愛しておやり

輝いて路地を走る少年の目にも
社会のしくみとからくりと 夢は砕け散るだろう
何かが変わったのか
いつも書物に裏切られ ジプシーに憧れ続けるだろう
陽は沈む 陽は沈む
時は急ぐ
愛しておやり
愛しておやり
愛しても愛しても
愛し過ぎる事は無い

熱く君を愛する恋人の胸には
木陰の寒さと娼婦たちが いつか棲みつくだろう
思いは家を出ても
二度と若さに戻れない
ため息が顔に染みつくだろう
陽は沈む 陽は沈む
時は急ぐ
愛しておやり
愛しておやり
愛しても愛しても
愛し過ぎる事は無い

忙しく働きつくした老人の未来は
群衆の流れにはじかれて 神は遂に姿を見せず
表札はひとつの墓石へと化して
やがて花さえ飾られずに
夏草が周りに繁る事だろう
陽は沈む 陽は沈む
時は急ぐ
愛しておやり
愛しておやり
愛しても愛しても
愛し過ぎる事は無い


1980年春のコンサートで歌われた歌です。

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