【登山日】 1994.8.23(火) 【メンバー】芳村嘉一郎、和子 諏訪富士と尊ばれ、「女神山」と親しまれたその美しい山容が、ずっと気になっていた山。79年に、家族と義父母の6人で北八ツを大河原峠まで北上しながら、吹き飛ばされぞうな強風と雨で断念。昨93年は、白樺湖で泊まった翌日がまた雨で、日程に余裕があって登頂した同行の若槻家に先を越されて、悔しい思いをした。3度目のトライになる今夏は、今までの晴天続きがここへ来て3日ほど断続的に激しい雷雨があるなど、大気の状態が不安定になっているので、雨でも登頂してしまうつもりで出発する。5時に家を出たときは曇り空だったが、中央道に入ると青空が拡がり、中アも南アもくっきり見渡せる。しかし諏訪湖SAから見る八ケ岳方面は雲の中だ。雲の動きに一喜一憂しながら大河原峠まで車で登る。 ![]() ![]() 1時間あまりで傾斜が弱まり、湿地状の所を過ぎると、広い草地に新しい小屋が立つ将軍平に出る。草の上に腰を下ろしてコーヒーを沸かし、蓼科牧場の売店で買ってきたドーナツで昼食にする。この頃から頭上は真っ青な空となって、見上げる山頂に続く岩道を登る人の群れが小さく望まれる。最後の登りは30分程だが岩の階段状が続き、ペースが遅くなって和に置いていかれそうになる。しかし、登るにつれ下界の展望が開け、気分爽快。森林帯を抜けると、山頂の一角にある小屋の横に飛ぴ出した。赤紫のヤナギランと朱色のナナカマドの実が美しい。 山頂は浅い(10mほど)が直径100mほどもある広いクレーター状を呈していて、全体が岩塊の集まりで、その底に小さい祠がある。岩を跳んで東側の三角点のある所に着き、写真を撮り、1本の缶チュウハイを分けて飲む。(凍らしてきたビールは全く溶けていなかった。)北八ツははっきり見えるが、天狗から南の八ケ岳は雲が頭を隠している。しばらく待って赤岳が頭を見せたのを見届けて、時計回りに火口外周を巡る。展望図を埋め込んだ円形の石盤が西側にある。ここからは眼下に白樺潤、姫木平、その上に車山から美ケ原に続く稜線、少し左手に茅野市、銀色に光る諏訪湖が見渡せる。しかし、御岳や乗鞍、北アは雲の中だった。さらに半周して今度は北から東にかけての展望を楽しむ。北の浅間は雲に隠れているが北東の方は遠目がきいて、妙義山、荒船山がよく見えた。山名同定をしながら、ゆっくり憩いの時を過ごし、山頂を後にする。下りもリズムよく駆け降りる和を追いかけることになったが、3度目の正直でやっと登頂を果たして楽しい気分だった。 ![]() <コースタイム>大河原峠11:25…将軍平12:30〜12:50…蓼科山頂上13:30〜14:30…将軍平14:50…大河原峠15:45 |