女教師小説
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癒しの儀式


きっと、それは奇妙な光景だった。

無表情の初老の男に寄り掛かるように
足元がおぼつかない若い女が、他に誰もいない廊下をよろよろと歩いている。
女の頬は赤く染まり、微熱を帯びた視線は弱々しく宙を彷徨っている。
そして男は女のよろめく身体を支えながら、彼女の歩調に合わせていた。
その姿は、まるで深夜の繁華街からホテル街へと流れる
訳ありのカップルのようだったけれど、ここは中学校の廊下・・・。
壁を挟んだ教室から漏れ聞こえる微かな授業の声が違和感をさらに煽っていた。

「お願いです・・・少しだけ、少しだけ休ませてください」

担任のクラスを後にして、何度目かの懇願に彼の足が止まる。
でも、それは私への優しさではない事はすぐに思い知らされる。
「・・・・ぁあっ」
短い休憩の代償に、彼の大きな手が私のお尻へと伸びてくる。
「どうしました? ここで出して差し上げましょうか??」
スカートの上からお尻の肉感を弄りながら、彼は冷たい表情で見下ろす。
「そんな・・・っ」
顔を上げて首を巡らすと、教室の曇りガラスに
授業を受けている生徒達の影が浮かんでいる。
「田辺先生さえよければ、どこでも構いませんよ」


そう、彼には全て見透かされているんだわ。

今、彼の手が弄っているお尻の奥で
アナルボールが与える激しい疼きに全身が身悶えている事も・・・
それ以前に、授業中に関わらず生徒達のいる教室で
現実の疼きと虚構の妄想の中に、破滅寸前まで埋没しかけた事も・・・。

きっと、彼の計算の通りなんだわ。
このお尻を辱めてる道具が、どんな風に効いてくるのか
私の反応を観察して、教室で破滅しそうになった時
タイミングよく現れる。
彼が授業中に校内を歩いても
立ち止まって教室の一つを覗ってても決して怪しまれたりしない。
そして、影でほくそえみながら
私が肉体的に逃げ出せなくまで追い込んだんだわ。
今は・・・もう、彼から逃げ出せない。
彼の思う通りに弄ばれて・・・辱められる・・・・。


「・・・い、いえ、もう少し歩けますから、ここじゃ駄目」
彼のシャツを握り締めて身を起こす。
「せめて、トイレで・・・お願いします・・・」
目を合わさずにそう言うと、私はシャツを握ったまま歩き出した。
でも、彼のサディスティックな欲求はそれだけでは満足しない。

「・・・・はぅ!」

お尻から沸き起こった刺激に、全身の力が抜けて
私は彼にしがみ付いた。
「どうされたのですか? 本当に具合が悪そうですね」
撫で回していただけの彼の手が、急に力を込めてお尻の肉を掴む!
「・・・だ、だめです・・・お願い、ここじゃ・・・」

彼が本気じゃない事は分かってる。
静かな廊下に大きな喘ぎ声を響かせて、この都合のいい状況を
彼が自分から壊す程愚かじゃないと分かってても
そう言わずにいられない程、私は追い詰められていた。

「私が差し上げたアナルボールで・・・
 お尻の穴で感じてらっしゃるのですか?」
「・・・・・・」

認めたくない・・・ううん、それ以上に認められない!
素直に言えば、従順な振りをすれば
少しはこの状況から抜け出せるかもしれないけれど
心から憎むべき相手に、自分の恥部を曝す勇気はすぐに持てなかった。

「違うんでしたら、構いませんよね? ここで取り出して差し上げても」
「ぁあ・・・・いや!」
スカートの上からでも、彼の指の先に少しずつ力が篭ってくるのが分かる。
「声が出そうなんですか?? セックスする時に上げる淫らな声が」
「・・・・そう、です。そうなんです・・・だから・・・」
曇りガラスに映った、揺れる生徒の影を見つめながら
私はとうとう心の奥を吐露して懇願してしまった。


気が気じゃなかった。
いつ、すりガラスの向こうで蠢く二つの影に
窓際の生徒が興味をそそられてしまうか・・・。
いつ教師の目を盗んで、ガラス窓をほんの少し開けて
廊下を覗う勇気を持ってしまうのか・・・。
言い逃れは出来るかもしれない・・・だけど
きっと今の私の顔を見たら、彼は本能的に別の理由を思い浮かべるに違いないわ。
だから・・・言わなきゃいけないの!
本当の事・・・恥ずべき道具で・・・こんなにも感じてしまってる事。

「それ以上されたら、きっと・・・声が・・・」
「感じてるんですね? お尻をアナルボールに犯されながら」
「・・・・はい、私、こんなに・・・」

彼を喜ばせる演技なんて出来なかった。
途切れ途切れの擦れた声で、身体の奥底で渦巻いている官能的な疼きを
正直に彼に伝えるしか出来なかったの。

「お願いです、これ以上はもう・・・私、おかしくなっちゃう・・・」
「スカートの中は、愛液でベトベトなんですね?」
「ええ、濡れてます・・・いっぱい・・・下着が、こんなに・・・」

ストッキングの上にまで染み出した恥ずべき汁は
まるで小水のように内腿までもベットリと濡れ染みを作ってしまってた。

「じゃあ、今すぐして欲しいんですね? 私は構いませんよ」
「ち、違います・・・! そうじゃないんです・・・・」
お尻を弄んでいる手に再び力が入る!
「・・・はぁっ、だ、だめぇ・・・・ぇぇ」
歯を食いしばって、背筋から駆け上がってくる
甘美な刺激を跳ね返そうとしても駄目!
糸を引くような喘ぎ声が、静まり返った廊下に響いてしまう。

その声を耳にしてしまったのか、すりガラスの向こうで
影の一つが身じろぎするのに私は気付いた。


このままじゃ・・・このままじゃ、本当に駄目よ!
これ以上刺激されたら・・・過敏になったアソコを弄られたら!!
開け放たれた窓の向こうに並んだ顔、全てが私を驚きの表情で見つめてしまう。
そして、彼らの目の前で・・・・私は、果ててしまうの!?

「トイレへ・・・トイレまで行かせて下さい・・・そこでなら・・・」
「そこでなら?」

もう迷ってなんていられないの!
憎むべき相手でも・・・今の状況から救ってくれるのなら、誰でも構わないわ!

「好きに・・・して下さい・・・私を、あなたの好きに・・・・」

もっと酷い辱めを受けても構わない!
セックス・・・ぁあ、また犯されるんだわ・・・あの凶器のようなペニスで
また貫かれて・・・しまう!
あの息も出来ないほどの圧迫感の中、何度も押し寄せてくる絶頂の波・・・。
一度果てても、すぐにまた襲ってくるの。
彼が果てるまで・・・彼が満足するまで・・・私・・・何度も・・・・・。


「・・・・・ぁ」


その時だった、まるで我慢してた小水が何かのきっかけで
ほんの少し零れ落ちた時のような、ゾクっ!とした感じ。
背中の神経を直接刷毛で撫でられたような刺激に
私は小さな戸惑いの声を上げていた。

あぁっ、どうして・・・どうして溢れ出すの!?
もう十分すぎるほど濡れてしまってるのに
なぜ・・・こんなにまた!
これから陵辱されるって分かってるのに!

・・・ああ、それとも、分かってるからなの??
分かっていて・・・身体が・・・反応して・・・・。
そんな事って・・・そんな事って・・・・!


「・・・・いいでしょう、好きにさせてもらいますよ」
「・・・・あっ!」

不意に、彼の太い腕が私を抱えるように強く抱き締めた!
脚にまるで力が入っていなかった私は
彼の分厚い胸の中にすっぽりと収まる。
痛いほどの抱擁・・・でも、その中で・・・私は・・・・。

「ぁ・・・ぁあ・・・はぁぅぅ・・・・ン!」

彼のシャツに顔を埋めながら、子猫のような甘えた声を上げる私。
授業中から続いていた強い緊張感が、抱擁によって一気に解き放たれる。
男臭い胸の中で、力強く抱擁されながら果ててしまった私は
痺れるような性的興奮と奇妙な安らぎを同時に味わっていた。





<癒しの儀式・終>

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