丹波富士(白 髪 山)

【登山日】1994.4.17(日)
【メンバー】馬部文子、芳村嘉一郎、和子



登山口の住山から見上げる白髪山

舞鶴道を丹南篠山ICで降り、古市まで南下、川沿いに住山の登山口に向かう。松尾山との分岐に車を置き、茶畑の中の林道を登る。道の両側にはスミレやタンポポが咲き乱れ、ツクシも顔を出して、晴れ渡った空の下、春は今が真っ盛り。桜公園と名づけられた小広場では満開の桜が、さらに少し上ではエイザンスミレが出迎えてくれた。30分ほどで林道と分かれ、しっかりした山道となる。銀の採掘跡の洞穴を過ぎると勾配が強まるが、次はヤブツバキのトンネルで赤い絨毯を敷き詰めたような道を行く。

 ジグザグの登りはタムシバの白い花が慰めてくれて、知らぬ間に高度を上げ、振り返ると眼下に緑の農村風景が大きく開ける。稜線に出ると露岩が現れ、やがて赤松の点在する岩場となる。際立った岩頭に登ると左右の緑の山肌は一面にタムシバの白を散りばめた美しい眺めだった。頭上に白髪山が大きくかぶさっていたが、快適な岩の感触を楽しんで登るうちに、最後は笹原の中の一登りであっけなく二等三角点のある頂上に立った。周囲の展望はさえぎるものなく、北に多紀アルプス、東に三国ケ岳、南に虚空蔵山、西に西光山など丹波の山々がぐるりと取り巻いている。


露岩のある山稜で虚空蔵山を背に

 時間が早いので昼食は後にして、北側へ雑木林の中にザイルの張ってある急坂を下る。すぐにショウジョウバカマの可憐な姿が現れ、やがて道の両側一面に薄紫の花の大群落が200M程も続く。後は展望はないもののヤブツバキの咲くなだらかな尾根道になり、ピッチがあがる。途中、北側の展望が開ける所で昼食をして、保福寺への道と分かれて松尾山ヘ。満腹の後で足が重く、僅か200Mを木にすがって喘ぎながら登る。小広場になっている山頂は南北朝時代に山城のあった所といい、鬱蒼と雑木に囲まれ展望がないので小憩して出発。やや下った所に仙ケ岩という平らな大岩があり、正面に虚空蔵山と眼下に緑の田野が見渡せて壮大な眺めだった。女性二人は仰向けに寝て大きく山の空気を深呼吸。

 再び暗い林の中の急な下りを終えると、少し開けた墓地(卵塔群)、三基の石仏、松尾寺本堂跡と続く。この辺りはクサソテツの緑が鮮やかだ。不動の滝を見て流れに沿って下ると未舗装の林道となり、舗装路に変わるとすぐ朝の登山口に着いた。一日中好天で、全行程が美しい花を鑑賞しながらという恵まれた山行だった。

<コースタイム>登山口9:40…銀鉱穴跡10:17…白髪山頂上(722m)11:15〜11:35…昼食12:10〜45…保福寺分岐12:55…松尾山13:05…仙ノ岩13:20…本堂跡13:50〜14:05…登山口14:40

関西の富士へ      TOPPAGEへ