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バイデン大統領は日本被団協のノーベル平和賞受賞に対する、自分の「祝意表明」を日本国民が喜ぶと思っているのか -日本は無反応で良いのか-
10月14日のNHKテレビニュースは「米バイデン大統領 ノーベル平和賞に選ばれた日本被団協に祝意」と言うタイトルで、次の様に報じていました。
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米バイデン大統領 ノーベル平和賞に選ばれた日本被団協に祝意
2024年10月14日 10時52分 NHK
ことしのノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことについてアメリカのバイデン大統領が声明を発表し、「核兵器が二度と使用されることがないようにするための歴史的な活動が評価され、ノーベル平和賞に選ばれたことをアメリカを代表して心からお祝いする」と祝意を示しました。
ことしのノーベル平和賞に日本被団協が選ばれたことを受けて、アメリカのホワイトハウスは13日、バイデン大統領の声明を発表しました。
声明では「日本被団協のメンバーは、核兵器がもたらす壊滅的な被害を、人類が耳を傾けるべき話として伝える役割を何十年にもわたって果たしてきた。核兵器が二度と使用されることがないようにするための歴史的な活動が評価され、ノーベル平和賞に選ばれたことをアメリカを代表して心からお祝いする」と祝意を示しています。
そのうえで去年5月の広島訪問にふれ、「被爆者の方とお会いした際に強く感じたように私たちは世界から核兵器を最終的、かつ永久に廃絶する日を目指し、前進を続けなければならない」と訴えています。
バイデン大統領は去年、広島を訪問した際にも原爆資料館の芳名録に同様の内容を記帳していて、核廃絶に向けたみずからの思いを改めて表明した形です。
バイデン大統領は、今回の声明で「アメリカは核の脅威を減らしていくために前提条件なしにロシア、中国、北朝鮮と協議を行う用意がある」としていますが、世界では核兵器の脅威が高まっていてその道筋は険しいままとなっています。
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バイデン大統領は自分の「お祝いの言葉」を日本人が喜ぶと思っているのだろうか。
「原爆」をテーマに、アメリカの大統領が日本人に言いたいことが有るのなら、その前に言う事があるだろう。それは「謝罪」だ。
それなくして「お祝い」とは日本人に対する原爆投下(無差別大量殺戮)を祝っているかのようにしか聞こえない。
アメリカはバイデンが言うように、核兵器は忌むべき非人道的兵器と認識しているのだ。そして、アメリカは世界で唯一その非人道的兵器を実戦で使用した国で、世界で唯一その非人道的兵器の犠牲になったのが日本だ。日本はその経験に基づき、その非人道的兵器の廃絶を求めて来た国で、それが評価されたのが今回の受賞である。
バイデンは「二度と使用されることがないように」と言うが、“一度”は良いのか。(厳密に言えば長崎は二度目だ)。
世界で唯一その兵器を使用した国が、その唯一の被害国民である日本人の活動の受賞を祝福するとはどこかが狂っているとしか言えない。自分たちのした非人道的行為を誤魔化して隠蔽する為の行為ではないのか。
アメリカは「反省」していないどころか、今でも核兵器の廃棄を否定をしているだけでなく、核兵器の先制使用も否定していない。そんな国が反省・謝罪の言葉もなく、日本に対して「お祝いの言葉」とは何を考えて居るのかと思う。
このような「お祝いの言葉」に対して、それを何も言わずに受け入れる日本は、精神状態が病んでいると言うべきだ。
しかし、NHKの報道にはそのような思いは微塵も感じられない。「世界では」というだけで、日本人の視点は欠落している。
令和6年10月19日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ