C97
最高裁の女性判事全員が「旧姓」使用者 −“公私別姓”は許されるのか 司法の常識は国民の非常識−

11月7日の読賣新聞は、「宮川最高裁判事が就任会見」と言う見出しで、次の様に報じていました。
------------------------------------------------------------------------------------
宮川最高裁判事が就任会見
2023年11月7日  読売

 6日付で
最高裁判事に就任した弁護士の宮川美津子氏(63)が同日、記者会見し、「他の判事と十分に議論し、公平で妥当な判断ができるよう努めたい」と抱負を語った。宮川氏は東大法学部を卒業後、1986年に弁護士登録した。知的財産分野が専門で、日本弁護士連合会の知的財産センター委員長などを歴任。会見では「知財の仕事が回ってくれば、これまでの経験や知識を共有し、議論をリードしていけるのではないか」と述べた。

 
女性の最高裁判事は9人目。現在の最高裁の裁判官15人のうち、女性は3人となり、宮川氏は第1小法廷に配属された。三つの小法廷に1人ずつ女性がいることになった。他の女性判事と同様に旧姓を使用する。
------------------------------------------------------------------------------------

 まず女性3人の内
3人共全員が“旧姓”と聞いて大変驚きました。同時にやっぱりそうだったのかと言う気がしました。
 と言うのは、数年前に
最高裁が、判事が本名でなく「旧姓」公文書に使用することを認めるという報道があったからです。その場合は判決文に書かれている氏名は現実には存在しない「旧姓」であり、現実のどこの誰なのかは誰にもわからないと言うことです。

 その時はこう言う
重要なことが、法律によらずして、役所の判断で決定・実現されて良いものかと不快感を禁じ得ませんでした。
 それが最高裁のレベルまで、しかも(偶然ではなく?)最高裁の
女性判事全員が旧姓使用者とは、改めて「司法の常識は国民の非常識」であると実感しました。

 うっかりすると旧姓使用が
「職場だけ」で有れば、このような“旧姓容認”の判断もあるのかと言う気がしてしまいますが、公務員、官庁であればやはり本来許されない行為で、お門違い“三権分立”という気がします。また、違憲か合憲かは司法が判断するという点から、司法が最高意志決定機関であるという妄想が司法に蔓延している様に感じられます。

 また、
「職場」だけというのであれば、動機が夫婦別姓ではなく“公私”別姓ではないのかという気がしてきます。夫婦別姓ではなく、職場以外では夫婦同姓で生活しているものの、地元の人などには職業上のことを知られたくないし、反対に職場では私生活のことは知られたくないとして、職場では本名を使わない選択をしているのではないかと言うことです。
 
公私で二つの名前を使い分けるとは、二重人格的な極めて無責任な生き方で、高位の公務員がすることではないと思います。

(参照) I98 “夫婦”別姓にとどまらない「夫婦別姓」問題の問題点 −“制度的”夫婦別姓国家である中・韓両国は“ジェンダーフリーの先進国”か−

令和5年11月7日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ