7年後のもう寝ます

おきてても なんにもいいことないみたい
なんてこと 云ってたフォークのプリンスも
早いもの あれから既に7年もたち
いつからか なぜか眠れない人となり
人間の 一生なんて短いんだから
意地でも おきていたいと思いだし
夜がくりゃ フラリフラリと街へでて
酒を呑み わけもないのにケンカして
あの頃の よしだたくろうだったなら
おとなしく「もう寝ますアーメン」なのに
眠られず とても夜には眠られず
いつからか 午前様のあだ名つき
朝帰り 今日も今日とて朝帰り
女のコ 見ると目つきが充血し
そのうえに 口もとまでがおぼつかず
自分でも 何が云いたいのかサッパリわからなくなり
そのうえに 水割りグラスを持つ手さえ
震えてる あれ又これ又アル中かいな
そのうえに ヨダレもジャンジャン落ちもして
この姿 7年前のフォークの貴公子
そのうえに 男はえらいと思いこみ
女のコ 見るとお尻をさわさわり
嬉しいか 嬉しいだろう 喜べ 喜ばぬかこの女
喜べば 喜べ 喜ぶとき 喜ばしはりたおされ
ある時は 金沢あたりまで遠出して
もう寝ます ところが20日も眠られず
ある時は 篠島 つま恋 中津川
ようするに 眠らないのが癖になり
そうなると 他人様まで巻き込んで
眠いのに 朝までヤルゾと叫んだり
デンワなど かかってこぬならこちらから
かけてやる それでも済まぬと誘いだす
ようするに 早い話が夜と昼
ようするに 夜と昼とが逆になり
ようするに 何年か前の僕の唄
夜がきて することもないから寝るという
あの唄を 昼間に変えただけのこと
あの頃と 同じ気持ちで手をあわせ
神様に ひざまづきつつ祈ります
おきてても なんにもいいことないみたい
当たり前 あれだけやれば目もかすむ
眠りましょ 眠りの森の美女になりきって
夜がくる それまでぐっすり眠ります
アーメン 


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