私と秋とタバコ

私はタバコが好きなのです
人指し指と親指で
チョイとつまんでふかしたら
街へ出たくなりました
街は9月の風の歌
短い夏の思い出が
夕焼け雲と一緒に何処かへ消えました
タバコノ煙も何処かへ消えました

私はタバコが好きなのです
まるいわっかを作ったら
フッとため息つくのです
めぐる思いに目を閉じて
赤いレンガのお店では
木彫りの人形たちでさえ
私の耳に淋しくないかとささやいているのです
木の葉の唄が 聞こえてきますよ

私はタバコが好きなのです
タバコを消すのがイヤなのです
次の思い出が浮かぶから
短い秋を知りました
街は9月のビルの中
心の中を走り去る
忘れた夏と一緒に次の季節がやってきて
灰皿の中のタバコも消えました

1970年代前半に作られた歌です。


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