2.ラスベガス万歳(夜の部)


テーマホテル見物も一段落してフラミンゴ・ヒルトンの部屋でくつろいだみやーん&やっすんは、期待のアトラクション「フリーモント・ストリート・エクスペリエンス」を見物しに出掛けることにした。もちろんJTBの無料トロリーバスで行くのだが、乗り場は向かいのホテル「シーザーズ・パレス」前である。いくら向かいまでとはいえ、アメリカで夜に出歩くのは緊張する。もしナイフで刺されたら、もし銃で撃たれたら、そしてもしロングコートの中から変なモノを見せられたら、と思うと非常に恐いではないか!"もしそんな事態になったら、迷わずやっすんを犠牲にしよう" と覚悟を決め、みやーんは「行くぜ!」とドアをあけ、間違ってエレベーターと反対の方に歩いていった。

「夜の街はとっても危険だ。いいか、やっすん、気を抜くんじゃあないぜ!」とアクション俳優ばりに注意を促すみやーん。その言葉にますます緊張するやっすん。そんな風に気合を入れて、ホテルを出てきた二人の眼に飛び込んできたのは、この景色だった!

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みやーんとやっすんが、思いっきり込めた気合いは、ラスベガスの夜の姿の、ほんのひとコマに、いとも簡単に吹き飛ばされてしまった。「うっ!うっわー!キ、キレー・・・」ポカーンと大口を開けてネオンを見つめる二人。「キレーだなー・・・」もしあなたがこの瞬間の二人を見たなら、いや、ナイフを持った強盗も、銃を握った殺人犯も、ロングコートの変質者さえも、この二人には恐ろしくて近づけなかったであろう。それ程だらしない顔でネオンをみつめていた二人は、しかし、ついに理解したのだ。ラスベガスの本当の魅力は、”不夜城”と形容される程の、この下品なまでの派手な美しさであるのだ、と。「ううー、ううー、いいぞーぅ!すっごぉーく、いいぞーぅ!」みやーんも、やっすんも、いつしかこの素晴らしさに、すっかり魅了されてしまっていた・・・

「今日は無理だけど、明日は夜になったら絶対歩き回るぞー!」バスに乗り込んでからも、興奮覚めやらぬ二人。もう、疲れも忘れて異常な状態である。でもバスは、そんな危険な二人を乗せて、フリーモントSt.に到着した。「おー、あのアーケードの所がフリーモントSt.やなあ。行っくぜーい!」ウッキーと突進する二人。ついに、フリーモントSt.に到着だ!

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カジノでスロット回しながら、エクスペリエンスが始まるのをワクワクしながら待つ二人。「お。そろそろ時間でっせ」予定時間の5分前からグッドなポイントを押さえる二人。そしていよいよ、光と音の一大ページェント、「フリーモント・ストリート・エクスペリエンス」が始まったのだ!

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シナトラの歌声が大音量で鳴り響く中、アーケードに取り付けられた電球たちが鮮やかなムービーを映し出して、もう踊り出したくなってしまうみやーん。またも口を開けてアーケードを見つめるやっすん。二人とも、もうラスベガスの魅力にメロメロになってしまっていた。