2014年の山旅 (1月~6月)


天理・竜王山

【登山日】 2014年1月7日  【メンバー】岩本幸子、芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】長岳寺11:00…石不動 11:47…林道12:28…山頂 12:40~12:55…奥ノ院 13:18~13:22…長岳寺14:25

 
長岳寺の駐車場に車を置いて出発。柿畑を過ぎるとようやく山道になり、真っ青に晴れ上がった空の下、歩き慣れた道の枯葉を踏んでゆっくりと登っていく。中間点の石のお不動さんに手を合わせ、さらに登り続けるうちにようやく汗ばんできた。歩きはじめは体の重かったが、次第にいつもの調子を取り戻した。奥ノ院への分岐を過ぎて最後の急坂を登ると、天理ダムからの林道に出会う。注連縄が張り巡らされた柳本竜王社の池の横を過ぎて、山頂の南城跡に登る。     
 広い山頂からは天気が良過ぎてかえって遠くが霞んでいたが、金剛・葛城から生駒山に続く山並みの下に大和平野が拡がる眺めは何度見ても飽き足りない。ベンチに腰を下ろして熱いコーヒーを飲む。
帰りは田竜王社の前を通って、林道分岐から左へ柳本古墳群への道をとった。荒れた感じの林の中の急な階段道を下り、途中の分岐で右に折れて長岳寺奥ノ院へ。大きなお不動さんの前に、お正月らしくお餅や花が飾られていた。山腹を横切って登りの分岐へ戻り、長岳寺に帰る。風もなく穏やかな青空の下を楽しく歩けて、幸先良い今年の初山行になった。

畝 傍 山

【登山日】 2014年1月12日  【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子


真っ青な空の下、橿原神宮外殿で柏手を打って拝礼。北神門を出て参道を行くと、畝傍山登山口への道標がある。すぐに東大谷日女命神社の前にでる。祭神はヒメタタライスズヒメノミコト、神武天皇の后である。その先から登山道が始まる。緩やかな登りは途中、西側の畝火山口神社からの道を合わせて、大きく山腹を捲くように登っていく。下って来る何人もの人に出会った。
 登山口から20分で山頂に着いた。199.2mだが大和三山の中では一番高い山である。西南には山頂に雪の見える金剛山、水越峠を隔てて大和葛城山。さらに右に二上山へと続く山並みを望み、北西には端正な耳成山が市街地の中に浮かんでいた。10分間休んで下山する。帰りは山頂すぐ下の分岐を北へ、初めての道を下る。登りの単調な道とは違ってやや急で、途中には岩の露出しているところもあって楽しく歩けた。日の丸が翻り、大きな錨など置かれた慰霊公園を通り抜けたところに「イトクの森古墳」があり、すぐ前が神武天皇稜、下街道(国道24号)に続く県道である。下りは15分で汗もかかず、山登りというにはあまりにも短い行程だったが、清々しい気持ちで橿原考古学研究所付属博物館へ特別陳列「十二支の考古学・午」を見学に行く。


二 上 山

【登山日】2014年2月25日   【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】道の駅 09:20…ふるさと公園展望台 09:30~09:35…444mピーク… 10:00…眺め坂10:15~10:20…雄岳11:10~11:15…馬ノ背11:25…雌岳11:35~12:00…岩屋峠12:15…裕泉寺12:37…大池12:50…道の駅13:05


急に春めいて暖かい朝。思い立って二上山へ。何時もながら、歩き始めから460段のふるさと公園石段登りはちょっとシンドイ。展望台からの眺めは残念ながらぼんやり霞んでいた。 小さいピークの上下を小うるさいほど繰り返し、444m四等三角点ピークを過ぎて、 10分ちょっとで鳶塚を眼下に見る「眺め坂」のベンチ。今日は殆ど無展望。ウグイスの声を聞きながら出会坂を右に折れて、二上神社からの登山道に合流する。行き交う人が急に増えた。大津皇子墓所にはまだ雪が残っていた。頂上の神社の前には雪ダルマも…しかし陽が高くなると気温はぐんぐん上がり、山頂の広場の寒暖計は太陽をまともに受けて何と20℃を指していた。 斑に雪の残る馬ノ背を過ぎて雌岳へ登り、ポカポカと暖かい日を浴びて軽い昼食をとる。ちょうどお昼時で去年貸し切りだった頂上広場は賑わっていた。
 岩屋峠へ下る途中のサザンカの並木道は、終わりかけた花が最後の芳香を放っていた。峠から裕泉寺へ下る道の雪は殆ど溶けていた。結局、アイゼンもスパッツもザックに入れたまま使わずに済んだ。山口神社から道の駅に帰る道にはハコベやイヌノフグリの花が春の訪れを告げ、道の駅近くの墓地の横ではカンザクラが満開だった。


高 取 山

【登山日】2014年3月11日   【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】壺阪寺10:40…五百羅漢10:57…電波塔分岐10:22…本丸11:45~12:10 …猿石12:30…上子島砂防公園13:05


「高取町屋の雛めぐり」100番になる壺阪寺の雛曼荼羅を見て本堂に参拝。車道を10分ほど歩き、少し急な山道を登って五百羅漢へ。右の山道を登り、傾斜が緩むと疎らに残った雪が見えるようになった。道が再び急になり、深くえぐれた溝状の処を過ぎて車道に出合うと、右に無線塔の立つピークがある。再び山道に入り「史跡高取城址」の石標は直進して緩く下り、小さな広場にでる。やがて壺阪口の石垣が現れて、日本三大山城の一つ高取城址に入る。大勢の人で賑わう本丸を避けて三角点(583,9m)の立つ山頂に登ると、真っ青な空の下に金剛葛城の山々が並んでいた。暖かい日差しを浴びながらお握りを頬張る。
 30分ほどで腰を上げて下山。雪が溶け出して、足元が少しじめつくところが多くなった。千早門跡、宇陀門跡と下るにつれ登山道が整備され、砂を入れたり段差をなくしたりと歩きやすくなっている。今日も作業されている何人かの人に出会ったが、背負子で重い資材を担ぎ上げてこられた様子に頭が下がる。柏森への道を分ける二の門跡の辻には猿石がどっかり腰を下ろしている。この道を下るのは何と76年の秋以来、実に38年ぶり…しかし、このお猿さん?がここに座っている歳月から見ると、ほんの短い間に過ぎないだろう。岩屋不動への道を分け、米一升のボーナス支給でへたった人夫を励ました一升坂を下る。山道が終わり、道が広くなると左手に高取藩主植村氏の菩提寺・宗泉寺がある。黒門(高取城第一門)跡を過ぎて本丸から1時間で上子島砂防公園にでた。高取町中心部まではあと2キロほどあるが、近くに「ひな巡り77番」の標識があったので、今日の山歩きはここまでにして「町家のひなめぐり」に移る。


三 輪 山

【登山日】2014年3月19日   【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子


春本番を思わせる暖かい朝。大神神社はすでに多くの人が参拝していた。祈祷殿を過ぎて、両側に薬草や薬木が植栽された「くすり道」を登り、摂社の磐座神社を拝む。狭井神社の鳥居を潜り拝殿にお参り。社務所で初穂料300円を収め白い襷を借りる。登拝口にある御幣で自ら御祓いをして、注連縄の下を潜り登山道に入る。2月14日の大雪で登山道が壊れ、3月8日になってようやく復旧、入山できるようになったところだった。 
 天気が良くて次第に気温も上がり、額の汗を拭いながら、ゆっくり休まずに山頂に登り着いた。奥津磐座の前で数分休んで下山する。登下山の途中で小さい子供もからご年配の方まで大勢の人に出会ったが、白装束で裸足の方が何人もおられた。往復1時間45分で登拝口に帰る。万病に効験のあるという「狭井」の御神水を頂き、空になったペットボトルにも頂く。 帰り道で「奈良県景観資産」に登録されている「大美和の杜」からの眺望を楽しんだ。金剛、葛城から二上山、生駒山までの山並みは霞んでいたが、大和盆地に大和三山が浮かび、近くには三輪の大鳥居も見えた。


葛 城 山

【登山日】2014年4月 9日   【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】水分橋上駐車地点 08:25…中間点ベンチ09:20~09:30…山頂 10:20…キャンプ場11:05…駐車地点12:45


今年初めての葛城山。水分橋の浄水場へ登る道脇に一本だけ美しく咲き残る桜の樹の前に駐車。三日前に季節外れの降雪があり、いつもより地面が湿っている。流れを渡る手前から少し道が荒れていて歩き難くなる。中間ベンチで10分足らず休んで、階段道を登る。ショウジョウバカマを楽しみに水平道に入ったが、ようやく蕾をつけた一株を見ただけだった。 古い堰堤のところからは残った雪が現れた。ショウジョウバカマは殆どが葉だけで、ちょっと慌てん坊が数株だけ短い茎を精一杯伸ばして花を咲かせていた。 白樺食堂前から頂上に続くススキの原は綺麗に刈られてカタクリの小さな葉が顔を出していた。二人だけの頂上だったが、春霞かPM2.5か、辺りはぼんやり霞んで、辛うじて金剛山が見えるだけで河内平野も大和盆地も見えない。高原ロッジ横には「恋人の丘」によく見るベルが作られ、キーもいくつかぶら下がり、「奈良県景観資産」の標識が立っていた。桟敷に座って金剛山を見ながら、コーヒーとパンで早目の昼食を済ませ同じ道を下る。

三 上 山

【登山日】2014年月23日  【メンバー】丸屋博義 丸屋三輪子、芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】表登山口09:45…妙見堂址9:55~10:00…割石10:20~10:25…山頂10:50~11:05…近江富士花緑公園11:50~12:25…御上神社13:00


私たちにとっては2001年以来、13年ぶり3度目である。抜けるような青空の下、御上神社の駐車場で丸さんと合流。登山口の階段を登り、イノシシ除けの柵を開けて山道に入る。妙見堂跡の広場に来ると八重桜が一本、美しく咲いていた。林の中、ジグザグの道をゆっくり登り、二越、割岩を過ぎると次第に勾配が強まり姥ヶ懐の岩場にくる。ミツバツツジの花越しに眼下の江平野が美しく眺められる。展望台と名の付いた頂上の大岩に腰を下ろしてしばらく展望を楽しみ頂上へ。注連縄を捲いた岩を前にして石の鳥居が立ち、その奥に小さい社があった。まだ昼には早いので写真を撮りあっただけで頂上を後にする。
 裏参道への道を指す標識を見送り健脚向きと示された急坂の道に入る。ゴロゴロの急坂を下り、東山麓の近江富士花緑公園上部に出る。湿原入口を過ぎて満開の八重桜が咲き誇る美しい場所にでた。緑の生に腰を下ろして弁当を食べる。最後の花見を楽しんでゲートを出て南へ歩く。田園風景が広がり、タンポポや菜の花の黄色が彩を添える上に、すっくと立つ近江富士の姿があった。ぐるりと西から北西に回り込むように歩き、御上神社前に帰る。爽やかな気候で、快適なハイキングだった。

葛 城 山

【登山日】2014年5月2日   【メンバー】芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】水分橋 07:55…中間ベンチ 09:00~09:05…頂上 10:05…ツツジ園 10:35…自然観察路 10:50~12:50 …中間ベンチ 13:25~13:35…水分橋 14:45


連休の合間に新緑の葛城山へ花を見に行く。いつもの駐車場所前のサクラは散り果てて、足元はゲンノショウコの花盛り。真っ青な空から燦々と降り注ぐ朝の陽を浴びて、青崩集落を抜けて林道に入ると、ひんやりした山の冷気が身体を包む。鎖場、水場とゆっくり歩き続けて中間ベンチで一休み。切り開きを過ぎて道が平坦になるころ、斜面一面にモミジイチゴの白い花が咲いていた。
 弘川寺への林道出会いから谷沿いの道に入ると、ショウジョウバカマの群落が続く。下の方では花は終わっていたが、新しい堰堤を過ぎると背は高くなっても元気な花が残っていた。保護区域では年ごとに数を増やしてきたカタクリの花が満開。山頂からの展望は大和側も河内側も、先月同様今一つだった。ツツジ園のツツジはまだ色付き始めたばかりで、僅かにこのヤマツツジが花を開き始めていた。ヤマザクラは葉桜になり、ボタンザクラが咲き始め、コバノミツバツツジが満開。
 ロープ駅の方に下って自然観察路をのんびり歩く。カワチスズシロソウ
、ヤチマタイカリソウをはじめ、たくさんの花に出会うことができて大満足で同じ道を下った。

高野三山

【登山日】2014年5月17日   【メンバー】丸屋博義、丸屋三輪子、芳村嘉一郎、芳村和子
【コースタイム】奥ノ院10:00…登山口10:17…摩尼峠10:30 ~10:33 …摩尼山10:55 ~11:00…黒河峠11:33…楊柳山11:55~12:30(昼食)…子継峠13:00…車道分岐13:25…転軸山13:47~13:50…森林公園入口14:05…一の橋14:45


奥の院への参道は朝から多くの参詣客で賑わっている。御廟を拝んで水垢離場前で清め橋を渡る。10年近くの間に辺りの様子が変わっていて少し戸惑った。急登に喘ぎながら摩尼峠に登り着く。「奥の院より摩尼村に行く近道です」という手書きの標識が立ち、少し上には祠がある。汗を拭い一息入れて出発。
 少し平坦な道は急坂に変わり最後は木段を登って摩尼山(1004m)に着く。祠が立つ山頂は原生林に囲まれて無展望である。尾根左山腹に付けらた道を行き、急な下りになり黒河峠に降り立つ。雑木林の中、二度ほど急な木段道を登り、思ったよりは楽に楊柳山(1008.5m)の小広い山頂に立つ。祠があり、少し低いところに三輪明神の小さい祠もある。(↖写真)
 いったん下って登り返して小さなピークを越え、下りきると子継峠のT字路。右の久保へ下る道は草ぼうぼうで廃道のような感じである。杉林の中を細い流れに沿って下る道は次第に傾斜が緩くなり、うんざりするほど単調で長く感じる。ようやく奥ノ院の方からくる車道を渡って、三山最後の転軸山への登り道になる。ゆっくりと登りつめて山頂(915m)に立つ。北西に延びる尾根道の急坂を下り、車道に出てシャクナゲやシロヤシオの咲く道を転軸山森林公園に下る。中之橋霊園の横からスキー場の下にでて石畳に道に入るとすぐに一の橋から来る御廟への道に合流した。河口慧海の墓に詣でて今日の三山巡りを終えた。


三 輪 山

【登山日】2014年6月14日   【メンバー】丸屋博義、丸屋三輪子、芳村嘉一郎、芳村和子


丸さん夫人と同じ名前の山に4人で登る。二ノ鳥居を潜って冷気の漂う杉並木の参道を進み、拝殿からお山を拝む。祈祷殿の前を通り、くすり道を狭井神社に向かう。砂利道の両側には、いろいろな薬草や薬木が植栽されていて、製薬会社の寄進した燈籠が並ぶ。狭井神社の鳥居を潜ると辨天池の畔に見事なササユリが咲いていた。狭井神社は大神神社と同じく三輪山そのものが御神体なので本殿はない。拝殿は現在屋根の檜皮葺き替えが行われていて覆いが掛けられている。参拝して左側の社務所に登拝の申し込みに行くと、右側に見えるテントの方で受付するように言われた。記帳を済ませ鈴の付いた襷を掛けてお祓いをする。注連縄を潜って神域に入ると後は撮影禁止である。9時15分入山、大勢の参拝客と無事に登拝を終えて11 時に下山。
 襷を返すと神官から「お山で見たことは決して口外しないように」と厳しい顔で言われた。何度も来ているが、こんなに真剣に言われたのは初めてだ。狭井のご神水を頂いて喉を潤し、山辺の道を横切って大美和ノ杜へ。展望台から三輪山を振り仰ぎ、大和平野に浮かぶ大和三山や金剛山地の眺めを楽しんだ。

2014年の山旅(7月~12月)