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朝日新聞が認めた、「マスコミの世論調査は“世論操作”」−自分のことを棚に上げて他人を批判する朝日新聞−

 5月14日野朝日新聞は、「集団的自衛権の世論調査、各社で違い 選択肢数など影響」という見出しで、次のように報じていました。
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集団的自衛権の世論調査、各社で違い 選択肢数など影響
朝日新聞 2014年5月14日00時13分 山下剛

集団的自衛権の行使についての報道各社の世論調査の選択肢と回答
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 安倍首相が目指す憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は政治の最大の焦点になっている。それだけに、報道各社は
電話による世論調査でこの問題について質問し、民意を探ろうとしているが、調査結果には大きな違いがあるようにみえる。世論調査の回答は、質問の順番文章などに影響されることがあり、今回は選択肢の立て方や文言が異なっていることが大きそうだ。

 4月中旬の共同通信、日本経済新聞・テレビ東京、朝日新聞の調査は、集団的自衛権について説明した上で、憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにすることに「賛成」か「反対」か、二択で尋ねている。結果は多少異なるものの、いずれも「反対」が「賛成」を上回るという傾向は一致している。

 一方、毎日新聞、産経新聞・FNN、読売新聞の調査では選択肢は三つ。集団的自衛権の行使を必要最小限に限るとする、いわゆる「限定容認論」を選択肢に加えたのが特徴で、「全面的に使えるようにすべきだ」「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」「使えるようにする必要はない」といった三択になっている。

 結果をみると、「全面」賛成派は1割前後にとどまるが、「限定」賛成派は最多の4〜6割。反対派は2〜4割だった。「全面」と「限定」を合わせると、賛成派は反対派を上回る。

 二択では反対派が多数なのに、三択になると賛成派が多数になるのはなぜか。

 まず、三択で賛成の選択肢が二つ、反対の選択肢が一つと選択肢の数が異なると、選択肢の多い方が回答の比率は高くなる傾向がある。

 さらに、集団的自衛権の問題は、多くの国民にとって理解が難しい面があるのは確かだ。こうした問題で選択肢が三つ以上あると、中間的な選択肢に回答が集まりがちだ。また、「必要最小限の公共事業」「必要最小限の国民負担」という言葉を思い浮かべれば分かるように、「必要最小限」という文言が加わると、反対しにくくなる。

 NHKの4月中旬の調査は選択肢は四つ。「憲法を改正して」と「政府の憲法解釈を変えて」を合わせた「行使を認めるべきだ」は34%で、「政府の憲法解釈と同じく」と「集団的自衛権自体を」を合わせた「認めるべきではない」は42%。反対派が賛成派を少し上回った。

 一方、選択肢に「どちらともいえない」が加わった5月9〜11日の調査では、「どちらともいえない」が最多になった。

 日本が集団的自衛権を「行使できるようにすべきだ」は30%、「行使できるようにすべきではない」は23%で、「どちらともいえない」は37%。憲法解釈を変更することで集団的自衛権を行使できるようにするという考えについては「賛成」27%、「反対」30%で、「どちらともいえない」は36%だった。(山下剛)

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 《埼玉大の松本正生・社会調査研究センター長(政治意識論)の話》 集団的自衛権は難しいテーマなので、報道各社の調査結果に違いがあるのは、有権者がまだ明確な意思を持ち合わせておらず、世論が熟成していないことを示しているのではないか。各社の質問文や選択肢の設け方によって出てきた様々な数字から、世論の多面的な側面を読み取ることができる、ともいえる。そこにこそ、各社がそれぞれ調査を実施する意義がある。
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 ここで朝日新聞が言っていることは、画期的なことだと思います。つまり、「
世論調査は、質問の仕方(設問の設定、回答選択肢の設定)で大きく左右される(どうにでもなる)」と言うことを、マスコミの当事者自身が認めたと言うことです。

 朝日新聞は選択肢の数だけを捉えて、あたかも自社の「賛成」、「反対」だけの単純な回答選択肢の方が客観的、公正であるかのように言っていますが、朝日新聞の世論調査はいつも「賛成」、「反対」の2者択一かというと、決してそうではありません。
(参照)A23 世論調査、日本とアメリカの違い
     A16 朝日新聞の世論調査は「世論操作」
 今回はたまたま、反対が多いという結果を出したかったが為に、「賛成」、「反対」の2者択一にした可能性が十分あります。他人を批判する資格はありません。

 また単純に選択肢の数だけの問題ではありません。どういう質問をして、どういう回答選択肢を用意するかによって大きく左右されます。当然設問自体の聞き方にもよりますが、朝日新聞の記事は肝心な各社の設問を報じていません。
 設問と選択肢の適切性が大事で、回答者を誘導したり、人によって受け取り方が違ったり誤解を生じさせる余地がなく、調査者が恣意的な解釈をする余地がないことが重要です。

 また、各社の世論調査が電話でなされていますが、その時に質問者が全員に同じ質問・説明をしているかどうか、何かを“補足説明”していないかも重要です。もしあったとすれば、それらにより回答が大きく左右される恐れがあります。
 なお、朝日と毎日は図表の白色の部分の記入がなく、回答割合の合計が100%になりませんが、これは。一体何を意味しているのでしょうか。

平成26年7月4日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ