさ、指の長さにも参ります)。そしてそのかもし出す雰囲気の雄雄しく神々しいこと。圧倒的な存在感。王子の枕もとに現れたアダムは大きかった。その体躯の物理的な大きさのみならず、彼の表現やオーラの大きさ。アダムの一番の特徴がこの作品にさらなる魅力を与え完成度を上げている点だと思いました。

 アダム黒鳥は、ワルさに拍車がかかり、暴力的で、それを演じる余裕すら感じました。4幕の王子のベッドルームは、本当に不気味で妖しい恐ろしさと深い哀しみが伝わり、ビデオよりも弱ったスワンが観ている者の感情を押し上げます。これらの進化をまた映像にしてほしいと思うくらいでした。

 「SWAN LAKE」自体が本当に素晴らしい魅力を持った作品で、何度も何度も観たくなります。そして、アダムのスワンを、踊りをまた観たい!(もちろん他のスワンもまた観たい)とそんな気持ちでイッパイです。是非またAMP・NA作品・アダムの踊りを観たいものです。


◇ヨッシーさん◇(鑑賞日・2003年4月6日夜)

 日本公演最終日。楽しい“Swan Lake”ライフも今日で終わり。再追加公演はここまでSwanも王子も異なる出演者だったので、最後は残りのベン王子と首藤さんの白鳥が見たかった。それから狡猾なカーカムの執事も・・・。そしてどっぷりと作品の世界に浸りたかった。  しかしカーカムもベンも帰国。首藤さんは叶ったものの、テンションが少し落ちる。結局今日もお気に入りのマイケル中心で進むのだろう。

 さてそのマイケル。今日は王子の着替え中にあくびをして、クルトに叱られる。細かい芸(?)からスタート。
 以前はやはりこの場面で、一番右に立っていたマイケル。執事のカーカムが彼の肩に手をかけて、後ろへ歩いていった。その時の表情が最高!置かれたその手をイヤそ〜うに見つめ、離した瞬間にまるですごく汚いゴミを払うかのようにフッと肩を吹いたのだ・・・カーカムが、いや執事がそこまで嫌いか、君は!?

 今日の彫像は首藤さん。通常は当然彫像をチェックするのだが、これを運んできたのがマイケルだったのでついそっちに目が・・・。
 そして幕を取った彼は、「中身はこんなんだったのか?!知らなかった。とんでもな いもんを見せてしまった。」という表情。あ〜楽しい。そんなセリフのような表情が、たまらなく良いのだ。
 周りの人が笑わず、1人で「くすっ!」とした時はとても得した気になり、自分が見ていないところで周りの人が笑うとひじょ〜に損した気になるマシュー作品。

 Swank Barの場面は誰もが悩む見所満載の場。今日は意図的に王子を外して見ている私は、またしても別の方を注目してしまった。(トム王子に当たる回数が多くて、最初の方しか当たらなかったベンの繊細な王子の印象がどんどん薄れてしまって、かなりショック。)まあそういう日もあるさ・・・(今日が最後なんだけど。)
 ファン・ガールたちのダンスが始まると、右の方で非行少年とドラッグクイーンばりの服装倒錯者が絡み始める。少年はサイモンくん、倒錯者はダミアン。いつものよう少年がにお金を渡し、遊んでもらうのだが、最後の方でダミアンが突然サイモンにキス(!)。しかもくちびるに ・・・本当にしたのかどうかはわからないが、サイモンが一瞬見せた驚きと戸惑い・・・あれが演技だったら、大したもんだ!あまりに唐突な出来事。サイモンの表情に思わず吹き出してしまった。

そのダミアン。第3幕でも再びやってしまう。
「ハンガーリーの踊り」の曲に合わせ、王子とストレンジャーがお互いを意識しながら女性と踊るシーン。王子とストレンジャーを交互に見ながら、私の目は左の奥へ。ここではいつも女性と男性2人がじゃれ合うのでそっちを見やる。今日も遊んでいるのだな・・・と流そうとしたら、 !!ほほう、今日は男同士ですか。
 “Car Man”でも男女のカップルに混じって、さりげな〜く男同士がいたりするマシュー作品だけに、まあそういうこともあるわな、と思いつつ目は釘付け。(まさに覗きの心境!)ダミアンとレインともう一人(ちょっとわからなかった)。3人で楽しんだ後、ダミアン、今度はレインの首筋にChu☆・・・ ・・・ Chuって、おいっ!そこまでしなくとも、よいではないか!今日はダミアン、サービスDayか?!なんかイイものを、いや、もといスゴイものを見てしまった気がする。
 こんな事書いていたら怒られそうだな。Swanはどうした、王子はどうだった、踊りの話が全く出てきてないわ。

(取って付けたように)首藤さんのSwanは2回目。これが最後でどうだろう?と心配だった。 2幕の登場ではだいぶ緊張されていたようだが、途中から何かが吹っ切れたのか、Swanを楽しんで演じているように感じれら、ほっとした。なんだか私も嬉しい。
 ストレンジャーの悪ぶりも、良くなっていた。とくに王子に凄むとこは、かなりコワイ顔をされていたし、不敵な笑みも見られた。でもこれが最後。これから彼らしさが出てきそうだったのに、残念。

 さてもう終盤。あっというまに4幕迫力の攻撃シーンへ。
ハンド・クラップ音、威嚇する声、激しい息づかい・・・この荒々しさは生でないと感じられない。白鳥たちの本能に駆り立てられた凶暴性。1羽、2羽客席に飛来してきてもおかしくないくらいの殺気が、不安感を煽る。本当に怖い。
 しかしそんな恐怖心を味わいながらも、一抹の寂しさを感じる。これで見納めか・・・そう思ったら目が曇ってきた。いかん!最後まで見届けなくては。

 私の好きなシーンは白鳥たちが去っていくところ。1羽2羽と去っていき、最後の1羽がベッドに倒れこんだ王子のすぐ脇でターンをする。この時青い照明が消え、王子へのスポットライトに変わる。この白鳥のターンと照明の切り換えのタイミングがピタリと合った時、白鳥が忽然と 消えたように見え、印象的な幕切れとなる。
 王子の左右どちらかで白鳥が消えるかはその日によって異なるので、今日はどっちだと構えていたら、両方だった。これも楽日のサービスなのだろうか。

 そしてついにカーテンコールまで来てしまった。金の紙ふぶきが、白い羽が降ってくる。最後はおもいきり感謝の気持ちを込めて、拍手をした。
 ウィルのいない寂しさを、楽しいパフォーマンスと美しい踊りで埋めてくれた白鳥たち、ありがとう。やっぱり素晴らしかった、生で感じられて本当に嬉しかったアダム、そしてベン。新たな魅力のSwanを見せてくれたジーザス、ケガを乗り越えがんばった首藤さん。そして日本公演実現に関わったすべての方々に、心からお礼申し上げます。 本当に幸せな1ヶ月半でした。


◇弥生さん◇(鑑賞日・2003年4月4日夜、5日昼・6日昼)

 今まで4回もレポートさせていただきました。初日レポートは感動&興奮、そして徐々に、マニアックかつミーハーになっていった私。もう、散々語りましたし、白鳥たちは旅立ってしまいました。でも、再追加公演で、それまで有り得なかったキャスティングがありましたし、最後はちょっと真面目に語ろうかしら、なんて思ってレポートさせていただきます。(とかいいながら、脱線したらごめんなさい。)

<4月4日(金)ソワレ>

 キャスト表を見て、狂喜してしまいました!なななななんと、アンサンブルの欄に、今ツアーではダンサーではなく「ツアーディレクター」として来日されてる、ヘザー・ヘイベンスさんの名前が!もちろん初めて!
 私、ヘザーさんの大ファンなんです。マシュー作品に出る女性ダンサーの中で一番好きなのはヴァレンティナ・フォーメンティさんですが、その次に好き。ビデオ版SWANLAKEでは、ファンダンサーやドイツ王女を演じてます。ビデオ版カーマンでは、Gina役(&ビートニク)。
 AMPの昔からのメンバーですが、私にとって初めてのAMP、ビデオ版SWANのドイツ王女役の彼女を見て、すごい表情が豊か(豪快なくらい)で、それでいて品格があるってすごい。しかも、線が細いのに、胸元が豊かで(アダム黒鳥が顔をうずめたくなる気持ちもわかるな、なんて思って(笑))。

 そして本格的に彼女のファンになったのは、ロンドンでカーマンを見てから。Ginaという、GF達の中でも最もセクシーでいい女系の役をこなし、その一方で、清楚で堅気で母性愛溢れるRita役もこなす、という、両極を演じこなせるヘザーさんのダンサーとしての魅力にすっかり虜になってしまったのです。私、そんな二面性を演じられるダンサーが好きです(ヴァレンティナさんも同じく)。
 そして、生で拝見して、彼女のスタイルの良さにもため息。線が細いのに骨が見えない骨細の理想的な体型。そして、カーマンの最初の、ガールフレンド達登場!のダンスの最後で、足を後ろにアチチュードしてのターン(難しい・・・)をキュート且つ完璧に綺麗にこなしてて。(私カーマンの振付が大好きで、3曲程覚えたので(今のところ)一人で踊るのが趣味なのですが、このターンは難しい!もう一人のキャスト、ナネット・キンケイドさんも上手くできてなかったくらい・・・) そう、ヘザーさんは教師をしてるくらいですから、ダンステクもしっかりしてます。
 そして、今ツアー初日カーテンコールで舞台に立った姿、ある日BUNKAMURAの入り口を歩いていた、生&素の彼女を見て、今回ますますファンになっていたんです。素顔もキュートでした!

 本日の中田カメラ(その人だけを追う視線)は、幼年王子のシーンはギャブくんでしたが、宮殿のシーン、劇中劇、SWANKBAR(振付の好きなホステス役を踊ってくれて感激!)、ロイヤルボールの王女達のシーンなどでは、ほとんど彼女に捧げてしまいました。
 宮殿のシーンの女性ダンサーは、全員似たような格好&帽子なので、一人一人が目立たないのですが、彼女だけは別格!お顔の品格が違う!表情も豊かで且つ上品!目立ってました。そして、劇中劇では、蝶の精。黄色の衣装がお似合いでキュート!とにかくお顔がキュートなのに加えて、表情までキュート、そして品があって・・・。他の女性ダンサーとの格の違いを見せ付けてました。

 そう、AMPのSWANLAKEって、男性ダンサーが主で、(カーマンと違って)男性ダンサーだけが魅力的な作品ですよね。今回のツアーでも、当然のごとく白鳥たちばかりに目を奪われてました。
 女性ダンサーに注目することはほとんどなくって。ところが、ヘザーさんが演じると違います。美人だけど大味で庶民的な女性ダンサーが多い中(失礼)、一人、品格&キュートさ、で目立ってました。劇中劇も、いつもなら、Noblemanのギャブくんだけに注目してたのに、今日は、ヘザーさんを追ってしまいました。
 ロイヤルボールのドイツ王女役。ビデオ版と同じ衣装なのでわかりますが、当時よりふくよかになられたことがよくわかります。でも、ビデオの頃は痩せ過ぎなくらいですから、今でちょうど良いくらいですが。そして胸の谷間の影、白い肌とのコントラストが美しかった!

 さて、この日はアダム最終日でした。彼の白鳥・黒鳥を見られるのも、今日が最後か、と思ったら感慨深く、寂しさが募りました。小白鳥に、「笑顔No1」デイビット&キムくんがいたので、そちらに目を奪われそうになりましたが、今日は、アダムだけに集中しました。ギャブくんが小白鳥でいなくてよかった!(?)

<4月5日(土)マチネ>

 噂どおり首藤さん。私にとって初めてです。
私の、彼の2幕の白鳥を見ての感想ですが、初めて見たSWANLAKEが首藤さんだった、というアロフィさんとほとんど同じでした。「異質で孤独で儚く悲しげで孤高」な者同士、お互い相手の中に自分に通じるものを嗅ぎ取り、惹かれあった、みたいな・・・・。
 そして、ルックス的には、首藤さんの白鳥、お顔がセクシー、と思いました。リヨン公演の映像では思わなかったのに・・・。メイクが似合ってて、彼の顔は、「悟りの境地を経て一皮剥けた男の顔」って感じでした。それが、以前よりちょっぴりセクシーさを醸し出してるような気がして。

 そう、王子は、「自分と同類の異質な存在」なだけでは惹かれませんよね(醜かったら)。それなりに白鳥に魅力がないと。王子が惹かれてしまうことに説得力がないといけないし・・・。
 動きはやはり、腕の動きが堅い気がしました。でも、手はとても綺麗で、女性みたいな細く美しい指先とフォルムでした。

 3幕のストレンジャー。これはみなさん(代表してなつむさん!)の意見と同感。黒鳥を演じるのは向かない気がします。各国王女&女王を弄んでいるというのに、ちっとも楽しそうじゃないし、王子が惹かれるのは、まあ、「公園で出会った白鳥と顔が似てる」で理由付けができなくもないですが、王女たち&王女に関しては、「モ?モ(どうして彼女たちは惹かれてるの?)」と思ってしまう・・・

 やはり黒鳥は、そのダンサーの人間性が大きくものを言いますね。いくらテクはあって表現力のあるダンサーでも、向かない人は向かない。白鳥より難しい、大役だと思います。
 なつむさんのレポートにあった、フランスの諺「あなたのダンスを見ればあなたがわかる」がヒシヒシと身にしみて実感させられました。ダンサーって、その人の全人格が出てしまうんですよね。私の母が、「世の中で一番きちんとした生活を送らなければいけない職業はダンサー。だらしない生活をすればすぐ体に出るから。」と言ってたのを思い出しました。そう、だらしなくはならないように規律と品格を保ちながらも、演技の為には遊びの要素も必要、という、大変な職業なんですね。
 そういう意味で、アダムって完璧なダンサーだと思います。

 さて、今日もヘザーさんが出てくれました!やはり、再追加公演ということで、この時期予定の入っていたダンサーはすでに帰国してますから、女性ダンサーは特にギリギリの人数でやってるようです。そのせいで、3幕はルーマニアの王女なしでした(6日マチネもそうでした。劇中劇では、森の精が一人少なかったり・・・)。ルーマニアの王女が踊るパートは、他国王女が交代で踊ってました。

<4月6日(日)マチネ>

 ソワレを見ない私にとって最後です。
今日はジーザス白鳥がすごいよかった。最後だからなのか、すごく動きが弾けてて、すべてを出し尽くしてました。勢い余って軽く転びかけるほど。今まで見たジーザスの中で一番よかったです。ありがとう、ジーザス!(4日に、黒地に白字でデカデカと「一番」とプリントされたTシャツを着てラストアダムを鑑賞してた彼、無邪気でかわいかった。やっぱラテンの男だわ〜、楽しそう!と思いました)

 小白鳥はギャヴ・ギャヴィン・キム・サイモン。「私の選ぶベスト小白鳥?デイヴィット+サイモン」版でした。ほぼベストメンバー。まとめてOK!私最近、SWANKBARの後、王子が壁際に座って(絶望して自殺を考えてる?)いるシーンのところで、なぜか泣いてしまうのですが、今日は今まで以上に号泣してしまっておさまらず、公園のシーンをヒクヒクしながら見てしまったのが悔やまれます。
 白鳥たちの振りは、見れば見るほど好きになります。今までビデオでは何度も見たというのに、「どうして今まで気付かなかったのだろう」と、今回初めてその振付の素敵さに気づく箇所が、たくさん!こんな素敵な振付だったのか〜!と・・・

 舞踏会のお気に入り、妖しい腰つき+エッチな手の動き(笑)のダンスを生で見られるのも今日が最後。友人が、あの手の動きには引き寄せられそう、吸い寄せられちゃう、みたいなことを言ってましたが、私も同感、クラクラです。マシューありがとう。(素敵な振りを思いついて形にしてくれて)
 ジーザス黒鳥はやっぱり素敵。草加さんのおっしゃってましたが、私もあの笑顔にはとろけてしまいます。

 ビデオでは早送りだったロボトミーシーン、今回ハマリました。なんか毎回、不謹慎にも笑っちゃいます。医者(特に、リチャード・クルトの時)と看護婦の振付(手を顔の前で揺らしながら一列で歩くのとか)が好きです。笑える。
 私のメインイベント、集団リンチシーンの迫力を感じられるのも今日が最後・・・寂し過ぎます!

 今日も踊ってくれたヘザーさん、ドイツではなくフランス王女役でした。彼女の踊る姿を見られて、再追加公演のチケットを確保できて本当に良かった!とつくづく思いました。彼女のような昔からの、マシュー色の強いダンサーが、今回のKDMのAMPの公演で踊ってくれたことはとても貴重なことだと思います。ほとんどが新たに募ったダンサー、という中で・・・。予定外の再追加公演のおかげです。

 そう、むりゃさんがおっしゃってた、「落としちゃったよ、恥ずかしい(笑)」のシーン、だいぶ前私も見たような気がします。とっても微笑ましかった!ああいう、とっさの出来事に対する対応って、ダンサーとしての経験以上に、人間性、国民性が出ますよね。あんな、「落としちゃったよ、恥ずかしい(笑)」という表情をして、周りも温かくそれに対応する、という彼らの姿はまさにそれでした。かわいかった!

 予定以上の長期滞在、ダンサーの皆さん、お疲れ様でした。ギャビンくんはセーターが毛玉だらけになってしまうし・・・。夢のような一ヶ月ちょっとの期間幸せでした。そして、みなさんのレポートを読むのも負けないくらい楽しかった!レポートされたみなさん、ありがとうございました!
 そして何よりも、日本公演だけのために、再度白鳥を踊ってくれたアダム、本当にありがとうございました。あなたのご恩は忘れません!私達日本のファンは幸せ者です!


◇ゆうさん◇(鑑賞日・2003年4月5日昼・夜)

 土砂降りの東京に夜行バスでやって来ました。慣れない都会にまるで外国に来たような気分。だってテレビで見聞きするだけの地名が、本当にJRの運賃表にいっぱいあるんだもの(笑)。この妙な感覚は東京在住の方にはわからへんやろなあ。

 4日間だけだった大阪と違って、BunkamuraはAMPの天井吊りやらステッカーが貼ってあったりして「盛り上がってていいなあ〜!」とすでに白鳥の世界。あの陰気〜なフェスティバルホールのロビーとえらい違い。しつこいようですが、大阪4日間だけだったんですよ!だけっ!!関西AMPファンにとってはひどい仕打ちです。(去年の2日よりはマシか…)客席に着いてあの白鳥の緞帳を見たときには「白鳥さん、またお会いできたのね〜ウルウル」とすでに感激。(笑)

マチネ・・・・・

 キャスティングは首藤スワンにワード王子。メインキャストのほとんどが初見とは違っていたので興味津々。首藤さんはテレビで拝見したのでぜひ観たかった。日本代表だし(笑)。(今回は友谷さんいらっしゃらなかった…残念)。ベン・ライトが(私に断りもなく)すでに帰国したことは知っていたけど現実に知るとちと寂しい…。

 始まりは悪夢のパーサンドくん。このサイトの皆さんにめっぽう可愛がられている青年ですな(笑)。ふむふむ、初見のカレイスコスくんとは面立ちが随分違いますね。  白状すると初見は先入観なしであるがままの舞台を受け入れて見ていたので、細かなところは覚えていないし、オペラグラスも使わなかったんで比較はできませんでした。でもパーサントくん、活発そうな王子でした。「お手振り」はつまんなそうにダレていたし。ワード王子に変わったのもわかりました。(知ってたせいもあるけど)カレイスコス王子→ライト王子の時は知らなんだわ〜。もしかして変わった?え?いつ?最初から?って感じでしたから。

 この物語における王子と言う役にすっかり惚れ込んでいる私。私の大事な王子様をワードはどう演じてくれるのか……う〜ん、正直どう言ったらいいのかわかりません…ただワード王子には別にザ・スワンは必要じゃなかったんじゃない?ザ・スワンをなくしたからって自分まで事切れる程ではないんじゃない?って疑問が残りました。人生に疲れて死んだって感じです。それはそれでいいんやけどね。ワードはワードの王子を見事に体現していたと思うしこれは解釈の違いやね。でもやはり4幕の白鳥をなくした王子には胸が熱くなって涙ぐんでしまったりして。  それとメイク。皆さん、バレエにしては結構ナチュラルメイクじゃないですか。でもワードのメイクはつぶらな瞳のせいか、オペラグラス向きのメイクではなかった…。(笑)

 期待の首藤さんスワンは…(最初に言っておきますが私はクラッシックバレエに関しての知識はシロウト並です)とてもきれいに踊る方。よく言えば丁寧に、誠実に、正確に。こういう律儀さは日本人の特徴でしょうか。

 全体通しての印象は、まだ役がこなれていない感じ。白鳥という役を模索しているようでした。演劇としての演技も弱い。でもキレのあるあの踊り方はとても好きだったので、今後もチャンスを与えられて完成度を高めていかれることを期待します。
 それとこれはどうしようもないのだけれど、公園のシーンで白鳥初登場!の時「わっ、小さい!」(笑)。クーパーのあの巨大なアームスを見た後には、その小柄な体格を際だって感じてしまいました。小柄なダンサーでも技量で大きく感じさせることができると思うのですが、限界があるのでしょか。

 ロイヤルバルのシーンでも、大柄な女性達とからんで踊るところなんかは体格のバランスが悪くて…。それにあの丈の長い上着は背の低い首藤さんやパスター向きではないわ。でもプレイボーイ風のクーパーと違って、硬派な魅力のあったストレンジャーでした。ソフトで穏やかに話す素の首藤さんからは想像できないクールさ!好き。

ソワレ・・・・・・・

 今度はパスタースワンにコルベット王子。これで「白鳥」の観劇は終わってしまうと思うとまたドキドキ。早く観たいけど終わるのは耐えられないっていうか…。必ず終わりがくるという生舞台の宿命やね。だからこそ良いんだけど。

パーサンドくんが、またうなされていました。元気でした。(笑)

 コルベット王子はとても線が美しい。白スパッツに黒ブーツが一番似合っていた!いやいや、いけない、体型だけで評価しては。問題は表現よ、と気持ちを抑え、気を取り直して観ました。
 でもやはり手足がスッとしているので(もちろんダンスの技量のせいが大ですが)踊りが美しい。特にバーから放り出されたあとのソロ。ぐっとしなやかに伸びる振りが多いので、とても良かった。ここの振り付け大好きなんです。(どのシーンも好きなんだけど)

 4幕で治療から目覚めた王子が錯乱しているところも、コルベットはうずくまる前にターンジャンプが入るんです。きれいだった〜。この振りDVDではなかったし、他の王子でもなかったと思うんですが、私の記憶違い?あった方がいいなあ。

 これで王子はDVDのアンブラーを入れて4人を拝見。ホントにどなたもそれぞれ全く違う王子でしたわ。
 コルベット王子は無邪気でちょっときかん坊な感じ。公園で白鳥とたわむれた後なんか「あーめっちゃ楽しかったー!!こんなんしてーん!(関西弁は話さんやろが!)」てな風で羽の動作をしてみたりして。
 治療のシーンも王女と執事が何やら相談している時、コルベット王子は少し体を傾けて聞こうとする動作をしたんですが、なんかそのポーズすごく可愛らしくて。ライトとはまた別な純真さを感じました。

 私の中では、この物語における王子のキャラは、繊細で純粋な幼子のようなライト王子が好きなのですが、アンブラーの気品あふれる悩める貴公子も抱きつきたくなります(笑)。
 アンブラーは特にロイヤルバルでの正装が美しすぎる!!ストレンジャーと二人だけで踊るシーンにはゾクッとくる美しさがありません?演技も素晴らしいし。初演の2年後にアンブラー王子を観た人の感想では、さらに演技に磨きがかかり絶品だったそうです。あれより(DVD)すごいんか!!カーマンでの鬼気迫るお化けといい(低いステージの最前列中央で観たものですから、今思い出してもコワイ〜!)あなた様はまさにモンスターです、はい。

 そうそうパスタースワン。この方も小柄だけどダンスは大きく見えたような気がします。手首の動きがすごく柔らかくて優雅でした。後ろに反ってジャンプするところも思いっきり反っていて、柔軟なお体なのね。クーパーとの違いも首藤さんほど感じなかったから、クーパーの踊り方に近いのかな?公園のシーンもすごく良かったです。4幕はちょっと悲壮感が足りないかな…?明るいラテンのせいでしょうか?なんて(笑)。
 帰省してからこのサイトをしっかり読んだので、それまで「ふんどし彫刻(?)」が「本日のスワンでございま〜す」とは知らなかったー!もっとよっっっく見ておくんだったー!(笑)

 最後に、この作品で私が「これはすごい表現方法だ!」と思うところを言わせてください。
1、幕開けの悪夢のシーン。のっけからやってくれるかーという程、即座に観客を物語に引き込んでしまうあの演出。(お芝居って最初の20分はつまらなかったりするから)

2、劇中劇のあと、王子が女王に愛情を求めるけれど拒絶されるシーン。すがりつきたい王子と、とまどい拒否する女王との溝の深さをみごとな振り付けで表現していると思います。

3、ロイヤルバルでのストレンジャーと王子のダンス。二人の張りつめた緊張感を表す照明がいい!その後に続く客達のヒソヒソ話や、みんなでよってたかって王子を笑う表現も王子の心理をよく表していると思います。

4、4幕の治療終わり、白鳥達が登場し、また退場したあとの目覚めた王子の錯乱シーン。あっという間の表現ですが、私はこれが一番すごいと思うのです。まるでこのシーンために作曲したような曲にあの動き!王子がどれほど追いつめられ自己崩壊しているか観客は見せつけられる。この演出があるから物語は一気にクライマックスへとなだれ込むのだと思います。

5、ラストシーンの王子を抱く白鳥の演出。1とは逆に「最後の最後までやってくれるよー」(笑)最後まで見せてくれてニクイ!

 この作品をクリエイトしたすべての方に喝采をおくります。もちろんチャイコフスキーにも! 私にとって、この曲はもうクラッシックではなくなりました。この音楽を聴くと踊り出したくなります!(マイムマイムしか踊れないけど)


◇モナカさん◇(鑑賞日・2003年3月7日・夜、4月5日・昼)

 私も、AMPに関しては『SWAN LAKE』で初めてその存在を認識したビギナーです。ビデオ・DVDすら見ていなかったし、このサイトで情報を得、つけ焼き刃で勉強して2度の公演にのぞみました。

 1度めはクーパー・スワン、2度めは首藤スワンでした。クーパーに関しては、皆さんのレポ以上にいまさら私などが語れることはないので(笑)、ここでは首藤スワンについて私なりに感じたことを書かせてください。

 首藤さんというダンサーの名前は知っていましたが、彼がどんな人物なのかを認識したのは、TBSで放送された『SWAN LAKE』のプロモ番組で、でした。
 カメラの前で白鳥のポーズをとる首藤さんを見て、私は、彼の‥なんというか不思議な魅力に引き込まれてしまいました。男性とも女性ともつかない中性的な美しさがあって、ときに妖しく、かと思うとピュアな一面を見せ、はかなげで消えてしまいそうでもあり、凛とした強さも感じられ‥‥。うまく表現できませんが、「この人がどんな白鳥を踊るのか見てみたい」と、強くそう思いました。かなり期待していたのです。

 ですが、実際に舞台で踊る首藤さんからは、私が最初に受けた印象‥‥というかインパクトは、本当にザンネンなのですが感じられませんでした。これには受け手の(私の)状態も関係してくると思うので、あくまでも個人的な感想なのですが‥‥。

 白鳥の群れの中に入ると、首藤スワンは予想以上に小さく見えました。1回めの公演で見たクーパー・スワンの圧倒的な存在感が、私の中に残っていたせいもあるかもしれません。体格はもとより、迫力というかオーラみたいなものが、やはりクーパーはすごかったですから。

 そして、首藤さんの動きからは「しなやかさ」よりも、周りの者を緊張させる「怖さ」というか、思いっきり張り詰めた空気を感じました。なつむさんのレポにあった『武士道』という表現にも納得してしまいました。なんだか、とても“無理”しているようにも感じられて‥。この緊張感ただようスワンは、意図してのものなのでしょうか?これが、首藤さんの創り上げた、首藤さんのイメージするところの白鳥なのでしょうか?
 この、最初に登場したときの驚きと衝撃が強くて、その後どんなふうに王子と心を通わせていったのかが、私の記憶にほとんど残ってないほどです(トホホ)。

 繊細で、ナイーブで、どこか寂しげで、透明で、華奢で、静かな力強さをもっていて、ちょっと警戒心が強く、どこか近寄りがたくて。でもでも、だからこそ放っておけない存在。惹かれてしまう存在。それが(希望値も含めて)私のイメージする首藤スワンです。
 勝手な思い込みもあるとは思いますが、首藤さん本人がもつキャラクターというか魅力を、もっと素直に自然に表現すれば、それはクーパーにもパスターにも演じることのできない、首藤オリジナルの白鳥になるのでは、と思うのです。ぜひぜひ、頑張ってほしいです。

 それともう一つ、ダンサーによって白鳥のキャラや解釈が変化するのにあわせて、王子をはじめ他のキャストの解釈や表現もやはり変わってくるべきではないか、と感じました。たとえば、私も違和感を感じた、自殺を思いとどまった王子の「歓び」に満ちた踊り。あれはクーパー・スワンに対するものであって、首藤スワンではもっと別の表現になるのではないかなぁ、と。
 もう、そうなってくると演じる側はたいへんで混乱してしまうかもしれませんが、見る側はトリプルキャストの醍醐味を細部にわたって存分に楽しむことができます。それぞれの白鳥のキャラを活かすためにも、ぜひチャレンジしてほしいなぁと思ってしまいました。かなりゼイタクな要求かもしれませんけど。。。

 あれほど楽しみにしていた首藤スワンだったのに、クーパー・スワンの印象が(いい意味で)あまりにも強く、まっさらな気持ちで首藤スワンを楽しめなかったことが、とても心残りです。(でも、それほどクーパー・スワンはすごかった!!初めてギエムを見たときと同じくらいの衝撃でした)

 日本公演は終わってしまいましたが、首藤さんの白鳥との闘いは、きっとまだはじまったばかり、なのですよね?彼にしかできない白鳥をこれからも追求しつづけてほしいし、そのチャンスが今後も首藤さんに与えられるといいな、と思います。

 最初は「AMPってバレエ団なの?」とトンチンカンなこと言ってた私ですが、AMPはAMP以外の何ものでもない、というのがよくわかりました。スゴイです、AMP!今回、日本公演を観ることができて、本当によかった。いつか、また日本に来てくれる日を楽しみに待ち続けたいと思います。


◇夕月さん◇(鑑賞日・2003年4月4日・夜)

 会場入りして真っ先にキャスト表確認。アダムは予告どおり、本日出演。よかった。
席はなんと1階1列の右から3番目。席に座ると、どうしてもステージの方が目線より高い。1列目って舞台全体見るには不向き。あと致命的、足元が見えなかった。でも、前に遮るものがなく、直ステージなので舞台との一体感を感じる。さらに、遠くの席では聞こえなかった声や、足音、衣擦れの音がして、それが臨場感を高めている。

 しかし、今日は目の前のアダムを見ることで精一杯。ステージ近すぎて、視界に人一人しか入ってこない。彼の舞台の支配力には驚かされた。2幕、入水しようとした王子の前に白鳥飛来。その瞬間、このステージはアダムのものになったと思った。

 白鳥って猛禽類だっけ?と思わせる鋭い視線。その視線が客席を向いた時、目があったような気がした。(たぶん、この近辺の人はみな思っただろう)心臓掴まれた感じ。
 アダムは、表情の変化も豊かだった。最初は警戒していたのに、次第にその表情から獰猛さが消えていく。アダムは白鳥を本当に理解していると思えた。

 2幕のフィナーレへ。最後の2曲は踊りもダイナミック。アダムと王子、下手奥からジャンプしながら登場。汗が飛び散り、それに照明が当たって輝く。美し!ここで終わりなら大団円なのに。

3幕。ストレンジャー登場!黒のロングジャケット、レザーパンツ、白いマフラー、うっすらと不精ひげのメイク。こういった悪役ぽい小道具がなんて似合うんでしょう。アダムの妖艶さに、こっちも取り込まれてしまう。アダムのソロ、音楽との見事なタイミングでテーブルに座り込んだ時、彼は息を切らしていた。顔はストレンジャーのままだし、肩で呼吸するようなことはなかったけど。その息遣いが聞こえて、どきどきしてしまった。
 でも3幕はいつも王子に感情移入してしまう。王子の心が崩壊していく様は本当に切ない。ストレンジャーが王子を拒絶し、銃身で殴りつけるシーンは毎回泣ける。(しかも本当に殴ってた。がつって音がしたよ。当たっちゃっただけかしら)

4幕。いよいよフィナーレが近づく。不安と恐怖に押しつぶされそうな王子の元へ、傷を負い、弱っているアダムスワンがやってきた。背後の白い壁が上がり、そこには星空が広がっている。映像と違い、すでに立ち上がることすらままならない白鳥の姿に、何度見ても涙してしまう。
 目の前で見る白鳥達の攻撃は、彼らが発する声や手を叩く音で、より激しさを増していた。次々ベッドに集まり、怪しく羽を広げるその様子はまるで美しい絵のようだ。
 仲間から激しい攻撃を受け、力尽きたアダム、白鳥達の上に倒れこむ。このシーン、毎回鳥肌たってしまう。音楽も盛り上がりのピーク。白鳥の湖って、こんなに激しい音楽だったっけ?

 アダム、ベッドに放り投げられると、最後の力を振り絞って立ち上がろうとするが、そこに覆い被さるように白鳥達の最後の攻撃。嘆く王子。白鳥達、勝ち誇ったように羽を広げる。  よたよたとベッドに戻った王子、枕を抱えて嘆くが、もう白鳥は戻らない。王子、そのまま力尽きてしまった。
 王妃、死んでいる王子を見つけ、ようやく彼を抱きしめた。ヘッドボードの上に、小さな王子を抱えたアダムの白い姿が浮かび上がる。その頃から、すでに会場には拍手が沸き上がっている。

カーテンコール。
そこには最高に明るい笑顔を振りまくアダム・クーパーがいた。この笑顔を見て、ようやく現実に戻れた気がする。

終幕。
終わってしまった。あまりの迫力にすっかり魂抜かれてしまった。まるで白鳥に魅せられた王子のよう。体中から力が抜けてしまい、足元、ふらついているような気がする。チャイコフスキーの音楽って、こんなに迫力あったっけ?そして、アダム・クーパーの素晴らしさ。
 技術的なことはよくわからないけど、なんて舞台映えする人なんだろう!圧倒的な舞台の支配力。アダム、本当にすごい!!幸せな時間をありがとう。

追記。
 幕間、背後から歓声があがった。見るとジーザス・パスターが1階バルコニー席に座っていた。にこにこと人のよさそうな笑顔で、手を振られるとそれに答えている。2日で3公演踊るなんて過酷なスケジュールもあり心配したけど、彼がいたからこの日本公演は成功したと思う。ジーザス、ありがとう。


◇KaTyさん◇(鑑賞日・2003年4月6日・夜)

 とうとう来てしまった最終日!開演20分前、今日で「Sawnな日々」にピリオドが打たれてしまうのね、と感傷に浸りながらオーチャードに向かう途中、道玄坂のマックの前でGavinに遭遇。何でこんな時間にこんな所に彼がいるの?Gavinのちび白鳥の見納めもしておきたかった私はかなりショックを受けていたのに、彼ったら嬉しそうな顔でマックに入って行きました。(案の定、キャスト表に彼の名前はなかった・・・)

 本日のThe Swanは首藤君。彼にとって日本公演初舞台だった11日は、観てるこっちまで落ち着かせなくするくらい、踊りにも表情にも緊張感が漂っていて、余裕が無い感じでした。大阪公演をこなしてどれだけ踊りを楽しめるようになっているか、その比較が楽しみ。
 そして、その首藤君の踊りとても良くなっていました!11日は眉間にしわを寄せた硬い表情で、「ワルの笑顔」を全く見せなかった第三幕も、今日は2ヶ所(たぶん)でちゃんと笑顔を作れてました。

でもでも、ごめんなさい!そんな主役の彼が色褪せてしまうほど、最終日ならではの「The best of パフォーマー」が・・・。

 そう!!「今夜の舞台は僕のためにあるの」的なDamienが、すごいことしでかしちゃいました!いつも以上にGayちっくなジェスチャー&セクシーな流し目で第1幕ベッド・ルームのシーンをこなし、Swank barでは白い衣装を着た服装倒錯者を演じていた彼。不良少年役のSimonを膝に乗せて嬉しそうに揺らした後、DamienがSimonにKiss!!!もちろんマウス to マウスで、かなりディープでした。そして絡むように2人して椅子から転げ落ちる。もしかしてこの演技はDamienのアドリブ?!(驚いたSimonがバランスを崩して2人一緒に椅子から落ちた、って感じ?)その後2人はすぐ立ち上がり、踊りに加わるため舞台の中央へ。

 そして第3幕、Ballroomでのハンガリーの踊りの終盤。後方のテーブルで、女性1人に男性2人が激しく絡み合いますよね?ところが今日はなぜかRainと、ムチを手にした名前が分らない男性(相棒と私はSimon Humphreyではないかと推測。Simon(仮)としておきます。)の所に、Damienが入って行っちゃったんです。私は最初、双眼鏡越しにDamienを追っていたんですが、「えっ?Damienどこ行くの?」って感じで目が離せなくなりました。
 椅子に腰掛けた彼は膝の上にRainを乗せ、目の前に座ったSimon(仮)の手を取りチュッチュッチュッ。そしてDamienがRainの首筋に唇を近づるとRainは体を仰け反らせ・・・。こんな演出、他の日もありましたか?私が観落としていただけなのでしょうか?Damienには固定ファンがかなり付いているようで、色々プレゼントももらっているようでしたが、どなたか彼に耳元で「悪魔の囁き」をしたのでは?「日本の女性はアブ・ノーマルな演出が大好きなのよ」って。まんまとのせられた(?)Damien、ここにも1人、あなたのパフォーマンスに胸躍らせたアブ・ノーマルな女性ファンがいますよ〜。

「ああ、終わらないでぇ〜」と心で叫んでいても、幕は下りカーテンコール。金色の紙ふぶきがきらきら輝いてダンサーの体に張り付く。次に白い羽根がふわふわ舞い下りて来て、そのナイスな演出にダンサーも観客も大喜び。明日から魂を抜かれた廃人同然の生活が始まるであろう事を憂いつつ、パーティーに参加するダンサー達を一目見ようと足は正面玄関脇のエレベーター前へ。

 着替えをすませたダンサー達が2階のレセプション会場に入って来るのを見上げていましたが、なかなか窓際に来てくれない。でもしばらく後に、kimが外に出て来てくれました!
 この間撮らせてもらった彼の写真を手渡し、今まで言えなかった「Hugしていい?」を震える声でお願いしてみました。彼ったら最初、「はははは・・・。」と笑ってごまかしていた。(うっ、ショック!)負けじともう一度繰り返したら(「うん」と言わなかったら抱き付くぞ、ぐらいの勢いがあったかもしれない・・・。)、体に手を回してHugしてくれました。緊張してよく覚えてないんですけど、いい香りがして引締まった細い体してたなぁ。この日のKimは無造作に髪を立てて、ブルーの鼻ピアスを付けていてほんと〜にかっこよかったです。

 パーティーが進むにつれてファンの数が増えたため、ガラス越しに手を振ったり、パフォーマンスをしてくれるダンサーも多くなってきました。観客を前にすると何かをしなくちゃ、というダンサーの性でしょうか?酔いが回ったのか(たかがビールで酔うとは思えないけど)、ガラス越しにパンツを下げてお尻を私達に見せる者もいれば、「このポーズをしろ」と片手を頭の上から垂らす白鳥のポーズをファンにリクエストして、2階から写真を撮る者も出現する賑やかな時間が、Bunkamuraの閉館時間まで続きました。

 公演が始まる前の私は「Adamの白鳥が観たい!」、その一心で彼の出演日程の情報に振りまわされながらチケットを購入していました。それが初めて生で観た舞台で、群舞の白鳥達にすっかり魅せられてしまったのです。
 Adamが出演しない日のチケットを売る事まで考えていた私がです。最初は全く見分けが付かなかったダンサー達も、回を重ねるに連れ舞台上でのシルエットや動き、役柄から徐々に見分けが付くようになったので、なんだか自分も成長していってるような気になってとても嬉しかった。この1ヶ月半は本当に白鳥中心の毎日でした。寝ても覚めても彼らの事で頭がいっぱい。白鳥に魅せられた王子の気持ちがよ〜く分っちゃいます。そしてファンの皆さんのレポートのおかげで、あらゆる視点から舞台を鑑賞する事が出来ました。このサイトを運営されてるなつむさん、そしてファンの皆様本当にありがとうございます!!韓国、中国公演と彼らのツアーは続きますが、もし観に行かれる予定の方がいらっしゃいましたら、鑑賞レポートとても楽しみにしてますので!

 すばらしいパフォーマンスと丁寧なファン・サービスで私達に夢を見させてくれたダンサー達、そしてスタッフの方々に心からの感謝を!!!そして来年もAMPが来日する事を期待しています。


◇アロフィさん◇(鑑賞日・2003年4月2日、5日・夜)

 白鳥の湖終わってしまいましたね。なんだか今お祭りが終わったときの虚脱感をひしひしと感じています。首藤さんの舞台を見た後、四月二日、五日の夜に行ったのですが、見事三回の公演で三人の白鳥を制覇することが出来ました(二日がアダムで五日がジーザスでした)。

 アダム・クーパーはやはりすばらしかったです(もうほかに語るべき言葉が見つかりません)!「王子が憧れる力強い白鳥」とはまさに彼のことなのだ!と思いました。ストレンジャーと白鳥の対比が一番際立っていたのもアダム・クーパーだったと思います。やはり彼には踊りの才能だけではなくて俳優としての才能もあるのだなと実感しました。
 また、1996年のDVDの時より踊りに円熟味が増したというか、舞台でしか見ることの出来ない演じ手の成長を見ることが出来、本当に彼の舞台を見られたことは素晴らしい体験でした。ストレンジャー格好よかったなぁ(笑)。

 パスターはとにかくまず体が柔らかかったです。そしてお若いせいかすごく肌が美しかったように見受けられました(笑)。
 一幕で王子とスワンの踊りを見ているとき、アダムや首藤さんのスワンはなんだか見ているこちらも緊張するというか、彼らが舞台に立つと舞台の世界がぴんとはりつめる、という感覚があったのですが、パスタースワンはそういう感覚ではなく、むしろ出てくると何故かわくわくして、すごく心が弾む気持ちで彼の踊りを見ていました。もしかして彼の持つラテンパワーのなせる技だったのでしょうか。

 アダムのスワンは首藤さんなどもおっしゃっていましたが、見ていて白鳥達のリーダー、という感じをうけます。首藤さんのスワンは、白鳥達の中で明らかに異質、という感じを受けます。
 私の中でスワンという存在は、リーダーというイメージにしろ異質というイメージにしろ、「他の白鳥とは違う」存在でした。しかしパスターのスワンは一番白鳥の群れに溶け込んでいたと思います。リーダーや異分子ではないけれど、人一倍(白鳥一倍?)自由奔放で好奇心旺盛という感じでした。また、王子の世界にも最も近い感じをうけました。
 アダムや首藤さんは、王子の手の届かない理想そのもの、あるいは王子と同じ悲しみを持っている王子とは違う生き物、どちらにせよ王子のいる世界とは明らかに違う世界で生息する生き物、という感じを受けていたのですが、パスターは王子が開き直って、周りなんか構わず、自由奔放に生きる強さをもてたらこうなれるんじゃないかと思わせるようなスワンでした。
 王子の「自分がこうあれたらいいな」という気持ちを一番表しているスワン、王子の分身、という言葉が一番ぴったりなスワンだったと思います。

 パスターのストレンジャーは、悪いというより軽いという感じでした(失礼)。
アダムのストレンジャーは「執事の計画をすべて知った上でパーティに登場、ゆくゆくは執事の片腕に昇進する予定」という感じでしたが、パスターは「そのたらしテクニックをかわれ女王を誘惑し王子の錯乱を誘導するため登場、執事が権力を握った暁には謝礼をたんと頂く予定」という感じのストレンジャーでした。

 パスターは、マイスワンを見事に作り上げていました。あれほど存在感のあるアダムスワンの世界を、ぽーんと飛び越えてしまっていたと思います(どっちがうまい、といった意味ではなくて)。
 やはり三者のスワンを見ていると、首藤さんはアダムの影響をすごく受けていたんだなぁと思います。しかし三者が織り成す世界はそれぞれ美しく大変面白かったです。個人的には、それぞれの演技の一番印象的なシーンは、パスターは二幕、首藤さんは四幕、アダムは二幕と三幕(笑)です。
 しかしどのシーンでも、「アダムのスワンと比べて・・・」と考えてしまうあたり、やはりアダム・クーパーという人はすごいと思いました。そして、本当に、バレエというのはダンサー一人で全然役柄や、ひいてはストーリーまで違ってきて、すごく面白いですね!今バレエの世界にどんどんはまって行っています。

 今回、トリプルキャストを制覇することができてすごく嬉しかったです。心残りはトム・ワード王子が見られなかったことと、できればもう一度首藤さんを見たかったな、ということです。日本公演の記念に、首藤スワンの白鳥の湖のDVD、日本限定とかで出してくれないでしょうか(絶対無い)。
 いつかまた日本でAMPの白鳥の湖を、そして首藤スワンを見ることが出来るよう祈りつつ、これから購入したザ・カー・マンのビデオを見ようと思っています。


◇いぶさん◇(鑑賞日・2003年4月6日・夜)

 大成功すぎた白鳥の湖、とうとう千秋楽行ってきました。賛否両論だった首藤さんの白鳥ですが、私はどっちに転ぶんだろうと思っていたんですが…残念なことに「否」でした。
 こんな印象持ってしまって首藤さんにもファンの方にも申し訳ないのですが、正直な感想です。

 首藤さんはAMPの舞台には合わないと思いました。わかりやすさがAMPの魅力だと思うのですが、その中で首藤さんは哲学的で異質すぎて、首藤さんの良さもこの舞台で活かされないと思いました。
 最初は東洋人だから浮いちゃうのかな?と思ったのですが、同じ東洋人のジョン・チュウは しっかりなじんでいるし…。やっぱり演技の質感が全く違うせいのような気がしました。もっとエンターテイナーとして楽しませることのできる人の方が向いてたと思います。

 首藤さんの白鳥は多くの人が「鶴」だと言っていて、私もそう思いました!繊細で緊迫した美しさを持っていて近寄り難い存在…。丹頂鶴の写真を見ると首藤さんに見えます(笑)
 まさか「白鳥」のオファーが来た首藤さんが「鶴」を踊ろうと意識するわけはないと思うんですが…なんだか文化の違いってこういうものなのかなあと感慨深く思いました。。。
が、この物語は白鳥の湖に鶴舞い降りた話ではないので、色々矛盾が見えたという感想なのです。

 結局今回の公演は4回行ったのですが(リピーターの中では初級者ですね)何度も見ていると群舞の白鳥に愛着がわいてきますね。ええ、主にキムくんなんですけど(笑)キム、ギャヴ、サイモンのちっちゃい3羽がほんとかわいくて、見てて楽しかったです。
 「きっとこの3羽は白鳥の中でも使いっぱで、その中でも特にキムが一番使われることが多くて主にジョン・チュウの子分で、本人はニコニコしながら何でも引き受けているんだけど実は キムはとんでもない力を秘めてて…」とかなんとか、勝手にアナザーストーリーを編み出したりしてしまいました。(笑)

 千秋楽は群舞のみなさまもノリノリでした。それからこの日の席が前から5列目のかなり左寄りだったのですがこの位置は舞台のバランスこそ崩れてしまうけど白鳥達が迫ってくるのが多い位置のようで、物凄い迫力でした。
 バランスが崩れているだけに練習風景のように見えて、かえって臨場感があるのでリピーターの方には1度はお薦めしたい位置です。
 そして最後はカーテンコールで金色の紙吹雪と羽毛が天井から降ってきてきれいでした。ステージの壁には「see you again」の文字。「again」を信じてもいいんでしょうか?だってまだまだ見足りません。終わってみたらアダムにも匹敵する人気になったジーザスが見れなかったのも残念…。
 韓国行きをちょっと本気で考えているんですが、でも夏にはOYTが…と悩んでいるところです。


◇ちーままさん◇(鑑賞日・2003年4月5日・昼&夜、6日・夜)

 アダムのHPで、4/4が最終で帰国しちゃうんだと知ったときのショック…二十数年前に失恋したときのような気持ちになって、食欲減退…意欲喪失…とにかく仕事も家事も手に付かず、未だ回復していません。
だって、私が用意したチケットは、5日のマチネ・ソワレと6日のソワレだったんですから。 でもね、首藤くんのスワンも、ギャヴくんの幼年王子も、まだ観てなかったし…落ち込んだ気持ちを抱えたまま観てきました。

 5日のマチネは首藤スワンとトム王子。幼年王子は念願のギャヴくん!クルト執事にもやっと会えました。首藤くん…なんか違う。小さいし、筋肉が東洋人してる。踊りも小アダムだし。 私の心に大きな穴が開いてるからそう見えるのかな?なんか受け入れがたい白鳥だった。ストレンジャー首藤もなんか違う。これも心の穴のせい?

それにしても、ギャヴくんはイイ!!!!!皆さんのレポートを読んで楽しみにしてたけど、まさにそう!『反抗期』。パジャマのボタン1個しかはめてないから、すごくだらしなくて素敵。お母さんが(私ね)はめてあげたいわ。
 民衆に手を振ってるときのかったるそうなそぶりに、ろくに隠しもしない大あくび。スワンクバーでの不良少年、ボールルーム前プレスでの青い帽子の記者(?)にも目が釘付け。笑わせてもらいましたよ〜!

 5日のソワレ、ジーザス白鳥にアンドリュー王子。幼年王子はまたしてもギャヴくん。(可愛い!)そう言えば、ジョン・チュウくんの筋肉も東洋人してる。髪も坊主だし、おでこに点々6個付けたら『少林寺』に出られそう。
 そんなことを考えながら観てたので(ゴメンねジーザス、アンドリュー)あまり踊りを覚えてないんだけど、気になったことが…劇中劇の森の精、今まで観たのは、3人(親分1人に子分2人)だったのに、今回は(6日のソワレも)2人になってましたがなんでかなあ?他の日はどうだったんでしょうか?2人だと全然迫力ないです。
 あと、イタリアの王女の靴を脱がせるとこ、ジーザスストレンジャーは脱がせた靴を投げ捨てないのね。やっぱ上品だわ。

 6日ソワレ…とうとうこの日が来ちゃった、最終日。まだ心の穴はふさがらない。
首藤スワン、トム王子、カレイスコス幼年王子、マーガリート女王、クルト執事…ガールフレンドはフィオナ嬢…公演7回観てガールフレンドはフィオナ嬢にしか当たらなかった…このガールフレンド、長い公演中にだんだん下品になっていく(特に劇中劇の時)。くしゃみ、鼻かみ、チョコの袋を逆さにして口に付けて食べる…いくらなんでもそこまでしないでしょう!?彼氏の家族とお出かけなんだから、少し猫かぶるよね…?

 首藤スワンにもハプニングが!公園のシーン、白鳥座りして舞台を横切るところ。あと少しというとこ(柵のあたり)で機械の故障で(?)止まっちゃったのです。
首藤スワンは、あと少しというところだったためか立って舞台から去っていきました…

 つい忘れがちですが、女性ダンサーも忘れてはいけない。私のお気に入りはオリアーダ嬢のイタリアの王女(蛾の姫も)!なんだか色っぽくって、いい感じかな。今日の公演で一番スゴかったのはカーテンコールかも。総立ち!私も最前列まで走りましたよ。
 舞台には金色の☆が雪のように降り、一緒に白い羽も降り、バックには『See You Again』の文字が映されてました…。本当にまた来てね。
カーテンがもう上がらないのはわかっていても、みんな去りがたく拍手が長く続き、 中にはカーテンの裾をめくって覗いてる人もいました。でもそれはルール違反だと思 うけどなあ。

 アダムスワン2回、ジーザススワン3回、首藤スワン2回とまんべんなく観ることが出来ましたが、とうとう生アダムには会うことが出来ないまま、私のSwan月間が終わっちゃいました…。
 今度はいつ日本に来てくれるかしら。アダムはもうスワンで来てはくれないでしょうね…
でも、やっぱり生の舞台は違うー。観るたびに新しい発見があって、時にはハプニングがあって、ダンサーによって違うモノにもみえたりして。そして、舞台は主役級だけで成り立ってるもんじゃないということがもの凄くよくわかりました!(ね、ギャヴくん!)

 今回の公演、本当に嬉しかったです。みなさんありがとう。誰に感謝すればいいのかわからないけど、とにかくありがとう。一生のうちにあと何度こういう作品、こういうダンサー達にめぐり逢えるでしょうか…

 さて明日からはまた普通の生活が始まる。Swan貧乏だわ。頑張って働かなくっちゃね〜。心に穴は開いたままだけど、この穴だって大切な宝。アダムがここにいた証。


◇かえでさん◇

・数字で見るAMP 2003年SwanLake日本公演 全43回・

★全ての情報はBunkamuraが公表しているキャスト表を基にしています。
 当日の変更等は含まれていないと思われます。

・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・

<The Swam/TheStranger>
アダム・クーパー 16回/ジーザス・パスター 18回/首藤康之 9回

<王子>
ベン・ライト 17回/トム・ワード 18回/アンドリュー・コルベット 8回

<女王>
マーガリート・ポーター 22回/エマ・スピアーズ 17回/ヘザー・レジス・ダンカン 4回

<執事>
スティーブ・カーカム 27回/リチャード・クルト 16回

<ガールフレンド>
フィオナ=マリー・チヴァース 33回/トレーシー・ブラッドリー 10回

<幼年の王子>
サイモン・カレイスコス 21回/ギャヴ・パーサンド 22回

・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・

★アダム白鳥と踊った王子★
ベン・ライト 8回/トム・ワード 5回/アンドリュー・コルベット 3回

★ジーザス白鳥と踊った王子★
ベン・ライト 4回/トム・ワード 9回/アンドリュー・コルベット 5回

★首藤白鳥と踊った王子★
ベン・ライト 5回/トム・ワード 4回/アンドリュー・コルベット 0回

・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・

◆出演回数の多いダンサー (30回以上)◆

ピア・ドライヴァー       41回
フィオナ=マリー・チヴァース  39回
ギャヴ・パーサンド       39回
オリアーダ           39回
キャサリン・フラワーズ     37回
ルース・モス          37回
サイモン・カレイスコス     36回
エマ・スピアーズ        36回
ローリーン・ディルティル    36回
マイケル・バッド        35回
レイン・ド・ライ・バレット   35回
メリアム・ポーリアン      35回
キム・アマンドセン       34回
ヘンドリック・ジャニュアリー  34回
トレイシー・ブラッドリー    34回
クリス・キーリー        32回
ライアン・ジェンキンス     32回
ルパート・トゥーキー      32回
カースティ・シモンズ      32回
ゲイリー・クラーク       31回
サイモン・ウィリアムス     31回
サイモン・ハンフリー      31回
ダミエン・スティーク      31回

・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・

・・・まとめ・・・

 まず、公演回数が43回にもなるとは、去年の夏頃には考えられなかったですね。そして、10月のチケット一般発売の直前にアダム・クーパーの出演が決定したわけですが、その時は1回踊っても「出演」には違いないだろうと思っていましたので、アダムがこんなに日本で踊ってくれるとも思っていませんでした。始まってみれば、首藤白鳥にあたる方がずっと大変だったわけです。ざっと言ってアダムとジーザスの出演回数は全体の約40%ずつで首藤が20%でした。

 アダム白鳥は半分をベン王子と、ジーザス白鳥は半分をトム王子と踊っています。首藤白鳥はベン王子とトム王子と半分ずつで、アンドリュー王子とは踊りませんでした。

 しっかし、今回ほぼ皆勤賞をあげてもいいのはフィオナ=マリー・チヴァース 39回!6週間の公演で4回しか休んでません。ピア・ドライヴァーにいたっては2回しか休んでないけど。フィオナ=マリー・チヴァースはもしかして、ガールフレンド役でない時はどこかの国の王女役をやってたんですか? この人、休んでないですよ!でもおなじ39回にギャヴとオリアーダがいます。私はこの二人の蛾のバレエが大好きでした。
 幼年の王子は、私はサイモンが2/3でギャヴが1/3ぐらいの割合かと思っていましたが(私がサイモン王子にあたることが多かったから?!) ギャヴの方が1回多いんですね。(でも、1回遅刻してサイモンに代わってもらったという噂も?! ね、弥生さん...)
 全体的に女性ダンサーの方が代わりが少なかったのか、みなさん出演回数が多いです。でも、白鳥達の方が運動量は断然多いだろうから、代わりも多かったんだと思います。

 最後の方は帰国してしまったダンサーも何人かいたみたいですね。ベン・ライトは3/27にアダムは4/5に帰国したようですが、他にもスティーブ・カーカム(4/2〜)、ティム・ブロウフィールド(3/23〜)、ヘザー・レジス・ダンカン(3/28〜)がずっと出てません。
 逆に前半ずっといなかった(のか?それとも怪我か?)ダンサーにジョディ・プレミングスとニコラス・カファツァキスがいます。あ、首藤さんも前半ずっと見れませんでしたね。 大阪公演にはマーガリート・ポーターは行かなかったんでしょうか?1回も出てません。

 4/5昼夜、4/6昼夜の最後4公演は王女が1人少なくて6人しか出てきませんでした。(ルーマニア王女がいなかった。) 森の精の従者も1人だけだったし。その日のキャストにはパンフレットに載っていない女性ダンサー(キャロン・サイディー/ケイティー・ゲイプ)がキャスティングされているけど、ルーマニア王女はできなかったのかしら?そのかわり、今回はディレクターに専念するのかと思っていたヘザー・ヘイベンスが最後6公演踊ってくれてます。

 キャスト表のスワンのとこですが、本当は14羽のはずが日によって13羽だったり15羽や16羽もいたりしてます!3/9昼公演、ホントに16羽もいたんですか?!(^_^;) それとも14羽分の踊りを交代しながら16羽で踊ったのかしら?

最後に
なんてヒマなヤツだとお思いでしょう。私もそう思います。m(_._)m
(いえいえ、とんでもない。そうだったのか!!とモニターの前で驚き、かえでさんのご努力に感謝している人がほとんどだと思います。Byなつむ)

 でも、今回こんなことしてみて、長丁場の公演を打つって大変だなぁと思いました。ダンサーのやりくりも大変だろうし。確か朝日新聞にアンドリュー・コルベットが「キャスティングは実は非常に微妙で、一人が怪我などで役を降りると玉突き的に何人もの役が入れ替わることがある。」と語っていました。チームワークなんですね。ロングランのミュージカルとかってどうなっちゃうんですかねぇ?!

 30回以上も踊ってくれたダンサーは本当に怪我しないでよく踊りぬいてくれたと思います。本当に感謝したいです。次は韓国公演、がんばってね。


◇いぶさん◇(鑑賞日・2003年4月3日・昼)

 見てまいりました。4月3日のマチネ!どうやらかなりの天然くんであろうと推測されるアダムが(笑)またもや自身のホームページの日記でスケジュールを発表してしまい、その中に運良くかなり前の方の席、しかもど真ん中を取ってあったこの日が含まれていて狂喜いたしました!

 おかげで、感涙にむせぶ気満々で行ったのに最後までうきうき笑って見ていました。でもこれはトム王子のせいかもしれません。どうも鈍感な王子に見えてしまって…。
 白鳥といつ心が通じ合ったのか皆目見当つかず、あんな感受性の低い王子の精神が崩壊なんてするわけないと後半のくだりは不自然さを感じて感情移入が全然できませんでした。

 アダムとのコンビネーションもちぐはぐな気がしました。ベン王子のときはアダムも新しい魅力がいっぱいの白鳥だったのに…ベンはもう帰国してしまってアダムも悲しんでいましたがアダム×ベンの舞台を初日にしか拝めなかった私もすごく悲しいです。初日はほんと感動でした!
 あらゆる魅力のつまったスワン。力強くカリスマティックなのに透明感があって儚く、切なく、かわいく…。こんな白鳥を(運が良ければ)何度も見られるなんて 私はどうなっちゃうのかと思ったものですが、相手がトムになるとそういう魅力が引き出されない気がしました。

 でも4日ソワレがアダムのラストで、そのときはトム王子でも息がぴったりで素晴らしかったと聞き、残念に思いました。

 …なんて辛口批評なんですが、とにかくこの日は楽しい気分だけで見てしまって、一番心に残っている瞬間は舞踏会のフィナーレでアダムの口が「カモン!」て言ってたところです!!しびれました!!超絶かっこよかったです!!

 とても私の中の「白鳥の湖」の感想からはほど遠いんですがそういうシーンをもう始終にやけた顔で見ていました。もちろん「ふんどし」シーンも!(拍手が起きてました)
 それからWillieさんのおかげでぐっと興味の高まったキム。ファニーな顔から目が離せず、かわいいかわいい、ともだえながら見ていました。カーテンコールのときの嬉しそうな顔ったら!(4幕でとどめを刺す死神は違う白鳥でしたが)

 でも、これでアダムの白鳥は最後なので、初日のように感情移入しすぎて切なくなってしまうよりこういうふうにテンションが上がったまま終われたのはよかったかもしれません。ありがとうトム!(笑)  アダムは最後ですが白鳥自体は最終日にまた行くことができます。どちらの白鳥に出会えるんでしょう。うーん、友達も大絶賛のジーザスも見たいし、賛否両論の首藤さんもこの目で見てみたい…どちらも楽しみです。


◇ゆうさん◇(鑑賞日・2003年3月23日・昼)

 この日は大阪の千秋楽で(4日間しかないのに!!)クーパーの白鳥にベン・ライトの王子でした。待望の作品にもう半年前からドキドキでした。劇場は立ち見も出て大盛況。  クーパーの素晴らしさの感想はみなさまにお任せして(笑)ライト王子に陶酔してしまった感想を…

 人間誰でも抱きしめて欲しいって思いますよね。多くは幼年期にそれを欲していて、記憶には残っていなくてもそれが親などによってなされていると、精神が満たされ成長していくのだと思います。そういう経験がないと、そんなものは存在しないと思うか、またはずっと求め続けるか…。
 王子はもちろん後者で、幕開けからそれは表現されていますよね。王子が耐えきれなくなって王女にそれを強く求めるけど、拒絶されるシーンは印象に残りました。
 お願いだから抱きしめてやって!私がギュッてしてあげる!と、もうこちらを母親の気分にさせるほど(笑)ライトの王子は温もりを求めてやまないキャラクターを演じていました。
 このキャラクターゆえ、この後の白鳥との出会い、ストレンジャーの出現による理性の消失、白鳥の死によって自分も尽きてしまうという展開がストレートに理解できました。

 3幕からどんどん王子が追いつめられていく様に舞台は緊張感が増していき、4幕に至っては王子が切なくて、切なくて切なくて切なくて…。ライトの王子は、白鳥が死んでしまえば確かにあの王子はもう生きていられない、と納得させられてしまう演技でした。
 倒れた王子を白鳥が何度も起こそうとするシーンにも、言葉に出来ないほど胸が痛みました。(ここらのクーパーは本物の白鳥に見えてきました!)白鳥の首に何度も王子の腕をかけてはだらりと滑り落ちてしまう振り付けは、初演当初(DVD)にはないものらしく、目に焼き付いています。(心の中で「いやー!」と叫んでいたりして)

 私は観劇以来、この切なさ200%のライト王子と、それを大きな包容力で受け入れたクーパー白鳥の圧倒的な存在感にすっかっり魅了されてしまいました。(仕事も手につかなくて困っています)
 この両役はそれぞれの力量によって、相手の存在も高めるというものですね。でもそれゆえにお互いのバランスも難しいと思います。

 クーパーの公式サイトをのぞいて見たところ、ライトとのスワンはベストで、彼と踊るといつも心動かせられる…てなことを書いていました。(英文を斜め読みしただけなので、不確かな訳ですよ!)スワンでのつき合いも一番長い王子のようですので、よく理解しあえているのでしょう。

 この公演を観たあとDVDを初めて見ましたが、クーパーはさすがに現在の方が表現力を増し成長を感じました。(生のせいもあると思いますが)
 また4幕の病院のセットは、どこかで読んだのですが(不確かな記憶です)アメリカ公演になった時変更したそうです。ちょっとギョッとしますが、以前よりシルエットが効果的に演出されたし、きっと今の王子には世の中がこう見えているのだろうと思いました。
 私事ですが、以前病気で重体になった時何日も幻覚が見えたことがあります。物がどんどん歪んで変形していったり、人の顔がくずれていたり、模様などがはっきり見えるんです。王子が非現実に怯えるのはよくわかります。

 AMPは初来日の「カー・マン」も観ました。何をまかり間違ってか我が町・田舎のびわこホールに来てくれたおかげで、その素晴らしさを知ることができました。(大阪だったらわざわざ行かなかっただろうな…)観たあとは何日も頭から離れなくて。
 彼らの作品は観る者の感情をぐいぐいと引っ張っていく力強さがあり、観客をしっかりとらえて離さない魅力にあふれています。だって今度は私を東京まで行かせるのですから…。最後の「白鳥の湖」を満喫してきます。

 最後に、クーパー曰く、「大阪の楽屋口でのファンの熱狂振りには「恐怖」を感じた」にはちょっとショック…。納得してしまうのも悲しい…(笑)


◇ヨッシーさん◇(鑑賞日・2003年3月27日・夜)

 27日、公演の前にBunkamuraの近くで夕飯を食べていたら・・・なんと!白鳥が現れたのですっ!来たのはマイケル、ギャヴィン、ゲーリーと女性ダンサー(女性は名前がわかりません。ごめんなさい。ちなみにマイケルとこの女性は結構いい仲です。)もう、びっくり☆心臓ばくばくです。

 開演1時間前くらいなんですけど、君たちこんなとこで何してるん?こんな直前に夕食か?それともOFFか?・・・といろいろ憶測。結局、公演前の腹ごしらえ。軽いMENUで食べ終わった順にとっとと店を出て行ってしまいました。  しかし、席が離れていたとはいえ、あまりの突然の出来事にこっちは大緊張!! 急に食事がのどを通らなくなるわ、フォークを持つ手は震えるわ、もうどこに食べたのかわかりません。放心状態のまま、店を出ました。

出たらまたびっくり★あちらこちらに白鳥たちがいるではないですか!!!みんな食事をして、劇場に戻るとこだったのですね。
 周りの人は気付いてないのか、見て見ぬふりなのか無反応。いやでも、見える人には彼らに羽が生えているのが判ったに違いない。公演前からかなり舞い上がってしまい、なんだか舞台に集中できませんでした・・・。

 今日は念願のギャヴくんが幼少の王子で登場。「反抗期」という表現がありましたが・・・うまい!・・・まさにそれ。何をするのも、されるのも面倒くさそうな表情を浮かべ、「もう、こんな生活はうんざり。」といった感じ。
“・・・こうしてギャヴ王子は耐え切れなくなり、王室を飛び出してしまいましたとさ”って話が終わっちゃいそうなくらいの反抗っぷり。
 これでどうやってトムの人の良さそうな、情けな〜い王子につながっていくのか・・・でも魅力的な幼少の王子だったんで、許しましょう。

 さてトム王子。前回見えなかったSwank Bar後のソロ。今回はちゃんと見えました。トムのダンスは、上手かった。お人よしな王子の綺麗な動きにはっとさせられます・・・でも残念ながら今日は私がうわのそらってこともあり、伝わってくる物が少なかったような気がします。(ごめんなさい。)
 そして思い悩んだ末、死を選ぶシーン。ここは圧倒的にスコットの表情がすばらしい。(映像の処理の力もありますが。)死ぬんですから、それを決意する表情がほしいところですが、トム王子は悩んだままとぼとぼと公演に向かってしまいました。どうするのだ〜、トム王子。

 そうなんです。なつむさんご指摘の通り、ちょっとした表情が足りなかったり、演出がカットされていたりするのは確かに気になります。セリフが無いのですから、そういうところ大事なんですけど・・・。とかなんとか言いながら、毎回楽しんでいます。生の幸せです。いろいろな方のリポートを読んで、視野を広げて、残り少ない公演を隅々まで堪能したいと思います。

 いやいや本当に公演終わっちゃうんですよ。マシュー作品、次はいつ日本で見られるんでしょう・・・。


◇Willieさん◇(鑑賞日・2003年3月27日・夜、28日・昼)

 27日ソワレ、28日マチネに行ってきました。これで私の白鳥祭りも終わりました。

 27日ソワレはjesus+tomです。adamだと思ってチケット買ったのにはずれました。16列目。細かくチェックするためにオペラグラスは必要ですが、思ったより良く全体が見えました。
 今日は皆さんお気に入りのgavくんのyoung prince。皆さんの目利き具合に恐れ入りました!彼のyoung princeは一度3階席から観たのですが、こんなに良かったなんて。
 simonの美しい顔にひかれてyoung prince、nobleman、不良少年、サインねだる少年などかなり細かくチェックしていたのでgavとのちがいがすごくわかります。simonでは笑えないところがgavくんだといちいち笑えます。コメディーセンスがあるし、アクターだな〜、マシューも気に入りそうだな〜(new adventuresに参加して欲しい!)と目がはなせなくなってしまいました。

 今思えば初日に斜に構えて観ていた私を最初に笑わせたのはgavくんでした。初日、ベッドからsimonがおりるときの人間踏み台の最後の段としてgavくん登場。そしてまじめな顔で重さに耐えきれない感じで腕立て伏せ風にしたのです。それがつぼにはまってしまってニヤっ、その後黒板で指示を出す彼にも笑いが押さえられなかった!それなのに、ごめんねgavくん....kimの怪しいドラッグクィーンばりの 魅力に惑わされ、simonの美しい顔に目が霞み、みんなのレポートでやっとgavくんを思い出したよ。もう、残された2公演はすべてあなたに捧げます!状態。遅い!遅すぎる...。
 ということで、この日のjesus白鳥はもちろん、28日マチネのadamもほとんど観てません。もう、adamが怖い顔で威圧しようが最前列じゃないので怖くありません!

 27日は2幕小白鳥、kim、気玉セーターのgavinくん、弥生さんの笑顔NO1david rhysくん、そしてgavくんとこの日もまとめてOK状態。オペラグラスの中にしっかりみんな(小さく)おさまりました。

 そんな私の至福の瞬間にジョン.チュウくんがまぎれこんでしまう日はちょっと...。(ジョン.チュウファンの皆さんごめんなさい)swank barのシーンの最後のほうでも不良少年の彼(リーゼントにバンダナ)はお姉さん達に踊ろうよと腰を振ってさそうけど、3人くらいに断られ、最後はポッケからお金を出して「お願いします!」と頭まで下げ、それでも断られ大爆笑!
 かなりステージのはじっこで地味なので他の派手なところに目がいってしまって気付かない人も多いかもしれないけれど是非見てみてください!最高におもしろいので。simonもお金は渡すけど、頭は下げなかった!

 ボールルーム前のプレスのシーンでは27日は手袋さげた少年、simonのセクシー少年も笑えたけど子供のようにはしゃぐgavくんでした。
 28日マチネではカメラマン。トレンチコートと帽子が大きすぎてかわいい! トレンチコートなんて着物状態に巻き付いて前合わさってます。帽子もぶかぶかなのに本人は渋く決めて「こっちに視線を!」って感じでフラッシュばかばかやっておかしい。ニヤニヤしっぱなしです。

 3幕のスペインの踊りもvideoでは早送りだったのに、小さいチーム集まれの今回 はお気に入りでした。
 そして、その後王子錯乱のシーン、殺される前のガールフレンドにバルコニーに誘われて二人で楽しそうに星をみたりしているのです。そのすぐ後に彼女に悲劇が訪れるので余計にキュンとします。などなどgavくんのおかげで今まで気付かなかったところにおかしみ発見。

 その日の帰り、gavくんを待ち伏せ、そして襲いました。(というか襲う勢いでサインをもらいました)amp仲間とちょっとはなれ一人で歩いていたのですが、渋谷の夜のネオン街を大きいリュックを背負って歩く彼はそれはそれは心細気なのです。
 学校帰りに好きな男の子が一人になるとこをねらってすかさず告白する抜け目ない女子って雰囲気で、gavくん顔は笑ってましたが怯えてました。ごめんねgavくん。New adventuresには参加しないの?と聞いてみました。i'm not sure...この後、韓国と中国にも行くのでと言ってました。(弥生さんの「ギャブくん(子供だから道に迷って)遅刻?!」事件もきいてみればよかった!)
「一人で大丈夫?寄り道しないで帰るんだよ〜。」と言いたくなっちゃう程pureな感じの彼ですが、とあるサイトによると24歳。実はもう大人でした。

 willとadamのromeo&julietとか妄想モードに入って楽しんだりしてるけど、gavくんは...皆さん、彼が大人になるまで妄想はもうちょっと待ってやってもらえませんか...。(24歳だけど)と勝手なお願いしてみたりして。

 そんな彼にまたすぐ会えるということで翌日、寝起きも爽やかな28日、マチネ。 私のlast swan。晴天で気持ちの良い日です。adam+andrewは初めての組み合わせでした。(今回首藤白鳥残念ながら観られず)キャスト表の前で「やった〜!andrewだ〜」と喜んでいる通な人発見。皆見方は100通り以上ありそうですね。それがampの魅力です。

 この日のadam散髪してシャキ〜ッンってかんじで切れ捲ってます。2幕からかなり攻撃的な雰囲気。jesusのちょっと優し気白鳥の後なのでとても冷たく感じ、それがまた良い。
 そんな白鳥が4幕ですべてを投げ打って王子を救おうとするまでの劇的な変化が悲劇を際立たせます。そして、今日の王子andrew様はさすがroyal boys、白鳥に負けず踊りに気品があって美しい!王子と白鳥(王子と女王)のパ.ドゥ.ドゥが是程きれいだとは。物語をしばし忘れ踊りで魅せられました。
 役づくりではいまひとつという意見が多い彼でしたが、線が細くていちばん美しくて観ていて幸せでした。
 でも、お二人さんごめんなさい。今日が最後なのであとはgavくん観てても良いですか。

 弥生さん指摘の後ろの寝癖、この日はありませんでした。ちゃんとセットする時間があったようです。残念。4幕simonいたっけ?というくらいgavくんに集中。 今回大いに楽しませてくれたkimが最後なのにお休みだったことが残念です。本当に始めはびっくりした!こんな顔(表情?)の人がampにいて良いの?下品すぎ る!でもおもしろい!怪しい。個性的なダンサーでこれからが楽しみ。

 この後、韓国公演、中国公演と続きますが、成功を祈るような、日本より成功して欲しくないような...複雑な気持ちです。程よく成功して欲しい...。本当に大衆(私か...)は勝手なものです。一番盛り上がった思い出の国として覚えていてくれたらなぁ。みんな世知辛いダンサーで浮き沈みもあるかと思うけど、日本での日々を楽しかったな〜幸せだったな〜と思い出してくれたらいいなと思います。
 もしくは、KDMがこれは稼げるってことで毎年来日が恒例となり、ジャニーズ風ヒエラルキーでお気に入りのダンサーがコールドから来日毎にひとつづつアップして最後はtheswanになるっていうのもまたおもしろい?!(やっぱりイヤかも...)


◇むりゃさん◇(鑑賞日・2003年3月28日・昼)

 4度目のクーパー白鳥です。アンドリュー・コルベットの王子とマーガリート・ポーターの女王は初めて拝見です。
 アンドリュー王子は出演回数が少なかったので、今まで当たらなかったのも当然ですが、マーガリート女王が初めてというのは…ジーザス&ワードの組み合わせに当たり続けた事といい、私は変に偏った当たり方をしています(苦笑)。

 皆さまのレポートを拝見していると、私の感想は極々少数派のようなのですが。ポーターの女王には「出来の悪い息子に苛立つ母親」といった印象を受けてしまいました。
 コルベットの王子の印象は、最初は「親切そう」でした。初めてガールフレンドと出会った時の笑顔などが誠実で優しそうに見えたのです。しかしロイヤルボックス内ではガールフレンドの事をあまり気遣ってくれていなかったり、彼女が色々仕出かす度に「困った」というより「無作法が気になる」といった表情を浮かべているように見えてしまいました。

 そんな所に森の精に盛大に驚かされたガールフレンドは驚いた弾みで、イヤリングの片方を飛ばしてしまいました。弾け飛んだイヤリングは王子の手前に落ちました。「優しい王子ならすぐに拾ってフォローしてあげて」と思ったのですが、アンドリュー王子は暫らく躊躇してから拾い上げました。
 それを見て、やっぱりあんまり優しい王子ではないんだろうかと考えてしまいました。(しかしアンドリュー王子が優しくない訳でなく、ただ単にどうしようか、と悩んでいただけなんでしょう。)王子が拾い上げたそのイヤリングを横から執事が取り、ガールフレンドに渡しながらお小言を言ってるようです。
 ちょっとしたアクシデントにもアドリブで対応するのを見て、私の中のカーカム執事のお株が一気に上昇しました(笑)

 以前も第1幕で開会式(?)で群舞の人達がロープの下をくぐる時、男性ダンサーの1人が帽子をロープに引っ掛けて落としてしまった事がありました。慌てて帽子を拾って自分の立ち位置に戻りますが、「落としちゃったよ、恥ずかしい(笑)」といった感じで周りのダンサーと笑い合っています。
 その様子が余りに自然で、これはアクシデントではなくこういう演出だったのかと疑う程でした。

 DVDではSwank Barから肩を組みながら出てくる水兵とバーの常連客は帽子を交換していましたが、今回の公演では交換したり、しなかったりですね。この時は交換していましたけど、交換したのを見たのはまだ2回目です。交換率低し?この時の水兵さんはジョン・チュウだったのではないかと思うのですが。
 ついでに気になっているのは王子がBarから叩き出される時、壁のセットが下りきる直前に王子の足が隙間から見えるんです。トム・ワードの時だけ。ベン・ライトやアンドリュー・コルベットはきっちりセットが下りてから出てくるのか、セットの隙間からは見えません。
 Barの前でのアンドリュー王子のソロは良かったです。アンドリュー・コルベットは演技派というよりダンス派といった感じなのでしょうか。

 公園で遺書をお書きになる王子。アンドリュー王子も左手にペンを持って、ベンチの手すりで遺書を書いておられます。しかしペンはノック式ボールペンのような…。カチッて音がしてましたし。他の王子はキャップを取るような素振りがありましたよね?てっきり王子は万年筆をご使用だと思っていたのですが。

 そしてザ・スワンの登場。クーパー白鳥です。27日のソワレを予定変更で休んだおかげか、今日は調子が良さそうです。余りの素晴らしさに、王子の事をすっかり忘れてスワンに見入ってしまいます。そのため、初めて当たったアンドリュー王子なのに、いっぱい見逃してしまいました。3人の王子の中で一番しっかりと「踊っている」感じだったのですが。

 4羽の白鳥の踊りではギャヴ君がジョン・チュウ(だと思う)を背負って退場です。彼は背は高くないけれども筋肉がムチっとした付き方をしているので、かなり重そうに見えます(失礼)。今回のツアーで散々重いものを持たされたギャヴ君はかなり体を鍛えられたのではないでしょうか(笑)

 第3幕、ストレンジャーの登場。動きのみならず、表情の一つ一つが魅力に溢れています。おかげでアンサンブルの皆さんをあまり見ていません。きっと色んな事をやっているんでしょうが。
 イタリアの踊りの時には、確かモナコの王女(記憶が曖昧になってきました)がストレンジャーに投げキスをしたのですが、ストレンジャーに届く前にそのキスを隣に座っていた執事が取り上げる素振りをしていました。女王を落とす事に専念しろ、ということでしょうか。芸が細かいですね(笑)
 そして錯乱する王子。皆様の仰る通り、抑え目の演技ですね。面に出ないだけで内面では激情が渦を巻いているタイプなのでしょうか。

 第4幕、医療的処置を受けてベッドに横たわる王子を残して立ち去る女王。できればここで王子を心配する気配を感じたいのですが、女王はあっさり立ち去ってしまいました。
いつだったか、女王の退場が遅く、女王が舞台袖に入るのとほぼ同時にベッドの下から白鳥達が現れた日もあったので、この日のマーガリート女王には特に冷たい印象を受けてしまいました。(なので最後に死んだ王子を抱きしめて泣く姿にも「本当に王子を愛してくれてたの〜?」とか考えてしまいました。)

 ベッドから現れたクーパー白鳥にはDVDと違い、弱っている様子がひしひしと感じられました。ザ・スワンが登場した瞬間から、またしても私は王子無視状態に入ってしまいます。いつもなら王子が白鳥達に囲まれて攻撃を受けている所には特に注目しているのですが、この時ばかりはベッドの上に倒れているスワンに注目してしまってました。王子がベッドのすぐ前でリンチを受けているにもかかわらず、そちらの方はほとんど私の目に入らない状態で(汗)

 本当に今回のクーパーのザ・スワン/ストレンジャーが素敵で、「今日が見納めでもかまわない!」と思った程でした。カーテンコールでの客席の反応も早く、キャストが全員出てくるより前に総立ち状態になっていたのではないでしょうか。


◇弥生さん◇(鑑賞日・2003年3月25日・夜、27日・夜、28日・昼)

<3月25日(火)ソワレ>
 2週間ぶりのSWAN。しかしこの日は、27列目という後ろの席で、しかも現金を3,000円しか持っていなくて、オペラグラスも借りれず、今日は全体を見る日にしよう、と心に決めましたが、やっぱり遠いと表情が見えず、私のテンションは低め。マッタリ見てました。感想も少ないです。せっかくギャヴくんが幼年王子だというのに、彼の、「やってらんねーよ」な反抗期少年ぶりの表情もよく見えず、がっかり。

 最初の宮殿のシーンを見たら、ダンサーの動きが、以前と違う!なんか、「関西のノリが入ってる」(笑)。
 大阪公演の後、と私自身色眼鏡で見てるせいかなあ・・・。とっても肩の力が抜けて、ラフで、弾けてて、楽しそうに踊ってます。最初の頃の緊張が解けてきたんだろうな、とも思いましたが、関西色に染まって戻ってきたのかも、なんて思って楽しかったです。

 アダムは、時々よろめいたりしてて、ちょっとハラハラ。ハードスケジュールで疲れがたまってるんだろうなあ、と思いました。

<3月27日(木)ソワレ>
 キャスト表を見てうれしい悲鳴。なんと、小白鳥が、ギャヴくん、「恐るべきちびっこ」キムくん、「笑顔が素敵」デイヴィッド・リースくん、そして、Willieさんレポートの「毛玉だらけのセーターを着ててかわいい!」ギャヴィン・カワードくんの4人!
 今私が一番見たい小白鳥ヴァージョン。サッカーのベストイレブンみたいに、「私が選ぶベスト小白鳥」があったら、この4人を選びますね。まさに、Willieさんの、「お得なセット」「まとめてOK!」状態。これぞ究極の「まとめてOK!」小白鳥だわ〜、と開演前から興奮気味。(むりゃさんのおっしゃるとおり、一行目はヒナ白鳥です。ビッグスワンが最後かは、私自身気にしたことがないのでわかりませんが・・・)

 久しぶりのギャヴくんの幼年王子。(本当は8日のソワレで見られたはずなのに、レポートに書きましたとおり、急遽サイモンくんが演じたので・・・。)相変わらず、「やってらんね〜よ」な反抗期ぶり。可笑しい!彼って、アクターですよね。演技力がいい。サイモンくんと比べると、Noblemanの時もそうですが、演技力で差が・・・。
 ギャヴくんは、お顔はきりっとしてて凛々しくって、鼻も高くて、それほどベビーフェイスじゃないですよね。素顔の時は。それなのに、なぜか、白鳥メイクになったとたん、急に幼くなって・・・。あのメイクが、彼の秘められた赤ちゃんっぽさを強調してるから、不思議です。
 小白鳥の彼は、ただただ、かわいい!の一言。一番かわいいのは、小さいお口を、一生懸命小さいお顔じゅうに大きく開けて、威嚇する表情をする時。一生懸命恐い顔をしようとしてるのが、逆に彼のかわいさを強調してて、可愛過ぎる・・・。白鳥の動きで、後ろに浮かせて伸ばした足を「ぴくっ」と揺らす動きがありますが、ギャヴくん、ちっちゃな「あんよ」をぴくっとさせてます。

 なつむさんが、「生意気できかん気そうな表情は昔のウィルくんとフィル・ヒルを足して2で割った感じ」とおっしゃってましたが、同感です!フィルみたいにふくよかではないけど、小さいせいか、彼を見てて、「今回のツアーチームにおけるフィル・ヒルの役目」をしてる子だな、と思いました。
 「毛玉だらけセーター」のギャヴィンくんも、かわいいですよね。細長い頭の形に加えて、その、頭のてっぺん後方の髪を立ててて、尖っていて、まさにひよこです。最初の頃、時々ギャヴくんと間違いそうになったりしました。ちっちゃくてかわい〜。

 さて、私の一番のお気に入りのシーン、「集団いじめ」のシーンですが、最近では、「本日の集団いじめ」と称して、公演を見る日のメインイベントとなっております。このシーンが終わると、「あ〜あ、今日も終わっちゃった・・・」とちょっと寂しくなってしまう・・・。
「下手側から見る方が迫力があるように感じて好き」とおっしゃてたむりゃさん、最前列真ん中辺りでご覧になったのですか?そうだとしたらうらやましい!このシーンだけは、最前列中央で見てみたいものだ、とずっと思ってました。ほんと、攻撃される王子に近い感覚ですよね。
 そう、このシーンを見ると「王子になりたい」と思ってしまうんです・・・白鳥たちにあんなに寄ってたかって攻撃されてるなんて、なんてうらやましい!と思ってしまいます。

 SWANKBARのシーンで好きな振付(短いけど)があります。ファンダンサーのショーの後、ホステス2人(似たようなピンクの衣装)が、舞台右手前に出てきて踊るダンス。音楽が、再び最初のメロディーになる直前、静かなメローディーがだんだん盛り上がってくるところです。
 この2人のダンスを見たら、PlayWithoutWordsの、新築祝いパーティーのおかしな客たちの中の、キメキメカップルの彼女の方、ミケラ・メアッツァさんを思い出してしまいました。振付がちょっと似てて。とってもマシューっぽい振りです。それに加えて、この、ホステス役の一人のお顔が、ミケラさんに似てるので、なおさらでした。
 この2人の踊り、ビデオでは、違うところをクローズアップしてたせいで映されてなかったのです。ビデオで見られないのは残念。

 ジーザスの黒鳥。もう何度も見ましたが、先日のWillieさんのレポートでの「ラテンの軟派な男」という表現に受けて(ちいままさんも「軟派なワル」「ラテン系の兄ちゃん」「クネクネ」と表現されてましたが、皆さんそう思われてるのですね)、改めてそういう視点から見てみました。そしたら、私にとっては、以前より何だか魅力的に思えてきたから不思議です。私はもともと、「ラテンの軟派な男」なんて好きではない、のですが、ジーザス演じる黒鳥ヴァーションでの「ラテンの軟派な男」ぶりは好きかも。
 アダムとジーザス、実際に自分が誘惑されてみたいのはどっちか?と考えてみたら、確かにアダムの方がワルでセクシーでいい男過ぎるけど、あまりにも凄くて、警戒心・恐怖心を起こしてしまいそう。ジーザスの方が、警戒することなく誘惑されるがままについていっちゃいそう、とか思ってしまいました。本当はいい人そうだし楽しそうだし。

 楽しそうといえば、ジーザスさんって人生楽しそうですよね。悩みがなさそう、いい意味で。初日の時なんか、幕間になんと、観客用のトイレからできたんですよ。ニコニコと楽しそ〜うに。(Willieさん曰く)悟りの境地に達していた首藤さんとは対照的。ジーザスさんのこの、「陽」の要素、少しでも首藤さんに分けてあげたい!なんて思ってしまいます。あまりにも対極にいる2人ですよねえ・・・

<3月28日(金)マチネ>
 デイヴィッド・リースくんも、ギャヴィンくんも、キムくんも、白鳥にはキャスティングされてなかったので、白鳥のシーンはもう、ギャヴくんだけに注目して見ました。いくら、「まとめてOK!」といっても、4人を同時に見るのは大変ですから、わき見することなく安心してギャヴくんだけに集中できてよかったです。
 ギャヴくん今日は、白鳥の時、後頭部の髪の毛が立ってませんでした。ってことは、立ってた日は、寝癖でしょうか?こないだなんか、2箇所も立っててかわいかったなあ・・・。そして、3幕でスペイン踊りのダンサーとして出てきた時、前髪をビシッと立ててたんです(白鳥のときは立ってなかった)。幕間の20分の間に、一生懸命ハードスプレーか何かで前髪を立ててる姿を想像して可笑しかったです。

 デイヴィットくんは、一幕と三幕(スペインのエスコート)で登場!Willieさん、「デイヴィッド・ボウイに似てる」とおっしゃてましたが、私は、デイヴィット・ボウイの若い頃の顔はよくわかりませんが、真っ赤な口紅が似合いそうなところが似てるな、と思いました。
 それにしても、相変わらず彼は、素敵な笑顔がかわいいです。見てるとこちらまでニッコリしてしまいます。

 スペイン踊りのシーンは何度見てもいいですよね!ギャヴくん、ギャヴィンくん、デイヴィッド・リースくん、の小白鳥たちが踊ってくれて、微笑ましくてかわいい!

 香月さんがレポートで、「ギャヴくんとジョンが一緒にステージドアから出てきたので仲がいいのかしら、と妄想してしまった」とおっしゃてましたが、今日は、士官候補生の踊りで、2人ずつ向かいあって踊るところ、この2人が向かいあってたのですが、二人でうれしそうに微笑みあってました・・・「もしかして?でも、ジョンとだなんて・・・」と私も妄想。別に深い意味はない微笑みですよね、多分・・・

 ここまで皆さんのレポートを拝見して思ったことがあります。まず、ギャヴくん人気の凄さ。私を含めてみなさん、彼にやられちゃってますよねえ・・・ほんと、ギャヴくんったら、ここまで日本のお姉さんたちを夢中にさせるなんて、なんてイケナイ子!

 そしてもう一つ、それに通じることかもしれないのですが、びっくりしたことがあります。「これほど多くの日本の女性達が、ちっちゃくてかわいい子が好きである」という事実。今回の公演でもみなさん、お気に入りのダンサーがちびっ子たちに集中してますよね。私はもともと、小さくて可愛い子が好きなのですが(変な誤解されちゃいそうですが、子供は好きではなくて、子供っぽい(年齢では大人の)若者が好き)、自分は少数派だと思ってました。しかし皆さんのレポートを拝見して、皆さん小さいダンサー達を気に入ってることを知り、驚いてしまったのです。

 さて、これまで10公演見て、首藤さんに一度も出会えてません!実は、26日(水)のソワレ、首藤さんだったのですが、私、この日のチケットも取ってたのですが、出張が入って確実に見られないことが予めわかったので、友人に譲ったんです。(その子はなんと、3回目でトリプルキャスト全員制覇、という稀に見るラッキーな子です)
 本当に私は、「首藤さん運」のない女。昨日(28日)のソワレも、最初は私、ソワレを取りたかったのですが、いい席がなくてマチネにして、「やっぱり夜も」と思ったときには完売で・・・。そしたらその公演も首藤さんだったらしいし。この調子でいったら、来週も出会えないまま終わりそうです。(ちなみに、4日夜・5日昼夜・6日昼、の4回観ます。)


◇アロフィさん◇(鑑賞日・2003年3月11日・昼)

 AMPの白鳥の湖を今回日本公演で初めて見てからすっかりファンになってしまい、ネットなどで情報を集めようと思っていた時こちらにたどり着きました。私はこれまで観劇さえほとんどしたことのない人間でした。映画などはそこそこ見ていましたが、生の舞台、それが生み出す緊張感などといったものにまったく無縁で、さらにバレエとあっては生まれて初めて見るという有様でした。私が今回このAMPのチケットを手に入れたのは本当に偶然が重なって転がり込んできたようなものだったので、公演に対する深い関心も下調べもまったくなく、ただ男の人が踊っている白鳥の湖のバレエらしいということしか知らない、まっさらな状態で見ることになりました。

 私が初めて白鳥の湖の湖をみたのは三月十一日の昼の部、スワンは首藤さんで(聞くところによると首藤さんはどうやら出現率が低いご様子なので私はラッキーだったかもしれません)、王子はベン・ライトさんでした。
 まったくど素人が見た公演なので、何がよくて何が違うのかさえ知らず、ただ見るので精一杯だったのですが、その中でも私が見た首藤さんは、プログラムに書かれていた「王子が憧れた力強い」スワンとはあきらかに様子が違って見えました。
 私が見たスワンは、王子と同じように集団の中で異質であり警戒心が強く、また(東洋人の体型も影響していたのか)他のスワンより儚く悲しげに見え(むしろ私はスワンを女性的な生き物であるとさえ思っていました)、孤独で、しかし非常に誇り高い、まさに「孤高」のスワンでした。王子も、同じ孤独、心の闇を持ち、しかしながら自分自身の自由、自分自身の存在を守りぬこうとしている(そのためかすごくはりつめた、思いつめたような感じもありました)スワンのその誇り高い強さに憧れたように感じられました。そして、同じ孤独を持つ王子に出会うことによって、スワンもまた安らいでいるのだと思いました。
 二幕でスワンが王子を抱きかかえるシーンは、それまですごく警戒心が強く孤高であったスワンが、王子に触れられることによって、王子だけでなくスワンも孤独を癒し悲しみから解放された、そのように感じられたのです。

 ベン・ライト王子は思春期真っ只中の孤独な青年、というように見受けられ、確かにロイヤリティなるものはあまり感じませんでした(爆)。王子であることを完全に否定したがっているような。
 女王が彼を拒絶する一幕の寝室のシーンも、女王が母としての役割に戸惑っているというより、母親から徹底的に拒絶されたような気分になってしまいました。そのためか、首藤スワンの儚い雰囲気も手伝ったのか、スワンと踊る第二幕はスワンに父性より母性を感じてしまったのです。今思うとびっくりな話ですが、確かにあの時私は「ああ、お母さんスワン」と思っていました。

 三幕は、首藤さんの東洋人の華奢な体格に素人ながらはらはらしていました。なんか女の人より弱そう・・・。はたかれたら吹っ飛んでしまいそう(失礼)・・・。
 そんなことばかり考えていました。そうしたら、王子のガールフレンドが急に王子をかばって死んだので驚きました。(後に知ったことですが)一幕の、彼女が執事から受け取ったお金を他人にあげてしまうというシーンがカットされていたようで、私は「彼女よ、君はそんなに王子を思っていたのか」とここで初めて気づきました。

 しかし四幕で三幕の感慨はすべて吹っ飛んでしまいました(彼女さんごめんなさい)。私は初めての白鳥の湖で、その振り付けの見事さにもただただ驚いていたのですが、とくに四幕のスワンが攻撃された王子に頬をすりよせ、死んだと思って白鳥の歌を歌うあのシーンには肌があわ立ちました。
 首藤さんの、緊張感のはりつめた孤高の悲しげなスワンが全身で嘆くシーンは、すごく悲壮で美しくて、本当に白鳥がいる、と思いました。王子に必死に頬を摺り寄せるシーンも、そのあと王子を翼で包み込むシーンも、なんだか首藤スワンはすごくスキンシップが似合うなと思いました。父性の絶対的な強さで守るというよりは、華奢で、だからこそ全身全霊でよりそって王子の心を守ろうというような。そして、お互いに密着することでお互いの抱えていた共通する悲しみを癒そうというような。なんだか二人ともすごく健気に思えてなきそうになりました。

 ですが一番驚いたのは最後の最後、王子が息絶えたベッドの上の窓でスワンが幼年の王子を抱いているシーンでした。私はそれまでスワンに女性的なイメージを抱いていたのですが、そこで王子を抱きかかえて立っているスワンはすごく男性的に見えたのです。
 死によって、スワンもまた孤独から開放され、本来のスワンとしてのステータスを取り戻したんだなどとこじつけてみたのですが、とにかくそれまでの儚さが最後のシーンでは私には感じられない。プログラムで、首藤さんやパスターが言っていた、スワンが「男女両方の性質を持つ」、「男女を超越した存在である」というのはこういうことなんだ!と最後の最後でものすごい衝撃を受けました。

 バレエ素人、AMP素人の私の白鳥の湖初見の感想はこんな感じでした。初演のアダム・クーパーや、本来のキャラクターに期待されていた役割というものを全く知らず、ダンサーの体調、事情を考慮する精神的ゆとりも全くなく、ただ与えられたものから理解をしようと必死になった結果生まれた私の白鳥の湖、そしてスワンの性格や王子との関係の解釈は、このあと購入したDVDを見て大きく覆され(笑)、私は大混乱に陥りました。
 は・・・白鳥が男らしい!ストレンジャー痺れる!王子もなんだか王子らしい!バレエというのはダンサーによってこんなにキャラクターが変わるのか!と。

 こんな私がえらそうに感想を述べるのはものすごく失礼だったかもしれません。素人の解釈なのでいろいろなところがめちゃくちゃだし。けれども今、私はDVDを見たり、このホームページで勉強させていただいたりして、AMPの白鳥の湖について以前とは違う解釈なり知識を持つようになってきました。それだけに、初見のまっさらな時の感想を今のうちに書いておきたい、誰かに聞いてもらいたいという気持ちになったのです。

 はじめてのひいき目でしょうか。私は首藤さんのスワンがとても好きです。男性的な力強さを持ちつつ、どこか儚げで女性的とも感じられたスワン。
 家に帰ってから、いつか見た新聞の批評をひっぱりだして、「王子の孤独と共鳴し慈愛を注ぐ首藤康之」、というくだりを読んだとき、心から納得したのを覚えています。あと二回ほど舞台を見る予定があるのですが、「孤独な王子を誘惑し恋人のように慰める」パスタースワンや、「大きな愛で包み込み精神の解放へ導く」クーパースワンもぜひ生で見てみたいです。


◇ちーままさん◇(鑑賞日・2003年3月28日・昼)

 今日で4回目なのに、執事・ガールフレンド・幼年王子が4回とも同じっていうのはなぜ?!お気に入りの小白鳥は、皆さんのレポートから『ギャヴくん』と判明(皆さんありがとう)でも、今日も小白鳥。いつになったら幼年王子の姿を私に見せてくれるのかしら…?

 アンドリューの王子は初めて観ましたが、気品があってまあ良かったです。でも、なんていうかアクター度合いが足りないかなあ。バレエダンサーって感じ(当 たり前?)。自分の部屋での女王にしがみつく踊りは、冷静に女王に詰め寄る感じ。スワンクバー前での苦悩の踊りは、酔っぱらいっぽいふらつきもなくいたってシンプル。
 公園で白鳥と出会っても冷静…本当に楽しいの?ホントに生きる希望わいた?何を踊っても、線がまっすぐでとてもきれい。彼がクラッシックを踊ってるところを 観てみたくなっちゃった。
 ところが、前頭葉の手術(?)をされたらビックリ!とても悲しい未来のない王子様の出来上がり…まさか!あの衣装のよれよれパジャマのせい…?じゃないとは思うんだけど…

 今回の公演では3人の王子様を観たけど、Myナンバー1はトム・ワードくんですね〜。なんてったって、スワンクバー前での苦悩の踊りが最高だったから。体型はアンドリュー・コルベットくんがBestだけれど…もちろん、スコット様は別格です。

 そう言えば今日の公演では、公園で王子の入水を止めようとアダムが飛び出てくるシーンで拍手がわき起こりました。(過去3回観た時にはありませんでした)カーテンコールでもみんな立って、口笛ビュービューで大盛り上がりでした。


◇なおこさん◇(鑑賞日・2003年3月25日夜、27日夜、28日夜)

<25日(火)ソワレ>
 2回目のアダム&ベン。アダムはちょっとお疲れかしら? ぐらついたり、回転が足りなかったり。。と思いながらもあいかわらずの美しさ。
 顔と体型はもちろんですが、アダムの取るポーズは足先まできれい。ジーザスのような柔軟性はないけど、きれいに見えるのはこの点だと思います。そして、ベン王子の感情表現が1週目より豊かになった気がした。

<27日(木)ソワレ>
 2回目のジーザス白鳥&初のトム・ワード王子。トム王子、なかなかGoodです。ダンスについては今回のツアーで見たアンドリュー・コルベット、ベン・ライトの3人の中で一番好きかも。
 でも、なつむさんや他の方が指摘されていたように、トムやベンは身長があまりなく、幼い王子を実際に幼くはない背の低いダンサーを使っているだけに、子供から大人への切り替えがわかりにくい。知ってるからわかるけど。知らない人は気がつかないのでは??王子像は大人なんだけどそうなりきれないスコットが永遠に一番です。

 さて、意見の分かれるところではありますが、私はジーザス白鳥もストレンジャーもかなり好きです。本当にしなやかな踊りだし、ストレンジャーとしての不敵な微笑みはアダムにはないテイスト。でも、一つハプニング。3幕の最後の女王のテーブル越えで、二つ目が飛べず、テーブルの前で女王が1回転して、あれ?と。。タイミングでそんなこともあるんですね。

<28日(金)ソワレ>
初首藤さん白鳥!。。しかし、なつむさんが大阪公演でコメントされていたのに、賛同する部分多し。。かな。リヨン公演を観たわけではありませんが、アダムの舞台を見て、かなり影響を受けてしまったのでしょうか?と思わざるを得ない部分がたくさんありました。
 ジーザスの白鳥には違うけど、あんなに違和感は覚えなかったし、ジーザスにしかない白鳥の良さって言うのを堪能できたのに、首藤さんの白鳥には今ひとつ入り込めない。彼にしかできない白鳥像がない。気がしてしまいました。もちろん、違う部分はあるのですが、それはとても奇異に感じられ。。
 たとえば、やはり手(翼)の動き。時々とても早く動かしていて、王子を誘っているというよりは、拒絶もしくは攻撃している感じ。さらに、彼のヴァリエーション(ソロ?)の部分では、決して大きくはない舞台が広く感じられてしまいました。舞台いっぱいを使った躍動感あふれるシーンのはずなのに。。エマ・スピアーズの女王も今ひとつ好きになれないし。トム・ワードの王子は2幕の最後の白鳥との踊りで、舞台の左手後ろから白鳥と2人で駆け上がってきて、ジャンプ!してえびのようになるはずなのに。。手を回してただけだった。。白鳥とのちぐはぐ感が象徴された1シーンだった。。。残念。

 会場には首藤さんファンが多かったようで、拍手はすごかったけど。。う〜ん。ファンの方失礼なことばかり書いてしまってごめんなさい。来週は3,5、6日のソワレに行く予定。さぁ、いよいよ見納めウィークです!


◇草加さん◇(鑑賞日・2003年3月23日)

 20日のジーザス・スワンを充分堪能しましたが、23日、それは私の勝負日。
 会場に着くなり、もちろんわき目もふらずにキャスティングボードへ。あたったぁ〜!!!アダム!いや、予想はしていても、やっぱりね、このThe Swan/TheStranger・・・Adam Cooperを目にするまでは気が抜けませんでした。
 もう飛び上がるほど喜びましたわ!でも・・・やっぱり、本人を舞台上で確認 するまではドキドキです。朝食にあたったとか、何かに蹴躓いたとか、楽屋に入ってから具合が悪くなったとか・・・心配で心配で。

 私の席は、R(真ん中から右手)Jの6。丁度、右側通路の角席。これなら、どんな座高の高い人が前に座っても、ステージのセンターはみえるわ!と周りを見回していましたら、私のチケット入手経路から言って、ここは業者関係者席ですので、 アダム、AMPやバレエさえも観たことがない、でも流行っているから見に行きましょうか、というおじさんおばさん。
 パンフでアダムを指しながら「この人って有名なの?」というような会話が飛 び交っていました。年齢層も高いので、私でさえその中では若く見えてしまいます。  「落ち着け、落ち着け」と幕があがるまで、人の字を手のひらに書いて飲んでいた私、精神集中が極度に達したときに幕があがり、王子のベッド。そして、白鳥の陰・・・・出たー!!!アダムだ!よかった朝食にあたってなくて。のっけか ら、感動してしまいました。その圧倒的な存在感!この日の幼年王子はサイモン。あ、なかなかハンサム君です。ギャヴ君に比べたら理髪そうな王子です。
 ギャヴ君の時にあった、「ボタンの掛け違い」演出もなし。ちゃんと服を着ている。そして、女王様登場。ヘザー・レジス・ダンカンの女王様は、何だか、ものすごく、色っぽいというか好色・・・まあ、ここまで好色でいいの?不敬罪にあたるんじゃないかしら?とハラハラするほどいやらしいのです。
 男だったら誰でもいい?そんな感じでロイヤル・ファミリーの威厳はちょっと薄いような気がしました。王子様はベン。
 パンフレットにも「僕の王子がゲイの雰囲気が人より濃いのは・・・それは僕がゲイだからさ」とさりげなく、いえ露骨にカミングアウトしていますから、私的には彼の王子様に期待は高まっていました。
 彼の王子様は、そつなく公式業務はこないしている、でも、欲求不満は一杯・・・という役作りのように見えました。ガールフレンドはトレーシー。お辞儀のスタイルが美しい。でもこのガールフレンド役としては、ちょっと線が細い。彼女 は始終女王様に無視され、哀しげに見えます。バカっぽいんだけど、でも哀しげ。渡る世間は鬼ばかりな感じ。

 Swank Barの王子様の苛められ方は結構あっさりしていました。トム君の時はもうちょっと王子様情けなかったけれど、ベン王子はなーんかあっさり。
 さあ、・・・でるぞ、でるぞ・・・!と公園のシーンへ。このシーンですが、私は20日の舞台を観るまで、過去の記憶の何かと重なっているのに気が付きませんでした。20日のナマ舞台を初めて観て「あー!ルードヴィッヒ!」と気が付きました。
 森鴎外の「舞姫」にも出てくる、(もちろんヴィスコンティを一番に思い出しましたが)ルードヴィッヒの入水事件。何で今まで気が付かなかったんだろ?

 ベンの遺書ですが、チューインガムで張り付ける演出なしで、ここもあっさりと。そして、アアアアアアダムーっ。もう、何といいましょう、顎が外れるほど圧倒的なんです。The Swan。世界で一番定冠詞が似合う男!彼以外にTheはありえない、とまで思えるそのオーラ。
 他の方には、申し訳ないけれど、もうアダムの一挙手一踏足に釘付けです。でも・・・ベン。彼にも申し訳ないけれど・・・このシーンは、スコットがいれば・・・と思ってしまいした。

 ベン王子ははとまどいながらもこの世界に出会い、「僕はこの世界で生きて 行くんだ!やっと自分の居場所をみつけた」と身体全体で表現しているのがものすごくよく伝わってきます。スコットの王子を観ていなければ、彼の役作りが最高と思えるかも知れません。それなのに、ここの場面だけはどうしてもスコットの王 子がいれば・・・と思ってしまいました。
 アダムのダンスは、ものすごくキレがよくて、なつむさんが書いておられたように、一まわりも二まわりも表現力の厚みが出ていました。この時間がとまって欲しい!そう思ったのは私だけではないでしょう。

 さて、ブレイクの後、舞踏会。私の見間違いかもしれませんが20日のエマ女王が黒のドレスを着ていたのにちょっとアレ?と思いました。23日のヘザー女王は、黒っぽいえんじ色でした。ダンスを観ながらもThe Strangerの登場が今か今かと気も そぞろです。

 そして、ファンファーレが鳴った!あーーーーっ!アダム・ストレンジャー登場!カッコイイ!脚が長い!カッコイイ!もうその一言につきるじゃないですか!他は見えないの。彼しか目に入らない。The Swanの時は白鳥だと思っていたのに、こうやって人間の形で出てくると顔がちっさい。私の席からでは、顔のパーツがはっきり見えないほど小さいのです。普通なら顔のパーツから黒子まで全部見えてしまう席に座っているのに・・・。その上、私はこの日オペラグラスを持っていくのを忘れていたのです。AMPファンとしてあるまじき行為と思われても、私は、アダムだけを追うことにしました。だから、ごめんなさい、他の人のダンス観てませ ん。

 アダムがテーブルに座って脚をぶらぶらさせているのをずーっと観ていました。ハッキリとパーツは見えないにしても、美しい横顔。もうそこで動かなくていいのよ、もうそこでじーっとしてて・・・と願っても、そうはいきません。女王様 は前にも言ったようにかなりの好色漢ですから、もうねっとりとThe Strangerを追っています。
 自分のことは棚何上げて「この、オバサン!」。王子様は、「青春」してました。「あ、やっと会えた。あの日の君に」という目に星がいっぱい。なのに、アダム・ストレンジャーはそれを引き寄せては突っぱねる、また引き寄せては突っぱね る・・・可哀想な王子様。もう一人可哀想なのは、この舞踏会でも無視され続けたガールフレンド。王子さまにも無視される。だって、王子様は、もう、前の王子様じゃないんだもん。アノ世界を知ってしまったから。嫉妬に狂った王子様乱入。
 ここはいつみても「まさかまさかの展開」です。私だけかも知れませんが、今回のガールフレンドの動きは全体を通じて「うるさく」感じました。不敵に笑うアダム・ストレンジャー、何をしても美しいわ。

 いよいよ、再びいわゆるロボトミーシーン。ここは20日の感想にも書いたので、省略します。ベンの方が、トムほど恐怖におののいていない、もうなるようにしかならない、という諦めの感があるような。

 さて、ラストのクライマックス、白鳥の集団リンチ。やはりベッドから現れるアダム・スワンは大きい!学生時代、紳士服売場でアルバイトしていた私です、一度、背中から手の長さをメジャーで測ってみたい。
 20日にも「ナマswan」の恐ろしさを体感しましたが、2度目でもかなり怖い。このあたりになってくると、舞台の感動と同時にもう少しで終わってしまう、終わらないで・・・という複雑な気持ちになります。でも、私の勝負日も終わってしまいました。

カーテンコールは、20日は、そこそこスタンディングオベーションでしたが、この日は、ほぼ全員スタンディング。ぞうきんを絞ったような野太い「アダム〜!!!」という声が飛び交っていました。男性ファンも多いのでしょう。

 初めてSwanを目にしてから2年(他の方に比べればファン歴が浅い!)待ちに待った公演だっただけに、私が経験した中では、最高のステージでした。この際、あ りがとう、キャサリンと言っておきたい。彼女がいなければ、今回のSwanツアーはなかったかもしれませんね。

 アダムは来ませんが、ソウル公演のチケットを買っているので、楽しみです。もう一度、Swanが観られる。幸せです。


◇草加さん◇(鑑賞日・2003年3月20日)

 幼年の王子のギャヴ君は、最初からなんか出来の悪い王子というか、ちょっとダメな子って感じの演出。着替えのシーンも最後までボタンを掛け違えているに気が付かない。周りも気が付かないということは、あまり誰も彼のことを気にしていないという設定なのでしょうか。
 女王様のエマはやはり中年のいやらしい香りがそれとなく出ていました。さて、王子様のトム・ワード君。う〜ん、なんかうだつがあがらないというか、やっぱりダメな子が大きくなって、相変わらずダメ男君で、王子様としての役割もちゃんと出来ないから、周りからバカにされている感じです。

 ガールフレンドのエマは、ほんと脳味噌薄〜い。オペラ座のシーンで、彼女が「わっははははー」と笑ったとき、私はつられ笑いをしてしまい、しばらく笑いが止まらなくなりました。私は、何も面白くないのに、よく“つられ笑い”しちゃうの です。あー腹筋痛かった。
 スティーヴの執事は、ワルというよりも、なんか番頭さんというか、時代劇の悪巧みをする手代ってな感じ。小心なくせに悪巧みをする。DVD版の貫禄ある執事を観ているので、余計に小物に見えてしまうのかも知れません。
 ガールフレンドはバカだけれど案外いい人。馬鹿同士相哀れむのか、王子様に同情しはじめるのがswank barの場面でよく分かりました。これは恋でも愛でもなく、まさしく同情だと思います。

 さて、いよいよ公園。スワンとしてジーザス君が出てきたとき、やっぱりサイズ的にアダムと比べているせいか、ひとまわりちっちゃいという印象を受けました。
 ダンスは非常にしなやかで、若々しい色気に溢れていました。白鳥さん達のこと は、皆さんのレポートで読んでいたので、「わーい、出てきた出てきたちっちゃい白鳥さん」と心の中で拍手をしました。
 そして、舞踏会のシーン、ストレンジャー登場。これは弥生さんが書いておられましたが、ジーザス君のニコっと笑う顔には、誰もがとろけてしまいます。AMPの舞台を初めて観た友人も彼のニコっに、あえなくノックアウト。

 しかし、あのなつむさんいわく、ロボトミー事件のシーンには驚きましたね。あの大道具、なんでしょう?東京の方たちもあれだったんでしょうか?
 白い壁にくりぬいたドアと窓。左右に見切れあり。ドアがまたベコンベコンした感じで、まる で子どもが冷蔵庫とか洗濯機の入っていたダンボールで家を作ったときみたいなちゃっちさ。専門用語で「汚い道具」というのはああいうものを言うのです。

 白鳥が攻撃的になる最後の幕。これは圧巻でした。それはそれは、迫力があって、ちっちゃい白鳥さんもしっかり怖い!
 でも王子様が最初から最後までダメな子なので、なんかものすごく情けなすぎて、ちょっとここまで情けないと救いようがないみたいに思っちゃいました。


◇ちーままさん◇(鑑賞日・2003年3月14日・夜)

 一応、東京公演最終日、観てきました。スワン・・ジーザスをはじめ、主要キャストは9日(日)の公演と全く同じ。他の白鳥や何やらは代わってましたけど、お気に入りの小さいスワンは出てなかった...ガッカリ。せっかく、8列目通路側という(オーチャードにしては)表情の見えやすい好位置なのに…

 前の席には30代前半と思われる女性の5人組。キャスト表を見ながらの会話が聞こえて…「また、ジーザスだよ〜!」「昼夜踊ったりさあ、若いからできるのよねえ」「でも、何回来てもジーザスばっかりなんだもん」
 そうなんです!首藤さん踊ってないんでしょうか?????どうかしたんでしょうか、気になってます。

 今日はちょっとハプニングがありました。1幕目が終わり、一旦幕が降り2幕目の劇中劇が始まる直前のセットチェンジ中にバキバキッ!と大きな音がして、なにやら舞台裏がざわつく感じ。
 何事かと思っていると、幕がおり、照明もつけられ、放送が…結局は『テクニカルエラー』とかなんとかがあったそうで、6・7分の中断で再開はされたんですが、女王様御一行が幕の前を歩いてロイヤルボックスに行くシーンがカットされちゃいました。
舞台は水物、ある程度のハプニングは仕方ないんでしょうか。ハプニングのある日に当たって、話の種が出来て得したような、シーンが少しカットされて損したような…カットされたのが白鳥のシーンじゃなかったから良かったと思うことにしましょうか。

 そんなこんなで、頭の中が白鳥だらけの毎日なので寝てても夢に見るという訳で、昨日はスコットとアダムが出てきました。で、スコットが私に言うの(もちろん日本語で)
「僕はもうおじさんだから王子様は踊らないんだけど、君がそう言うなら君のためにアダムともう一度だけ踊るよ」
って! くう〜嬉しい!というところで残念ながら目が覚めましたが…ダンナに話したら大爆笑でした。正夢になる可能性は…無いでしょう。

 ああ訳わかんない話ですみませんねえ。9日の王子様のトムは、悲壮・孤独・眉間に皺系の踊りは良かったです。本当に心が苦しそうで。
でも、(前回も書きましたが)私が一番好きな公園での嬉し・楽し・自由・解放の踊りなどが…ジーザス白鳥共々物足りなくて、だからそんな夢を見るのでしょう。

 カーテンコールでは総立ちでした。後ろの席から前に走ってくる人も多かったし、スゴイ盛り上がり。4・5回カーテンコールした後、舞台上の人たちみんなも拍手をしたのでもう終わりかと思ったら、またカーテンが上がり、みんなビックリ。 ジーザスは驚き、女王は戸惑い、白鳥は苦笑。舞台上のキャストがもう拍手とバイバイをしてるのに、カーテンはそれから3回も上がる大サービス。ジーザスも投げキッスをしてくれ、それでお終い。みんないい人なのね〜。元気で大阪にいってらっしゃい!そしてまた元気で東京に戻ってきてね!


◇むりゃさん◇(鑑賞日・2003年3月20日、21日昼・夜、22日昼・夜、23日)

 恥ずかしながら東京まで2回観に行った上に、大阪6公演制覇してしまいまし た(汗)。これだけ観ておきながら、まだダンサーの顔と名前が一致しないという 情けないヤツでございます。

「The Car Man」では関西レポートが無かったので、ここは大阪制覇してしまっ た私がやるべきなのかッ、ということでチャレンジしてみます。しかし昔から感 想文の類は大の苦手で…かなりトホホな内容ですが、ご容赦ください。

 大阪ではパスター、首藤、クーパー各スワンは2回ずつ続けて踊っております。毎日マチネだけ、もしくはソワレだけを観ていたら、きっちり3人のスワンに当たった事になりますね。

<3月20日(大阪初日)>
 私にとっては3度目のパスター@スワン&ワード@王子でした。東京で初めてパスターのスワンを見た時は大変失礼ながらも、あまり私好みの顔立ちではないなと思っていたのですが、3度目ともなるともうパスターの魅力にどっぷりです(笑)

 ちいままさんの仰るパスターの「エビ反り」ジャンプは本当にすごいですね。足も高く上がっているし、彼のスワンは見ていてとても心地いいです。ストレンジャーでの笑顔にもかなりクラクラきてしまいます。

 第4幕で王子の寝室に現れるスワン。クーパー@DVDでは何故弱っているかわかりにくい上、弱っていても力強い印象があったのですが(体格のせい?)、パスターのスワンは本当に弱っている感じで、この後の展開にも納得がいきます。倒れた王子を揺り起こそうとする所では見ていて涙ぐんでしまいます。
 この日は初めての会場であったせいでしょうか。執事がロイヤルボックスに上がる時に階段が動いてしまったり、最後のシーンで窓に照明が入った時にまだスワンが幼年の王子を抱き上げている最中だったりで、ひやひやする事もありました。  カーテンコールでは観客全員でのスタンディング・オベーションとまではいきませんが、最後には6〜7割方立っていたのではないでしょうか?結構盛り上がっていたと思います。私の周りの人達が立ち上がって拍手をし始めたのを見てニッコリする(ように見えた)パスターに再びクラクラきちゃいまいした。

<3月21日マチネ>
 4連続目のパスター&ワード。いつまでこの組み合わせに当たり続けるのだろ うかと思いました(苦笑)
久々にDVDの「キャスト&キャラクター」を読んでみると「病弱な王子」との記述がありましたが、とても「病弱」には見えないトム王子でございます。何だか健康そうですよね。
 バーの前でのソロは私もトム王子が良いと思いました。スティーヴ・カーカムの執事はレズ・ブラザーストンの描いたデザイン画によく似ていますね。お小言の多そうなところまで(笑)

<3月21日ソワレ>
 ソワレは待望の首藤スワン&ベン・ライト王子でした。どちらも私にとって観 るのは初めてのダンサーです。踊る者によってこれほど作品の解釈が変わるのか、とすごく驚きました。想像以上の違いでした。パスターのスワンもクーパー@DVDと違う動きなのですが、首藤さんはその比ではありませんでした。他の白鳥達とも違う動き方のように見えます…
 あくまでも私、の解釈なのですが…(一緒に観に行った友には否定されました)。首藤版スワンは体型のせいか他のスワンより力が劣って見え、警戒心がかなり強いスワンに見えました。
 その警戒心の余り仲間の白鳥達とも距離を取って孤立しているように。王子に対しても時々鋭い動きで威嚇しているかのようでした。今回は直前に見たパスターとの違いをつい較べてしまったり、「ここはこういう解釈なのかな」と考えながら見たので、純粋には首藤さんの踊りを楽しみきれませんでした。
 第3幕ではかなりハラハラ。た、体格差が…(足の調子も良くないようで、更にハラハラ…)
 ベン・ライトの王子にはすんなり感情移入して、かなり感動いたしました。それなりのお年のはずなのですが、少年のようにも見えます。とても繊細でやさしそうな感じ。「かわいそう度」がワードより70%増しといったところでしょうか。しかし想像していたよりも体格の良い方でした。もっと華奢なのかと思っておりましたよ(苦笑)
 第4幕からは一気にスワン&王子にのめり込んでしまいます。ベッドからスワンが現れてポーズを取れば「弱っているのに来てくれたのねっ」と涙腺がじんわり弛み、スワンが白鳥達に襲い掛かられるシーンでは「そっとしておいてやって〜〜」と心の中で念じまくりです。そしてスワンが消えてしまった時のベン王子の悲嘆のしようといったら…。私的には第4幕は首藤スワン&ライト王子版が一番激しく胸を打ち、好きです。というか一番泣けます。
 この日の首藤さんのスワンを観て、演じる者によって物語に幅ができるのだと 本当に強く感じました。
 さて、つっこみ。最後の最後。窓に映るスワンと幼年期の王子。幕が下りきる 前にスワンは王子を下ろしてしまったのです〜〜。重かったですか…

<3月22日マチネ>
  昨日に引き続き、首藤さんとベン・ライトの組み合わせです。2回続けて踊る という事は足の方もだいぶ良くなっているのでしょうか? この日はチビ白鳥率が高いように思いました。背の高い白鳥が多いとスワンが 埋もれてしまうから?たまたまだったのかもしれませんが。 第3幕での首藤ストレンジャーはイタリアの王女の投げキスにも答えず、不敵な笑みを浮かべるのみ。投げキスに答えるシーンは私の大のお気に入りの所なのですが、首藤ストレンジャーには似合わないので仕方ない。

<3月22日ソワレ>
 予想外のクーパー出演に動揺を抑えられませんでした。マチネが首藤さんで、クーパーは明日出演予定。となると、ソワレはパスターに違いないと私は考えていたからです。再追加公演のチケットは取ってあるけど、パスターが出る日とは限らないので、「21日のマチネがパスターの見納めだった!?」とグルグル考えちゃいました。2709名の観客の中でこんな思いを抱えていた仲間が他にもいたのかしら… 念願の初☆クーパーでしたが、雑念がなかなか離れず…もったいない。

<3月23日(大阪最終日)>
 予定通り、希望通りクーパー&ライトでした♪前日と違って、心の準備は万端 。観る前からすごく気分が高まっています。クーパーのストレンジャーはやはり 素晴らしい!
 この日はなつむさんもご覧になってるので、レポートはお任せしたいと思います(笑)

 他に見てて気づいたことを細々と。ベン王子は太ももの上で遺書をお書きになり(書きにくくないんスか?)、トム王子は左利きでベンチの手すりで遺書をお書きになる。(左利きに気づいたのは私の友人)
 ロイヤルボックス内でのガールフレンドの振る舞いや、劇中劇の貴族の退場の様子もキャストによって少し違うんですね。森の精を叩こうとするガールフレンドが子供っぽくって好きです。

 ダンサー席に座っている人たちを見る度に思うんですけど、皆さん薄着なのですね〜。特に女性の方々。私のように贅肉ではなく、筋肉がついているから基礎代謝量(でしたっけ?)が多くて寒くないのかしら。

 会場でもらえるキャスト表ですが、白鳥達の1行目はヒナ白鳥の4名になってい るのでしょうか。となると最後の4名がビッグ・スワンだったりして?(たいした根拠は無いので間違っている恐れ大)
 どなたか、キャスト表はこういう順番で載っているとわかる方、是非お教えください〜〜。第2幕・3幕になると某オンラインゲームのように頭の上に名前が出てたらいいのにと激しく願ってしまう私です。

 弥生さんが以前書いておられた「集団苛め」、私は下手側から見る方が迫力があるように感じて好きです。王子の体の向きがポイントなのでしょうか。ナマで白鳥達のジャンプを見た後ではあのキックはかなりの打撃だと思えます。王子が倒れるのも当然ですね。

大阪公演を見終わってからまとめて書き始めたので、記憶が曖昧な点もござい ます。申し訳ありません。メモをつけていなかったことを激しく後悔。


◇Willieさん◇(鑑賞日・2003年3月14日・夜)

 ずっとアダム白鳥しか観たことがないので他の白鳥が想像できなくて今日が誰 なのか楽しみにしていたのです。首藤白鳥70:ジーザス白鳥30くらいで期待していたら、ジーザスでした。

 席は初日とほぼ同じ最前列左の方です。この席は白鳥が自分の為に踊ってくれているような錯覚にひたることが出来ます。ジーザス白鳥ということでちょっと甘い先生の授業みたいなかんじでよそ見とか出来そう!(アダムは怖いので)そして初日から追い続けている小白鳥のこと。弥生さん、いぶさんのおっしゃるとおりkimのことだったのです。あんなあやふやな説明でわかって下さって感動しました。  いかがでしたか?なつむさんも大阪公演でわかってくれましたか?
毎回彼が踊る日にあたったので観察してしまいましたが、演技の派手さ(下品さ)は日々拍車がかかっています!テーブル飛びのシーンの最後ではちゃっかりステージ中央のバルコニーからすごいかわいいジャンプで決めてたり細かいところで目立ってました。
 いぶさんが死神みたいっていっていたところ、私もぞくっとしました。でも横切らない日もあったりして...彼の気分でやった演出だったのかな〜と不思議です。だったらすごいですね。

 今回はアダムの胸毛がないことが話題になってましたが、kimにいたってはわき毛までありません!!!(ジーザスも)
この日はもう一人のお気に入りのsimonが森の木こりを踊ったと思うのですが目を凝らしすぎて白いタイツのなかのすね毛までチェックできました。(もしsimonじゃなかったらちょっと見たくないデティールかも...)この場面の前にセットのトラブルで10分程中断しました。セットが倒れるすごい音や叫び声まで聞こえて、怪我した人がいないかすごく心配の10分だったのに、すぐそんなとこチェックしてる自分にあきれました。simonといえばボールルームの前のサインをねだる少年のときがすごくおかしいのです。ヒモでつながれた手袋を首からぶらさげてるのに、すごいセクシーアピールで笑えます。みんな細かい!

 7日の休憩時間にいったん外に出たときに、エスカレーターの私の前にすごくかわいい男の子が立っていたのですかざずチェック!(休憩する間もなし)名前は?とかどこに行くの?今日お休みなの?とかまるでナンパするみたいに聞き出したところ彼はgavin cowardでした。毛玉だらけのセーターを着てかわいい!なのでこの日はギャビンチェックもしなければと大忙し。
 お得なことにkimとセットで小白鳥チームだったのでまとめてOK!弥生さんもおっしゃっていましたが、AMPは細かくて何度みても見のがすことが多いので一緒に居てくれると助かりますね。弥生さんの笑顔の素敵なデビィット.リースくんはちょっとデビット.ボウイに似てませんか?得に笑うと似ていたので気になってました。 と、ここまで全くジーザスのこと忘れてました...。なんというか群舞好きなのです。

 will shockで泣きながら(うそ)VIDEOを見直して気付いたのですがアダムでさえ早送りしてしまっていたのです。
 willが群舞な贅沢がたまらない〜とかいいながら息をとめて探さないとすぐいなく なってしまう、野生の白鳥を観るようなハラハラ感!
car manでたっぷり一人で踊ってくれるのに、なんかSwanばかり観てしまって。 あからさまに見せられるより覗き観するほうがそそられる...とか、ちょっとだけ しか見られないと稀少価値を感じるとかと同じこと?!

 ジーザスどうだった?と聞かれて私が答えたのは
「よかったよ〜。ラテン色気白鳥ってかんじかな?」
でした。(淡白ですみません)なんか情にもろそうなラテン白鳥なのです。アダムの孤高とは正反対ですね。そしてストレンジャー ワ.ル度ですが...0です。軽薄です。ラテンの軟派な男ってかんじでした。色気づいてくねくねしてました。全くちがう白鳥に目から鱗でした。こうもちがうと面白いですね。こうなると首藤くんの白鳥(鶴)が観たいのが人情です。
 孤独感とか負の部分を表現できる人だと思うのですが、本当は彼の王子、アダムの白鳥で観てみたいですね。

 仕事から帰る途中一度渋谷で首藤くんを見かけました。(彼が初登場した日の前日で休演の日でした)
初日のもんもんとした彼をみて彼自信の役づくりを...なんて葛藤する彼を想像して 楽しんでたのですがどうやらいつもあんな感じみたいです。軽薄な町にそぐわず深淵な雰囲気で素敵でした。

 軽薄な町といえば....ちょっと話がそれるのですが、bunkamuraから駅に抜けるポルノショップや定食屋さんやネオンがひしめく路地があって、近道なのでよく通っているのですが、Swanにはまっているときに、「あ〜なんて汚い通りなんだろう。もう家にはやく帰ってswanで現実逃避だ!」なんて、私の中でこの道とswanの世界は究極の対極だったのです。が、公演後、その道を歩いていたらampの人たちが前を歩いているのです!こんな凶悪なところに白鳥が!!近道だからたしかに便利な道なんだけど。絶対リンクしない私の中の対極がリンクしたのでびっくりしました。
 そうなると結構ブレードランナー的で素敵な道じゃない?なんて思えて来たりして勝手なものです。みんな1ヶ月も東京にいると通な道まで覚えるんだな〜とおかしくなっちゃいました。

 10分の中断などトラブルはありましたが14日もスタンディングオベイションで幕が閉じました。7日は口笛がヒューヒューですごくうれしかったです。なんかみんなが感動してることに感動しちゃいました!

 踊りのことじゃないミーハーレポートですが、あと2公演、またレポートしますね。他の人のお気に入りを探してなるほど〜と思うのも面白いですよね。いくつ目があってもたりませんね。みんなでレポートしあって死角をなくしましょう!


◇ヨッシーさん◇(鑑賞日・2003年3月14日・夜)

 一先ず東京公演の最終日。(本来なら、楽日のはずが・・・)今日の白鳥はジーザス・パスター。ジーザスの白鳥を見るのは、2回目・・・やっぱり、いいですよ。彼の白鳥も!!彼の動きは、しなやかで美しい!
 あのやわらか〜い腕、そして指先には色気さえ感じてしまいます。その柔軟さが、暖か味のあるやさしいイメージを作り出しているんですね。私も彼の白鳥には、女性を感じます。

 王子はトム・ワード。Swankバーの前でのソロがいいらしい・・・という噂を聞いていたので、期待していたのですが・・・なんと私の席から見えないじゃないか!!!(1階17列の左の方からは。)前の人の頭が邪魔して、トムの影しか見えない。がっかり。
 彼の王子はアンブラーに通じるものがありますね。アクが強いっていうか、ねちっこいっていうか、そんな印象があります。だから2人の絡みは濃厚な・・・いやヘンな意味でなく。私にはアダムの白鳥はどうしても気高い雰囲気で、ジーザス白鳥は王子がそのやさしさをより近くに感じる事のできる白鳥のように思えるのです。距離が近いって言えばいいんですよね。

 カーカムの執事役、大好きです。DVDのアトキンソンや、もう一人のクルトはいかにも悪そうな演技、表情をしていますが、カーカムは無表情で、それがかえって「こいつ腹の中で何考えてるかわかんないぞ!」って気にさせられて、その薄気味悪さがたまりません。

 実はこの日、第一幕の劇場のシーンでトラブルがあったんですが(女王席のセットが出てくる時に、「バリッ、ミシミシミシ」といや〜な音が聞こえて中断)、それでもカーテンコールではブラボーと拍手の嵐。当然スタンディング・オベーションで、大いに盛り上がりました。

 それにしても観るたびに、この作品の懐の深さをしみじみ感じてしまいます。 白鳥はアダムでなきゃ!って最初は思ってましたけど、それは間違いでした。物語の根底にあるものを明確に捉えてさえいれば、誰がどう踊ろうが、個性を出そう がまったく関係ないんです。(だからこそダンサーの力量が試されるんですけどね。)
 毎回新たな発見があり、それを見つけるのが楽しくて、“Swan Lake ジャンキー”になっていくのです。

 次の東京公演までまだ時間があるので、DVDでしのごうか・・・と思ったのですが、もう既にDVDでは物足りなくなってきています(DVDはウィル出てるけど)やっぱり生がいい。公演終了後の喪失感が今から恐ろしいです。

 ところでみなさんのオススメ(?)、ギャブくんですが彼の幼少の王子に当たらな〜い。4回観ましたけど、いつもサイモン君です。彼の王子観たいです。
 それとひな鳥の中で一番個性的な顔の子がキムくんでしょうか?私の好きな白鳥さんはマイケル・バッドくんです。(Big Swanなんかもやっちゃいますが、今日の出来はよくなかったです。)彼のハスキー犬のような瞳がステキ。表情が豊かで、ひとつひとつがいちいち可愛いです。背中の真ん中辺りにホクロがありますので、見かけましたらよろしくお願いします。


◇ローブリッターさん◇(鑑賞日・2003年3月12日)

 2回目、観てきました。初日からもう首が伸び伸びでした。今夜はパスタ-白鳥で、他のメインキャストは初日と同じなので、彼に注目して楽しめました。

 全体を観ましょうと、2階のバルコニー・・・というよりは斜めに段差のある席でしたが、初日が最前列だっただけにうーん、遠い。しまったあ。表情までは見えないなあ、と思っていたところに、隣に外国人の男の子(といっても20代)が二人、「ハロー!」なんて優しく微笑みながらお坐りになる。二人ともとても美しいお顔でスタイルもナイス、ダンサーのようでもあり、でもAMPのメンバーではないな。・・・っと、話がそれそれですね。

 パスタ-君の白鳥、ストレンジャーを観て思いました。最初はアダムと比べて見てしまうだろうなあと思っていましたが別の個性ですね。同じように踊る必要なんてないんですね。体も柔らかくて、「おおっ!ここまで足あげちゃうの!」と、弥生さんが書いてらしたのはこれね、と思いつつ、その動きがとても鳥らしくて見る快感になってしまいました(笑)。
 彼の白鳥は優しい眼差しで王子を包み込み、とってもラヴを感じました。それだけにラストは初日より熱いものがこみ上げて、しくしく・・・。

 それもつかの間、カーテンコールになったとたん、隣の彼らがすごい。ピュ-ピュ-やってくれるのは嬉しい。私もそう、やりたいけどできないし、やったら大変なのだけど、とにかく拍手拍手、「もう、大好きなの!」って言ったら追い内かけるようにピュ-ピュ-と。良いお子達。でもこの席で立つのはちょっと怖いかも。  初日のカーテンコールはアダムもとっても感激してオフィシャルの日記にも書いてくれていましたよね。でも今夜もとっても盛り上がりました。 新しいSWAN LAKE が出来上がっていることを実感し、安心?し、嬉しくもなり・・・。

 離れた場所から見て最前列とかなり違う印象だったのは病棟のシーン。ビデオにはない白壁と、あえてそうしたのか、まさか手抜きではないのでしょうが取ってつけたような窓枠とドア。その壁に映るナースの影、光と影の演出効果、大!ほかのシーンでも影はもうひとりのダンサーのように心に残る箇所はあるのですが。  病んでいなくてもおかしくなってしまいそうなほど、ここの「影」は強烈。指の細かな動きがリアルに映し出されます。昨日はこのシーン、本物のダンサーを見逃して、「影」に目を奪われてしまいました。

 さて、初日書き忘れたことをひとつ。最前列の美味しいポイントですが、舞台袖から出てくる直前のダンサーの表情が見えるんですねー。
 2幕の最後の盛り上がりでアダムとベンが(あえて白鳥と王子とは書きません)出てくるときの表情は忘れられません。最前列のチケットをお持ちの方、ぜひ!!! 最後に今日、書き忘れた文字をひとつ・・・「ウィル」(笑)。


◇ちいままさん◇(鑑賞日・2003年3月9日)

 3月9日、私にとって2回目のSwanでした。ああアダムはもう日本にいないのね!?残念だけど、違う白鳥もまたそれはそれで楽しみにしてました。

 まず感じたこと、「同じ踊りなのにこんなに違って良いの?」ということ。一番初めの、王子のベッドの上への登場…なんだか雄々しくない感じ。大きくない し、羽が柔らかい。除幕式の彫像のポーズが違ったけど、好きなポーズをとっても良いのかしら?!
公園のシーンで、アダム白鳥は初めは王子と少し距離を置き試すように踊り、だんだんと心を通わせていき、王子を守っていこうとするけど、ジーザス白鳥は(自分も孤独だから?)初めから優しいの。で、守るんじゃなくてなぐさめあうって言うか、いたわりあうのね。

 トムの王子はベンよりもスコットに近くて、守ってくれる白鳥の方が良かったか も…。私が一番好きなのは、公園のシーンの終わり近く、私の中では『がに股の踊り』という名前のところなんですけど…
 白鳥と王子が心を通わせて、王子が本当に幸せな顔で踊るシーン。そこのところの「がに股度合い」が少ない!とっても上品な白鳥になってるんですよ。ちょっと物足りなかったなあ。

 そのシーンの近くに、スワンが片足を後ろに伸ばしてエビぞりにジャンプするところがあるんですけど、そこはもう後頭部がお尻に付くくらいエビぞってましたね。ジーザスって体が柔らかいのねえ、本当にビックリ。
 腕だって普通の(女性の)白鳥みたいな動きで優雅さ爆発。関節はどうしちゃったの?ないの?マシューや誰もが『白鳥に性別はない』って言ってるけど、アダムのはオスで、ジーザスのはメスに見える。

 舞踏会のシーンは…アダムは硬派なワル、ジーザスは軟派なワル、かな。髪の色や顔立ちをとやかく言っちゃあいけないんだけど、どうしてもラテン系の兄ちゃんに見えるのは仕方ないこと?体の柔らかさ、クネクネ感のせいか迫力がいまいちかなあ。女王様も若くて若くて。踊りがシャキーンって感じで、ジーザスのクネクネ感を見習った方が中年の感じが出るんじゃないかと…

 最後のベッドルームに現れた白鳥は、すでにあちこち血を流し傷ついてるんでビックリ!初日のアダムの時には付いてたかしら?気がつかなかっただけかなあ。でも、DVDでは付いてないですよね!最期のシーン。白鳥が幼年王子を抱っこして立つところ。抱っこの方向が逆でしたね。

 今日は満席で、立ち見まで全て埋まってましたが、口笛、ブラボーコール、スタンディングオベーションはほとんどなく寂しかった。それでもジーザスは張り切って(?)楽しそうにチョイジャンプしながら、かけ声を掛けカーテンコールを4・5回してくれましたけど。

 今日の公演を観に行かれた方に、是非教えていただきたいことがあります。白鳥のひよこをやっていて、ひよこの踊り最後のおんぶの時には、手前側で大きい人をおんぶしていた小柄なダンサーはなんという人ですか?スペインの踊りもやっていた人です。初日にもひよこをやっていたように思います…どことなくアダムに似た感じのイイ男です。パンフを見てもよくわからないんですが…。(なんで皆さんそんなによく知ってるんですか…?)次回は14日最終公演に行きます。


◇香月さん◇(鑑賞日・2003年3月7日、8日昼・夜、9日)

 3月7日〜9日で、上京しました。本当に、10ヶ月も心待ちにしていた、最大のイベントです!!

 7日のソワレでアダムの白鳥に会うことができました。ビデオで、何度も鑑賞したあのアダムの白鳥!!目の前でそれを見ることができる!!何に感謝したらいいのか分からないほどの至福の時(おおげさかしら?)  とにかく7日は、鑑賞初日であるにも関わらず、アダムの出ている場面はほとんどオペラグラスで彼を追うのみ、という状態でした。(舞台鑑賞の姿勢としては頂けませんね。反省) ビデオで刷り込まれていたためか、どうしても、王子はスコットのイメージが強くて、7日の私は、始めの辺、ベン王子は今ひとつ迫力に欠けるな〜という思いで観てしまいました。ナイーブすぎるというのでしょうか?

 例えば、1幕:女王に必死で愛を請う場面。ビデオでのスコット王子のそれには「怒り」に近い激しさを感じましたが、ベン王子は「哀しみ」なんですね。最後に後ろ手で女王に向かって手を伸ばす場面でも、スコットは「諦念」のようにも見える表情ですが、ベン王子はそれでもすがりつきたい「哀切」を感じました。スコットの方が強い王子像(王子としての矜持を感じてしまう)のように思えます。ベンは純粋にマザ・コン少年的かな?
 自己のバランスの中で、より「王子」としてのアイデンティティーに傾いているのがスコット王子。ベンは王子である前に自分の感情に純粋である人。そういう感じに見えました。
 3幕:舞踏会の場面で、王子と黒鳥がそれぞれのパートナーと踊りながら、相手を意識しあっているところ。ビデオでは、スコット王子は明らかに、黒鳥に喧嘩を売っている(売られた喧嘩は買うぞ、とでもという)かのように、威嚇的で挑戦的で、結構対等に勝負している感じです。(後で負けちゃうんだけど・笑)でも、7日に観たベン王子は、黒鳥の視線から逃れよう逃れようとしているようでした。あまりにも弱い。弱さを最初から全面に出されては、後の二人のワルツ(でいいのかしら?)の時駆け引きも何もなくなるではありませんか・・・
う〜む。これは、好みの問題ですね。はっきり、ここまでは、私はベン王子イマイチだわ、と思っていました。

 ですが、ラスト。ビデオで、どーしても解釈に行き詰まっていたのが、あの白鳥の慟哭です。白鳥の存在が王子の「自由への渇望の具現化」とすると、あそこだけがどうしても、私の中では、齟齬を起こしてしまうのです。「慟哭」には白鳥の感情があるわけで、となると、やはり白鳥は実体として存在していると考えるべきなのでは?? と思えます。そうすると、「白鳥の湖・同性愛バージョン」でおさまっちゃう。う〜ん 私的にはそうしたくないというこだわり。
 それで、今回これをベン・バージョン(というか、ちょっと変わっていましたよね、演出)で観てすっきりしました。なぜなら、白鳥が弱って登場したから。王子の自由への渇望が、もはや果たせぬものとして消えかかっている。つまり、白鳥も消えかかっているわけですよね。うんうん納得。
 慟哭もつまり、これは王子の慟哭であるのだぞと。すっきり腑に落ちました。精神の崩壊は内からも生じたのである、と理解しました。ベン王子の弱さもここでは生きるわ〜、と最後は感動でした!!(ただし、これはあくまでも、アダム白鳥・ベン王子の絡みで感じたことです。ジーザス白鳥はまた別の感じがありました)

ハ じつは、日を追うごとにベン王子とジーザス白鳥に心が傾いていってしまって・・・(やはり、3連続でジーザス白鳥でしたから、印象が強くなりますよね)
トム王子は、クールというか、冷静というか、無表情(笑 でも本当にそうなんです)というか。8日のマチネは、鑑賞した中では、私の印象が一番よくなかったかな。
ベン王子は、細やかな王子でした。ロイヤル・ボックスの中でも、ガールフレンドに細かい気配りをしていました。お菓子をちゃんとバッグに戻してあげたりするんです(トム王子はしないので、彼女は自分で戻していました)。優しーい♪

 私が見た中では、8日のソワレが最高でした!!ジーザス白鳥、昼夜2連続だったので心配していたのですが、すごく素敵でした!!踊りがきれい!!切れがあるし、身体も柔らかいし♪ あのジャンプ(なんて言うんだろう?バレエテクニックに詳しくないのですが、体を反らしてのジャンプ)足が、頭にくっついてしまってるんじゃないかと思えるくらいでした。本当に白鳥が飛翔しているみたいだった。
 ジーザス白鳥と、ベン王子がシンクロしている感じでした。湖に身を投げようとした瞬間に、まるで王子からわき出してきたかのようなイメージでした。「自由への渇望」としての、白鳥。二人の踊り自体にも、不思議な共鳴感がありました。ベン王子が白鳥に心酔してしまったようでした。
 ただ、黒鳥のメイクは・・・ 8日マチネでお初披露していただいて、早速オペラグラスで覗いたのですが。え?パンダ?って感じで、あわててオペラグラス離しましたもの・・・ とほほ(一説には、カールおじさんとも。ひどい・・・笑)
 4幕で、白鳥が消失してしまった時のベン王子の顔ったら・・・。自己喪失感でぼろぼろ、という状態。涙ウルウルだったんです。カーテンコールの時もジーザスが「だいじょうぶ?」って感じでベンの方を見てしまうくらいの、感情の高ぶりを示していて。涙ぼろぼろ状態でした!!感情移入しまくっていたんでしょうね〜。
ベンが演じている王子として、感情的に入り込めてしまった(のめり込んだというか・・・)舞台だったのでしょうか?

顔さえアップで見なければ(笑)、体つきはセクシーで、腰の微妙な動きも良くて、よろめいちゃます。最後の、白鳥たちとの闘い、そして慟哭もよかったです!!ベン王子とシンクロしてしまっているかのようで・・・、ふ〜

 9日マチネ。この日は意外と(と言っては失礼ですが)トムに表情があって良かったです。ん〜前夜のベンに感化されたのかしら?でも、さすがにベンのように涙ぼろぼろとまではいっていませんでした。当然、この日のジーザス白鳥は、私の中では2番目のできでした。

 それから、去年は「CAR MAN」でリチャードに目を奪われましたが、今回はギャヴ・パーザント君!!可愛〜〜いダブルキャストで幼年王子しています。でも、王子の役している時より、衛兵(でいいんですか?)とか、スペインの踊り・貴族の役をしている時の方が素敵です。
 あと、白鳥も。「4羽の白鳥の踊り」で、なぜか、大きな白鳥を背負わされています。8日ソアレはジョン・チョウ(唯一の東洋人なので目に付きやすかった)を背負っていました。そうしたら、デマチしてたら(ついに果たしました、デマチ)ギャヴ君とジョンたら一緒に出てきたの〜、わ〜仲がいいのかしら〜〜??と妄想。(ごめんなさい)ギャヴ君、素顔も可愛かったです。

 9日は、ジョンはオフだったみたいで、私の座っていたところのやや後方から観ていました。 それから、白鳥が1列になって出てくる場面では、先頭で登場します。あと、瀕死の王子を抱えるのも彼の役。なんで?小柄な人にそういう役を・・・?

 全体の中で言うと、やはり、テープ演奏ということに不満が残りました。ナイトクラブの外で王子がソロを踊っている場面の音は、特にひどいです。音が割れてる感じでした。
ただ、あのナイトクラブのシーンはものすごくスピーディな曲回しになっているんで、生演奏は奏者にとってはキツイかも・・・

 「SWAN」公演に至るまで、BGMはずっと「白鳥」を聴いていました(小澤征爾バージョンが主でした)。それに慣れた耳には、初日にあのテンポで聞いたら「早すぎ・・・」と思ってしまいました。でも、3日間でなじんでしまって、帰り道に聴き直したMDの、慣れていたはずのテンポが、逆にものすごくスローテンポに思えました。

 それから、照明の効果も素敵でした。曲の変化、場面の変化に応じてライトの色が切り替わるタイミングの良さ!!
 圧巻だったのが3幕の「病棟」シーン。背景に女王のシルエットが大きくうつる一方で、萎縮して縮んだように見える王子。母親の威厳に圧倒されてしまった王子の、自己崩壊寸前という状態を読みとることができました。

 今回は、舞台衣装の仕事を経験したことのある友人とも一緒に観たのですが、彼女は衣装を絶賛していました。「すごい、良い生地使ってるわ〜、全部シルクだわ」と言っていました。職業柄、オペラグラスで注目してしまうのは、そういうところなんだそうで、「踊りやすい裁断・縫製だ」と、私には皆目分からないところで感心していました。


◇弥生さん◇(鑑賞日・2003年3月8日昼・夜)

 まず初めに、お詫びをさせてください! Willieさんお気に入りの「恐るべきちびっこ」くん、私先日の感想で、「レイン・ド・ライ・パレットくんでは?」なんて、ちゃんと確認もせずに言ってしまいましたが、違いました・・・。本当にごめんなさい。
「恐るべきちびっ子」くんは、SwankBarでブルーのハンチング帽の役ですが、あれは、「Barfly役」ですから、レインくんは違うことが判明。レインくんは顔がちょっと似てる、もっと背の高い別の子でした。
 プログラム&今までのキャスト表を検証した結果、「恐るべきちびっ子」くんは、キム・アマンドセンくんではないでしょうか?写真は横顔でよく見えないですが・・・

 さて、昨日はご覧の通り、マチネもソワレもジーザス・パスター。7公演を見ていまだに首藤さんに出会ってません。もしかして、基本はアダムとジーザスのダブルキャストで、アダムのいない来週が、首藤さんとジーザスのダブルキャスト、なのかしら?と思ってしまいました。どなたか首藤さんをご覧になりましたか?

 さて、この日のソワレで、ちょっと面白いことがありました。開演の18:00を過ぎても照明が消えずに10分くらい経過し、どうしたのかな、と思っていたら、「只今、出演者の都合により開演時刻を遅らせていただいております。」との館内アナウンスが!どうしたんだろう、誰か怪我でもしたのかな、とちょっとドキドキして心配していたら、20分程遅れてやっと始まりました。
 そしてベッドの上の幼年の王子のお顔がハッキリ見えた瞬間、私の心配は更に高まりました。ソワレの幼年の王子役、キャスト表では、私が今一番お気に入りの白鳥さん(彼の場合ヒナ白鳥)である、ギャヴ・パーサンドくんだったのに、サイモン・カレイスコスくんがベッドにいたのです!お付きの者たちの中にもギャヴくんはいません。
「ギャヴくん、お怪我でもしちゃったの?それで急遽キャスト変更になって開演が遅れたのかなあ・・・」
と絶望的な気持ちになって・・・。この日のマチネは彼はお休みで、ソワレをとても楽しみにしていたので、なおさらがっくりきてしまって・・・。サイモン・カレイスコスくんもギャヴくんも、ソワレでは白鳥としてキャスティングされてましたから、ギャヴくんが一人いなくなった分、誰か一人急遽呼び出されたりしたのかな・・・、と思いながら宮殿の場面を見てたら、犬の散歩係が登場しないまま終わってしまったので、慌しくキャスト変更をし、宮殿のシーンは一人少ないまま始まったことが判明!

 そして不安なまま迎えた劇中劇のシーン。登場したNoblemanを見てびっくり!Nobleman役は、王子役のダンサーが演じますが、なんと、ちゃんとギャヴくんが演じてるのです!そして、その後の公園のシーンでも、ちゃんと白鳥さんで出てきてくれてたんです。
 嬉し過ぎる!そして、「ギャヴくん、もしかして遅刻か?」と思って笑っちゃいました。怪我だったら途中から出るなんてできないだろうし、まあ、脚がつったとかなら考えられるかもしれないけど、私の中ではすっかり、「ギャヴくん(子供だから)迷子で遅刻!」と想像を膨らませてしまって、何だか一人で楽しくなっちゃってました。

 でも!前回、彼の「態度の悪い反抗期の」幼年の王子の演技に大受けしてハマった私、それを一回分見られなかった、というのは残念でなりません。

 一日2回主役を踊ったジーザス。彼の黒鳥は、見れば見るほど「本当はいい人?」に思えてしまいます。アダムの、あまりにも「ワ・ル」で冷酷なのに較べて相対評価してしまうせいかもしれません。アダムの黒鳥は、ワル過ぎて冷酷で・・・。ジーザスは、「ワル」ぶってるけど本当はいい奴かも、と思えます。(アダムは絶対に思えない!骨の髄まで「ワル」)

 今回の日本公演で、ビデオ版とは違った演出や動きになってるものはたくさんあって、こっちの方が好き、ビデオの方が好き、と感想も色々ですが、一つ残念だったのは、ハンガリーの踊りのシーン。
 曲の後半、それぞれの王女に(エスコートとは違う)男性2人ずつがやってきて「集団パ・ド・トロワ」状態で踊りますが(「パ・ド・トロワ」なんていうお上品なバレエ用語なんか似つかわしくないような、違う言葉を使ってしまいそうな・・・)、「大人」の世界って感じでしたが、今回はさらっとしてて・・・。(ビデオでは、若かりし頃のスティーヴ・カーカムが)世間知らずのお嬢様風のモナコの王女のヒラヒラのスカートをめくって露わになった足にキスしたりする図、個人的に好きだったのですが今回はないし、最後のポーズも、ビデオではルーマニアの王女のところなんか、大変なことになってましたが、今回はそれほどでもなかったりして。少しさわやかになってました。

 その逆に、「大人」な演出になってるものもあって、黒鳥が各国王女を虜にして踊るロシアの踊りの後、女王が、モナコのエスコート役の男の子と消えて、2曲の間不在にした後戻ってきますが、ビデオ版でも、戻ってきた後に2人が意味深な目配せをしてたので、「2人して今まで何してきたのかしら・・・」なんて思ってましたが、今回の公演では、戻ってきた男性の衣服が露骨に乱れていて(シャツの襟が片方だけ立ってたり)、歩き方も何やら大げさで、表情からしてなんか意味深な笑みを浮かべてるのです。女王様と何かあったのね、と想像させる演出でした。

 そんな細かいことよりなにより、やっぱり、何度見ても白鳥さんたちは素晴らしい!私の場合、好きな白鳥さんが、(小)白鳥のギャヴ・パーサントくん&サイモン・カレイスコスくんの幼年王子組の2人、それに、デイヴィッド・リースくん、それに、Willieさんお気に入りの「恐るべきちびっ子」くん、ということで、全員、小さな白鳥の4人グループのダンサーなので、それはすごく助かってます(?)。もし、好きなダンサーが、4つのグループにバラバラにいたら、こっちも見たい、あっちも見たい、と相当目のやり場に困っていたことでしょう。その点よかった。

 生で見て、すっかり白鳥さんたちの魅力の虜です。改めてマシューってすごいと思いました。

 デイヴィッド・リースくんは、今ツアーでの、私の中での「笑顔がかわいいダンサー」ランキング1位。一幕の宮殿のシーンでロープを持つ彼、あの中で一番表情豊かないい笑顔です。楽しくて面白くって仕方ない!って感じで。スペイン踊りのダンサーをしてる時も。小学校の学芸会系の良い子な笑顔です。そして彼の白鳥はなぜか、可愛い顔に、目の周りを丸っこく黒くしてるメイクのせいか、いつもどうしても「パンダ」に見えてしまう・・・それがまた可愛い。

 ギャヴくんは、白鳥の時、よく、頭のてっぺん辺りの短い髪の毛を一部分だけ、ちょこっと立ててるのですが、それが、ヒヨコみたいで可愛いんですよねえ・・・。この日はなんと、立ててる髪が2箇所もあって寝癖みたいでますますかわいかったです。

 カレイスコスくんは、今日も(マチネでもソワレでも)、いっちょまえにスペインの王女様をエスコートしてました。やっぱり、弟・・・というか、見方によっては息子状態。今日も微笑ましかったです。

 そして、前回書きました、私が今回一番気に入ってしまったシーン、4幕の、凶暴な白鳥が王子を舞台手前で「集団いじめ」するシーン。はまってます。今回一番ゾクゾクきちゃう部分。身を乗り出してしまいます。ビデオで改めて見てみましたが、ビデオ版だと、白鳥達が割と広い面積にバラけてるし(今回は密集してる)、振りもそれほど激しさがなく、吠えるような息を吐く音もあまり聞こえず、迫力がそれほどありません。やはり、今回の演出(で生の舞台で)がいい!ああ、このシーンを見られるのもあと4回か、と思うと悲しい・・・。

 そう、「目のやり場に困る」と言えば、やっぱり、特に、SwankBarのシーンや舞踏会のシーン、は、相変わらず困ってます。「ああ、こっちも見たい、あっちも見たい!どうして人間の視線は一点なの?」と。カーマンのときもそうでしたが、マシュー作品は、ほんと、あちこちで同時進行で色んな演出があって、ほんと、憎いです。いい部分をいっぱい見逃してるんだろうなあ・・・

 それにしても、改めてすごい作品だと思います。男性ダンサーをこれほどまでに魅力的に見せ、しかも、ダンサーとしての力も十分に表現できて、男性ダンサーの特徴が活かされ(この白鳥は女性には無理ですよね)、そして伸び伸びと踊れて・・・。
 このような作品って少ないと思います。MI-HAさんが、ベッド上で羽ばたく白鳥たちのシーンを、「舞台の名場面として後世に残るものでは」とおっしゃってましたが、私も、白鳥さんたちの群舞のシーンは、文化財ものだ!と思います。
 マシューとチャイコフスキーに、ありがとう!と言いたい気持ちでいっぱいです。

 こうして、このような素晴らしい作品がずっと公演され続けていく、という今の状況になってよかったし、理想的だ、と思います。やはり、ある意味キャサリン・ドアに感謝した方がいいかもしれないですね。マシューが新カンパニーを作らなければ、今頃、SWANLAKEなんて上演されてなかったでしょうし・・・。

 私の次のSWAN LAKEは25日。それまでは、皆さんの感想を拝見するのが唯一のお楽しみになりそうです・・・ 


◇なおこさん◇(鑑賞日・2003年3月8日夜)

 本日は初のアダム以外の白鳥。ジーザス・パスターさんは一体どういう風に踊るのだろう。。。?ところで、今日はアダムではないので、私の心は随分平穏。冷静に他の登場人物を観察出来そう。

 ジーザス・スワンはとてもしなやか。特に腕や肩の動きが柔らかい。「見得を切る」という言葉があてはまるのだろうか?ポーズの決め方がスパっとしていて小気味良い。
 一方、本日のBig Swansの出来は今一つ。もっときれいに回転して!と不満が残る。

 さて、ジーザス・スワンは2幕のラストになってもまだまだ動きがいい。ラストの回転の速いこと。ベン王子は慌てて腰をホールドしに入り、2人で立ち去っていきました。(ちなみにDVDをもう一度見返したら、アダムの2回転目にスコットが腰をとっていました。前回のレポート中のコメント訂正です!)

 女王役のエマと執事役リチャード・クルトが初めて。エマ女王は他の方からもご意見があったように、女王の気品があんまりないかな?
バックグラウンドをちゃんと知らないのですが、プリマバレリーナのフィオナ・チャドウィックやマーガリット・ポーターに比べると、踊りの面でも物足りない感じ。
 ナポリの王女については2月28日のレポートでも書きましたが、やっぱり第1幕の劇中バレエのコミカルなイメージが強すぎて、第3幕でもその印象がどうしても残ってしまう。。。しょうがないけど。なんか今一つ入れ込めない。
 一方、ジーザスStrangerもなかなかの男っぷり。無精ひげメイクが結構似合う。だけど、リフトの仕方があまりエスコート。。。って感じがしないかな。ちょっとそっけない感じがした。そして、皮パン姿はやっぱり足長アダムが一番。。。

 第4幕のジーザス・スワン。よろよろしていて、怪我を負って弱ってる感じがよく出ていました。実はDVDのアダムとかは元気すぎる(?)ため、なぜベッドの上でぐずぐずしてたり、結局力尽きてしまうのか理解しずらく、後であらすじとかを読んで、ようやくあぁ手負いだったのねと納得していたのだった。このよろよろ感が足りなかったんだ。。
 この日の少年王子役はギャヴ君。だったのに、最後の窓際シーン直前までベッドのところに残ってて、「クワー!!」とやってぎりぎりで去っていった。こんなことで間に合うのか??と思っていたら。。。カーテンコールでは別の小さい白鳥さん(サイモン。。。?)がパジャマを着て出てきてた。あれあれ??最後のシーンも彼だったのかしら?カーテンコールだけなのかな? カーテンコールもギャヴ君白鳥さんたちの最後に間に合わなかったのかな? うう〜ん、なぞ。


◇いぶさん◇(鑑賞日・2003年3月4日)

 Swan Lake 2回目行ってまいりました!でもなぜか観客のテンションが初日の半分ぐらいでした。スタンディングオーベイションも半数ほど…だけど 私のテンションは初日からの一週間で倍に膨れ上がっていたのでカーテンコールでは前に走ってしまいました!

 この日の私の席は22列。見やすい位置ではありますが走り寄ったとき近くで見て、ここで見ると別世界なんだと実感しました。特に細かい表現の多いAMPの舞台はやっぱり近くで見たいです!

 そして気のせいかアダムのテンションも初日より低く見えてしまいました。悪夢シーンでの登場も動きが少なく、公園のシーンでは一瞬ぐらつく場面もあり疲れているんじゃないかと心配になりました。

 王子役はトム・ワード、初日のベン・ライトに比べると白鳥とのからみなどがクールに見えてちょっと物足りなかった気がします。アダム自身も踊りに表情がないかんじ…?いやほんと気のせいかもしれないんですが。私のテンションが上がり過ぎちゃったせいかも…。
 だけどやっぱりビデオの印象よりはるかにターンやジャンプに切れやスピードがあって惚れ惚れしました!

 黒鳥も、なんだろう…初日の落ち着き払ったワルぶりより若返ったような…。えーと存在感がちょっぴり弱めに…いや!もちろんかっこよかったですよ!!もう漫画のような足の長さ!!(Bunkamuraのホームページで見られるインタビューの映像ではデッサン狂ってるぐらい足が長いです!)黒鳥は「かっこいい、セクシー、ワル」以外に言葉が見つからずついコメントが短くなってしまいます。ていうかやっぱり席が遠すぎです!!

 そういえば最後のシーン、王子が息絶える瞬間に新しい演出がなされていました。ほんと一瞬だけなんですが、群れの中の一羽の白鳥が死神のようで思わずぞくっ!としてしまいます。その白鳥、一瞬だったのでわからなかったのですが、Willieさんのレポートにあるちび白鳥だといいなと思っています。(私も初日から気になっていました!)
ちび白鳥はそれぐらい毒のある白鳥でした!(多分キム・アマンドセンという人だと思うんですが…自信はありません)いっそ彼をヒナとしてグレーっぽい衣装にして特徴づけちゃってもいいかも!などと妄想してしまうぐらい気になる存在です。

 そして今日は出待ちをしました!でも今回は写真やサインなんてとても無理だろうとあまり気合いを入れていなかったんですよ。
そうしたら意外と待っている方が少なくて、アダムも早めに出て来てくれて どっぷりファンサービスしてくれたのです!しかもそのために一旦出て来てくれたようで、一通り終わると楽屋に戻って行きました。
その間にアダムはほぼ全員と写真を撮り、サインと握手、なんとハグをしてる人まで!!なのに私ときたら気合いがなかったばかりにデジカメの充電を忘れていてサインと握手だけという空しい結果を今度は自分で招いてしまいました…(涙)

 それにしてもアダム、優しすぎです!オフィシャルサイトの日記を読んだら日本のファンに感激してくれている様子で嬉しいかぎりですが、もしも疲れてるのに無理してるならやめて〜!と心配になってしまいました。逆にエネルギーになっているならいいのですが…。


◇willieさん◇(鑑賞日・2003年3月4日)

 2度目の白鳥の席はまたも一列目。今日はほぼまん中ということで期待していたの ですが、左端よりかなり観づらかったです。殆どひざから上しか見えませんでした。

 主要キャストは初日と王子がちがうだけであとは同じでした。(今日はtom wardでした)カーテンコールは盛大だったけど、その他は初日と比べると拍手にも 熱が感じられずさみしかった...。口笛もなくて、やっぱり練習しなきゃ!

 ステージの報告もしたいのですが、今日は初めて出待ちらしきものをしたのでそのお話を。
 出待ちをするつもりは全然なくて、15人くらいが待っている横を一度通り過ぎて、スタバでコーヒーを買って飲みながら2.3歩帰ったのですがなんか去りがたくて(すぐ現実にもどりたくなかったのかな?)きびすをかえしてしまったのです!

 信号のところからちょっとのぞいてみたら、なんかみんなが出てきている様子。(終わって30分もたっていなかったと思います)そろ〜っとちょっと離れたところで観察していたら、サインを終えて仲間待ちの白鳥が一羽、二羽と私の近くに!
手持ちぶさたにしていた気さくな白鳥(ryan jenkinsでした)とちょっとお話してみました。

私:「明々後日また観るんだけど、その時も踊るの?」
白鳥:「毎晩踊るだよ。」
私:「え〜、毎晩?!疲れるでしょう。」
白鳥:「でも1日くらい休みがあるかな...」
などなど。かなり過酷なのですね。

 そんな話しをしているうちに私にはある使命があったことを思い出したのです! 次に出てきた4〜5羽の白鳥の中に例のジョナサン風のちびっこ白鳥が混じっていたのです。使命を果たすのは今とばかり話しかけてみました。

私:「すみません...あなたの名前をきいてもいいですか?」
小白鳥:「kimです」(彼はkim amundsenでした)
私:「あなたは特別よかった!私、とても気に入りました。swan lake以外は踊らないの?」
小白鳥:「今は白鳥だけで、今まではノルウェーやドイツのカンパニーでちょっと踊ったよ。僕はノルウェー出身だから。」
私:「ずっとクラシックバレエのトレーニングをしてきたの?」
小白鳥:「そうだよ」

なんてことを話しました。...もっと伝えたいことや聞きたいことがたくさんあるのに、私の英語力ではこれが精一杯でした。でも、名前がわかったし大満足です。
女の子より肌もピチピチでちっちゃくて若かったな〜。ちょっとシャイな感じでとてもかわいかった!もうちょっといたらadamに会えるかもしれないのに大満足で スキップする勢いで帰って来てしまいました。

 kimはすごくユニークな表情と踊りで目をひいたけど、可愛い子チェックで浮上するのはやっぱりthe young prince のsimon kraiskosでしょう!
 今回のyoung princeは白鳥でもかり出されるのですが、彼のswanは柔らかくてすごくきれいでした。今日は小さな白鳥でkimと一緒に踊ったのでどっちを観るべきかうれしい悲鳴でした。

 kimがAMPの恐るべき子供だとすると、simonはwillから流れる正統派上品な AMPを引き継いでいる感じでしょうか。う〜ん...どっちも魅力的で決められません!インパクトではkimが圧倒的だけど、美しいものには自然に目がいってしまって気付くとsimonを観てるかも?!

 今日のadamは最初ふらっとすることがあってちょっとはらはらしましたが 迫力はそのままでした。私の苦手なストレンジャーで、隣の御婦人に「ちょっとベッカムみたいで素敵ね」と耳もとでささやかれてしまった!やっぱり悪すぎる男に女は弱いのでしょうか?革パンのウエスト位置なんて気にするのは私だけなのですね...。
その御婦人いわく3/2(日)の新国立劇場のマチネにadamが来ていたみたいです。その日の夜のステージがあるので途中で帰ったみたいですが。

 さて、7日は3階席から攻める予定です。ミーハー根性はちょっとおいておいてアンサンブルの美しさを堪能する予定です。口笛出来る人は口笛部隊お願いします! 他の白鳥のレポートも楽しみにしています。


◇なおこさん◇(鑑賞日・2003年2月28日夜・2003年3月1日昼)

2月28日ソワレ

 Adamのオフィシャルサイトによるとこの日はAdamが登場予定(現在はこの情報は削除されている)。ドキドキしながら会場入りし、キャスト表を見て、Adamの名前を見た瞬間胸がぎゅーっとなる。1回目で当たりなんて、こんなに幸せでよいの??と思わず涙ぐむ。前から4列目だったが、端の方なので、オペラグラスを持ってくるべきだったと反省。

第1幕−ベッドが斜めだ! ふと第4幕のシーンが踊りにくいのでは。。と不安がよぎる。少年王子の夢の中に出てくる白鳥。。。あぁDVDそのままではないか。。。映画やDVDのスチール写真、今回のパンフレットなどはオールバックにしているAdamの写真が出ていたので、髪型には非常に注目していた私。個人的にはDVDの短い方が好きなので、短くてほっとする。

 王子のお目覚めのシーンからDVDで見たままの情景が繰り広げられ、また感動。生で見られるなんて。。。執事役は全然違うけど、王妃役のマーガリット・ポーターはあんまり違和感がない。
 シーンが変わる前に少年王子に続いて王妃がとベッドのヘッドボードの台に登ろうとした時、マーガリット・ポーターが足をちょっと踏み外し、一瞬どきっとした。銅像の除幕式は当然身を乗り出して見る。Adamっておしりまできれいなのね。

 ガールフレンドはDVDの人よりキュートな感じ。普段DVDではつい飛ばしがちなオペラ・ハウスのシーンだが、ロイヤル・ボックスと同時に見るとなかなか面白かった。
 王妃と王子のからみ。王子が王妃を抱えあげた時に、王妃のドレスのおなか辺りボタンが一つポーン!と飛んだ!当然ながら気にせず踊りつづける2人。舞台って色々ハプニングがあるものなのね。。。

 つづくソーホーのバーのシーンでは、ダンス☆マンみたいな人が王子のガールフレンドと踊っていたりして、男性陣の格好がさらにおかしくなっていたような気がした(未確認)。そして、たたきだされる王子。うーん、もう少し感情表現を細やかにしてほしいな。。と思う。さあいよいよAdam Swanが横切る!と思ったら、舞台の奥なのでほとんど見えない!!! あぁ。。もういっちゃった。。悲しい。

第2幕−AdamSwanが王子の前に舞い下り、はばたきながら舞台の前に来る姿もDVDそのまま。。涙。。。ところで、Adamの胸元からおなかがとてもきれいにつるんとしている。。。お手入れしたのかしら??? 胸毛嫌いの私としてはAdamだけに限って許していたものの、これはかなりうれしいことであった。
 Big Swans(?)にWillがいないのが寂しい。。。けどなかなかの仕上がり。そう言えばあんまり美形の白鳥さんがいないかなぁ。。。というか結構個性的な容姿の白鳥さんが多いかな。。。やたら目について離れない人とか。。。

 そして一番大好きなシーン。。。Adamと王子が後ろから舞台に駆け上がってきて一緒に踊り、ラスト回転しているアダムの腰に王子がさっと手を回して。。のはずが、アダムは2回転し終わり、立ち止まる。一瞬間を置いてアンドリュー王子がアダムの腰をとり去っていく。。。あれれ?なんだか優雅じゃない〜!!あんまり2人で練習してないのかな?タイミングが難しいんだろうな。。といろいろ考える。

第3幕−ナポリの王女が劇中劇のプリマ役の人だ。DVDでもそうなのだろうか?(未確認)とても個性的な顔立ちな上、あのコミカルなプリマ役の印象が強すぎて、ナポリの王女のイメージと合わない。。そしてAdam Stranger登場。やっぱりDVDから抜け出てきたよう。。。
と思いきや、無精ひげメイクが濃い!なつむさんのブロードウェイ公演メモにあった「山賊」とはこのことか! ひげ。。要らないと思うんですけど、どうでしょう?

 さてさて、ハンガリーの王女のリフトがちょっと変わってるかな、鞭の使い方とか。と思ってる間に3回転テーブルジャンプ乗り。あ。。テーブルに手をついて乗った!ちょっと優雅さではDVDに劣るけど、安全第一ってとこかな!だもんね。
スペインの王女は随分ふっくらした人だな。DVDではわかりにくかったけど、ナポリの王女にたどり着くまでにあんなにいろんな人にちょっかい出してたのね。
 前述の通り、ちょっとナポリの王女はイメージがちがうし、エスコート役は随分若く見える子。最後はAdamにたばこの煙を噴きかけられるという演出に変わっていた。

 王妃とAdamのダンス。さすがにバレエダンサー同士の踊りはすばらしい。でも、Fiona王妃に比べて、全体的に動きが固い感じ。。。大人の女のお色気というか中年女のいやらしさ(失礼)がはじける感じがもう少しほしいかな。最後にAdamが王妃の足に抱きついた後、DVDでは王妃が全身で喜びを現すのに、マーガリット王妃は結構あっさりとお酒をとりにいこうとしていたし。それから全般的に王子の苛立ちやAdamと踊った後の動揺、嫉妬に狂う気持ちなどがわかりにくい。。と思った。

第4幕−手術のシーンが病院っぽい背景の前に変わっていた。Adamがベッドから登場し、ベッドが斜めなのによろけもせず、ポーズを決める。でもやっぱり足場が悪そう。ほおと胸、背中、腕にはっきりと傷跡を付けている。慟哭のシーンは左端にいた私の席の目の前。。。ただひたすら感激。。。でもやっぱり最後の王子の表情などに不満が残る。そして窓に浮かび上がる白鳥とその胸に抱かれた少年王子。。。涙。のうちに幕が降りる。。。途中で、Adamが少年王子を降ろしている足が見えてしまった。前方の席というのはいいような悪いような。。。。

カーテンコールは5回ぐらい。少年王子役のGavがSwanの群舞も兼ねている関係で、Swanのメイクでパジャマを着て出てきたのが、ちょっと不思議な感じでした。その時まで彼が少年王子だったとは気付いてなかったのですが。。。カーテンがあがる度に、Adamが中心となって勢いをつけて前に出てきていた。スタンディング・オベーションをしている観客を見渡してとてもうれしそうだった。

3月1日マチネ。(昨日との比較なので手短に。。)

この日もSwan/StrangerはAdam。長い間待ち続けていたのに、たった24時間足らずの間に2回もAdamが見れるなんて。。。再び感激。本日は5列目の右の方。昨日の教訓を踏まえ、オペラグラスを持参。 これで、舞台奥を横切るSwanもばっちり見れるはず!

第1幕−銅像の除幕式を右側から見るとちょっとだけ顔が見える♪♪♪ Swanメイクで前髪が黒くなってるのを腕で隠してるんだな〜と思う。
 さて、本日の王子はBen。弱々しくてなかなかいい感じ。最後の方のソロの踊りもやりきれなさや絶望感が伝わってきた。昨日気になった物足りなさをすべて解消してくれた。そしてSwanが横切る。オペラグラスでアップはみたものの、やっぱり前の方の席では、ちゃんと見れない。。。

第2幕−全般的にAdamの踊りは昨日より良い様な気がした。パートナーが違うと違ってみえるだけなのかな。私は今日の方が好きだな。昨日のあれれ?と思ったラストでは、Ben王子はなんとか回転中のAdamの腰を手に取り、去っていった。。。!満足。

第3幕−Adamと王子の踊りはやっぱり昨日よりいい感じ。Strangerにいたぶられる王子の感じが良く出ている。強いて言うとBen王子、最後の嫉妬で狂気錯乱していくところがもっと大袈裟でもいいかな?

第4幕−Adamの手負いメークが今日は薄いな。昨日はもっとあちこち傷だらけだったのに。この4幕は生舞台で見る方が全然いいとあらためて思った。威嚇している鳴き声、攻撃しているダンサーたちの息遣いというかが、とても闘いをリアルにしている。

二日続けて、惜しむらくは、音響です。雑音が入ってたりして、録音状態がよくない!のが大いなる不満でありました。

Adamのオフィシャル・サイトでも日本公演に対する思いが語られてましたが、なつむさんやみなさんの熱意がAdamに日本でならもう一度白鳥をやってもよいなと思わせたのですよね。本当に感謝です。

この後は3月8日(土)のソワレ、3月25,28日のソワレ。首藤さんやジーザス、そしてAdamの最後(?)の白鳥が見られるでしょうか。楽しみです。


◇弥生さん◇(鑑賞日・2003年3月1日昼・夜&2日昼・夜)

 1日(土)、2日(日)のマチネ&ソワレ、計4公演を見て参りました。それぞれの公演について、その公演で初めて見たキャストについての感想を中心に書いて、後で、5公演見終わっての感想を書きたいと思います。

<3月1日(土)マチネ>
 ガールフレンドのトレイシー・ブラッドリーが初めて。トレイシー演じるガールフレンドも、フィオナと同じく、美人だけどお行儀が悪く、頭も悪い女の子。それでいてよりいっそう、頭の悪そうな感じが出てました。
 彼女たち2人を見て思ったことは、ビデオ版の、エミリー・ピアシー演じるガールフレンドとはかなり違うな、ということ。エミリー演じるガールフレンドは、頭は悪くなく本当は賢そう。計算ずくであういう派手な格好をしていて王子を誘惑したものの、少しずつ本当に王子を愛し始めた、だからSWANKBARを出た時に報道官(執事)からの報酬である現金を、通りかかった少年にあげたり、舞踏会の最後で王子を必死でかばったりしていて・・・。今回のガールフレンドは、かなりお馬鹿な女の子、という演出です。

<3月1日(土)ソワレ>
 白鳥役のジーザス・パスター、王子役のアンドリュー・コルベット、女王役のエマ・スピアーズ、を初めて見ました。
 まず、初めてのジーザス・バスター。彼の白鳥は、何か「神」がかっていて、かわいそうな王子を救うために、神様が白鳥に姿を変えて舞い降りてきた、という感じがしました。彼のお顔が神秘的な雰囲気なせいかもしれません。それでいて、「王子に対しても群舞の白鳥達に対しても格が上で支配する立場」というような上下関係がはっきり感じられるアダムの白鳥に比べると、ジーザスの白鳥は、王子とは「同志」みたいな関係にも見えました。
 身長もアダムよりは小さいせいでしょうか。公園での白鳥のシーンの最後の曲で、生きる希望を見出して楽しそうに踊る王子の傍らで、時々彼も踊りながらニコっと楽しそうに微笑んだりしてて・・・。「死のうとしてた彼が、今はこんなに楽しそうにして希望に満ちていて僕もうれしいよぉ・・・」とでも言ってるみたい。

 そう、ジーザスって、時々よく突然ニッコリ笑うんです。もちろん、公園の最初の方とか、シリアスな場面ではないですが、公園のシーンの最後の方とか、黒鳥の時とかに突然。
 あと、体が柔らかくて年齢も若いということもあってか、足の上げる角度とかもすごく大きくて、見ていてスカっとするようなダイナミックな動きの踊りでした。それでいて気品があって。

 彼の黒鳥は・・・アダムとは違ったタイプのいい男。顔のヒゲ跡の青さと神秘的な目もと(黒っぽいアイメイク)が、色気を出しています。そして彼は、しょっちゅう腰をクネっと大きく回す動きをします。アダムより回数が全然多いのです。エッチっぽさを強調してのでしょうね。
 でも、イタリアの王女の靴を脱がす時は、手で脚をナゾるだけで、アダムみたいに、脚づたいにキスをするなんてことはしなかったので、あっさりしてましたが。あと、王女たち&女王、の女性陣だけで踊るシーン。手前で寝そべったりしながら品定めをするかのように、視線を送ってアピールする女性たちを眺めるところも、アダムよりはサラッとしてました。このシーンのアダムは、意味深な笑みを浮かべて、ほんと、「品定め」してる感じ、目の前の全ての女たちは俺のものさ!みたいな自信に満ちていて・・・。

 アダムが「ワル」を極めてるとしたら、ジーザスは、色気で勝負!って感じがしました。でも、色気といえばアダムもすごい。言ってみれば、アダムのは、攻撃的なセクシーさ、ジーザスは漂うような色っぽさ、というか・・・。
 あの凄い!ヤバイ!アダムを見てしまった後だったので、どうかな、と思ったりしましたが、そんな心配は無用、自信に満ちてたし、いい男ぶりでした。

 アンドリュー・コルベットの王子。とにかく上品!お育ちのよいお坊ちゃん。品が良すぎて頼りなくって・・・。演技という点では、やはり、ベン・ライトに比べると、まだまだ、って感じですね。自分を捨てきれてないというか、頑張っても「アンドリュー・コルベット」で、完璧「王子」にはなり切れてないような印象でした。

 エマ・ピアーズの女王。庶民的で王室っぽさが欠ける気がしました。メイクも、アイラインの幅が広すぎて、舞台メイクが過ぎて不自然。表情もしぐさも、サバサバしてて男性的で・・・。私はマーガリット・ポーターの方が好きだと思いました。王室らしい品格があって。

<3月2日(日)マチネ>
 王子役のトム・ワード、執事役のリチャード・クルト、幼年の王子役のギャヴ・パーサンド、を初めて見ました。

 まず、トム・ワードの王子。すごいよかった!体型は中肉中背(でちょっとむっちり)、お顔も人のよさそうな憎めないお顔で、現代のヨーロッパのどこかの王室に実際にこういう王子がいそうだな、というような容姿。そんな見た目の彼、繊細な王子なんて演じられるの?と最初に出てきた時思ったのですが、裏切られました!演技力がすごい!表情も体の動きも振りも全て含めて。ベン・ライトに匹敵します。
 ベン・ライトが、「ピュアで繊細、傷付きやすい」王子だとすれば、トムは、「お人よしで世間知らずで単純な、騙されやすそうな」王子。ガールフレンドと出会った時も、「こんな可愛い子、生まれて初めて見たよぉ!」って一目ぼれしてしまうし、公園で白鳥を見つめる目も、まるで小さい子供が初めて見たものに興味津々で目を見開いてる表情のように見つめていて、かわいいです。
 黒鳥に裏切られる時も、ほんと、「騙された情けない王子」だし、ラストも、心から悲しそう。すっごく純粋でいい意味で単純で、憎めない王子でした。また見たいです。

 執事役のリチャード・クルト。よかった!せっかくの薄い頭を活かさず鬘をつけた、スティーヴン・カーカムの執事に比べると、ほとんどスキンヘッド状態(Willieさんの「禿げ白鳥」は彼でしょうね)で、体格もかなりよい彼が演じる執事は、ビデオ版のバリー・アトキントンのイメージだし(背は彼ほど高くないけど)、それに、やっぱり、SwankBarのシーン、変なカツラ&サングラスであやしい男風に変装してて、よかった。スティーヴンは、帽子&サングラスを付けるだけなので、「変装」って感じがしなかったのです。暗めで大人しく冷酷そうなスティーヴンの執事よりも、ギラギラしてて、いい感じでした。

 幼年の王子役ギャヴ・パーサンドくん。ローブリッターさんも彼を「印象深かった」とおっしゃってましたね。実は私も、初日に一番印象に残った(小)白鳥なんです。そう、「ぼく、いくつ?」と思って、母のような気持ちになってしまった子。
 とにかく背が小さくって(とあるサイトのプロフィールによると165センチ)、お子供でかわいくて、それでいて表情がすごくって。小さいからなおさら、一生懸命に口を開けて威嚇する表情をしたりするんでしょうね、その表情が何とも可愛い。お顔も、幼い中にもキリっとした凛々しさがありますよね。そう、ローブリッターさんのおっしゃる通り、「目」に不思議なパワーがあって・・・。
 そんなギャヴくんの幼年の王子。 いやあ、よかった。何がいいって、あの、超反抗的な態度!「もう、やってらんね〜よ」という思いを、あの小さい体&顔いっぱいに表してます、まさに、反抗期に差し掛かった少年。

 サイモン・カレイスコスくんの王子は、もっと控えめで消極的で、「あ〜、やだなあ、かったるいなあ・・・」という気持ちが自然に態度に出てるだけ、反抗期以前の少年、ですが、ギャヴくんのは、周りの全ての大人たちに「やってらんね〜ぜ!」とめいっぱい自己表現してます。かなり笑えました。絶対また見たいです。

<3月3日(日)ソワレ>
 主役級で初めて見たキャストはありませんでした。

 以上、初めて見たキャストについて語ってみました。それ以外のことを書かせてください。

 まず初めに、Willieさんが目をお付けになった子、レイン・ド・ライ・バレットくんだと思いますが、ほんと、あの背の小ささとあの個性的な顔で目立ってましたね。今までのAMPにはいなかったタイプだと思います。ダンサーっぽくないというか、面白くて怪しげな雰囲気だし・・・。そんなお顔で、カーテンコールでの笑顔がかわいいのが意外性でした。

 私はあと、デイヴィット・リースくんにも惹かれました。初日にスペインのエスコートをしてたのですが、笑顔が本当に素敵でかわいいんです。「良い子」って感じで。リヴァプールFCのスティーヴン・ジェラードを笑顔な良い子にした感じ(すみませんサッカーネタで。わかる方は納得されるはず!ちなみに、アダム・クーパーはリヴァプールファンだそうですね。ロンドンっ子なのに)。
舞踏会の最初のダンスで、男性たちがすごい楽しそうな笑顔だった、と前回書きましたが、彼を見てそう思ったのです。

 ギャヴ・パーサンドくんが幼年王子を演じた時、初日に幼年の王子役を演じたサイモン・カレイスコスくんが、白鳥たち&スペインのエスコートを演じたのですが、これがまた最高でした!  当然のごとく背が小さく、まだ幼いお顔の彼が、いっちょまえに、おそらく女性ダンサー中で一番ふくよかと思われる大柄で豪快なスペインの王女役のダンサー(名前がわからず)をエスコートするんです。まさに、エスコートというより弟!(笑)
 これを見て思い出したのは、ヨーロッパの昔の映画なんかでよく見かける、交通も不便で治安の悪かった時代、一人旅の女性に、用心棒としてくっついて行く少年、状態でした。  リフトの時なんか、だ、だいじょうぶか?と、母の気持ちで心配してしまいました。(当然ですが高さはなかったです・・・)

 今回、こういうのが多いんですよね。小さくて華奢な男性ダンサーに、わざとなのか、大きくて重そうなものを持たせる、という図。4羽の白鳥のシーンで最後に2人一組になって背中におんぶしますが、必ず、小さい子が下なんです。だから、よろめきながら必死で舞台袖へ歩いていくので、「頑張れ〜!」と応援してしまいます。
 あと、ラストシーン、白鳥と群舞の白鳥たちが対立しるところで、ぐったりして倒れている王子を抱っこする白鳥も、必ず、ギャヴくんかカレイスコスくん。一番小さい子に持たせるんです。やっぱり、頑張れ〜って応援しちゃいます。
 これは、作戦というか、ある意味演出のテク、意図的なものだと思ってます。その、小さいダンサーの可愛らしさを強調してるのでは、と。

 今回生で見てすごく気に入ってしまったシーン(いっぱいあるけど目下のところ一番)があって、それは、4幕で、舞台中央手前で、白鳥さんたちが寄ってたかって王子を集団攻撃するところ。手をパチンと叩く音や鳥が吠えるような息使い、といった、ビデオではあまり聞こえない音がよく聞こえるせいなのかしらないですが、とっても気に入ってしまったのです。お楽しみのシーンの一つ。一羽一羽の動きのタイミングが綺麗にバラバラにずれてるのが凄い。この「集団いじめ」のシーンがとっても好きな私、ちょっと変でしょうか?みなさんどう思ってるのか気になります。

 さて、5公演見終わって、いまだ、首藤さんの白鳥に出会ってません!怪我(大きいのではなくても、捻ったとか)でもしたのでしょうか?たまたま土日のキャストに組まれなかっただけでしょうか?2月26日〜28日には演じてたのでしょうか?気になります、彼の白鳥も是非見たいのです。

 私は今後は、8日マチネ&ソワレ、25日〜27日のソワレ、28日のマチネを見にいきます。(25日以降の追加公演チケットは予定外。初日の舞台に感動して土曜日に急遽買ってしまいました)その中でいつかは見られることを祈ってます。

 それにしても、生で見て思ったこと、それは、主役は誰でも構わない、群舞がすごい!群舞が見たい!ってことです。初日を迎えるまではアダムの日が見たい、とか、そういうことばかり考えていたのに・・・。群舞の白鳥さんたちに乾杯!という気持ちです。


◇MI-HAさん◇(鑑賞日・2003年2月25日&28日)

 25日初日と28日の公演に行ってきました。ビデオで、何回も見ていたものの、生舞台を見るのは初めてで、本当に大感激しました。

 振りつけは、第2幕、王子と白鳥のパ・ドゥ・トゥがより濃厚、濃密になっていてドキドキしました。白鳥が王子に擦り寄っていく仕草が繰返され、ここまで、慕われたら誰でも落ちる、とゆー位。
また、第3幕、黒鳥は役名としては、The Strangerとなっていて、それもまた、王子と2人になってのパ・ドゥ・トゥはビデオ版より一層濃厚に乱暴に王子をかき寄せる振りが加わり、こーいうワルに言い寄られたら、マジ恐い、と思いました。ド迫力のワル振りはビデオ版よりも凄味がありました。

 アダムのダンスはキレがあって鋭く、本当に大型の鳥の動きのようでした。彼が舞台に登場すると、ウワーッと拍手がおこり、まわりの客が一斉にオペラグラスを取りだすのです。でも、アダムが登場すると、せっかくの他の人達のダンスが目に入らなくなってしまうのが困りモノでした。

 第4幕は白壁に高い窓のセットになっていて、精神病院に収容されたのだ、という事が明白になっていました。そして、意識がもうろうとなるような治療を受け、場が変わって、昏睡のような眠りの中で、ベッド下から、王子の夢、あるいは幻覚として白鳥達が登場し、王子覚醒の後、苦しむ王子にベッドの中から、メ白鳥モが衝撃的に登場!白鳥はすでに背中や肩、腕などに、痛ましい大きな傷がありました。
 あのヒッチコックの「鳥」を思わせる、ベッド上に白鳥達が集まって羽ばたく場面は恐くて美しく強い印象で、舞台の名場面として、後世に残るものじゃないか、と思いました。倒れた王子をメ白鳥モがなんとか起こそうとする場も、王子の腕に首を差し入れたり、頭を摺り寄せて起こそうとしたり、さらに、必死の様子が加わっていて、胸が熱くなりました。最後の場面はやはり涙が出てしまいました。

 生舞台を観て、初めて気がついた事なのですが、ベッドのはるか後方の高いところに白鳥が幼い王子を抱きしめてぼうっと浮かび上がる最後の場では、幼い王子の額にあの黒い白鳥のメイクがしてあったのです。王子は死んでようやくメ白鳥モに抱かれて、白鳥になったのですね。

 プログラムに河原晶子の評論が載っていて、曰く、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の中の〈スワンの恋〉に登場する、シャルル・スワンと彼が結婚する高級娼婦オデットを連想させる、とあり、プルーストのように自室にこもった孤独な王子は、彼だけの夢の世界に自らを誘惑する高貴で性的なメ白鳥モを生み出してゆく。メ白鳥モは文字通り、王子の床の中から出現する。そうして王子は彼が理想の分身として創り上げたメ白鳥モを、最期には自身の死の床にひきずり込むのだ、と書いてありましたメ白鳥モが、他の白鳥にやられてしまうのも、王子自らのした事、自殺ということなのですね。そして、別の世界で、ようやく白鳥になれたのでしょう。

 本当に素晴らしい舞台で、あれだけビデオも見ていましたのに、まったく新たな気持ちで感動しました。カーテンコールの劇場中が1つになった様なうねりのような拍手と口笛の嵐にも、 胸が熱くなりました。オーチャードホールが感動で共鳴していました。良かったです。実に良かったです。

 25日公演後、出待ちしましたが、初日大成功の後のレセプションが始まってしまい、ガラス張りの会場が見えて、アダムが居るのが見えたりもしたのですが、(ファンに気がついて、手を振ってくれたりしました)結局、パーティーは長引いて、アダムには逢えませんでした。他の白鳥さん達や、ベン・ライト、28日に王子だったアンドリュー・コルベットなど出て来て、サインしてくれたり、写真撮らせてくれたりしました。

 28日は終演後、表から出て来てくれるのか、楽屋口から出てきてくれるのかわからず、ウロウロしてしまいましたが、楽屋口の方に人が多かったので、待っていたところ、30分も待たないうちに、楽屋口にファンの悲鳴が上がり、アダムが出て来てくれたのです!

 第1印象は、とにかく顔が小さい!鼻が高い!色が白い!舞台であんなに大きく立派な体格に見えるのに、服着て立っているところを見ると、ものすごく細くて華奢!どこから、あの黒鳥のワル振りが出てくるのかしら??と思うくらい、おだやかなやさしそうな青年、といった雰囲気なのです。ラフなベージュのダボッとしたコットンパンツにグレーと黒のTシャツの重ね着、白のスニーカー、黒い大きめのショルダーをナナメがけにしてスタジアムキャップみたいなのを被ってまるで高校生みたいに若々しいこと!

 写真撮ってもいいですか?と訊くとメSure!モなんて言って、ニコニコとこちらを向いてくれる。 みな競ってフラッシュたくので、そうとうまぶしいはずなのに、全然イヤな顔ひとつしないのです。10分くらいもの間、丁寧に一人一人サイン書いたり、写真撮ったりに応じてくれて、もう行かなくてはならないので、と言って、引き上げる時には、ファンの方が御礼言うべきなのに彼の方がファンにメThank youモと言って、中にまた戻って行きました。もちろん、居合わせた人は、皆感激して口々に御礼言いましたが、なんて謙虚な人なのだろうと思いました。
 わざわざ、出待ちしてるファンのために出て来てくれたらしいのです。横の駐車場に入ってきていたタクシーに乗って帰って行きました。早く帰って休みたいところだったでしょうになんていい人なんだ、ともう大感激。

 出待ちしている時、他のファンの方とお話しましたが、幾度か観に来られるの?とお尋ねしたら、笑われてしまいました。幾度じゃなくて、10回以上よ、との事なんです。皆さん、ほんとにお好きなんだな、と感心しました。
 私は、あと2回行きますが、14日はアダムではないので、残席があるなら、後悔のないように 出来る限り行こうと思いました。でも、公演始まってからは、リピーターが増えるようで、あっという間にどの日も残席はなくなってしまったようです。当日券を入手された方にききましたが、午後2時から並んでいた、とのこと。それで、席はとても後ろで、残念ながら、あまりよく見えなかった、そうです。立ち見席も、椅子が並べてあるそうですが、前列より低くて見えにくかったとか。それでも、観たいので、連日来るという方も居ました。幾度観ても、あきるという事がなくて、クセになる、とも言ってました。

 朝日新聞に載っていたアダムのインタビュー記事、私も読みました。「ニューヨークまで公演を観にきてくれたファンたちに感動した。日本できちんと見せる事が大切」と思って公演依頼を受けた、との事。 すぐに、この日本公演への特別出演は、なつむさんや皆様のおかげなのだ、と思い当たり、有難い事、と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 ミュージカルや振りつけなど、次のステップに踏み出しているアダムですから、もう白鳥は踊らないのかも、とあきらめていましたのに、皆様の熱意のおかげで、生舞台のアダム白鳥が観られて、嬉しいことです。本当に有難うございます。ファンの熱意はちゃんと伝わるものなのですね〜。それに、そのファンの熱意を受けとめてくれる人柄もあります。改めて、ファンとしてこれからも応援していこう、という思いを強くしました。


◇ローブリッターさん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

 私の背中に見えない翼をつけてしまったエンターテイメント、SWAN LAKE の待ちに待った初日の舞台を観てきました。7時の開演前、スクリーンには羽ばたく一羽の白鳥が浮かび上がっています。

 このビデオを観て、群舞で踊る一羽の白鳥さんに心を奪われ、(うーん、どーしてもウィルの話から入りますね。)「カーマン」では来日しなかった、その彼の舞台を観るために昨年の夏にはロンドンまで行ってしまった私。
 今回ウィルは出演していないし、おそらく今後もSWAN LAKEでのそれは無いと思いながらも、やっと日本へ飛来したSWAN達の生の舞台を目の前にして感慨モードに突入です。

 しかもアダム白鳥です。朝日新聞のインタビュー記事、嬉しかったですね!こうしてアダムの白鳥を生で観れるという願いがかなったバックには、海外までSWAN LAKEを観に行った日本の熱いファンの思いがアダムに通じたからなんですね。 アダム!すばらしいっ!そして皆様ありがとうございます。
 アダム白鳥には本当に心を奪われ・・・そうに、いえ、はい、ました(笑)。ぺこっ。←ウィルに謝ってます。あ、夫にも。

 今回は、AMPのなんたるかは理解していないものの、マシュ-のSWAN LAKEがどんなものなのかと、とても楽しみにしていた母と友人らには11列めの席をとり、(一緒に観たくなかったわけではなく!ジャー、ドウシテベンカイスルノ?一回きり観る方には、去年、マシュ-のいたこのあたりかと)とにかく・・・私はひとり離れて、「カーマン」のときにはなぜか買わなかった最前列の席です。

 確かにここからは、舞台の後方は見えません。アダムのバックで座って踊る(・・・といえばご理解頂けるかと、)4羽の白鳥さんに至っては悲しいかな、頭しか見えませんし(ケヴィン君がいたのにー。)前のほうでも膝から下は見えなかったりと、かなり視界は狭いのですが、全体を観るのは後日、今日は見えるものだけを間近で、と。

 私の席はストレンジャーのアダムがターンの後に着地する、あのテーブルの前で、その丸テーブルが出てきたときは、「もっと前に出して!もっと前にー!!」とまたまた心の中で叫んでいました。アダムのパワフルでいてしなやかで美しい白鳥、魅せられました。途中、さまざまな思いが交錯して涙が頬をつーーっと。

 私は本当に幸せ者だと、心からそう思います。これからご覧になるかた、なつむさんのHPを訪れるファンのかた、みなさんがアダムを観れますようにお祈りします。そして首藤さんやバスターの「白鳥」もとても楽しみです。

 スティーブ・カーカムはPlay Without Words以来です。あのプレンティスが最も自然な彼のヘアスタイル(ほとんど御髪はないかと・・・)で、今回もおそらくそのままかと予想していましたのに、大外れ!PWWのオースチン・パワーズ風揺れるロン毛カツラともまた違うポマード?べったりヘアーに眼鏡です(耳の後ろにある白いものは何かと見たら、眼鏡がしっかり固定してありました)。
 彼の執事はとっても冷淡そうに見えて、王子を可愛そうと思う気持ちがレベル10(?)になってしまいました。

 ベン・ライトは私の中では「ウィルが白鳥のときに王子を踊っていたダンサー」という認識しかなかったのですが、かわいそうなくらい傷つきやすい王子。
 パンフの中で「一番若かったケンプは禁欲的でね。彼と踊っていると、僕も若くなったような気がしたよ。(笑)」と語っていますが、今夜の彼もとても可愛らしくてフラジール、こんな王子をいたぶるストレンジャーがウィルだったら私はどーなっちゃっていたんでしょう。やっぱり担架かしら?

 そして群舞の白鳥たちの、やはり第二幕とラストは圧巻。フレッシュな白鳥たち、彼らがSWAN LAKE を踊る喜びというのかしら、こちらにガンガン伝わってくるんです。みんな、よくがんばりました、というのは可笑しな言い方かもしれませんが、彼らの踊りには大満足。中には息子と(年はナイショ)同じくらいのダンサーもいますので、ついついママ?はそんな風に声援を贈ってしまいます。

 あのメイクですから、わかりにくいし、初めて観るダンサーがほとんどですが、 個人的には「カーマン」でも観たケヴィン・マスカット君(イーストエンド・ギャングと水夫、白鳥)とギャヴ・パーザンド君の白鳥(小柄ですがとても踊りが綺麗。そして、彼の「目」には不思議なパワーあり、です。)が特に群舞のシーンで印象深いダンサーでした。

 一幕が終わり、舞台に大満足の母と長い長いいつも片方だけ込み合う列に並んだときです。
「やっぱり、ウィルのやってた役を踊ってるダンサーをどうしても見ちゃうよねー。」という声に頷きながらハタと振り返った私。その女の子があんまり若くてビックリ。10代と同レベルの私。私が同じこと言ってたら、むこうは目がてん、だったでしょうけど!

 はじめて見た生のSWAN LAKE !!ビデオでは何十回と観たはずなのにこの新しい感動に自分でも驚くほどでした。観客総立ちの胸が熱くなるカーテンコール! こんなすばらしい作品をクリエイトしてくれたマシュ-と彼のすばらしい仲間たちに心からの「ありがとう」を贈りたいと思います。

 2回目は12日。2階のバルコニー席から今度は全体を観てきます。この日は首藤君かバスター君ですね。


◇TOMOKOさん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

 「Swan Lake」の初日に行って来ました。気になるキャストですが、会場を入って真っ先に確認すると、アダムだったので、やった!という気分でした。初日だから大丈夫だろうとは思っていましたが、日本公演と言うことで、首藤康之さんの可能性もありかなという気がしていたので(いや、首藤さんは首藤さんでも見てみたいのですが)うれしかったです。
 3月8日にも見に行くのですが、万が一こっちもアダムでなかったらかなり悲しかったし。

 アダムのダンスですが、今まで見たのに比べて、いまいちスケールが小さいというか、ちょっと物足りなさを感じたのですが、初日ということで、まだ舞台に慣れてなかったのか、あるいはややセーブして踊っていたのでしょうか?また、色々な部分で細かい演出が今までと変わっていたように思いました。

 特に気になったのが、オペラハウスのシーンで、バレエを鑑賞するガールフレンドのリアクションが、いちいちやたらと大げさになっていたこと。ここまでやらないと、日本人はどうせ分からないだろうと思われているのかなぁと、ちょっとむっとしたりして(笑)。あと、バレエの振り付けも細かいところで変わっている気がしました。

 などなどと、気になる部分はあったのですが、日本でスワンが見られたのは、うれしいことでした。
アダムの踊りのたびに、すごい拍手が沸き起こって、終了後のカーテンコールは5回くらいに及びました。アダム達も最後の方は幕が上がるたび、「おいおい、またかよ。」という顔をしているのがおかしかった。
 最後は、舞台にヘザー・ヘイザンスとアンドリュー・コルベット(だと思う)も引っ張り出されてきて挨拶していました。ということは、やっぱり今回はマシューは来ていないんでしょうね。観客も、最後の方はスタンディングオベーションでした。


◇ちーままさん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

 行ってきました!スワンの初日。当たり!スワンはアダムでした。王子様はベン・ライトです。
 感動、感涙モノです。やっぱり、生は違いますよね。最後、王子の部屋の幕では本当に涙が出そうになりました。王子様がスコットじゃないのは…やっぱり不満。 いけないと思いつつ比べてしまいます。
 スコットはこんな表情しなかったとか、ここはこんな踊り方だっけ?!とか… 幼年の王子様が大きすぎるのもどうかなあ…と。もう少し小柄な人の方が良いんじゃないかと思いました。白鳥のひよこをやった人で1人いい人がいたんだけど(名前がわからない)。客席10列目ではAMPのメンバーと、首藤さんが観ていました。

 で!聞いてください!生まれて初めて『出待ち』をしました!初めは楽屋口に3〜40人くらいいました。
 スタッフが「今日は初日のためレセプションがあり、楽屋口ではなく正面玄関から出ます」と言うのでみんな半分疑いつつも正面に移動。そこから2回のレセプション会場を見上げてのぞき見。後ろ姿しか見せてくれなかったアダムが、飲み物を取ろうと(?)振り向いた瞬間手を振ってみました。アダムは気がついてちゃんと振り返してくれました。でも、その時1回だけ…
結局、昨日は裏口から帰ったということで、アダムに会うことは出来ませんでした。


◇Willieさん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

 初日のSwan Lakeを観てきました。席は最前列のステージに向かって左のはしの方でした。
Car Manのときはオーケストラピットがあったので最前列でも良く見えたのですが今回は?!とちょっと心配でしたがこの場所は大正解でした。(白鳥がここでポーズすることが多いのです!)
ベン王子の白くいれた目のインサイドライナーまでばっちりみえます!今回、幕があいて最初の印象は、とにかく若い!なんかみんな若〜い!!ということ。そしてちよっとショウアップされた華やかさ。
 ちょっとイギリス的な影がないんじゃないかしら?!なんて思ってたんですが、すっごい味のある男の子を発見。なんか表情がおもしろすぎる!下品で素敵かも...。とだんだん引き込まれてしまいました。

 最初は犬の散歩係りでSwank Barではブルーのハンチングの男の子(水兵さんと歌いながら帰っていく子)、そして小さい白鳥を踊っていました。パンフレットで見つけられなくて名前がわかんないんですが、すごく目立っていたので気になった人も多かったんじゃないかしら。
 AdamとかWillとかMatthew(一応)とかの上品さと対極にいる恐るべきちびっ子って感じです。なんか、Velvet Goldmimeのときのジョナサン.リーズ.マイヤーズのパロディみたいなグラム風味な表情にかなり楽しませてもらいました!

 もう、ビデオで100回以上観ていたので(人にいうとひくけど、AMPファンでは常識ですよね!)かなり自分のなかでイメージが固定されてしまっていたのですが、彼のおかげで新しい風が吹いたといっても過言ではありません。なんか小さい子たちパワーがとにかく良かったです。

 秋にSadler's WellでNutcrackerを観たのですが、こういうAMPのイメージをかえるキャストの新鮮さはなくて(New Adventuresだけど人的には実際はOldというか古株だから)今回の来日でかなりNew!Flesh!と思ったし、それを楽しめた自分にもびっくりしました。
 だって、絶対オリジナルキャストで観たいと思っていたし、今回も来日前はオリジナルじゃないしどうせ...とか斜にかまえて盛り上がってなかったのです。(彼を発見するまでは)

 アダムが出るであろう日だけを狙って6公演のチケットを買ったのですが14日の読みがはずれてしまい、今ではそれはそれで良かったかも...と思います。他の白鳥のレポートも楽しめるかもしれません。
 首藤さんも会場でみかけましたが、私も弥生さんと同じような心配をしちゃいました。
一緒に観に来た彼に、私が首藤さんの心の声を代弁して 「もう僕はだめだ。いや、僕は僕なりのスワンを踊ればいいのだ...」とかすごいプレッシャーのなかアラベスクのノンナや岡ひろみばりに今まさに悟りの境地に達しようとしているんだよ〜なんて。(日本人だとどうしても鶴っぽくなりそうで心配ですが)そんな大きなプレッシャーのなかで生み出される彼ならではの白鳥も観てみたくなりました。
 そして、思えばWillだってそんなプレッシャ−のなか踊って、今のすばらしい彼がいるんだからすごいものです!首藤さんは無名ではないけど、なんせWillは全くの無名だったのですから。

 ちょっと余談ですが、仕事に行く途中Willのgapのビルボードがあって、毎朝「Will いってきま〜す」とか「Will...もうやんなっちゃうよ」とかやっていた私(ちょっと怖い)を見ていた職場の同僚がバスの中からおとといgapが春の広告に変わるのをみつけて、思わず「やめて〜、かえないで〜!」と叫んでくれたそうです。せっかくAMPが来てるのに変えちゃうなんて、残念ですね。

 そして話はもどって、Adamの白鳥はMatthewが彼の本の中でAdamの白鳥は観客や王子をdominateすると言っていたことがよ〜くわかりました。公園の場面で現れて王子の前で止った場所はステージの左はし、そう私の目の前だったのです!まさにコロっとdominateされました。 威圧と訳すのか支配されると訳すのか...とにかく客なのになんでこんなに緊張しないといけないの?!っていうくらい対峙した緊張感でした。
 近いというのもあったかもしれないけれど、後ろの方で観た人は如何でしたか?あのちっちゃなおもしろい子を見つけてチンタラみてた(そんなことないんだけど...)私の背筋をピキッと伸ばさせるようなAdamの衝撃的な登場でした。
 あの存在感とあの目はすごすぎる。冷たい白鳥のリーダーの目でした。そして、若い白鳥が多いので余計に別格のリーダー感がただよってました。本当に存在感が別格なのです。孤高なのです!!
 他の白鳥も個性いろいろで「小白鳥」「ゲイ白鳥」「禿げ白鳥」「胸毛白鳥」などなど名前をつけて楽しんで観てたんですが、ときおりAdamの怖い目ににらまれまたはっとして姿勢正して真面目に鑑賞する感じでした...。ごめんなさい。

 彼の白鳥はもう文句なくすばらしかったのですが、ちょっと待った!そのストレンジャー はいいのですか?ビデオでも思ってはいたのですがあの革パンにあのスカーフはあんまりじゃぁないですか。絵にかいたようなW.A.R.U(笑)って感じで宝塚のスターみたいで...。

 踊りがすばらしくてもあの衣装で2割は冷めます。(それでもすごいけど)今どき(時代設定は今じゃないけど...)あの超アップライズジャストウエストの革パンを見たとたんもう魅了されないんですけど。私だけですか?
 そしてなつむさんがニューヨークレポートで書いていた意味がわかりました。悪すぎてなにもそこまでしなくても〜みたいな。ヒゲなんてなくても十分悪そうだよ、とか絵に書いた悪みたいだからもうちょっと色気がほしいとかも思いました。悪いの?良いの?という危うさがもうちょっと欲しかったな、と思いました。

 ビデオとちがって、やめて〜と思ったのはあの、2幕で白鳥達がウルトラマンのようなポーズで王子を威圧するところです。なんかパブリシティの写真としてもちらっとでていてこのポーズは何?と度胆をぬかれたのですがステージでみても...なんで変えたのかな。

 2幕の白鳥達が帰っていった後は弥生さんのレポートでもふれられていた通り拍手喝采でした。ピ〜〜ッなんて口笛もがんがん聞こえてきて良い感じ。わたしも家にかえってから口笛の練習をしてみましたが出来ない!出来る人は是非やりましょう。(女の子がやるのはよくないけど感動が伝わりあいみんなの気持ちがアップするので楽しい!)
 月にむかって立っているベン王子も拍手がなりやまないのでちょっとこまってしまったかも?!最後ももちろん、スタンディングオベーションでした。

 たくさんのバレエ公演をみたけれど、こんなにたくさんの人が立っているのは初めてみたかも。ライトがついて思ったのは、20代後半から30代,40代の女性同士の客層が多いということ。 私も含めてこの世代はお金はあるから夢みられるなら払うわよ!という意気込みなのかしら...。 (バレエの客層も、おいしいレストランの客層もそうですよね。)
 Londonの客層はけっこう10代の女の子が多くてびっくりでした。友達同士でキャーキャーいってみてるティーンズとか。演目にもよるかもしれないですが。
 帰るときバックステージですでに出待ちしている人の多さにもびっくりしました。Car Manのときは殆どいなかったと思うのですがAdamパワーでしょうか。その話だれか聞かせてください!(私はしなかったので)そして、例のあのちびっこのこと知っている人は是非教えて下さい。

 あと5公演で更にフォーカスをかけて観察を続けたいと思います!Adamが出るとよそ見するのがもったいなくて他の白鳥達がちゃんと観れないのが問題ですよね。贅沢すぎるなやみでうれしいけれど、今回なつむさんのレポートを実感しました!そして弥生さんのレポートでAdamのコメントを知りました。

 わたしからも、海外までAdamを観に行ったみなさん、ありがとうございます。そして、教えて下さった弥生さんもありがとうございました!

皆さん、今月はAMPを思いっきり楽しみましょう!無礼講です!


◇弥生さん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

昨夜、SWALAKEの初日を観てまいりました。期待以上に素晴らししかったです。感想を述べさせてください。

 私にとってSWANLAKEは、AMPと出会うきっかけになった作品。BSで放送されていてこの作品をたまたま見たのが、私がAMP狂となったきかっけです。その日からの毎日はもう、毎日毎日、ビデオを見続けました。
 仕事から帰って早くビデオが見たくって仕方がなくって、この頃から、お風呂も、湯船に入らシャワーだけで済ます(とにかく早くビデオが見たくて)というのが習慣になってしまったほど(笑)、寝ても覚めてもSWANLAKE、というほどにこの作品にハマってしまい、AMPに毒されてしまった私なのです。

 それは2000年の3月のことでした。95年に発表されたこの作品ですからブロードウェー公演も終え、公演はひと段落していました。 かろうじて2000年夏にヨーロッパツアーをしてましたので、7月のドイツケルン公演(&同時期に公演してたカーマンのイングランド・ノーリッチ公演)を見にいく計画を立てたものの、 7月は仕事を休むことができず、結局SWANLAKEは一度も生で観ることなく今日に至った私なんです。(そして9月にロンドンでカーマンにハマった私)

 もう、SWANLAKEを生で観られることはないのかな、と半ばあきらめかけてました。 しかし、マシューが新カンパニーを立ち上げたおかげ(?)で、3作品だけを持つキャサリン・ドアのAMPが、こうして世界ツアーをする、という状況になり、我々マシュー作品ファンにとっては、彼の作品を観る機会が増える、という大変喜ばしい状況になり、そしてSWANLAKEを日本で見られることになり、しかも!アダム・クーパーが、日本公演だけ出演してくれる、との情報に、夢のような気持ちでした。もう2度と、アダムのSWANは観られないかも、と思ってたので・・・

 そして迎えた昨夜の初日。初日は、アダムが踊る可能性が高いのでは、という思いからこの日のチケットを買ってはいましたが、会場ロビーでキャスト表を見て、アダムの名前が目に入った時は本当にうれしかったです。
 さて、初日の公演を観ての感想(ビデオ版しか見たことがないので、すべてビデオとの比較になりますが)ですが、最初にまず、これが特に際立ってた、すごかった!ということを述べさせてください。それは・・・

1)"ワル"ぶりに磨きのかかった黒鳥アダム!
2)ピュア過ぎる!可愛すぎる!王子ベン・ライト
3)(特に公園のシーンでの)群舞の白鳥たちが力強く素晴らしい
4)ダンサーたちの表情がとっても楽しそう
です。

まず1)について・・・
生でアダムのSWANを見られるなんて、本当に夢のようで、公園のシーンで彼が白鳥として出てきた時は、会場からは盛大な拍手、私も信じられなくって、涙ぐんでしまったほどです。白鳥を演じるアダム、96年のビデオでの彼のままでした。それが嬉しくって・・・。そして、いい意味で成熟してて・・・。
実は、一昨年・昨年、と、Kバレエやスターダンサーズバレエ団の公演で来日した彼を見て、 ダンサーとして成熟してきてるなあ、あの、96年のビデオ版SWANLAKEの頃のアダムは若かったんだな、と思ってのです。そう、それは、悪く言えば、歳を感じてたというか・・・。 ところが!昨日見た白鳥のアダムは、ビデオ版当時のままの若さを勢いがあって、すごく嬉しかったのです。ということで、白鳥役のアダムは、ビデオ版からも想像できる(?)アダムでした。

強烈だったのは、彼の黒鳥!もう、ビデオ版とは比べものにならないくらい、「ワル」に磨きがかかってたんです!ビデオ版の彼も、各国王女、そして女王までも虜にして、王子の心を弄ぶ、という、ワルないい男ぶりを発揮してました。でも、今の彼は、もっと磨きがかかった「ワル」ぶり!もう、各国王女役の女性ダンサー達がうらやましい!
アダム、髪も前髪をちょと立てて浮き気味にしてるのはもちろん、更に、後ろ髪までもちょっと寝癖みたいに立ててて、横顔が河童状態。
それがまた、美しい彼のお顔に不良っぽさをプラスしてて、何ともセクシーなんです。ルックスに加え、表情や仕草も、ビデオ時とは比べものにならないほど。自らのその魅力で男女を問わずに周りのあらゆる者を虜にしてしまう、しかも確信犯で!というワルぶり!に磨きがかかってて・・・。この7年の間、どんな人生を送ってきたらそうなれるのかしら?と思ってしまったほど。舞台上の演技でもいいから彼に誘惑されたいものだわ!と切実に思ってしまうと同時に、弄ばれ裏切られる王子がかわいそうでかわいそうで・・・。

 今日のアダムの黒鳥を見て思ったこと、それは、「アダムのLUCAを観たい」ということ。(すみません、ついカーマンを考えてしまう私です)といっても、この、アダムのLUCA(&ウィルくんのAngelo)が観たい!というのは、カーマンを初めて観た時からの私の願望でした。 でも、それは、単なる私の願望であって、LUCAを演じるには、彼は洗練され過ぎだし、美男子過ぎるかも・・・と本音では感じてました。
しかし!昨日の彼の黒鳥を観て思ったのです、彼なら、いいLucaを演じられる!と。確信を持てました。ここまで「ワル」で不良でセクシーないい男ぶりを演じるアダムに・・・。 Lucaはもちろんのこと、"Play Without Words"の、スペイト役(人間味のあって憎めないLUCAよりもっとワルな男)もできるな、と思わせるアダムでした。いつか実現して欲しいものです。

2)ピュア過ぎる!可愛すぎる!王子ベン・ライト。
 AMPの初期からのメンバーでありながら、ビデオ版ではスコットが王子を演じた関係で、彼の王子役を見たことがなく、今回初めて彼の姿を見ました。釘付けでした!もう、なんてピュアなの!可愛過ぎる!と。ほんとうに、ベンの王子は、純粋でピュア、痛々しく可愛過ぎ!
ビデオ版のスコットはスコットでいい味を出してましたが、「ピュア」さ、可愛さ、はかなさ、という面ではもう、ベンにはかないません。年齢ではいい大人の彼がこんなピュアな表情を見せられるなんて、彼自身の人間性なのでしょうね。貴重なダンサーだと思います。
 私も、ビデオ版ではそれほど王子に感情移入しなかったのに、昨夜はもう、ベンに感情移入してしまって、かわいそうでかわいそうで・・・。悲しかったです。観客をここまでさせた彼はすごいです。かわいすぎる・・・
 舞踏会のシーンなんか、彼のピュアさと、アダム演じる「ワル」な黒鳥ぶとりが、相乗効果をもたらしていて、最高でした。お互いがお互いの、その魅力を倍増させてて・・・。
アダムのワルさが際立つほどに、ベン演じる王子の、情けなく痛々しい様が倍増してて・・・。
ハそしてまたカーマン話になるのですが、ベン・ライトのアンジェロが見たい!と思ってしまいました。彼ならいいアンジェロを演じられます。このことを、一緒に見にいった子に言ったら、「私も同じこと考えてた」と言ってましたし。あのピュアさ、はかなさい、可愛さ、弱々しさ、は、まさしくアンジェロだと思います。

3)(特に公園のシーンでの)群舞の白鳥たちが力強く素晴らしい、について・・・
ビデオ版の白鳥たちとは、全てダンサーが違う、ということで、どうなるんだろう、と思ってましたが、そんな不安は吹っ飛びました!素晴らしい!の一言。ビデオ版よりもいっそう、荒っぽさや力強さが増してて、まさに、「野生の白鳥」。その素晴らしさを物語ってたのは観客の反応でしょう。
 私、会場にいて感じるのは、拍手にもいろんな拍手があって「(音楽が途切れたことに気付き)ああ、今のダンスは素晴らしかった、音楽も途切れたし拍手しよう!」という拍手と、 「"もう、素晴らしすぎて、拍手をしたくてしたくて仕方ない、でも、音楽が途切れるまで待とう、あ、終わった"と気付き無意識の行動で思わずしてしまう」という拍手があると思うのですが、公園での白鳥達の群舞のシーンは、まさしく後者でした。
 もう、「もしかしたらここでは音楽的に拍手するタイミングじゃないかもしれないけど、もう、すごいんだもん!拍手しちゃうよぉ!」って感じで、思わず大喝采をしてしまう、というのが、公園のシーンでは、音楽が変わるたびに起こってたのです。しかも、男女問わずの歓声(奇声?)とともに!まるでカーテンコール?の盛り上がりで。
 それくらいすごかったんです!生で初めて観た私が、昨夜一番驚いたシーン。ビデオ版より力強くて、「こ、こんなすごかったのかあ〜!」と、度肝を抜かれてしまったほど。
ダンサーも、小さいダンサーから、割と体格のいいダンサーまで、とっても個性的なので、小さくてかわいいダンサーたちが4羽の白鳥を踊り、大柄な大人っぽいダンサーがビッグスワンを踊り、と、適材適所で、すごくよかった。
 特に、すごく小柄なダンサーの中には、「ぼく、いくつ?」「まだ身長とまってないのかな」みたいな(笑)、とってもお子供な様子のダンサーもいて、可愛かったです。(まさしく、「ヒナ」って感じでしたよ。)

 公演中で一番よかった、衝撃的だったシーンかもしれません、公園の白鳥たちのシーン。白鳥たちといえば当然、ラストシーンも素晴らしかったのは言うまでもありません!圧巻でした。 でも、最初に彼らが出てきて踊った時の衝撃はすごかったもので・・・。
 公園のシーンが終わり、休憩に入った時には、まだ半分しか見てないのに、全幕を見終わったような大満足感。お腹いっぱい、もう、これで帰っても満足だわ〜、前半で終わってもしっかり一つの作品となってるし、もう大満足!と真面目に思ってました。もし今事故があって今日の公演がこれで終わっても不満はない、と。そう思わせるほどに、公園での白鳥たちは素晴らしかったんです。

4)ダンサーたちの表情がとっても楽しそう、について・・・
ビデオ版との比較になりますが、ダンサー達が、とっても楽しそうだったのが印象的でした・・・。最初の宮殿のシーンや、3幕の舞踏会のシーン、なんかは、ほんと楽しそうな笑顔のダンサーが多くって、見てて微笑ましかったです。舞踏会の最初のダンスの時なんかも、ビデオでは、男女ともあまり笑ってないですが、今回は、楽しそうに笑って踊っていて・・・。
そう、この、ダンサーたちが常に何だか楽しそうに踊ってる、というのが、今回すごく印象的で、また見たい!と思わせる一因となってます。今回に比べると、ビデオ版のダンサー達は、ちょっと表情が硬く思えてしまうほど。ビデオ撮影がある、という緊張もあったでしょうしね。
あとは、今回は平均年齢もかなり下がって、若いダンサーが多いことから、表情も明るく弾けてるのかもれません。

・・・以上、特に衝撃的だったことを4点述べさせていただきました。ほかに気付いたことなどを述べさせてください。
 スティーブ・カーカムの執事役。彼の、味のある演技力や、ちょっと(かなり?)薄くなってる頭から、ハマり役だろうな、と想像してました。でも、昨日は、カツラをつけてたんです。カツラなんてつけずに、素の頭で演じた方が似合ってるのでは?とか思ってしまいました。そのせいか、ビデオ版でのバリー・アトキンソンよりは、アクがなかったかも。

 女王役のマーガリット・ポーター。彼女も、ビデオ版のフィオナ・チャドウィックよりも少しコミカルさにかけ、また、最初の宮殿のシーンで若くハンサムな士官候補生4人と戯れるシーンや、舞踏会で黒鳥に誘惑されてる時などの、恍惚とした表情も、フィオナに比べると足りないかも、なんて思ってしまいました。あと、とっても華奢で痛々しく、舞踏会ラストの、連続テーブル超えの時は、さすがに、大丈夫か?と心配してしまいました。

 ガールフレンドのフィオナ・マリー・チヴァーズ。ビデオ版でのエミリー・ピアシーに比べて、いっそう、お行儀の悪さを強調した演出をして、笑ってしまいました。彼女自身はとってもキュートで魅力的ですが、ちょっとメイクが濃いかな、もっと薄い方が魅力的かも、と思いましたが、これは、ガールフレンドの階級と性格を演出するためにこうしてるのかも、とも思いました。

 ビデオ版と比べて一番変化があったのが、舞踏会のシーン。まず、エスコートの男性たちのジャケットが、ビロードっぽい素材になってました。あと、ナポリの王女のエスコート(ビデオではウィルくん)が、サングラスをしてなかった。王女たちはみんな、どちらかというと大人っぽかったビデオ版よりも魅力的でした。エスコートたちも、すごい若々しくって勢いがありました。どちらも、とってもかっこよくって魅力的。

 舞踏会最初のダンスで、エスコートの男性たちが、相手の王女たちに向かって、腰をクネクネさせて腰の脇で右手で手招きする、みたいな振付がありますよね?私あれがすごく大好きだったので、今回それを見られるのを楽しみにしてて、生で見られただけで幸せだったのですが、しかも、その辺の振付が少しだけアレンジされてて、腰を回す回数が1回分増えてて、その最後の1回と次の動きがつながってる、という感じになってて、それがまたすごくよかったです。それに、さきほども言いましたとおり、この時、男性ダンサーたちが、とても表情豊かないい笑顔をしてるので、それもよかったです。

 舞踏会の最後、王女たちとエスコートたちが交互に踊って、女王が華麗なテーブル超えをし、全員で最後にポーズを決めますが、エスコートの男の子たちがひざまずいて、高らかにポーズを決める王女の足にしがみついて男の子たちが上(王女のお顔)を見上げるところ。これは、LAやウェストエンド公演なんかの頃からこうなったみたいですが(写真を見た限りでは)、私、ビデオ版での、上を見上げずに、まるで甘えてる子供のように弱々しくヒシっとしがみついてるポーズの方が好きだったので、それはちょっぴり残念。
 今週末の土日、各2公演計4公演も見ますので、その時にまた、違うキャストでの感想や今日言い忘れたことなどを述べたいと思います。白鳥役を初め、各役について、他のキャストを見られるのがすごい楽しみなんです。

 昨夜、ジーザス・バスターの姿を拝見しましたが、すごくキュートで魅力的でした。彼の白鳥&黒鳥も楽しみ。首藤さんも、リヨン公演を経てだいぶ自信がついたと思います。
ただ、アダムの白鳥をぜひ生で見たいから今回の公演チケットを買ってしまってる、と雑誌で語ってた彼、昨夜のアダムの白鳥(&観客の喝采)に圧倒されて自信を失ったりしなければよいものだ、と願ってます。他の、お休みのダンサーたちと客席に現れ、恥ずかしげに下を向いて、前のダンサーに隠れるようにして歩いてきた彼を見て、応援したい気持ちになってしまったのです。

 それから、最後に一言言わせてください!先週の金曜日の朝日新聞に、この公演の記事(広告でなく)が載ってて、各SWAN役ダンサーのインタビューがあって、アダム・クーパーが、今回、日本公演のみで踊ることを決心した理由について、「ニューヨークまで公演を見に来てくれたファンたちに感動した。日本できちんと見せることが大切」と語ってました。

 それを読んで私、なつむさんを初めとする、SWANLAKEのニューヨークやLAなどの公演を見にいかれた昔からのファンの皆様への感謝の気持ちでいっぱいになったのです。
この場を借りてお礼を言わせて下さい!

「あなたたちの情熱のおかげで、私達日本のファンは、またアダムのSWANを見ることができました。本当にありがとうございます!」


◇いぶさん◇(鑑賞日・2003年2月25日)

 6年間待ち続けたアダムの白鳥、ついに見ちゃいました!もうなんていうか…やばいです(若者ふう)つとめて冷静になりつつレポートさせていただきます。

 ビデオを繰り返し見ていたのでその印象を持って行ったのですが、あのアダムはまだまだ稚拙だったのだと知らされました。洗練された白鳥、黒鳥に改めて圧倒されました!!白鳥のときはビデオの映像よりなぜかはるかに大きく見え、なのにしなやか…

パンフレットの中で王子役のベン・ライトが「壮麗」と表現していましたがそれがぴったりです!「壮麗」!それでいて思わず「かわいい…」とつぶやいてしまうほど健気でピュアで動物的なしぐさ…たまらないです!飼いたいです!(笑)

黒鳥も、ワルさ倍増!こちらはビデオよりも「重量」を感じました。もういるだけで「ワル」!余裕と自信がはっきりと見てとれます。「チンピラ」が「マフィア」になったかんじ!  登場のシーンも王子とのパドドゥも迫力のフィナーレも危険でセクシー以外に言うことなしです。(と言うよりボキャブラリーが貧困…)

 ラストはやっぱり切ないですね!改めて泣いてしまいました。窓の外に王子が白鳥に抱きかかえられる姿が本当に救いだと思えるほど切ないです。席が遠かったのもかなり切なかったです。あまりの切なさに出待ちもせず帰ってきました。なので待ったみなさまのレポートも読みたいです!  アダムだけでなく舞台全体が洗練されてきたんですね。酒場のシーンはすごくアップテンポになっていて笑ってしまいました。他にも細かい演出など、わかりやすくなっていた部分がいくつもあって「へえ〜」と何度も言ってしまいました。最後は当然、観客全員スタンディングオーベイションでした。

 あと2回見に行きますが、できることなら全公演見たいです!
いっそ飽きる程見て飽きてしまいたい!こんな素晴らしい舞台を作ったマシューがむしろ憎いです!(笑)


HOMEに戻る

AMP &Ballet indexを見る