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日本の防衛予算大増額についてのアメリカの説得(圧力)の有無よりも、日韓問題への説得(圧力)の方が問題(悪質)である。

 6月23日と6月29日のNHKテレビニュースは、「日本の防衛費増額『私が説得』バイデン氏 大統領選にアピール」、「米バイデン大統領 日本の防衛費増額『説得』発言を訂正」と言うタイトルでず、次の様に報じていました。
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日本の防衛費増額「私が説得」バイデン氏 大統領選にアピール
2023年6月23日 13時56分 NHK

 アメリカのバイデン大統領は来年の大統領選挙に向けた会合で、日本の防衛費の増額について「私は3回日本の指導者と会い、
説得した」などと述べて自身が働きかけた成果だとアピールしました。

 来年の大統領選挙で再選を目指すアメリカのバイデン大統領は選挙活動を本格的に始めていて、20日、西部カリフォルニア州で支持者を集めた会合で演説しました。

 ホワイトハウスによりますとバイデン大統領は会合で日本の防衛費の増額について「日本は長い間、防衛予算を増やしてこなかったが私は広島を含めて3回、
日本の指導者と会った。私は彼を説得し彼自身も何か違うことをしなければならないと考えた。日本は防衛予算を飛躍的に増やした」と述べて自身が岸田総理大臣に直接、働きかけた成果だとアピールしました。

 またバイデン大統領は19日に開いた会合でも「私は
日本の韓国に対する姿勢防衛予算、そしてヨーロッパでの関与変えようとしてきた。今まで起こらなかったことが実現した」と述べていて、大統領選挙に向けて日本の政策決定に自身の関与が影響しているとアピールする場面が目立っています。

 松野官房長官
防衛費の増額わが国自身の判断」
松野官房長官は午前の記者会見で「発言の真意は明らかではないが発言を受け、わが国の防衛費の増額はわが国自身の判断によるものだという事実と、発言は誤解を招き得るものだったという日本の立場をアメリカ側に説明した。アメリカ側からは日本の防衛費の増額は日本自身の判断だったという認識が示された」と述べました。
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米バイデン大統領 日本の防衛費増額「説得」発言を訂正
2023年6月29日 11時08分 NHK

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 アメリカのバイデン大統領が
日本の防衛費増額について、みずからが日本を「説得した」と発言したことについてバイデン大統領は27日、「説得の必要はなかった」とした上で「岸田総理大臣すでに増額を決断していた」と述べ、発言を訂正しました。

 アメリカのバイデン大統領は今月20日、日本の防衛費増額について
「私が説得した」などと発言しました。

 これに対して松野官房長官は23日、「増額は
わが国自身の判断によるものだという事実と、発言は誤解を招き得るものだったという立場をアメリカ側に説明した」と述べました。

バイデン大統領は27日、東部メリーランド州で民主党の支持者を前に「岸田総理大臣は私の説得を必要としていなかった。彼はすでに増額を決断していた」と述べ発言を訂正しました。

これはホワイトハウスが28日に公開した発言記録で明らかになったもので、日本側の申し入れもあり、発言を訂正したものとみられます。
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 私が「A250読売新聞のフェイクニュース −岸田総理が一年間訪米できなかった理由−」に書いたように、
岸田総理の就任後の初訪米は、約一年遅れました。理由は単に日程調整が付かずとだけ報じられていましたが、岸田総理の曖昧な姿勢、特に親中的な姿勢“活を入れる”ためであったと思います。
 そこで岸田総理はアメリカの意向を汲んで大規模な、中国を睨んだ
防衛力増強を約束し、ようやく訪米が実現しました。

 従って今回バイデン大統領が
「説得した(圧力を掛けた)」という部分は事実であり、間違いではなかったと思います。しかし、岸田総理としては、「アメリカの言いなりになった」と言われるのは、国会対策(世論対策)上聞き捨て出来ません。それで“申し入れ”となりましたが、実はこれはアメリカにとって“渡りに船”か、もしかしたらこうなることを期待して(見越して)「説得した」と言ったのかも知れません。
 なぜなら、そうすれば
日本が自ら、「自分の意志だ」と言って「アメリカの圧力」を否定するのですから、“選挙”のことを別にすればこの方がアメリカにとっては好都合です。そう考えれば日本としては、「圧力」は受け入れられないものの、「自分の意志だ」と主張するよりも「緊密な連携」ぐらいにしておいた方が良かったのではないでしょうか。
 
目先の“世論対策”しか視野に入らない岸田政権ならではです。

 一方で、日本政府はこのうち
「日本の韓国に対する姿勢を変えようとしてきた」については何も申し入れをしていないようですが、これは事実と認めると言うことなのでしょうか。
 最近韓国への「ホワイト国復活」(輸出規制の解除)、通貨スワップの再開等の
韓国の要求に沿った日韓外交の展開が続いており、国民に詳しい説明・報道がありませんが、「アメリカの介入」が事実なら、これは看過できない発言で、真偽、詳細を確かめる必要があります。しかるにNHKは何の問題意識も示していません。

 日本の防衛予算大増額についてのアメリカの説得(圧力)の有無は、世界の情勢を見ればいずれであっても日本の進むべき道に
大きな誤りはありませんが、“日韓の対立”はもともと第二次大戦後両国を占領したアメリカが竹島を地図上韓国側としたのを始め、自国の利益のために韓国人の被害者意識(劣等感)を煽り、意図して実現したものです。

 そしてその後
続発する両国間の対立に対してアメリカがした事は、アメリカ政府は表向きは沈黙し、議会とマスコミが日本叩きに力を注ぎ、両国の対立が拡大するのを座視し、タイミングを見計らって密かに双方に別々に口を出し、その結果双方がアメリカの意を迎えようアメリカの言うことを良く聞くようになることにより利益を得るという、極めて悪質なものです。
 アメリカが日韓の
対立解消・緩和に向けて何かをする事は決してなく、反対に対立の火が消滅しないように細心の注意を払っています。

 NHK以下の日本のマスコミの沈黙は
国民に対する背信行為です。

令和5年6月30日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ

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令和571日 追記

 下記の通り韓国人はホワイト復帰と、スワップ再開に日本に勝ったとして大喜びしています。アメリカの関与の可能性は極めて高いと思います。 

韓国経済圧力は逆効果」教訓に金融にまで広がった韓日関係改善、変化した日本 | Joongang Ilbo | 中央日報 (joins.com)