・AMP SWAN LAKE・
2003, Korea Tour Report


このレポートは皆さまから寄せられたものです。公演日順ではなく、頂いた最新の
レポートが一番上になっています。
キャスト表の下にレポートがあります。
今すぐレポートを読みたい人は、ここをクリック!してください。

by なつむ


・・・CAST・・・

- Seoul -

May 20,2003
 The Swan  Jesus Pastor
 The Prince Ben Wright
 The Queen Ema Spears
 The Prince's Girlfriend Fiona Chivers
 The Private Secretary Steve Kirkham
 The Young Prince Simon Karaiskos

May 21,2003
 The Swan Nik Kafetzakis
 The Prince Tom Ward
 The Queen Ema Spears
 The Prince's Girlfriend Tracy Bradley
 The Private Secretary Richard Curto
 The Young Prince Gav Persand

May 22,2003 : Matinee
 The Swan Nik Kafetzakis
 The Prince Ben Wright
 The Queen Ema Spears
 The Prince's Girlfriend Fiona Chivers
 The Private Secretary Steve Kirkham
 The Young Prince Simon Karaiskos

May 23,2003 : Soiree
 The Swan Nik Kafetzakis
 The Prince Ben Wright
 The Queen Heather Regis-Duncan
 The Prince's Girlfriend Fiona Chivers
 The Private Secretary Steve Kirkham
 The Young Prince Simon Karaiskos

May 24,2003 : Matinee
 The Swan Nik Kafetzakis
 The Prince Tom Ward
 The Queen Ema Spears
 The Prince's Girlfriend Fiona Chivers
 The Private Secretary Steve Kirkham
 The Young Prince Gav Persand

May 31,2003 : Matinee
 The Swan Jesus Pastor
 The Prince Andrew Corbett
 The Queen Ema Spears
 The Young Prince Simon Karaiskos

May 31,2003 : Soiree
 The Swan Alan Vincent
 The Prince Tom Ward
 The Queen Saranne Curtin
 The Young Prince Gav Persand

June 1,2003 : Matinee
 The Swan Alan Vincent
 The Prince Andrew Corbett

June 1,2003 : Soiree
 The Swan Jesus Pastor
 The Prince Tom Ward
 The Queen Ema Spears
 The Prince's Girlfriend Tracy Bradley
 The Private Secretary Steve Kirkham
 The Young Prince Gav Persand


◆◇◆ Reports ◆◇◆


◇いぶさん◇

 再度韓国公演を見てまいりました。群舞中心(偏りあり)レポートです。

<5月31日マチネ>

 この回のスワンはジーザス、王子はアンドリュー。幼年王子はサイモン。私にとっての初ジーザスです。窓の向こうにジーザススワン登場。
 手の動きなど柔らかく、鳥っぽくてきれいです。朝になってみなさま続々と…ん?なんだか全体的に疲れているかんじに見えます…。盛り上がるはずのお客さんもなぜか妙に静かで、私は先週末のアクシデント(新しく参加したアンジャリの怪我やジーザスとアンドリューが体調不良)のことを心配していたので緊張が高まってしまいました。

 キムがまた犬を連れて登場。でも席が左端だったのですぐに後ろ姿になってしまいました。女王はエマ・スピアーズです。サイモンがおっきくなってアンドリューに。さ、彫像…。
 噂のタトゥーは角度的に見えませんでした。そして笑いも起こらず…。ガールフレンドと踊るシーン、今回の演出でこうなっていたのに初めて気付いたのか、変わったのかわからないんですが(そういうの多いです…)
 ガールフレンドは一瞬「やっぱりこんないい人騙せない…」みたいに思い留まるんですね。で、執事の目線に気付いて慌てて王子にキスをします。

 オペラハウス、怪我を心配したアンジャリは無事かわいく蛾の女王を踊っていてひと安心!それにしてもお客さんは静かなままです。アンドリューのやけ酒の飲み方は辛そう派でした。踊りはきれいで演技はあっさりという印象。あまりコンプレックスを持っている王子には見えません。

 スワンクバー、ジョー・オートンに扮するキム、やっぱりハマり役です。しかも1週目で見たよりさらに色気増し。タバコに火をつけ…と思ったらなかなかつきません。注目してただけに焦ってしまいました。しかもバーに入ろうとしたら立ち位置がずれてしまったのか壁に当たりそうに…。
 スワンクバーはいつもどおり楽しくて、アフロさんはボブ・ハームズだったはず。この日はサングラスをかけてておかしさ倍増でした。いつも思うのですがキムってお立ち台が似合わない…なんとなく照れているように見えます。
 ジョー・オートンと水兵の帽子取り替えは、まだ日本の千秋楽でしか見てませんがこの日もそのまんま。アンドリュー王子のソロは踊りがやっぱりきれいですが感情はあっさり味。壁の向こうに白鳥…この白鳥たちを判別してみたいと思っていたんですが、この日ギャヴくんらしき白鳥を発見。でもキャスティングはされていなかったので気のせいだと思っていました。

 ジーザスが舞台を横切ります。ジーザスは上体を動かすだけじゃなくて両手をゆっくり羽ばたかせてみせてました。きれいです。そして王子公園へ。
 アンドリューも左利きなんですね。いよいよジーザス。体が柔らかく、綺麗だし、安定していて安心して見ていられるかんじですね。やっぱり主役の白鳥はこうじゃないと!

 さて群舞、ここで最初に大きい4羽が出て来るときの振りもオリジナルと違うんですよね。一旦足を止めて音楽に合わせて手を交互に前に、首をきゅっとこちらに向けるのがかわいいです。続いて小さい4羽…やっぱりギャヴがいる!妄想じゃなかった。ジョディ・ブレミングスから変更になったようです。でもギャヴくん痩せちゃって羽ズボンのウェストに隙間ができています。痛々しい…。
 そしてキム…もうびっくりしました!1週目に見たときも日本公演より力強くなったと思ったんですが、もうなんか体つきも違います。華奢な印象はあるんですが逞しく、切れ味と色気が倍増。白鳥たちは舞台に上がるとそれぞれの個性がむき出しになるのかなあと思います。
 アダムが舞台の上ではオフステージより大柄に見えるように、キムやギャヴくんはより小柄に、少年のように見えて不思議です。

 やっぱり白鳥さんたちは全体的に疲れているように見えました。みなさん苦し気な表情…。ジーザスは話に聞いていた「時々微笑む優しい白鳥」というかんじがなかったです。クールで寂し気です。綺麗な踊りでそんなキャラだと切なくなってしまいます。ちびスワンの舞い、まさかこの痛々しいギャヴくんがでかい方を背負ったりは…しました!やってのけました!がんばれ!
 アンドリュー王子、本当に演技あっさり味…。もうちょいジーザススワンに癒されてほしかった。。。

 3幕、あのおもろキャラライアンがTVレポーターをやってます。マイクを持ってひとりぶつぶつ。やっぱりおもしろい(笑)ギャヴ&キムがいつものようにサインハンター。かわいいです。
 さてジーザスストレンジャー。ラテンの男です。ターンも素晴らしい!スパニッシュダンスのときリズムを取ったり手拍子打ったり楽しそうです。ちゃんとこの役を自分の物にしているなあと思いました。ちなみにガムを噛む演技をしてませんでした。1週目に見たニックはずっと噛んでいていつ捨てるんだろうと気になったんですが。
 イタリアの踊りとチャルダッシュのときはなんだか後ろに注目してしまいました。だってキムが…あのかわいかったキムくんがすごくクールな表情で他のエスコートに喧嘩売ったり、男の色気でお姫さまといちゃついていたり…。ほんと、どうしちゃったんでしょう。なんだか寂しかったです…(泣)

 女王→王子のバトンタッチ、今日は笑いなしです。ほっ。ジーザスの表情、やっぱり切ない。王室をひっかき回すだけのただの悪人じゃなくて何か物語を背負ってるように見えまして、あっさり味の王子よりストレンジャーに感情移入してしまって泣けてしまいました。
 そしてコーダでは手拍子。かっこよくてとっても盛り上がりました。

 さて4幕。アンドリュー王子、ベッドから足が出てます。白鳥達がうようよ…。うーん、やっぱり今日はお疲れの様子?ギャヴくん…痛々しいのにそれで王子をだっこするの?…と思っていたらやってました。ブラボー。ジーザスはやっぱり切ない。悲しいです。表したい感情をそのまま踊りに表現できる人なんですね。でもあんまり切なくて見終わった後苦しかったです。カーテンコールでも笑ってないし。アクシデントのその後を心配している自分の心情と合わせると暗い気持ちになって しまいました。

<5月31日ソワレ>

 マチネが終わってすぐソワレ。こんな風に見るのは初めてです。
アラン・ヴィンセントのスワンです。王子はトム。女王はサラーン・カーティン。幼年王子はギャヴくん。

 前回のソウルで幼年王子はサイモンの方が好きと思いましたがギャヴくんもよく見ると内に隠った王子というかんじで味わい深かったです。ベッドの上から女王に手を伸ばすとき、すごくびくついているというかんじ。
 窓の向こうのアランスワンは大きかったです!地響きと共に大魔人登場かと思いました。(言い過ぎ)でも腕の動きはやわらかく鳥に…見えないこともないです。

 朝の支度、ダミエンがギャヴくんの脇スプレーで「うっぷ」という顔をするのが すごーく上手!ダミエンも日本公演の頃より精悍になったように見えます。2ヶ月足らずで出演者にこんなに変化があるなんて思っていませんでした。やっぱりそれだけ日々体を酷使しているということなんでしょうか。
 お客さんは、この回は大爆笑でやっと安心しました。キムが犬を連れて歩いて来ました。なんだか表情が違う!「へっ、やってらんねーよ」という顔。演技も上達というかんじです。
 サラーン女王は最強でした。スタイルも抜群だし表情の演技、すごいです!マイム一つで笑いを取ります。アメリカンコミックのように派手でキュートでコミカル。でも決して品が無いかんじではないです。「トム王子の母親」にしては若すぎる印象ですが、何度も見たいと思った女王はこの人が初めてです。

 ギャヴくんからトムへ。トム、やっぱりいいかんじ。今はまだのほほんと暮らしている王子…。
 ささ、彫像です…と思ったらなんと出て来ませんでした!台車に布が引っ掛かってしまったようです。そして何も起こらないまま謎の間ができてしまいました。  サラーンは踊りもすごい!長い足がものすごく高く上がって華やかで迫力あります。ガールフレンドがサラーン女王にご挨拶。その後のサラーンの表情でまたお客さんが大爆笑です。芸達者です。

 さ、オペラハウスの前に奥に注目しないと。だってキムくんが犬を連れて…と思ったら丸っきり見えませんでした!ロイヤルボックスで隠れてしまったのです。こんなに早々出て来るものだったなんて…。
 そのロイヤルボックスでもサラーン女王は笑わせてくれます。「まったくもう、なんなのかしらこの子は!」という表情が気持ちいいぐらい素直で、高飛車でもすごくチャーミングな女王に見えます。アンジャリちゃんもまた元気に踊ってくれています。
 ギャヴくんのきこり…やっぱり痩せ過ぎて衣装がぶかぶかです。途中で肩ひもがずり落ちてしまいました。これってワンサイズしか用意してないんでしょうか。サイモンにはぴったりなのです。トムと女王のからみ…。トムが女王の手を顔に当てて弱〜く笑うのできゅーんとなります。可哀想。。。

 スワンクバー、今度はジョー・オートンのライターもちゃんとつきました。が、こっちの席だと今度はこの場面のキムがちゃんと見えないのです。がくり。スワンクバーもいつもどおり盛り上がってます。お客さんも大笑い。やっぱりこうでないと。トムのソロ、やっぱり悲しいです。

 そしてアランスワン…。でかい!やっぱりでかいです!踊りは力強くて上手なんですが、力強すぎて白鳥ではないような…。
 そして群舞…大きい4羽の登場、先頭にレインがいて、このお茶目な振りがなんだか似合ってます(笑)そして、またキャスト表にスワンとは書かれていなかったギャヴくん!そ、そんな…嬉しいけど休んでくれ!と思うぐらい細い…。さすがに1週目で見られた鮮やかなジャンプはありません。
 でも、いつも思うんですがすごく安定していて踊りの切れはいつもと変わらず決して辛そうには見えません。そしてキム…ギャヴくんより目立ってました。ジャンプも高い!切れの良さも増して動きも大きくなってます。マチネのときより一層輝いておりました。全体的にみなさん疲れも見えなくてやっぱり迫力!よかったよかった。

 再びアランがやって来ました。なんだか…ええと…石膏像がそのまま踊っているかんじ?
 私、白鳥は口を半開きにしているところが人間離れした不思議なかんじを出せるポイントだと昔から思っていたんですが、アランはルカのイメージで想像できると思いますが口をぎゅっと閉じたままなんです。それだけで屈強な人間の男に 見えてしまうと思いました。そしてトムがまた情感豊かにそんな白鳥に近付くのでなんだかホモ色が強すぎる…。カーマンワールドでございます。しかもカーマンならそのホモな部分を笑いで包んでくれているんで楽しめるんですが、スワンのこの場面はシリアスに受け取らなきゃいけない…つ、辛かったです。若干胸やけが…(笑)
 儚さも愛らしさもまるで感じられないのでスワンが王子に頭を擦り寄せるところは頭付きと思えば受け入れられますが(笑)真剣に見るにはちょっと…。
 でも「アラン」なんて馴れ馴れしく呼ぶのもはばかれるほど威圧的な風貌で、迷いのない踊りっぷりに見えたのでこんな評を下すなんて恐れ多いという気分です…。
 大スワン(と言ってもアランよりは小さい)の舞い、やっぱりダミエンがきれいです。長い手足で風を切るようでのびのび気持ち良さそうです。

 3幕、アラン…いやヴィンセント様のストレンジャー登場。想像していたまんまです。仁侠顔にあの衣装。トム王子に「何見てんだこの野郎」とすごみます。ヴィンセント様(ジーザスも)も鞭で女王の目をくるくる…ここはサラーンの表情がコミカルでこのマンガみたいな演出がはまっていました。
 ストレンジャーが各国の女王と踊るシーンもヴィンセント様の演技がコミカルで笑える場面に仕上がっていました。そこかしこにカーマンテイストのちりばめられた舞踏会です。ヴィンセント様、ハンガリーの女王の胸元を見るだけで笑いを取るなんて芸人です!(笑)

 ダミエンがイタリアのエスコートをやっていたんですが演技が抜群!楽しかったです。サラーン女王とヴィンセント様が踊るとまさにアメリカンなカーマンワールド!今まで見た女王とストレンジャーは誰の組み合わせも「熟女と若いツバメ」(笑)という雰囲気がありましたが、この2人だと同じ年代の大人のカップルというかんじです。2人の雰囲気がぴったり合って、スワンの世界とは色合いの違う華やかさで圧倒されました。
 そして圧倒されたのは王子も同じ?2人のパドドゥでは「トムをいじめないで!」と言いたくなるほど怖すぎるヴィンセント様でした。

 その後王子を皆で囲むとき、キムがこれまたすごく冷たい表情を浮かべていて怖かったです…。続く女性陣のワルツ、コーダもサラーンがいつもの場面に華やかさを加えていて輝くばかりのシーンとなりました。そして王子錯乱ですが、ガールフレンドがかばうタイミングが遅れてしまって王子が蜂の巣に。初めて見た人は混乱したでしょうね。

 4幕。ひな鳥ギャヴくんを堪能し、弱っているはずのヴィンセント様がベッドから…とても強そうです(笑)ベッドの背にもたれたらベッドが揺れました。
 そして…やっぱりヴィンセント様がシリアスに王子を愛するというのがどうも見てると照れてしまいます。やがて涙無しでは見られないはずのスワンがベッドから崩れ落ちる場面なんですが、そこには見事にピストルで打たれたルカがいました!「や、やられ…た…」と少々過剰な演技で体を苦しそうにガクガクさせながら倒れていかれまして、私はストーリーより「スワンレイクなのにカーマンに見える」という事実がおかしくて生まれて初めてこのシーンで笑ってしまいました。。。

 とどめは多分ダミエンが刺し、窓の向こうにまた屈強なヴィンセント様がギャヴくんを軽々抱いていました。

いやあ、マチネの切なさはどこへやら、濃くて楽しいスワンレイクを堪能いたしました!(笑)

<6月1日マチネ>>

 始まる前に予想していたことといえばマチネはヴィンセント様&アンドリューだろうなということだけでした。それは当たっていましたが、まさか…あんなことが起こるなんて!(笑)
 おかげでその他のことをあまり覚えていません。それはおいといてこの回はキムがいません。残念。キムのマイ皆勤賞達成ならず…。

 1幕でアンジャリが黒いドレスの女性陣の中で帽子をかぶっていなかったんですが、今思うとそれはひそかな序曲だったのかもしれません。
 ヴィンセント様の彫像は今回は無事登場。サラーン女王も再び楽しませてくれて います。すごいと思ったのが王子の部屋のシーン。サラーンにまた感心してしまいました。あのシーンの鏡は枠だけなのに、目が鏡に写ったものをちゃんと見てるんです。すごすぎです!

 そしてスワンクバーにて、それは始まりました。まずはなんだか妙な人がカウンターに立っています。デイヴィッド・リースです。キャスティングされてないデイヴィッドが素肌にエスコートのベストだけ着て手には貴族の白手袋、ほっぺをピンクに塗った非常に気色悪いオカマキャラになって混ざってます。
 他にもKrayのライアンがガールフレンドのピンク縁のサングラスをかけ、これまたキャストにいないニックが3人目のKrayになって踊っています。("Kray"って映画ネタ、イギリスではすぐわかるもののようですね。双児という設定だからもう一人いるっていうのはそれだけで笑えるのかもしれません。適当な解釈ですが)端の方では不良少年のギャヴ(キャスト表によるとサイモンのはずなんですが始まってみると変更が多々あっていつどこで誰が誰と入れ代わったか混乱しているので間違ってるかもしれません…)が服装倒錯者(ダミエンのはずがティムに変更らしかったです)に皮ジャンを脱がされたり、ひそかにすごいことになってました。

 スワンクバーから出て来たジョディが扮するジョー・オートン(こんなときに 限ってキムじゃないとは…)と水兵は帽子取り替えるどころかものすごい斜めにかぶり、ジャケットも脱いで肩にかけすごい乱れようで出て来ました。どうやら千秋楽マチネということで楽しい仕掛けがたくさん仕込んであるようです。
 でもリピーターじゃないと気付かないかもしれません。もちろんストーリーに差し障りはなく、王子が絶望のソロを踊るのは変わりはありません。

 今日のヴィンセント様はアンドリューのあっさり王子のおかげで昨日より薄味に感じられ、胸焼けは起こしませんでした(笑)でも、昨日は「笑えるなんて思っちゃいけない」と思っていたんですが、今日はつい「王子が気にしていた石膏像が動き出して現れた」と思ってしまい、そうしたら辻褄が合って笑いそうになってしまいました…。大きく、重く、固く、力のこもった踊りで、しかも肌の色がすごく白かったのです。
 そして石膏像は去って行きましたがなんと拍手が起こりませんでした。私はヴィンセント様の踊りは嫌いではないのですが、やはり白鳥に見えるかとなると「?」と感じ、同じように感じたお客さんが多かったのでしょう。
 小さい白鳥…またギャヴくんがジョディをおんぶです!その痩せ細った小さい体のどこからそんな力が…。でもギャヴくん、出ずっぱりですがどの場面でもやっぱり安定してます。淡々といつも通りにこなしているという印象。尊敬してしまいます。

 3幕、またここで始まりました。まずTVレポーターのライアンがサングラス。そんなのは序の口で、柱のたもとに誰かいる…と思ったらまたニックです!
 ニックが水兵の下のシャツ(スクエアネックになってます)にたぶんカーカム執事のベレーをかぶり、涼しい顔でスケッチしてる!またそれが似合ってて…。
 前半で主役の白鳥を踊った人なのにと思うとさらにおかしい!他にもイタリアの女王のアンジャリはメガネをかけてるし、エスコートのクルトは執事のときのカツラをまじめな顔でかぶってわざとらしくしょっちゅうなでつけています。おかしすぎる!

 ヴィンセント様は前回と変わらず笑えるストレンジャーを演じてくれています。スパニッシュダンスでまたみなさん壊れてました。前はだけすぎ!シャツのボタン全開でベロベロにはだけながらにっこにこ顔で踊ってるのがおかしくてしょうがないです。
 さらに1幕のメイドが登場し、変な猫背でトレイの上のポッキーみたいなお菓子をゲストに配ってます。後ろのテーブルではイタリアの女王のストールを変態っぽく匂いかぐ人はいるわチャルダッシュのときの、後ろでいつもやってるいちゃつきがパワーアップしてるわ…(そういった意味では今日キムがいなくて本当によかった…(涙))ヅラのクルトが戻って来たらこれまた服がベロベロに乱れていました。
 そして女王がエスコートに手を引かれて戻ってきましたが、そのエスコートの服もえらく乱れていて、多分裏で女王と楽しんでいたということなのでしょう…(笑)

 主要シーンはいつもと同じです。王子とストレンジャーのパドドゥ、王子が笑われて走り去る…。こんなふうに面白おかしく見ていても悲しいシーンでは切なくなります。何度見てもチャイコフスキーはこの舞台のためにこの曲を書いたんだと思いたくなります。

 そしてスパニッシュダンサーズがバルコニーの所に戻ってきたときひとりが手すりの向こうに「おえ〜〜〜…」そしてひとりが来て介抱していて、みんな揃ったら一斉に「おえ〜〜〜…」でした。きっとみなさんで大笑いしながら考えた演出なのでしょう。そう思うとまたおかしいです。
 そして始まったコーダ。なんとギャヴくんの唇がハンガリーの女王のローリーンに奪われてしまいました!がーん。。。
 壊れた演出はここでおしまいです。これらの演出はあくまで「ひそかに」進行されていました。複数回見てなければ気付かないと思います。ああ面白かった。見に来てよかったです。

 ここからは悲劇の展開。今日はちゃんとガールフレンドが王子を銃弾からかばいました。ヴィンセント様、なんてピストルが似合うんでしょう…。

 4幕のヴィンセント様、相変わらず仁侠ものの映画のように「も、もうあかんわ…」と崩れておられました。どうしても笑ってしまいます…。

 色々とつっこみどころ満載なヴィンセント様でございました(笑)

<6月1日ソワレ>

 さてラストです。スワンはもちろんジーザス、王子はもちろんトム。キムも無事見納めできます。客席にダミエンとキャスト表に名前があったはずのギャヴィンが…ということは2人の最後の出演は無しです。残念。

 幼年王子はギャヴくん。今日の脇スプレー係はレイン。「うっぷ」の顔が上品です。(育ちの良さそうな名前ですし(笑))
 キムが犬の散歩…見納めかあ〜…(涙)デイヴィッドのかわりになぜかキャスト表になかったサイモンKがワゴン係。サイモンはそのままバルコニーシーンでも踊っていました。

 女王、今日はエマ・スピアーズです。今回はサラーンのマイムの達人ぶりに驚きましたがやっぱりこの人の女王も好きです。ジョンも相変わらず味わい深いお方です。ジーザスの彫像で噂のタトゥーも確認。
 そしてまたロイヤルボックスに阻まれ犬散歩係のキム見れず…。今回は売り切れる寸前に慌てて取った席だったので4回とも一番端ばかりだったのです。

 今日の蛾の女王はオリアーダ。なんだか久しぶりに見ました。とっても笑えます。きこりのギャヴくんはやっぱり衣装がぶかぶかでまたも片ひもが落ちてしまいました。今日は留めてると思ったのに…。
 トムと女王のからみも文句なしです。すでに日本公演のダメ王子の記憶がありません。

 スワンクバーは普通モードでした。マチネであれだったのでソワレはどうなっちゃうのかと思ったら、ソワレはまじめにやらなきゃいけなかったみたいです。でも帽子取り替えはありました。

 ジーザススワン登場。いやー、ほっとします。白鳥はやっぱり「鳥」じゃないといけません。(笑)クラシックのテクニックも美しく決まっていてそういうところからカリスマ性も出て来るのかなーなどと思いました。
 そして群舞登場…って、またまたギャヴです!白鳥のところに名前はなかったのに!いや嬉しいですが4回も、しかもマチネ、ソワレで連続だなんて。でもいつもと変わりなく踊っています。すごいです!そしてキムもやっぱりすごいです!足が時々びっくりするほど上がります。
 ほんとに、日本公演で見たときは少しもたつくかんじがかわいいなあなどと思っていたんですが、動きのひとつひとつに無駄がなくなって、落ち着いたかんじです。もっともっと見たいのになあ…。1幕で登場していたサイモンKはおらず、いなかったデイヴィッドが踊ってます。もうわけわかりません。

 今日のジーザススワンは話に聞いていたように「かわいい」かんじになってました。時々微笑み、甘い優しさを持ってトム王子に近付きます。
 トムにもとても優しい表情が浮かんでいてこっちまでほんわかした気分になります。昨日のジーザスとは全然違うイメージです。王子によって白鳥も変化するのか、コンディションのせいか…真意はわからないけど両方とも見ている方の心を動かす白鳥でした。パドドゥではもちろん大きな拍手が起きていました。

 小さい白鳥は、そんなわけでギャヴ、キム、デイヴィッド、ジョン。とうとうギャヴ、キム、サイモン、ギャヴィンの『ちゃんと小白鳥』は拝めずじまい…。そういえばサイモンの白鳥は6回見た韓国公演で1回しか見られませんでしたが、彼も日本公演に比べて体つきも踊りもシャープになっていました。もう、何度見ても今回のメンバーのこの場面はかわいい…。デイヴィッドを背負うギャヴに「お疲れさま!!」という気持ちで拍手しました。

 大きい白鳥は変更がなければレイン、サイモンW、ルパート、クリス。レインがノリノリで隣の白鳥に大口あけて威嚇(いや、はしゃいでるのかな?)してみたりしてました。

 フィナーレ、ここがまたキムのジャンプが気合い入ってて衣装の「羽」が飛び散っていました。永久保存したい瞬間でございました。噂のジーザス「えびぞりジャンプ」も見ました。昨日の方がえびぞっていたかな?はあ〜…終わっていきます。寂しいです。

 3幕、今回はやっぱり普通に始まりましたが、サイモンKがスペインのエスコートで再登場してました。ラテン男ジーザスストレンジャー、かっこいいです。「甘い毒を持つ男」というかんじ。スワンの持つ甘い優しさともしっかりリンクしていて「キャラ立ち」もばっちりだと思います。
 スパニッシュダンスが始まるとやっぱり手拍子。そしてダンサーの中に突然またニックが登場してました。かわりにギャヴくんがいませんでした。ゆっくり休んでくだされ…。ニックはやっぱり群舞の白鳥でも目立ってきれいだし、ここでも洗練されていて目を引きます。主役の白鳥も1週目の後ももっと見てみたかったです。

 イタリアのダンスが終わって女王がゲイリーに手を取られて戻って来たらマチネと同じように服が乱れていました。そしてほくほくした顔を周りに見せながら去っていきました…。よほど楽しい思いをしたのでしょう(笑)
 コーダはやっぱりかっこいいですが、ここだけはオリジナルの振りに戻してほしいですほんと。キムの手すりからジャンプ!このジャンプもこれまで何度も見ることができて幸せでした。小柄な体型を活かした軽々妖精のような(笑)ジャンプですよね。ほんとに魅力的なダンサーです。

 4幕、ギャヴくんが再び白鳥で登場。最後の「ひな鳥」を目の前でじっくり堪能いたしました。ジーザススワンが健気に戦い、儚く力つきていなくなり、最後の群舞です。ひとりひとり目に焼きつけよう!と思ったんですが目の前のギャヴくんがいつも通りの気迫なのを確認してすぐに反対側のキムに目をやってしまったのがある意味失敗でした。
 泣き顔で踊っていたので、その気迫で目が釘付けになってしまいまったのです。なのでとどめも誰だったかわからず…でもおっきい2羽でした。1羽はレインかな?

 カーテンコールがすさまじかったです。歓声(いや嬌声)の中、現地のファンクラブの人たちがジーザスに花を投げていました。舞台に投げられる花を生で見たのは初めて。感動しました。キムは目が真っ赤で、レインはメイクが落ちるほど泣いてて、そんな人たちが目を拭いたのかハグしあったのかメイクの黒いペイントが体のあちこちについていて、ゲイリーは歓声に答えてウホウホ雄叫びを上げていました(笑)

 日本と違ってこれだけのカーテンコールになったのは、今回のメンバーはこれでいったん解散というせいなのかもしれません。これで最後の人もいるし、またオーディションを受けて参加する人もいるようです。(正式な情報はわかりませんが)

 何度も見る機会に恵まれ、主役だけじゃなく他にも魅力的なダンサーをいっぱい発見できたので、彼らの白鳥の舞台もまた見たいし他の舞台も見てみたいという気持ちになりました。


◇Yumikoさん◇

韓国公演、観て参りました!私が観たのは5月31日の夜と、6月1日の昼と夜。 5月31日の夜と、6月1日の昼は、アラン・ヴィンセントさんのスワンでした。
 でも、こちらはかなり心と懐に余裕のある方でないと笑って観てあげられない スワンだったのではないかと思います。なんだかとても荒々しくて、私はアランさんをカーマンの方と同一人物だとはまったく気付かないで(リサーチ不足すぎですね)観ていたにもかかわらず、「なんだかカーマンみたい…」という気持ちがふつふつと湧いてくるのです。後で他の方とお話したら、同一人物だということでなるほどなぁと。私的にはお好みのSWAN LAKEとは全く違っていて、がっかりしてしまったというのが本音です。
 でもアランさんがものすごく一生懸命に踊っているのが伝わってきましたので、きっとジーザスと比べられてしまって、精神的に辛いのでは?と思いました。

 そういう私もジーザス目当てだったのですが。という訳で以下は、6月1日夜のジーザスが「ザ・スワン」の舞台の感想です。

 ジーザスは本当に素敵でした。日本にいた時よりものすごく成長していて、感動した!という噂がそこここで聞かれたので、一体どんなスワンになっているのか気になって仕方ありませんでした。ジーザスは本当に変わっていました!
 日本公演ですでにジーザスには惚れてしまっていた私ですが、第ニ幕の途中から涙が止まらなくなるほど感動したのは初めてです。ジーザスは色々と振り付けにアレンジがあって、自分の魅力を存分に発揮できるよう考えた感じです。手の先から足の先まで、しなやかで美しい流動的な動きと躍動感が絶妙でした!
 どのシーン、どのポーズをとっても軟らかくて色っぽく決まっていて、気持ちが溢れ出てきている感じで、これなら王子がスワンから目を離せなくなってしまうよ!こんなに魅力的なスワンなら王子がメロメロになるのも当然!と納得でした。(王子ならぬ自分がメロメロでしたが)

 第三幕のストレンジャーも素敵でした。日本で観た時は(4月5日夜&6日昼)まだまだやんちゃ坊主?というかわいらしさの方が目立つ感じでしたが、今回は違いました。確かにやんちゃ系ではあるのですが、そこにラテンの風合いが盛り沢山で、明るくて悪くて自信満々なモテモテ男という感じになっていました。
 なので、王子と二人で踊るシーンもとても艶かしくて、王子を誘ったり突き放したりとても怪しい空気が流れていました。優しくするところなんかはもうフェロモンがムンムン!って感じで、これなら王子もフラッとくるでしょうね、と。ストレンジャーに翻弄される王子の気持ちが良く分かる…。女王とのキスシーンの当たりもものすごく色っぽかったです。あぁ、王子かわいそう。
 銃を取り出しての騒ぎのシーンでは、ガールフレンドの飛び出してくるタイミングも良く合っていてスッキリです。(他の回ではずれまくっていたので)

いよいよ第四幕になると、もうどう書けばいいかわからないくらいジーザスのスワンは切なくて切なくて。王子を優しく包み込むシーンや守ろうと庇うシーンは、今までみたどのスワンよりも慈愛に満ちていました。
 他の白鳥に傷つけられている時にベッドの上で苦しみのたうつシーンはそれはもう痛ましくて…。王子と引き離され、仲間に傷つけられてからベッドの上で苦しそうにしているシーンは、胸が引き裂かれる思いでした。傷付いて力の入らない羽を必死で羽ばたかせて王子の元に寄って行こうとする…。でも、少しも王子との距離は縮まらないのです。この羽ばたきは、本当に見ていて苦しかった。
 こんなに感情豊かで必死なスワンを私は初めてみました。(そんなにたくさんのスワンをみてないせかもしれませんけど…)もう、とにかく壮絶な最期!の一言です。
 あんなスワンを目の当たりにした王子はどんなに苦しいだろうと思います。(スワンの苦しみは王子の苦しみのハズなんでしょうけれど、あれはスワンが苦しん でいるのを見てさらに王子が苦しくなるって感じじゃないでしょうか。)

 そして、ラストのクライマックス。今回はその他スワン達もノリノリで、攻撃シーンの迫力も満点。そして、チャイコフスキーの曲の威力にも打ちのめされて、ラストはこちらの精も根も尽き果ててしまう感じでした。あぁ、あのスワンに抱かれて自分も一緒に天国へ連れて行って欲しい…と抜け殻のようになってしまいました。

 とにもかくにも、ジーザスは完璧に自分のスワンを作り上げたな、と思いました。あぁ、アダムがもしまたスワンを踊ってくれることがあるなら絶対に観たいけど、ジーザスのスワンももっともっと観たい!!です。今回のSWAN LAKEは相当後を引いてうなされてしまいそうです。韓国に行かれなかった方たちにもぜひ観てもらいたかった舞台でした。


◇草加さん◇

 24日マチネを観てきました。他の方のレポートにもあるようにキャストボード は張られているだけ。しつこく、コピーはないのかとパンフ販売嬢に聞きましたが、ないものはない。仕方なくデジカメに納めました。

 とにかくすごく時間の余裕を持って行ったつもりが、時間ぎりぎりに入るということになりキャストボードを見る間もなく席に着きました。だから、始まるまで 誰が何をやっているのか分からない状態。席は1階6の7。舞台に向かって左サイドです。

 さて、スワンは誰?ジーザスではないようだし・・・、知らない・・・。王子様は、幼年ギャヴ君、そしてトム。いや、慣れ、というものでしょうか、最初、日本でトムを見たときは、余りにも情けなさ過ぎて、という感想を持ちましたが、何か彼の持ち味に慣れてきた感じ。きっと私の中でスコットのイメージが強かったせいでしょうね。
 そして、いぶさん曰く「カーカムざます」も日本では、「ちょっと芝居が違うんじゃない?」と思っていたのに、「これはこれで、いいざます」ってな具合に私も成長しました。エマ女王のマイナス・ロイヤル度もそれほど気にならないし。白鳥たちが出てくるシーンまでは、比較的余裕を持って見ることができました。

 そして、白鳥!誰?これ、やっぱり知らない。でも、ニッキーの白鳥は、私が今まで観た白鳥の中で一番鳥っぽい。そうです、彼の鼻がくちばしに似ているのです。そして、Sukotさんご指摘の半開きの口。彼の白鳥は、ものすごくぬめぬめした感じの白鳥で、肌全体が薄い皮膜に覆われているような、透明感のある美しさがありました。ダンスは、柔らかでしなやか・・・、彼の動かす手と足から水が滴り落ちるのが見えるような、私は彼のみずみずしさに感動しました。
 ところが一人で踊っているときは、独特の存在感があるんのですが、パ・ド・ドゥになると、ちょっとぎこちなさが出てくるのです。大丈夫か?ストレンジャー。 白鳥だけなら、私は彼の白鳥は好きなんだけど・・・。

 休憩時間に、キャスティングボードを見てキャストを確認。そしてプログラム購入。休憩時間の間にも彼のストレンジャーに不安を感じつつ、2幕目へ。
 やっぱりストレンジャーは、アダムと比べてしまう。絶対比べてしまう。ここだけは私は成長してないじゃないかな・・・と思いながら、来ました来ましたニッキー・ストレンジャー。いや、何というか、いたずら坊主という感じ。
 「今日はどんないたずらをしよっかな〜」と当たりを見回すニッキー。アダムが持っていたら小道具の鞭にも迫力があったのに、ニッキーのはおもちゃっぽい。女王様に挨拶「なーめちゃった・・・僕っていたずら大好きなの」観客は驚くというよりも笑ってしまう。

 舞台が狭いせいでしょうか?ちょっと人がごちゃごちゃしている感じで、ニッキーが動くと、あれ、あの子どこにいっちゃったの?と見つけにくい。各国の王女さまたちも、ストレンジャーに魅了されるというよりも「お姉さん達が遊んであげ るわ」という感が強く、お姉さまがたにニッキーが振り回されているの。やっぱり心配していた通り、リフトも低いし、ダンスが小さくなってしまう。あの回転してテーブルに着地するところ、「えっ、そんな近くからするの?うまく着地できでもだれも驚かないよ〜」という位置から回転に入る。予想通りテーブルにうまく座れても拍手はまばら・・・。アダムの時は思わずここでスタンディングオベーションをしたくなる胸がすくよう な想いでこれを見たのに。でも私、ニッキー嫌いじゃないです。だから「もう、ニッキーにはみんなかまわないでちょうだい!」と言いたくなりました。
 女王様とのパ・ド・ドゥ、リフトしている間も「おもいよ〜。誰か替わって」というニッキーの声が聞こえそうです。そして、あの墨をつけるところ、いぶさんご指摘のとおり「ほっそーい」線が一本。でも鳥っぽい。多分彼、鼻筋が細いんです。だからくちばしのように見えるんだと思います。
 アダムはロイヤル・ボールの全体をリードしていましたが、ニッキーの場合は全員にリードされちゃっている。こんなガキンチョにまで笑い者にされたトム王子の 情けない悲壮感はなおさら引き立ったのでは。

 ニッキーはやっぱり鳥の方があってる、だから早く元の白鳥の姿にもどしてあげて・・・。ベッドから白鳥が出てくるシーンですが、ちょっとタイミングが早くなかったですか?エマ女王様とカーカム執事が去って、まだ、その足が見えている時 に出て来ちゃうんです。「え?もう出てくるの?ここで女王様が振り返ったら気づかれちゃうんじゃない」というぐらい早い。そして、やっぱりニッキーは白鳥がいい。キレイです。哀しみの慟哭もヒナみたいでしたが、鳥っぽかったし。

 全体的に、日本の照明はブルー系だったに対して、韓国公演の証明は、自然光の明かりだったような気がします。それだけに白鳥の肉体は生々しかった。観客の反応はよかったと思いますよ。よく笑うし。それと、若いカップルが多いですよ ね。この公演だけでなく、ソウルって、いたるところで若いカップルがいる。それが、何か健全な感じのカップルが多い。女の子がかわいこぶったりしてないところがすごく健全な感じがしました。私の席の周りも若いカップルばかりで、反応するところは一緒に反応するという感じ。

 今回はアダムが来ていないので、特にお目当てのダンサーがあったわけではなかったら、すごく落ち着いて見ることが出来ました。ニッキーの白鳥は拾いもののような気にもなりましたし、行って良かったです。


◇sukotさん◇

 韓国に飛んで行ってしまった白鳥を追いかけた王子を追いかけて(ややこしいですね?)韓国に行って来ました。20日初日から23日迄の4日間のソワレを観てきました。

 劇場のLG Arts Center は観客数1000人超程の東京のオーチャードホールの半分位に大きさで、舞台もオーチャードよりほんの少し小さめでしょうか。パンフは5000ウォン(500円位です)で、ジーザスが表紙。日本公演はアダムの写真ばかりだったでしょう?あれのジーザス版です。色合いも日本と同じです。  白鳥さん達も殆ど日本と同じでした。1人か2人聞いたことの無い名前が有りましたけど、ギャブくんもサイモンもダミアンもキムも・・・懐かしい顔が並んでました。
 ギャブくん少し痩せたかしらと気になりましたけど、何時もの様に小白鳥も4幕の王子を抱きかかえるのも頑張って、変わらずの良いキャラクターでした。やつぱりお気に入りです。

キャスト表は大きな(1m?1.8m弱)紙で張り出しで、コピーで配るなんて事はしてくれません。ただ、配役が全部書いてあるです。白鳥とセイラーとスパニッシュなんて。。。1人3役を踊ればそのまま書いてくれるので、誰が何を踊ったかは一目瞭然。スゴク親切でしたけど。。。。やはり、キャスト表が欲しいですよね?張り出しを帰りに欲しいから下さいとお願いしたら、駄目だと言われてしまいました。じゃあ、コピーを下さいとお願いしても駄目。どうせ捨てるのでしょう?? 残念でした。キャストは上記キャスト表の通りです。

 初日はジーザスとベン・ライトのコンビ。このコンビはもうすっかり出来上がってしまっているのでしょうか?初日に相応しい安定した良い舞台でした。ジーザスはベン王子が大好きみたい。3幕のタンゴの時には王子にキスしてましたし、鼻に黒い線を引き、ポーズを決めながら王子をグッと引き寄せた時にもキス?。ベン王子の鼻の脇に黒い線がべったりと着いてしまうという事も有りました。(ベンはさりげなく手でふき取ってましたけど・・・)

 22日はニッキーとベン・ライトのコンビ。ニッキーの演ずる白鳥は、線が細く、優しくて幼い感じのする、でもちょっとセクシーな白鳥でした。威嚇のポーズを取っても全く怖くない(笑)。
 アダムの白鳥は群れのリーダー的存在でしたが、ニッキーの白鳥は群れのアイドル?皆に可愛がられ、保護されている白鳥という感じでしょうか?あの少年の様なベン王子でさえ、ニッキーの前に出ると年上に見えるほどです。
 ただ、ベン・ライトの素晴らしいところは、それを逆手にとって年下の白鳥に魅了されてしまった王子を(少し大人に見えました、以前の甘えたがりの王子より)演じていました。年下の白鳥を見守り、可愛がっている様子を非常に巧みに観せていました。ベン・ライトは素晴らしいです。

 2幕で白鳥の足に王子がそっと触れると白鳥が足を動かして嫌がりますよね?アダムだと威嚇する様に王子を観るのですが、ニッキーのはメ嫌だっ!やめてよモという優しい感じになります。王子の胸に白鳥が顔を摺り寄せるシーン。この時はニッキー白鳥が王子の胸に顔を摺り寄せるとベン王子はその頭を優しく、可愛がる様に撫ぜる。白鳥が王子に甘え、王子はそれを愛しく感じる。王子はこの可愛い白鳥から 目が離せない、抱きしめたい、どこまでも追いかける、という感じでしょうか?

 3幕、注目のストレンジャーはどうなるのか?この可愛いキャラクターでどうなるの?と・・・・やはり、各国の王女達が年下の魅力的でちょっぴりセクシーなこのストレンジャーに興味を示して誘惑するという・・・・・ショットグラスのお酒を2杯あおるシーンでニッキーはグラスを静かに音もさせずに置きますが、相手の王女がメバンッモともの凄い音を立ててグラスを置く。これが全てこの3幕のバランスを表しているようです。

 王子も年下の思い通りにならないストレンジャーに振り回されるという図です。 ストレンジャーが各国に王女を魅了しているのを複雑な感情、ジェラシーでジッと見詰めています。彼から目が離せ無い。
 タンゴの時に、ベン王子がリードしている。王子がストレンジャーに「こうして?あぁして欲しい」と望む。それにストレンジャーは「嫌だよ〜。放してよ!そんな事しないよっ」という感じです。それでも王子はこの年下のストレンジャーが可愛くて好きで、手を出す。ストレンジャーが王子を抱きしめるのではなく、王子が自分の好きという感情を持て余して、ストレンジャーを抱きしめるという様に逆になっていました。でも、コレでもOKですよね?だって、この感情でベン王子は思い通りにならないので逆上して銃を取り出すという図なら・・・・・

 3幕の最後、何時ものベン王子はストレンジャーの足元にすがりつくように助けを求めますが、ニッキー相手だとストレンジャーの顔を抱きしめるように救いを求めます、「こんなに好きなのに、どうして?」という感情でしょうか?観ている方もとても切ない気分にさせられます。

 4幕の白鳥は全てを捨てて王子を助けなくてはなりません。もともと優しい、幼い白鳥なので「王子を助けられるの?」と観ている私が心配になってしまいました。やはり少し迫力に欠けるかしらと思いましたが、この白鳥を無くした王子の喪失感は胸に響くものがありました。

 ニッキーのダンスは安定していて綺麗です。とても柔らかいダンス。21日のニッキーの韓国公演初めての舞台は、もうニッキーはイッパイ、イッパイで余裕が無く、観ている方がメ大丈夫?モと思う位の舞台でした。(トム・ワードとのコンビです)
但し、段々と回数を重ねる毎に良くなって23日は落ち着いていましたが、特にこの22日の2幕の最後のシーンはニッキーは立ち居地がどんどん右に行ってしまい、ベン王子との距離が開く一方でハラハラし、結局ベンが手を一杯に伸ばして引っ張るというシーンも有りました。サポートするほうが大変ですね。踊ることで一杯なんでしょうね。今のニッキーは・・・・・・

 私はニッキーの白鳥は好きです。特にベンとのコンビはベンの巧みなリードも有るのでしょうが、また別の白鳥の湖が出来てると思う。
 ただ1つ気になることがあります。ニッキーは踊っていると口が半開きになるのです。最初はやはりキツイのかしら?と思いましたが、3回観たのですが何時も開いている。これは癖なのですね、きっと。これはとても気になりました。特にストレンジャーの時に目立ちます。もう少しニッキーが落ち着いたらこのコンビはもう一度観てみたいと思います。少し大人になった、年下の白鳥を見守るベン王子というものナカナカ素敵です。ニッキーに期待したいと思いました。再度観られる様に・・・・


◇いぶさん◇

 Swan Lakeソウル公演、行って来てしまいました!ソウル公演、私が見たのは(ひとまず)5月21日と22日です。
 予約していたチケットはこの2日で、初日の20日の夕方6時すぎに現地に着くようになっていたので間に合えばその日も行こうと思っていたんですが、道が混んでいて会場近くのホテルに着いたのは9時近くでした。とりあえずどんな場所か見に行ってみようとでかけたらオーチャードホールと違って客席のドアの前までチケットがなくても入れてしまいました。ロビーのモニターに小さく映る舞台も見れてしまって微妙に得しました♪下のロビーではレセプションの準備が進められていました。

 パンフレットを先に買おうとしたら、日本とさほど変わらない質で日本公演のジーザスの写真がいっぱい載っていて、なんと一部日本円で500円!!サントラも売られていて1300円!いい国です!(笑)さらに壁には凄く細かいキャスト表が!(これは壁に貼られるだけで配られるものはないということなので写真に撮りました)
 それぞれの国の女王、エスコート、スワンクバーでのそれぞれの役、トロール…。すごい!キムのハマり役だと私が勝手に思っているスワンクバーでの青い帽子の彼の名前も書かれていました。彼は「Joe Orton」。後で調べてみたら実在の人物で映画にもなっていたようですね。しかもほんとあの役にぴったりなんですよ!これ、ほんと初めて知りましたが最初からマシューのいたずらだったんでしょうか。ウェストエンド公演のキャスト表も細かかったですが、この名前はありませんでした。

 21日、白鳥はニック、王子はトム…私、今までのレポートでトムはけちょんけちょんでしたが、激しく反省中なのです!!後ほど述べるといたします。
 ホールに入ると懐かしい白鳥の幕。それだけで鳥肌が立ってしまいまいました。公演開始間近まで空席があったのですが、いざ始まってみたらほぼ満席で安心しました。

 この日の席は5列目のセンター右寄り。座ってみるとオーチャードホールより舞台が近い印象があり全体の作りも前の人の頭が邪魔になることは少なく、チケットは安いし予約のときのスタッフもとても親切でいいところだなあと思いました。(笑)
 ホールの規模は初めてスワンを見たピカデリーシアターと同じくらいでした。おそらくこの舞台はこの規模を想定して考えられたと思うのでどの位置でも見やすく、舞台も低いのでかなり前の方でも切れる部分が少なかったです。(ただ舞台裏が狭いのか、しょっちゅうそでから誰かがちらっと見えたりしていました)

 いよいよ前奏、緞帳が上がるとあのベッド。オーチャードホールのときより小さいサイズだったので幼年王子役のギャヴくんが大きく見えました。そして窓に現れるニックスワン!…ん?なんだかひょろひょろ弱々しい印象です。
 続いて女王はエマ・スピアーズ。私は一番好きな女王かもしれません。女王の威厳のようなものは少ないのですがどこかどっしり落ち着いてて子持ちで働くキャリアウーマンというイメージに見えて現代の女性が共感できるような気がしました。

 朝になってメイドと従者たち…懐かしい面々が続々と!!レイン!ジョン!つい顔がにやけてしまいます。執事はクルトです。今回のパンフレットにクルトの役名の中に「swan」もあり、初日に踊ったようなんですがすごく見たかった!!そしてギャヴくんがワキの処理をされるところ、ここはウェストエンドでは爆笑、東京ではほぼノーリアクション。さてソウルでは…と思ったら皆さん声を出して笑ってました。隣の国だというのに反応が全く違う!そしてキムが犬の散歩!会いたかった!(笑)ここもみなさんすごく笑ってました。
 続いてベッドが回転してバルコニーになるところも「へえ〜」という声を含んだ笑いに包まれました。会場全体が楽しい雰囲気です。
 そして王子は成長しトムになったので私ときたら彫像に備えて全く王子を見ていませんでした。さて彫像、ここもみなさん「うわあ!」と声をあげてウケていました。ニックの背中は起伏がなくなめらか…。そしてトム王子が前へ出て来てやっと「あ、そうだトム」なんて思った私。
 ガールフレンドはトレーシー・ブラッドリー。(すごく可愛い!)私がトムが違うと思ったのはこのあたりからでした。若返ったし5キロは痩せたような気がします。固さがなくてすごく優しく笑ったり。ガールフレンドと楽しそうに踊ってすごく自然に恋に落ちたかんじ。なんなんだろう…???具体的にはわからないです。オペラハウス、蛾の女王役は新しく加わったAnjali Mehraで美人な蛾でした〜。きこりはギャヴくん。美人の蛾と男前のきこり。もちろんみなさん大笑いしてました。

 そして王子と女王が争うシーン。もう、どうしちゃったんだトム!!こんな悲愴感を出せる人だったなんて!東京で私が感じた、鈍感そうな王子なんてどこにもいない。ほんとに愛情に飢えているかんじで可哀想!

 さて、スワンクバー。「Joe Orton」がやって来ました!(笑)「水兵さん、£50でどう?」とジョンの水兵を誘って(え?なかったでしたっけそんなセリフ…)タバコの煙りをふーっと吐きながら客席に妖艶な笑みを投げる…このシーンの始まりですごくいいアクセントになってると思います!服装倒錯者はレイン、不良少年はサイモンK、ファンダンサーはルース・モス。ルース・モスのつまらなそう〜な表情がいいです。そしてバーからつまみ出された王子。これまたトムが切ないんです。このシーンで初めて泣かされてしまいました!

 で、公園でいよいよニックスワン登場。緊張してるのか、音楽に合わせて踊っているだけという印象です。毒にも薬にもならない、キャラクターが決まってないかんじがします。だがしかし!なんとトムがその演技力でカバーしてると感じました!トムの目がほんとに優しい!弱々しい鳥を守ろうとしているかんじ…?物語としてはまるで逆になってしまいますが、トム王子にそんな愛情があったことの方に感動してしまいました。

 群舞が続々現れます!この日はギャヴの白鳥が見れません。残念。ちび白鳥はキムとサイモン。手前に足音を立てて迫ってくるときの先頭はジョディとジョン。白鳥達は全体的に派手になってたような気がします。舞台が狭いので大きく見えました。「ハー!」という息の音をしょっちゅう立てていてすごい迫力!生命力!というかんじでした。ライアンが面白かった。動きが大きくて表情の変化に富んでてなんだかとっても嬉しそうな白鳥でした。
 キムも私は今まで「守ってあげたい」という印象を持っていたんですがなんだか違いました。踊りに自信が見えて色気を振りまいているように見えました。ジョンもやっぱり目が行ってしまいます。
 この日の小さい白鳥の踊りはキム、サイモン、ジョディ、ジョン。お約束どおり小さい方が大きい方をおんぶ…と思ったら違ってて残念でしたがやっぱり大好きなシーン!もちろんがっつりウケを取って退場です。
 でかい白鳥はレイン、ルパート、ライアン、ヘンドリック…だったような。違ったらすみません。ほんと、2幕大好きです!再び見ることができて嬉しかった!

 休憩時間に入ると同時に友達も「トムよかったね!」って言うので「よかった〜〜〜!!」と大興奮。後で少しお話した方も同じ感想だったようです。ちなみにLGはトイレが多いので全然並びません。ドリンクバーで売っていたイチゴジュースもおいしそうでいい所です、しみじみ…(笑)

 そして3幕、あの妖しい腰つきのダンスもウェストエンドのときと同じようにみなさん大ウケです。それからここでトム、ガールフレンドに「ほら、女王陛下にご挨拶して」と言うところ(言わない…ですか?)いつもトムは笑っていて、私はいつもそれが誰にでもいい顔をする王子というかんじがしてイヤだったんです。今回もやっぱり笑っていたんですが、なぜかそれがなんとも無邪気に見えて、そんな風にしか生きてこれなかった王子なんだなあとやっぱり可哀想になってしまいました。

 ファンファーレ、ニックストレンジャーの登場です…ドキドキ。手すりを渡って…あああ…いかんです。病弱っぽいです…。緊張してる…。鞭で女王の目を回して見せるのはどうなんでしょう。。。ニックはおどけている風にも見えないし…。それからショットグラスをテーブルに叩き付けず、音を立てずに置いてましたが…なんせニックスワンもストレンジャーもキャラクターがはっきりしないので何をしてもしっくりこない印象です。とりあえずお姫さま達と踊り、振りどおりのターンは勢いが足りず、テーブルに着地!わー!のはずが下手したら静まりかえってしまうほどまばらな拍手…。

 スペインの踊り、ライアンの表情が面白すぎる!ジョンも面白いしキムももちろんかわいい!続いてイタリア。イタリアの女王は蛾の女王を踊ったAnjaliです。きれい!エスコートのルパートはあまり嫉妬深いようには見えません。ここってスペインの踊りのときの男性陣が黒のジャケットに着替えて出て来ることにこの日初めて気がつきました。
 そしてチャルダッシュ。やっぱりトムの表情がいい!王子の中でストレンジャーに対する不満が膨らむのがすごく伝わってきました。それから女王とストレンジャーが踊って王子と交代。これだけよく笑うお客さんなので(なつむさんのブロードウェイのお話にもありましたが)ウェストエンドのときのように笑いが…?と思ったら今日は大丈夫でした。王子とストレンジャーのパドドゥでもやっぱりニックは表情も固まってしまっていて、そこをトムが演技力でカバー!しっかり感情移入できてしまいます。
 そして鼻筋に墨…ほ、ほっそ〜〜〜!なぜかニックの入れた墨は本人自身のように細くてあれじゃあ遠い人は見えないんじゃないかと心配になりました。そして「ニヤッ」もほとんどなく…。それでも王子が笑われるところはトムのおかげで素直に泣けてきてしまいました…。

 そしていよいよあれだ〜!やっぱりこのシーンはかっこいい!途中「Hey!」なんてかけ声も入って大いに盛り上がりました。が、やっぱりオリジナルの振りに戻してほしい…。いや、でも手すりからのキムのジャンプがまた見れたからいいです! 悲劇の展開もトムが迫真の演技!

 さて、病院。うううトム可哀想…。ぐったりしてベッドへ。ベッドのしたからにょろっと…。こちらの方は反応が素直なようで「パクチョ、パクチョ!」(白鳥を韓国語で言うとこうらしいです)という驚いたささやきが聞こえました。ここの踊りも好きです。オリジナルとかなり変えてありますよね。こちらの方が好き。
 そして王子錯乱…この日のトムはどのシーンも説得力があります。本当に苦しそう。で、ベッドからニックスワン。なんだかだんだんリラックスしてきたように見えましたがまだ何かを表現するまでには至っていないような。そして群舞たちです。うわー!ほんとに今日はすごい迫力!!ライアンが王子を痛めつけるときも邪悪に楽しそうで怖い!!

 そして白鳥が死んで残されたトム王子…ものすごく哀れな表情。ううう悲しい…!群れの白鳥たちに「これがお前の運命。お前は絶望に負けたのだ」と言われながら(あれ?言ってませんでしったっけ…)ベッドへ。最後のとどめを刺したのは たぶんルパート?ここは1羽に限ります!!ああまた1回見終わってしまいました。本当に、何度見ても何度でも見たくなる!毎日でも見たいです。

 カーテンコールもすごかった!!もちろんスタンディングで白鳥たちには歓声というより嬌声があがりました。「キャーーーー!!」ですよ、ほんとに!もしかしたらこういう雰囲気は嫌いな人もいらっしゃるかもしれませんが、私は好きです。

 そして次の日(22日)早めに出て会場近くで食事をしようとしたらダンサーの方何人かとばったり会うことができました。時間がとれることを確認して「日本から来たんです」と伝えるとみなさん「ほんとに!?」「信じられない!!ありがとう!!」とびっくりされていて、こっちもびっくりです。隣の国だからそれほど 驚かないと思っていたし、私達にとっては自分が海外にいることよりダンサー達が目の前にいることの方が大事件に思えてしまって…。
 「週末には100人以上は来るんですよ!」と言えばよかったけど英語ではすぐに脳メモリーがいっぱいになってしまうのでフリーズしちゃって忘れていました。。。はあ…ダンサーの方は普段の姿も美しいなあ…と後ろ姿を見送りました。

 そしてロビーを覗いたらちょうどあのキャスト表が運ばれてきました。初日の20日はジーザス、昨日はニック。私達はすっかり今日ジーザスを見るつもりでいたのですが、「The Swan」の欄に書かれていた名前は「Nik Kafetzakis」…ひっくり返りそうになりました。
 私がここにいる理由には、同行した友達や他にもたくさんの方に「ジーザス見てないの!?見ないとダメ!!見て!!」と何度も押されたからというのもあるのに。でも私はまだ見てないぶん諦めもつくのですが(これもおかしな話ですが、わかっていただけるかと)友達の気持ちを思うと泣けてきそうになりました。日本公演からずっと、夢のような気分と悪夢のような思いを同時に味わう羽目になるようです。とりあえず王子がベンでキムとギャヴが白鳥を踊ることを確認してからごはんを食べに行ってみましたが喉を通るはずがありません。。。

 今日が最後、でもジーザスは見れない。久しぶりに見れたこの舞台なのに千秋楽に向かってどんどん変化するはずの舞台なのに今日が最後…と思うと悲しくなるのでなるべく何も考えないようにしながら席につきました。

 今日も5列目、昨日とは反対側のセンターの左寄りです。幼年王子はサイモン。 公演始まる直前にカフェでパンを買ってるのを見かけて「おいおい!もうすぐ開演だよ!」とこっちが焦ってしまったけど無事ベッドの上でうなされています。そして2度目のニックスワン。あっ、昨日より力があるかもしれない!女王は昨日と同じスピアーズです。

 今日はギャヴくんが従者で人階段の一番最後です。重さで顔をしかめるのがかわいい!私はサイモンの幼年王子の方が好きかもです。ギャヴくんは白鳥が見たい!!執事はカーカム…ざます(笑)
なぜかお客さんのテンションは前日よりも低いかんじです。王子が成長し、今日はベンです。私が見るのは日本公演初日以来。もうベンは演技が格段に上手いですね!表情が本当に細かい!そんなに上手いと周りから浮いてしまう…と思うぐらい。
 今日のガールフレンドはフィオナ=マリー・チヴァース。バルコニー前で踊る士官(ですか?)の中にダミエンがいて、途中で手袋を落としてしまい、どうするのかと思っていたらクリス・キーリー(と思います)がさっと拾って、さらに裏で渡してくるのかと思ったら4人の士官が右の方に出て来るとき舞台の上で渡してダミエンが「ありがとう」という仕種をするアドリブがありました。
 ライアンも踊っていて、やっぱり表情が最高!楽しいけどやっぱりこれで最後と思うと複雑な気分です。舞台にちゃんと集中できないままオペラハウスのシーン。蛾の女王も昨日と同じAnjali。ほんとに美人だな〜。

 そして飲んだくれる王子。前日のトムはウォッカ(ジンかな?)を辛そうに飲んでいましたがベンは飲み慣れたかんじで投げやりに飲んでいます。でも前見たときは確かトムと同じように辛そうに飲んでいて、スコットと違う〜と思ったと思うので変えたんでしょうか。
 女王を見るベンの目…酔っぱらってます。少し笑ったりするのが怖い。そしてだんだん自暴自棄に…。はあ〜すごいなあと感心してしながら切なくて涙が出ました。

 スワンクバーです。服装倒錯者はダミエン。不良少年はサイモン。Joe Ortonはキム…。初日はこの役は犬の散歩係も含めてジョディ・ブレミングスがやったということですが…かなりイメージが違ったでしょうね。ちょっと見てみたかったけど、今までここは確率100パーセントでキムです。

 そして王子のソロ→公園へ。前日もそうでしたがニックスワンは舞台奥を横切るとき上体を動かしません。ニックは昨日よりは伸び伸び踊ってるかんじです。間をとったり、振りも大きくなっています。でもまだキャラクターがわからない…きれいなのか強いのか優しいのかどんなところに王子が惹かれるのか…。でも今日はベン王子。昨日のトムよりもさらにフォローしてくれるだろうと思っていたのですが ベンは上手すぎちゃってひとりでやっているかんじ…。でもやっぱり上手いので白鳥を心から愛しく思ってる気持ちが伝わってきました。

 群舞の登場ですが、もうダメです。泣いてしまいました。「これで最後」というのが受け入れられない。今書いていて思ったのですが、これは何度見ても足りない舞台だけど、このときはひたすら最後ということが納得いかなかったのです。
 久しぶりに会えたギャヴスワンはものすごい高さでジャンプしました。この人に主役を踊ってほしい!と思いました。続いて華奢なキムスワン。ライアン、ダミエン、レイン…。ほんとにきれいかっこいい、楽しいし、悲しい。ぼろぼろと涙が出てくるのにハンカチが見当たらず大変でした。

 その後の3幕なんですが、ホテルで書いたメモが途切れていてあまり細かく思い出せません。舞踏会の冒頭でベンはガールフレンドと執事を疑いの目で見るんですね。トムはやってたかな。
 そして「ほら、女王に挨拶しなさい」とガールフレンドに怒った顔で指図しました。日本公演初日で見たベンはどうだったかよく覚えてないのですが、かわいいかんじの印象があったと思います。どなたかの感想でも「子供のように無邪気な王子」とあったのでやっぱり演出を変えたのでしょうか。もしかして白鳥によって変えてるんでしょうか。だとしたらすごい!

 ニックストレンジャーは昨日と同じ。病弱そう…。でもやっぱり昨日よりは表情なども出てきました。が、鼻に引いた墨は昨日よりもさらに細い!!なぜ?!もうちょっと親指がちゃんとつくように角度を変えて!これは何か狙いがあるんでしょうか。全然わかりません。あ、その前に女王とストレンジャーバトンタッチ、今日は笑いが起きてしまいました〜!

 王子が笑われるシーン。王子にゆっくり近付いて顔を覗き込むライアン、怖すぎです。それにびくっとなってつくろうように引きつって笑うベン王子。ストレンジャーと女王が寄り添ってやってうくるのを見てもまだ笑顔を作ろうとして、音楽が 盛り上がるにつれて引きつった笑顔がだんだん悲痛な表情になっていくんです。すごかった!寒気が走りました!

 そして舞踏会フィナーレ。今日初めて気が付いたのか、変えたのかわからないんですが、男性陣の踊り、最初はスペインの踊りの小柄チーム、女性陣が踊って次に男性陣になるとエスコートの大柄チームに…なっていましたっけ?元々。キムやギャヴがこの踊りに参加してるのを初めて見たような気がしたのです。

 つれて戻って来たベン王子、目の周りがスワンになってます。神経質そうに腕を組んで片手でぎゅっと口を押さえたりしながら女王とストレンジャーをじっと睨みイライラが高まって切れてしまいました。病院に運ばれたときはもう正気じゃない目をしていました。すごい描写です。ベッドに寝かされて、目を閉じてもただ寝るだけじゃなく小刻みに震えたりする演技をしていました。

 ベッドの下から白鳥が出て来たときはやっぱりどよめきが。そしてわらわらと白鳥達。ここのギャヴが大好き!白鳥なのに猫のような手の動き、でもそれがちゃんと鳥に見えてさらにギャヴが踊るとたまらなくいいのはなぜ?と思っていたら他の方から「ひな鳥みたい」と聞いて納得!!

 そして王子錯乱。やっぱり東京公演で見たベンよりも大人びているかも。ニックスワン…よく覚えていません。あとはいつもと同じように悲しい。白鳥が一羽ずつベッドに乗るところ、無気味すぎて大好きです!そろってベッドの上から威嚇するのもいつも鳥肌が立ちます。はあ…すごいなあほんとに。

 とどめは誰だったんでしょう。最初のころ「キムだといいな」なんて思っていましたが、いつも大きな白鳥です。昨日より「ジャン!」の後にその場に少し留まってためてから退場。ベン王子も「ガクッ」ではなくてゆっくりめに息を引き取りました…。今日は昨日よりもスタンディングもカーテンコールも少なめでした。

 結論を言いますと、私と友達は来週末リベンジすることになってしまいました。ジーザスを見るために再び行くのです…。ソウルが終わって白鳥が手の届かないところに飛び去ってくれればもう諦めます。

 韓国のバレエ雑誌らしきものでジーザススワンが表紙のものがあり友達が買ったのですが全く読めないので帰りに現地係員の方に訳してもらいました。
 そしたらこの公演がいかにすごいかが書かれているところに「日本では再追加公演までやったにも関わらずチケットはすぐに売り切れ、それでチケットが手に入らなかった日本人はソウル公演に目をつけ、日本からの予約が殺到している」という記事でした。
 間違ってます。「チケットが手に入らなかったから」ではなく「手に入って見てしまったから」ですよね?
 それからブロードウェイ公演のコピー、「See it, or live to regret it!」(見なきゃ一生後悔する)これも間違い。「See it, and live to regret it!」(見たら一生後悔する)の方がむしろ近いです。。。


HOMEに戻る

AMP &Ballet indexを見る