私はタバコが好きなのです 人指し指と親指で チョイとつまんでふかしたら 街へ出たくなりました 街は9月の風の歌 短い夏の思い出が 夕焼け雲と一緒に何処かへ消えました タバコノ煙も何処かへ消えました 私はタバコが好きなのです まるいわっかを作ったら フッとため息つくのです めぐる思いに目を閉じて 赤いレンガのお店では 木彫りの人形たちでさえ 私の耳に淋しくないかとささやいているのです 木の葉の唄が 聞こえてきますよ 私はタバコが好きなのです タバコを消すのがイヤなのです 次の思い出が浮かぶから 短い秋を知りました 街は9月のビルの中 心の中を走り去る 忘れた夏と一緒に次の季節がやってきて 灰皿の中のタバコも消えました