環境塾 ’98  

里山ハイキング

雑木林の手入れ

 

日時 1998.10.4(日) 8:30〜16:00

場所 木の子村

(天理市上仁興、下仁興、藤井、桜井市笠にまたがる里山)

主催 天理青年会議所

共催 木の子村 大和ネイチャーゲームの会

 

 

朝8時30分 大勢の子供や大人が天理駅前にある噴水の周りに集まった。とにかく来てしもた小学生35名をジュニアリーダーのたのもしい中高生12名と天理青年会議所のおじさん達がなんとかバスに乗せようとするけれどあっち行ったりこっち行ったり、ようやっとバスに押し込んでさあ出発。

この列は写真の予定^^;

 

バスの中 JCのおじさんから今日一日の予定といろいろ気をつけてほしいことの連絡。聞いてないやろうな。天理ダムから国道25号線をそれて谷あいの道へ入ると周りのスギやヒノキがこの前の台風でいっぱい倒れている。おじいさんの時代から育ててきた木が一瞬で倒れてしもた。くやしいやろなあ。

 

 

木の子村の畑に到着 天理の町から30分もかからないところにこんな田舎があったんや。知らんかったなあ。あ、入り口に「たのしいきのこむらだよ」やて

 

 

一息ついて 青年会議所のおじさんが今日一日楽しく自然に楽しもうとご挨拶。木の子村からは山道を歩くとき気をつけてほしいことをあれこれお話をした。村の人や自然に迷惑をかけないことと、すずめばちやマムシに気をつけること。

 

このあと工事中

 

天理大の佐藤先生と上仁興の乾さんの話

 

からす蛇の話

 ・しまへびには縞模様の蛇と真っ黒な蛇の2種類がいる。その黒いほうをからす蛇って呼んでいるんだ。不思議なことに同じお母さんから縞と黒の子どもが生まれる。

 ・蛇のオスメスの見分け方は、肛門から先がすぐ細くなっているのがメスでゆっくり細くなっているのがオスだ

 

 

松の話

 ・松は荒れた土地に一番早く育つ木だ

 ・日本中松枯れが深刻だが、実はこうやって枯れるんだ。都会の排ガスが山里に上ってきて雨が酸性雨になり木に降り注ぎ木を弱らせる。弱った木を松食い虫(カミキリムシ)がかじるとその唾液中の線虫が木の中に入って食い散らすんだ。

 ・だけど、針葉樹には病気や虫から身を守るガス「フェトンチッド」を出しているんだけれど、酸性雨で弱っているとそのガスも力が出ないんだ

 ・フェトンチッドの効果だけど、北海道の学校で風邪がはやっていたところ教室に椴松の枝を数本置いたら風邪が直ってしまったそうだ。そのほか森林浴で気分が良くなるのもそのせいだと言われているよ

 

 

蛇や蜂から身を守る話

 ・まむし編

   まむしに噛まれても慌ててはいけないよ。蝮の毒はハブやコブラの毒と違って24時間以内に血清をうてば大丈夫、それより慌ててドキドキして脈が上がり毒が体中に回らないように落ち着いてほしいんだ。先生は山に研究調査に入るときは精神安定剤を持っていってもし噛まれたら飲んで落ち着くようにしているよ。

 ・蜂編

   蜂でもスズメバチが怖いんだけどスズメバチにもいろいろいるよ。足 長や地面に巣を作るのは地蜂だ。刺されてもめったなことはないけれど、アレルギー体質の人は気をつけたほうがいいよ。蜂はいったん怒らすとすごい勢いで襲ってくる。逃げてもだめ、追い払ったりしたらよけい襲ってくる。小さくなってどこかいくまでじっとしているしかないな。蜂は色の濃いものを襲うから山に入るときは薄い色の服がいいよ。

 

 

蝮の話

 ・蝮は棚田のあるような谷あいの水がある所によくいるんだ。山の上の乾燥したところにはあまりいないよ。それは田んぼには好物の蛙がいるからだ。蝮はずんぐりむっくりした体形で動くのが苦手なんだ。だから動かなくても食べ物がいっぱいある所がいいんだ

 ・生き物には近づいてもらいたくない距離があるんだ。蝮のそれは1mほど、それより近づくとおそってくる。だけどその距離の中に入らなければだいじょうぶだよ。

 

 

棚田の話

 ・山間の棚田や森は自然の貯水湖になっているんだ。山に降った雨は森の土や棚田の土にしみこんでゆっくりゆっくり里へ降りて行くんだ。

 

 

稲の話

 ・台風で田んぼの稲がいっぱい倒れて水に浸かったり、風の勢いや南からの暖かい風で刺激を受けたりすると稲は春と間違えて芽を出してしまう。自然は人間の思い通りにならないんだ。

 

 

 

 


奈良新聞


奈良日日新聞


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