17日目(2月11日)木曜日
7時半起床、寝床はそれほど快適とは言えなかったが、疲れていたためかきちんと寝れた。朝食に食パン3枚という最近では珍しくたくさんの量を食べた。昨日シャワーにも浴びれなかったので気持ち悪かったが、顔を洗ってちょっと復活した。
9時半までに身支度を済ませ、トレッキングに出発。今日は先頭集団で歩いていた。2日目のトレッキングは1日目よりもはるかにきつく、坂がとてつもなく急な上に、道なき道を行くといった感じであった、まるで獣道のようだった。前日のトレッキングで軽い筋肉痛になっていたのもあってきつかった。それに、前方に日本人4人とフランス人4人、それとベラルーシのおじいちゃんがいるだけで他の女の子3人とイギリス人のおじいちゃんははるかかなたと言った感じであった。姿は15分ぐらい経ったころにはすでに見えなくなっていた。
先頭集団はたびたび休憩を取って、後方集団をまっていた。道なき道を歩いているので、何処が正しいのかよくわからないので、ガイドなしではいけない。で、恐れていたとおり、3人の女の子が道を間違ったというのを、別のトレッキングチームから聞いて、びっくりして心配していた。すると、そのちょっと後方からジャッキーと女の子3人とおじいちゃんが現れて、ホッと一安心だった。女の子達がくるまで、30分以上待っていたのだから、その開き具合もすごいものだった。前半、急な昇りが多く、これもとてもきつかったが、後半になって、急な下り坂が多くなった。まさに山を駆け下りるといった感じで、すべらないように気を付けながら歩くのは足に大変な負担がかかった。時間も、待っている時間が長かったし、予定より随分遅れて、昼の目的地野村についた。
クタクタになって村に着いたが、午後は歩きではなく、象に乗ってのトレッキングという今回のメインイベントが待っていた。女の子達もこれが楽しみだったようで、頭に乗りたいとか言って、大張りきりだった。この頃には女の子達ともすっかり打ち解けていたので、いろんな話しをしていた。特に旅の話が多くて、弥生ちゃんがタイ3回目のベテランで、他のメンバーははじめての海外だとか、こっちはニュージーランドやアメリカ旅行のこととかを歩きながらとか休憩中にしゃべっていた。外人はあんまりしゃべっていないようだったので、日本人の体力も捨てたもんじゃないなと思った。
昼食後、その村の川で水浴びをする。これがめちゃくちゃ気持ちいい。しばらく日陰のところでへばって動けなかったのだが、水浴びをして軽く体とか頭を洗うとちょっと疲れが取れたような感じがして楽になった。イギリス人のおじいちゃんに石鹸を借りたり、ちょっとした思い出になった。
すっきりした所で、象に乗り込む。13人で6頭の象に別れて乗った。後ろから2番目の象にエースと一緒に乗ったのだが、気性が荒いのか、象使いの人はしきりに声をあげている。象の上は見渡しも効くし、楽だしとてもよい。平地だけじゃなくて、坂もちょっとした川も楽々とおりすぎていった。20分ぐらいしてから、当初の希望どおり、弥生ちゃんが頭に乗せてもらうことができた。結構離れていて写真は撮るのが厳しそうだったが、エースが何枚か撮ったようだった。書き忘れたが、僕はこの象に乗るために、昨日からずっとタイシルクのスカーフをハチマキ風に頭に巻いていた。ちょっと象使いチックだったからだ。ここは当然、頭に乗らないといかんだろうとジャッキーに頼んで代わってもらう。これがまたさっきの座席よりも快適だった。股にちょうどいいかんじで象の首があり、手は頭において安定感は座席以上だった。耳がバタバタするが、閉じると首と耳で僕の足を挟んでいることになり、ますます安定する。気分はもう象使いである。
が、しかし、その5分後ぐらいにいきなり僕らの象が道を外れて勝手なほうに歩いていく。オイオイ何すんねんとか言いながらも、どうしようもないので、オロオロする。女の子達には大爆笑されたのは言うまでもない。だが、しかし、これが近道になっちゃったらしく、気がつけば、TOPに踊り出ていたのだ。この後、得意満面に僕の象使いテクニックはすごいだろうと自慢したのも言うまでもない。
というわけで村に到着、ここはリス族という美男美女の村として有名なところだった。村の規模も昨日と違ってかなり大きく、人口も多い。荷物を置いてちょっと休憩してから村を散策する。するといつものことであるが、村民の人たちがみやげ物を売りにくる。これがハンパな数ではなく、完全に包囲されてしまった。もう何か買わないと抜けられない状態だった。ま、一つぐらいは初めからお礼代わりに買おうと思っていたので別に言いのだが、ちょっと怖い。5分ぐらい日本語とタイ語という訳のわからない交渉の末、40Bで首から下げる袋を買って脱出した。
散策を再開し、見て周る。村の女の子も、男の子も小さい子はほんとうにかわいい。成人している人たちも前の村より美形が多いようだった。確かに美男美女の村と言われるだけのことはあると思った。それと、村の真ん中ぐらいで、若い男たちが、足でやるバレーボール、スパタクローをしていた。ムエタイの国だけに足が器用でうまい。女の子達はタイ人対日本人で挑戦しようとか言っていたが、タイ人が相手にしてくれなかったし、ルールもよくわからなかったのでできなかった。
そうこうしている間に日も暮れて、夕食タイムになった。今日はタイ風イエローカレーとインゲンのオイスターソース炒めだった。疲れて腹が減っていたこともあって、2杯食べた。それでもジャッキーにもっとくえとか言われる。うーむ、外国人の食べる量には勝てないな。
夕食後、各自勝手にしゃべりあったり、ジャッキーのむちゃくちゃ難しいゲームをやったりする。話をしているときに、弥生ちゃんから聞いたのだが、彼女達は本来、南方のどこかの村の祭りに行く予定だったららしい。でもそれがまだやってないということで、こっちに来たらしい。僕もエースがタイにこなかったらチェンマイには来なかっただろう。とんでもない偶然の出会いだなーとつくづく思う。でも、僕がタイに行こうとして無理矢理にでも行動を起こしてなければこのような経験も出会いもなかったわけだし、必然の出会いでもあったのかなとも思う。
それにすごいことに、彼女達の中の二人(弥生ちゃん、ミッチー)は、この後、すぐ夜行バスでバンコクに戻り、その日の飛行機でローマへ行くという・・・とんでもねー日程を組んでいるのだ。いくら若いとは言え、ほぼ同い年(22歳)なんだからきつすぎるだろうと思って注意してみても、決まっているものは仕方ない。まあ、彼女達のパワフルな動きを見る限り、大丈夫だろうと思ってしまう。
それとまたすごい偶然がある。残りの3人(マッキー、智チャン、デロリン)は17日関空行きSQ984という僕と同じ飛行機で帰るのだった。帰りの飛行機がいっしょというのはラッキーだ。特に向こうからは歓迎されて、初海外の3人を無事に日本に連れ帰ってくれるようにリーダーの弥生ちゃんに頼まれる。空港で無事に会えるかどうかはわからないが、面白いメンバーなので飛行機の中の会話も楽しみだ。
10時過ぎになって、みんな寝に行く。その夜にはちょっとした事件があったが、面倒なのと、ちょっと書きづらいことなので、記憶の中に封印しておこう。
タイに来て、電気も水道もないまさにサバイバル生活をしているが、いろいろあって楽しい。アクティビティに参加することは旅行の中でもっとも好きなことのようだ。怖かったが、一人旅を決行して本当によかった。ここへ来て思えるようになったのは幸せなことだ。
17日目終了
18日目へ
トップへ