G44
「わいせつ教師」問題、教育委員会による教育の“独立・中立”が行き着いた所は、「学校・教育の荒廃」でしかない(その2) −マスコミは教師のわいせつ事件を、教師の実名で、顔写真付きで報道すべき−

 12月29日の読売新聞は、「【独自】免許失効教員の官報不掲載61人、うち46人がわいせつ事案」と言う見出しで、次の様に報じていました。
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【独自】免許失効教員の官報不掲載61人、うち46人がわいせつ事案
20201229 0500 読売
許すな わいせつ教員
 
懲戒免職などで教員免許を失効した教員について、教員免許法官報氏名の掲載が義務づけられているにもかかわらず、2019年度までの10年間に、10都道府県の教育委員会で計61人の不掲載があったことが読売新聞の全国調査でわかった。このうちわいせつ事案は46人に上る。一部の教委は「被害者保護」を理由に独自の判断で掲載を見送っていたことも判明した。



 官報に掲載された
教員免許失効者の情報は、文部科学省の「官報情報検索ツール」に取り込まれ、各地の教委が教員採用時に処分歴を確認する際に活用されている。文科省は「掲載漏れがあると処分歴が確認できない。法律上の手続きであり、速やかに掲載してほしい」と求めている。

 官報への不掲載は11月に
沖縄県で発覚し、読売新聞は今月、全都道府県教委に調査を実施。大阪で13人、千葉で12人、沖縄で11人、宮城で10人、北海道で6人、広島で4人、岐阜で2人、東京、佐賀、熊本で各1人の不掲載が判明し、うち46人がわいせつ事案だった。

 千葉、宮城、佐賀、熊本の4県教委では、不掲載だった計24人の教員
すべてが児童生徒へのわいせつ行為による免許失効者だった。4教委は不掲載の理由を「官報に教員の氏名が載ると被害者が特定される恐れがある」と説明している。

 16〜19年度の12人分を掲載していなかった千葉県教委の担当者は「
被害者の卒業後など特定されない時期を見計らって掲載する予定だった」と話している。

 残る6教委のうち5教委は手続き上のミス、1教委は原因を調査中という。

 中京大法務総合教育研究機構の柳本祐加子教授の話「教員の処分歴を官報で公告するのは、その教員が再び教壇に立とうとする際に採用側の判断材料とするためだ。地域により
不掲載だったり、被害者保護を理由に掲載を遅らせたりすることは結果的に加害教員を守っていると受け取られかねない。法に基づき、すべての処分情報を掲載すべきだ」
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 各地の
教育委員会が、意図的に法律により定められている官報への掲載義務を怠り、それがわいせつ教師の教職復帰に繋がっていることは、明白な法律違反であり、厳しく指摘・非難・処罰されるべきです。

 読売新聞は「
教育委員会による組織的・意図的な官報不掲載」を特に重視していますが、この「わいせつ教員」問題の背景に、単なる教師の劣化に止まらない、教育委員会の劣化が潜んでいることをあぶり出す指摘は、問題の本質に迫る意義有るものだと思います。
 そしてさらに、この違法行為が
特定の府県に集中していることにも、併せて注目・議論すべきだと思います。

 しかし一方で、仮に官報への掲載が漏れていても、
新聞・テレビなどのマスコミが、「教師による児童・生徒へのわいせつ行為」を重大犯罪として認識し、“犯人”の教師を実名・顔写真入りで報じていれば、“官報不掲載”の悪影響(わいせつ教師の教職復帰)はかなり防ぐことは出来たと思います。

 それ以外にもマスコミが国民に伝える情報の不足例は有ります。G43の(その2)のNHKの報道に中で、教師による
わいせつ事件の増加のデータをグラフで紹介する部分がありますが、その中で教師に対する措置として、「処分」「懲戒」「訓告」などの用語が何の説明もなく使われていますが、これでは処罰が厳しいのか甘いのか、肝心なことが何も分かりません。

 マスコミもわいせつ教師の
隠蔽に、一役買っていた一面がある事は否定出来ません。今後は必ず実名・顔写真入りで報じるべきです。

令和3年1月7日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ