16日目(2月10日)水曜日

 9時半にスタートといわれていたので、7時前には起きようと目覚ましをかけておいた。で、7時前にきちんと起き、トレッキングの準備をする。7時半には今回のトレッキングのガイドであるジャッキーが起こしにくる予定だったのである。だが来たのは8時ぐらいで、トレッキング用のリュックを借りたり、荷物を詰め替えたりしていると9時ぐらいになっていた。

 朝食を軽くとり、全員でソンテウに乗る。メンバーは、イギリス人のブライアン(64)、ベラルーシ人のミッシェル(67)、フランス人のカップル二組、日本人の女子大生(久富 弥生、竹田 真貴子、ミッチー、デロリン、智ちゃん)の5人と僕とエースの13人の大所帯である。それにガイドのジャッキーがいる。

 途中、トレッキング中に欠かせない水やトイレットペーパーを買って、12時前に車がひとつの目的地に到着する。ここはがあって、それを裸足で降りていくというところであった。これがまた気持ちよく、少しスリリングで面白かった。だがしかし、ここでちょっとしたアクシデントに遭う。カメラが調子が悪くなり、フィルムを取り出してしまったので、新品のフィルムが無駄になってしまったのと、今回はこれ以外フィルムを持ってなかったので、トレッキング中の写真を撮れなくなってしまったのだ。かなりダメージを受けたのだが、いっしょに同行していた日本人の女の子が代わりに撮ってくれるといってくれたり、エースに焼き増しを頼んだりして助かった。みんなの優しさに感謝でいっぱいである。昨日感じた女の子達への不安感はもう完全になくなっていて、楽しいツアーになりそうだった。

 昼食の後、1時過ぎにトレッキングスタート地点に着いた。3時間にもなるといわれているウォーキングタイムだ。前日にきついといわれていたが、実際にやってみるとこれがかなりきつい。標高1000M近いところで、アップダウンのきつい、舗装されていない道を延々と歩くのだから楽なわけがない。途中の景色はきれいなのだが、足元を見ていないと危険なので、チラチラと見ながら歩く。30分ごとに休憩を入れて、歩くスピードの早い人、遅い人の調整をする。64歳のおじいちゃんはさすがに体力的にきついようで、ずっと離れた後方においていかれていた。僕は連絡係のように後方を確認しつつ、歩いていった。

 途中、ジャングルの中の滝のようなところで休憩したり、森の緑を感じたりと歩くことを楽しんだ。でも予定の3時間半近くになったときに、ジャッキーが「これで半分ぐらい」とか言って、みんなを落胆させる。このころには初日で体力があるときとはいえ、かなり疲れていたのできついジョークだった。この10分後ぐらいにはもう着いたのだった。

 ここはアカ族というタイ北方民族の村だった。想像どおり、電気も水道もなく、シャワーもホースがあるだけといった感じであった。まさに古代のせかいにきた感じであった。寝るところも全員でひとつの高床式住居を使うのだ。びっくりしたのは女の子が5人ともそれに対して不満を言ったりしないし、むしろ楽しんでいる所だった。男でも、こういうところでは驚いて、嫌だ!というようなことを言いそうなのに、この5人の女の子はすごいなーと思った。

 夕食はジャッキーと地元の人の手作りで、野菜のトマト煮、キュウリと鶏のスープ煮(ちょっと辛い)、とかき玉汁みたいなもの、まずくはないが、おいしくもないといった感じのものだった。でも女の子達はおいしい!といって喜んで食べていた。ここでもちょっと感心してしまった。

 夜になり、明かりがほとんどなくなった。懐中電灯がないと移動もトイレもままならないといった感じであった。夕食後も食べた場所にみんなでいて、ゲームをして楽しんだ。ふと星を見ると、これがすごい!7時8時ぐらいまでは石川とか田舎出身の女の子達と「地元のほうが綺麗だ!」とタイの夜空をバカにしていたが、9時前になるとすごい星の数になって、とてもじゃないがかなわない夜空となった。小学校のときにあった星座早見表の星がすべてあるぐらいだった。本物の田舎とはこういう夜空なんだと感動した。

 その日は全員10時過ぎには寝た。翌日のトレッキングもあることだし、早寝しないとしんどいし・・・

 今日もフランス人としゃべったり、女の子と仲良くなったり充実した日だった。トレッキングはかなりきついが良い経験になりそうだった。

 忘れていたが、夕食の後、タイのお茶を飲んだのだが、そのお茶が入っていたやかんに「とおる」と書いてあるシールが貼ってあった。これがバカ受けで、以降お茶のことは「とおる」と呼び、それになぜか僕のあだ名も「とおる」になってしまった。タイにいる間は「とおる」と名乗っておくかな。

16日目終了

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