・ビデオの購入先ですが、「DDV」シリーズ以外であれば、TOWER RECORDS、HMV、YAMAHA
 などで取り寄せてもらえます。製造番号;例(VHS:WPVS4108)があれば、簡単に頼めます。

・「DDV」シリーズの場合、フェアリー(TEL;03-3499-5541)で購入出来ます。
 通信販売もしています。

・製造番号の記載がないものがあります。もしご存知の方があれば、ご一報下さい。
 よろしくお願いします。

「白鳥の湖」振付;マシュー・ボーン

 1996年(ウエストエンド・ライブ)ワーナービジョン・ジャパン

 ビデオ(VHS:WPVS4108)\5800 & LD(WPLS-4108)\6796

・CAST・

アダム・クーパー/スコット・アンブラー/フィオーナ・チャドウィック/バリー・アトキンソン/エミリー・ピアシー/アンドリュー・ウォーキンショー/ウイリアム・ケンプ 他

・MEMO・

 とにかく、一度見たら何度でも見たくなるビデオです。振付、美術、照明、全てが洗練されていますが、特筆すべきはアダム・クーパーの魅力でしょう!!!彼は白鳥と黒鳥を見事に演じわけています。包容力のある白鳥と、危険な香りのする黒鳥は一度みたら忘れられません。黒鳥の彼には、女性なら誰もが心奪われてしまいます。(笑)彼の確かなテクニックと演技力は必見です。

 マシュー・ボーンの人柄のせいか、この舞台は優しさとユーモア、そして風刺に満ちています。カンパニー全体の踊りの質も非常に高く、全く飽きさせません。(特に王子役のスコット・アンブラーは表情豊で好きです)
 今やイギリスだけでなく、アメリカでもリピーターを生み出しているこの舞台。ビデオを見たあかつきには、あなたもきっとリピーターになってしまう事でしょう。

「うたかたの恋/マイヤリング」ケネス・マクミラン振付

 1994年(コヴェント・ガーデン)パイオニア

 ビデオ&LD(PILC-1176)ビデオ、LD各\8500

・CAST・

イレク・ムハメドフ/ヴィヴィアナ・デュランテ/ジェーン・バーン/デレク・レンチャー/ニコラ・トゥラナ/レスリー・コリア/マシュー・ハート/ダーシー・バッセル/サラ・ウィルドー/アダム・クーパー 他

・MEMO・

 私にとっての注目は、何と言ってもアダム・クーパーです。出てきて初っぱな4人のハンガリー将校が一列に並んで左右に揺れてくれますが、その二番目がクーパー君です。(ちょっと笑える)それと、彼の恋人サラ・ウィルドーもルイーザ王女役で踊っています。(第一幕で皇太子と踊っている赤いドレスの女性です)

 それはともかく、この映像は見ごたえ十分、まるで映画を見ているよう。ムハメドフがこんなにすごいダンサーだったなんて、と思わされました。(私が知らなかっただけかもしれませんが)彼の演技力はすごいです。ヴィヴィアナ・デュランテとジェーン・バーンも印象的です。ですが、ダーシー・バッセルは酒場の女のわりにはちょっと固い感じ。もうちょっと砕けてる方がらしく見えただろうなぁ・・・何だか品がいいというか、まじめそうというか・・・
とにかく一度見始めたらやめられなくなる作品です。

PS.デュランテの役は解説には「愛人」と書いてあります。「酒場の女」と言いきってしまうのは
  正しくないかもしれませんね。

「三人姉妹」ケネス・マクミラン振付 &
  ドキュメンタリー「イレク・ムハメドフ:力と芸術」

 1992年 ワーナーミュージック・ジャパン

 ビデオ(WPVS-4081)\3500 & LD(WPLS-4081)\4000

・CAST・

ニコラ・トゥラナ/ダーシー・バッセル/ヴィヴィアナ・デュランテ/ゲイリー・エイヴィス/ジェネシア・ロザート/アンソニー・ダウエル/イレク・ムハメドフ/スティーブン・ウィクス/アダム・クーパー/デレク・レンチャー/ガード・ラーセン/ジャキ・タリス/ルーク・ヘイドン/フィリップ・モスリー/デイヴィッド・ピカリング/アリステア・マリオット

・MEMO・

 ボリショイのスターだったムハメドフがロイヤル移籍後どう変わっていったのかが良く分かる一枚。これを見ると、彼って頭の柔らかい、素直でまじめな人なんだなぁと感心させらます。30歳になってから、これだけの変化を遂げるという事は、さぞかし大変だっただでしょう。
 「三人姉妹」は原題を「冬の夢/ウィンター・ドリーム」というのですが、この方がこの作品にはしっくり来ます。一つ一つの踊りがショートショートの物語の様に作られているのです。在籍後間もないムハメドフの為にマクミランが作ったこの作品、「うたかたの恋」のような難解さはまだないですが、なかなか楽しめる仕上がりになっています。ベテランのダンサーにまざってアダム・クーパーが末娘の恋人役に抜てきされているのも、私としては嬉しいところです。

「眠れる森の美女」

 1994年 (コヴェント・ガーデン)パイオニア

 ビデオ(VHS:PIVC-1183)\8500 & LD(PILC-1183)

・CAST・

ヴィヴィアナ・デュランテ/ゾルタン・ソリモシ/アンソニー・ダウエル/ベナジール・フセイン/ウィリアム・タケット/エリザベス・マッゴリアン/リヤーン・ベンジャミン/エロル・ピックフォード/アダム・クーパー 他

・MEMO・

 ヴィヴィアナのオーロラ姫は美しい。細くて長い手の、あの滑らかで優雅な動きは感動的です。今まで私は第三幕のグランド・パ・ド・ドゥのオーロラのバリエーションを好きになれなかったのですが、ヴィヴィアナを見て初めて、この振付は美しかったのだと分かり、好きになりました。(何だかコミカルな動きに見える人が多いので・・・)
 このビデオを見てまず思うのは、ゴージャスだなぁという事。奥行きを出す為に3Dっぽく描かれた変なアングルの背景はちょっと酔いそうですが、この舞台、全体に良く出来ています。衣装も結構変わっていて面白いし。
 それにしてもダウエルのカラボスははまり役。うまいの一言!
ソリモシの、第三幕のグランパが終わった瞬間の「やった」と「ほっ」のまざった「まばたき」が印象的でした。

PS.ちょっとお化粧が濃いので分かりにくいですが、アダム・クーパーが四人の王子の中の
  フランスの王子(オーロラをリフトする回数が一番多い)と、妖精のお付きの騎士役で
  出ています。(何かこのパターン多いなぁ)

「パゴタの王子」&
  ドキュメンタリー「アウト・オブ・ライン」

 1990年4月 (コヴェント・ガーデン) ワーナーミュージック・ジャパン

 ビデオ(WPVS-4080) & LD(WPSL-4078/9)\5000

・CAST・

「パゴタの王子」
ダーシー・バッセル/フィオナ・チャドウィック/ジョナサン・コープ/アンソニー・ダウエル/サイモン・ライス/アントニー・ドーソン/ブルース・サムソン/マーク・シルバー/アシュレイ・ページ/レスリー・エドワーズ 他

「アウト・オブ・ライン」
ケネス・マクミラン/リン・シーモア/アレッサンドラ・フェリ/ダーシー・バッセル/熊川哲也 他

・MEMO・

「パゴタの王子」
 本人も言っているようにマクミランにしては、おとぎ話風で珍しい作品。振付のさえみたいなものは余り感じられないが、キャストで楽しめる。(褒めてるの?)バッセルの安定した踊りとパワーはさすがで、悪夢のシーンでのスローモーションなんて、本当のスローモーションに見える。サラマンダーに変身させられたコープのぬめった踊りも印象的。でも、全体にマクミランの還暦祝いの作品でした、まる。って感じがするなぁ・・・・

「アウト・オブ・ライン」
 このドキュメンタリーを見るまで、私はマクミランって全面的に受け入れられている人なんだろうなぁと、漠然と思っていたのでびっくりしてしまいました。彼の人生は闘いだったのですね。この中には彼のミューズが3人出てきます。まず最初はリン・シーモア。(現在AMPアメリカ公演で女王を踊っている)次はフェリで最後はバッセル。彼女達のインタビューもあり、バッセルと練習中の熊川君も出てくるのでこのビデオ、結構楽しめます。

「恋する悪魔」LE DIABLE AMOUREUX

 1991年  TDK CLASSICS  ビデオ \5670(フェアリーで入手可能)

・CAST・

アレッサンドラ・フェリ/ヤン・ブルックス/ジャン・シャルル・ベルシェール/マルセイユ・バレエ団

・MEMO・

 ロラン・プティの作品で一番好きなものは?と聞かれたら「恋する悪魔」か「長靴をはいた猫」のどちらだろうと、私はきっと悩むでしょう。悪魔の化身である中性的な美少年(美少女?)フェリ、悪魔に見入られた青年将校のブルックス、そして悪魔のベルシェール。この3人のコンビネーションは見事です。ワンテイクでは撮れないよな激しいアクロバティックな踊りには目が離せなくなります。でもそれは彼らの心の葛藤を表しているのであって、全て説得力のある動きなのです。
 フェリの演技力はもう言うまでもありませんが、この作品の中のフェリは絶品です。扇を持ち、腰にショールを巻いて踊るシーンは、女性でも魅了される程官能的です。少年と少女、そして悪女が同居するフェリ。悪魔の生み出した幻想でありながら、決してパペットにはなっていない意志を持つ美少年(美少女)。この儚さと強さが同居しているという役は、正にフェリの為に作られた役です。
 一方のベルシェールの悪魔も魅力的です。この作品を観ると、彼のリズム感はすごいなぁと思わされます。あの体とリズム感がなければこの振付は生かせません。 あまり日本ではメジャーな人ではないのですが、もっと評価されるべきダンサーだと思います。
 それにしても、「長靴を履いた猫」の鬼とか、ここでは悪魔とか、牧神とか、この人は人間以外の役が本当に多いのです。何故なんでしょう・・・似合いすぎるのかしら。

「プルースト―失われた時を求めて」PROUST REMEMBERED

 1981年  DDV  ビデオ \8800(DV92-1006)

・CAST・

マイヤ・プリセツカヤ/ドミニク・カルフーニ/デニス・ガニオ/ジャン・シャルル・ジル/パトリック・デュポン/フランス国立マルセイユローラン・プティ・バレエ

・MEMO・

 豪華な顔ぶれで、あの有名な長編小説プルーストの「失われた時を求めて」に挑戦したプティですが、あの長い話、抽象的な話しをこの93分の作品にまとめるのは、かなり苦労したんだろうと思います。
 全編にわたってプルースト特有の同性愛的な話が出てくる訳ですが、やはりプティはストレートなんだなぁと実感しました。女性同士のシーンでは官能的な世界を生み出す事に成功しているのですが、男性同士となると、何だか体操の様に見えてしまう・・・・ベジャールとは対照的です。
「長靴を履いた猫」の猫と御主人様とか、「恋する悪魔」の悪魔と将校では官能的な振りがついていたのに、何故なんでしょうか。何だか失敗しています。この話しでは大切な事なんですが・・・

 とはいうものの、ダンサー達は言うまでもなく素晴らしい。特筆すべきはカルフーニの少女から女への変貌と、カルフーニとガニオの夫婦ならではの息のあった踊り。 プリセツカヤの鏡の前で踊るシーンも印象的です。デュポンにはもうちょっと踊って欲しかったなぁと思いますが、あの長編小説にチャレンジしたプティには拍手を送りたい作品です。

HOMEに戻る

Cast & Staffを見る

バレエ関連ものTV放送予定を見る